2047.J・エドガー
アメリカ連邦捜査局を創設して、半世紀ものあいだ長官を務めたJ・エドガー・フーバーの伝記映画。
「8人の大統領が恐れた男」といわれるフーバーの真実の姿は、アメリカ近・現代史の裏面を語る。
FBIは右の紋章ににも記されているように、司法省所属の機関。
といっても半ば独立した組織で、国家の安全に関わる公安事件や政府当局者の汚職、誘拐など複数の洲にまたがる広域事件、銀行強盗など巨大犯罪を捜査する。
1924年、フーバーが29才で司法省捜査局長に任じられてのがその始まりとされるが、彼の指導によって組織化・綱紀粛正・科学捜査導入など捜査手法の近代化によって、現在は3万人を超える巨大な権力機構となった。
フーバーはFBIの組織力をもって、大統領をはじめ国内外の有力者・著名人のスキャンダルを調査し、その秘密ファイルをもって政治的恐喝を行ったとされる。
「大統領が最も恐れた男」といわれた由縁である。
映画を製作したのは名匠クリント・イーストウッド。
20代から77歳で亡くなるまでのフーバーを、レオナルド・ディカプリオに演じさせ、愛国者・正義の守護神といわれた男の、もうひとつの素顔を緻密な構成と映像で描ききった。
アメリカの安全と正義を守った強い男の素顔、それはマザコンで脅迫観念とコンプレックスに悩む同性愛者でもあったのだ。
映画は人生の終盤にさしかかったフーバー長官が、ゴーストライターに「回顧録」を書き取らせるシーンからはじまる。
彼の語るFBIの歴史、30年代のギャング団壊滅、40年代のスパイ網摘発、50年代の「赤狩り」、そして「リンドバーク幼児誘拐事件」の解決・・・。
そこに、正義感を持った「臆病者の嘘」が散りばめられていく過程を、イーストウッドはクールに描いていく。
ディカプリオはもとより、母親役のオスカー女優ジュディ・デンチ、彼を生涯サポートした副長官役のアーミー・ハマー、個人秘書役ナオミ・ワッツの演技力が、作品を重厚なものにした。
FBIが活躍する多くの映画のような娯楽性はないが、フーバーという一人の人間の強さと弱さがきっちりと描かれているだけに、感動を覚える。








































































































































































































































































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