1408.ゼロの焦点
今年の東京国際映画祭でワールド・プレミアとして特別招待された作品。
「文豪・松本清張、至高のミステリーが映画化。結婚式の直後に疾走した夫、そして連続殺人事件に巻き込まれる妻の運命は?」と紹介される。
松本清張生誕100年記念作品として、東宝が直接製作した作品
だが、リメイク版である。48年前に、松竹が製作して大ヒットした。
主人公の新妻・広末涼子の役は久我美子、会社社長夫人・中谷美紀は高千穂ひづる、会社受付嬢・木村多江は有馬稲子、夫役の西島秀俊は南原宏治だったと記憶している。
松竹版は監督・野村芳太郎、脚本は橋本忍と山田洋次という錚々たるメンバーだったが、今回は、初めてのサスペンス映画を犬童一心が監督・脚本を担当した。
彼は、前作が上映された頃に生まれた世代だけに、今回の作品をミステリーの解明よりも時代全体を描く事に重きを置いている。
作品のキーワードでもある「パンパン」は、もう死語であるし、彼女等を直接知っているのは我々が最後の世代なのだ。
時代設定を原作のまま、昭和30年代半ばに置いているのも犬童の拘りだろう。
リメイク版は、往々にして舞台を現在に置き換えるが、制作費がかさむのを覚悟して当時の金沢を再現した。そのため国内だけでなく、韓国でもロケした。
30年代半ばは、戦後日本が大きく変わろうとしていた転換期である。「パンパン」に象徴される戦後の「ヤミ」に翻弄されながらも、運命に坑う人たちが、殺人を犯しながらも「未来」を求めた時代でもあった。
どんよりとした北陸の重い雲、暗い日本海の波しぶき、能登金剛ヤセの断崖は、そうした人々の心象風景となる。
前作を見た人、原作を読んだ人、4回にわたるテレビ放送('71、'83、'90、'95)を見た人、それぞれによって今回の作品についての感慨は異なるだろう。
清張生誕100年、時は確かに過ぎていく。

















































































































































































































































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