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May 31, 2005

56.五月のシネマ(2)

 「キングダム・オブ・ヘブン」
 「ホロコーストもイラク戦争もパレスチナ問題も、原点は12世紀の十字軍にある」と酒井啓子が新聞に書いていたが、その十字軍を描いた作品。それもキリスト教側からだけでなく、サラセン帝国から見たエルサレムも。中東に理想郷「天国の王国」を求めた主人公(オーランド・ブルーム)、その結末は。

 「デンジャラス・ビューティー2」
 とびっきりの美人でもセクシーでも金髪でもないサンドラ・ブロック主演のコメディーの続編。FBI捜査官の主人公が前回はミス・コンに潜入して活躍したが、今回はFBIの広告塔になって「面が割れているのに」勝手に潜入捜査、誘拐犯を追っかける。製作もサンドラ、なかなかの役者である。

 「クローサー」
 ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライブ・オーウエンの四人とアカデミー賞監督のマイク・ニコラス。これだけ揃ったら観ないわけにはいかない。映像によるセックスシーンを全て省いて、赤裸々な言葉だけで愛欲、嫉妬、情愛、孤独を描く大人の恋愛ドラマ。

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May 30, 2005

55.五月のシネマ(1)

 今月観た映画のなかから、未報告作品の一口コメント。
 「マスク2」
 10年前ジム・キャリー主演で大ヒットしたSFXコメディの続編。今度はジェイミー・ケネディーがマスクを被って変身するが、前作ほどは笑えない。引き続いて「マスク犬」も活躍するが、今回は「マスクベイビー」のほうが主役。

 「バタフライ・エフェクト」
 「北京で一羽の蝶がはばたいたら、ニューヨークでハリケーンが生じる」という「カオスの理論」を映画化したら、こんな作品になってしまった。「君を救うため、ぼくは過去を書きかえる」と、アシュトン・カッチャーが主演と製作総指揮をとる。「映画史上最も切ないハッピーエンドの物語」なのだそうだ。

 「花と蛇2 パリ/静子」
 こちらも団鬼六原作「花と蛇」の続編。石井隆監督、杉本彩主演は同じだが前作ほどの衝撃はない。究極の愛の物語なのか、単なるポルノなのか難しいところ。大ベテラン宍戸錠が裸体になって奮闘。

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May 28, 2005

54.同窓会(2)

 昨日は、高校の同窓会。久し振りに先輩・後輩と会い話しが弾んだ。宇宙惑星研究の権威者、同窓生ドクターの講演がおもしろかった。というより、銀河系惑星のひとつ「地球」の将来についていろいろ考えさせられた。「オゾン層はたった3ミリ、これが破壊されると地球は!」「温暖化とCO2」等々。
 小学校から旧職場まで、生活を共にした人達で集う「同窓会」が、いろいろなレベルで開かれる。小・中学校は同期会かクラス会、大学は専攻とゼミ仲間、職場はプロジェクト等小さなグループで苦労を共にした仲間、そして高校は、先輩・後輩も交えた文字どうりの「同窓会」というのが、私の参加基準である。
 高校時代、自我にめざめ社会への目も開けた。サークルや勉強会で先輩・後輩との付き合いも広がった。その後社会に出てからも、多くの先輩達に助けられた。そして今も何かあると良く杯を交わす。高校生活は、人生の原点であったと言えよう。そんなことを思い浮かべながら、ひとときを楽しんだ。

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May 27, 2005

53.招かれざる客

 役者の平均年齢が68歳という劇団がある。「演劇集団たつのおとしご会」、学習院演劇部のOBたちが16年前に結成した。劇団を主宰し、毎回脚本・演出を担当する元の職場の先輩から案内状が届いたので、今年も日本橋劇場まで出かけた。
 出し物はアガサ・クリスティーの「招かれざる客」、三幕ものの本格的なミステリーである。主演の女優だけは元プロだが、他は元新聞記者、元大学教授、元TVキャスター、会社経営者、主婦たちというアマチュア集団。彼らが3日間5回の公演をこなす。もちろん入場料もとる。
 観たのは初回の舞台。出演者の動きは堅くセリフも詰まるが、75歳のトマス警部役は見事に役をこなし、なかなか良い味を出していた。以前は、日本を舞台にした劇が多かったが、最近は難しい翻訳劇に果敢に取り組んでいる。一昨年のアガサの「ねずみとり」もなかなか面白かった。
 大道具や衣装、照明、音響などプロが担当しているだけにおカネはかかる。入場料収入だけでは、半分も賄えないだろう。出演者たちメンバーが自腹を切りながら、ここまで続けてきた。
 先輩たちの心意気には頭がさがる。
  「たつのおとしご会」は
  http://tatunootosigokai.hp.infoseek.co.jp

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May 26, 2005

52.ひとまく会(2)

 毎月一回、歌舞伎座の四階立見席で最後の一幕を見る「ひとまく会」。千穐楽の前日の所為か午後2時で札留。夕方五時頃から三々五々、いつもの居酒屋に集まってきたメンバー、ある程度は予想していたものの勘三郎人気に少々途惑う。
 玉三郎の「鷺娘」もファンは多いが、やっぱり最後の「研ぎ辰の討たれ」のお目当ての客がほとんどのようだ。その上、野田秀樹が脚本・演出とあってこちらのフアンも押しかけた。指定席は売りだしと同時に全席完売、そのため切符を手に出来なかった客が、「一幕席」に殺到した。
 「研ぎ辰」は、大正14年に初演された「新歌舞伎」。それを野田秀樹が新しい視点で書き直し、4年前新橋演舞場で上演され評判となった。いわば「新作歌舞伎」といえる作品である。
 「歌舞伎の敵討ち狂言には珍しい喜劇仕立てになっており、とにかく面白いのがこの作品の大評判の一因かと思うが、同時に、新しい歌舞伎のあり方などについても、色々考えさせられる作品」と「ひとまく会」を主宰する先輩がこう解説してくれた。「とにかく面白くなければ」という昨今の風潮を危惧する先輩に同感。
 「ひとまく会」が「ひとのみ会」になって、今夜は早めに歌舞伎座を離れた。

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May 25, 2005

51.ベルリンの至宝展

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新聞販売店の懸賞で当った招待券をもって、上野に出かけた。迂闊にもこの券は期限切れ、せっかくなので1400円払って入場した。
 今年は「日本におけるドイツ年」に当るのだそうだ。そして東西ドイツ統一15年。そこでベルリンのシュプレー川の中州にある博物館島の「至宝」を持ってきた。1830年、プロセイン王国のフリードリッヒ四世が建てた博物館をはじめ、この中州には次々と博物館や美術館が建設された。しかしナチの時代と、それに続くベルリン分断によって至宝は散逸、また建物も痛み今再建中である。
 逸品は、写真の「ラファエロの聖母子」や「ボッティチェリのビーナス」など日本初公開のヨーロッパ中世絵画、古代西アジアの「ライオンの装飾レンガ壁」、古代エジプト美術の「セクメト像」(ライオンの頭を持つ女神)や「ティイ王妃像」、「アンティオスの彫像」などギリシャ・ローマ彫刻の数々、展示品は160点にのぼる。
 ただ残念なのは、それぞれの博物館から「至宝」をよせ集めて展示してあるので、どうしても散漫にならざるを得ない。いわば、5回分の展覧会の予告編を見た、というのが正直な感想である。
 ベルリンに一週間ほど滞在して、一館づつゆっくり見学できたら、そんな夢を抱いて帰る。

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50.カンヌ(3)

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カンヌからニース、モナコかけて「鷲の巣村」とよばれる小さな村々が点在する。中世の頃、コート・ダジュールの人達はサラセン人の襲撃を防ぐため、海からは見えない岸壁の陰や、岩山の頂きを要塞で囲って生活の場とした。香水の産地として有名なグラース、陶芸の里ヴァロス、観光地として知られるモナコの隣、エズ等々である。
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 その中でお奨めは、サン・ポール・ド・ヴァンス。カンヌから車で1時間ちょっと、少々不便なところにあるのでツアーの客は少なく、それだけにゆっくり楽しめる。ヴァンスはカンヌの北西、海岸線から北に入ったところにある。オリーブの林に囲まれた岩山に城壁を築き、教会を取り囲むように100戸程が暮している。昔はピカソやマティスなどがよくここを訪れたというが、今はほとんどの家が若い芸術家たちのアトリエにとなっている。

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 村はそんなに広くはない。アトリエや画廊を覗きながらゆっくり歩いても、1時間あれば充分。村に着いたらまず入り口にあるレストランを予約するといい。帰りにここで、ゆっくり南仏料理が楽しめる。ピカソの絵を眺めながらの室内もいいが、大きな無花果の枝の下のテラスを勧める。新鮮で巨大な生野菜やハムとソーセージ、エビやカキなど地中海の産物が、ビックリするほど安い価格で提供される。
 帰りは、路線バスでニースまで1時間、ここから列車で東にいくと30分でイタリア国境の村マントン。詩人ジャン・コクトーで知られている。また西へ20分、ピカソのアトリエのあったアンティーブに着く。カンヌまでは、列車に乗って15分である。


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May 24, 2005

49.カンヌ(2)

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カンヌの沖合いにあるサント・マルグリット島。デュマの小説「鉄火面」の舞台となった監獄要塞の島である。パレの隣にある船着場から、およそ15分で島に渡ることが出来る。ルイ王朝時代からつい最近まで、ここは刑務所として使われ、他には何も無い。現在はフランス陸軍の管理のもと、監獄は往時のまま資料館として残されている。
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 小説ではルイ14世の双子の弟とされる「鉄火面」、その彼が幽閉されていた獄舎は、岸の絶壁に掘られていた。中に入ると、過去この獄に繋がれた人々の名が刻まれている。反逆罪で囚われた、貴族、政治家、僧侶、軍人たちが、二坪足らずの岩穴でほぼ一生を過ごしたという。ここは、終身刑の獄である。
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 海に面した二重の鉄格子の窓から、コート・ダジュールの蒼い空だけが見える。囚人たちを慰めたであろう緑の蔦が、今も格子に絡まっていた。

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May 23, 2005

48.カンヌ

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第58回カンヌ国際映画祭の受賞作品が決まった。「ザ・チャイドル」、監督も出演者も全く未知、男優賞、女優賞他も知った顔ぶれは無い。秋以降、日本でも順次作品は上映されるだろう。楽しみだ。
 ベネチェア、ベルリンと並んで三大映画祭のひとつだが、映画人にとってはカンヌが最高だそうだ。しかし街そのものは、とりたてて歴史的遺物があるわけではない。また風光明媚な名所も無い。カンヌは、ただただコンベンション一本で、ここまで名をはせるようになった。
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 ニースとサントロペ、マルセイユに挟まれたカンヌは、小さな入江をもった漁村にすぎなかった。近くには、避寒地としてのリゾートもあったが、それほど人々が集まってきたわけではない。
 第二次大戦後、この村の村長が一年発起して、コンベンション誘致で村つくり考えた。パリのイベント会社がそれにのった。そして最初に誘致したのが映画祭だったのである。今カンヌは、映像関係の見本市を中心にほとんど一年中何らかのイベントで埋められる。
 パレ・デ・フェステバルを建て、有名ホテルを誘致した。漁港をヨットハーバーに変え、周囲にリゾートマンションを建てた。今、カンヌはコート・ダジュール屈指の観光地として知られている。
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 パレにほど近い小高い丘ル・シュケに、古い教会がある。居酒屋が並ぶ旧市街の狭い坂道を登ると、カンヌと街を取り巻く岩山が一望できる。今は生カキの美味しい季節、漁師町の居酒屋テラスで飲むキリッと冷えた白ワインには、レモンをちょっと絞り殻からはずした生カキが最高だ。


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May 22, 2005

47.渋谷・鹿児島おはら祭

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 「神田祭」や「三社祭」とちがって、これは新しく創られた祭。8年前、在京鹿児島出身の有志がNHKホールを借りて、郷土出身の歌手や落語家によるフェスティバルを催した。このイベントに、鹿児島からニ千人に近い「おはら祭踊り連」が参加した。これがきっかけとなって、地元商店街と鹿児島がジョイントした祭が誕生したのである。
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 なぜ渋谷と鹿児島が? いろいろと縁はあった。当時、地元自治体とビール会社、それに放送局のトップが鹿児島の同郷だったことで祭の話しは具体化した。渋谷駅にある「忠犬ハチ公」の戦前の銅像も、鹿児島出身の彫刻家安藤照によって創られ、現在の二代目もそのご子息が彫った。また原宿には、鹿児島の偉人といわれる東郷平八郎を祭る「東郷神社」がある。そしてなによりも、鎌倉時代にこの地の豪族渋谷氏が薩摩に下向し、地頭として治めたという歴史的な背景があった。東郷の姓も渋谷氏の次男実重を祖としている。 
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 今年8回を迎えた「おはら祭」は、地元渋谷の民謡愛好グループ、在京鹿児島関係ふるさと会、高校同窓会、それに鹿児島から上京した団体など57連2000人が道玄坂と文化村通りを埋め、踊りのパレードを繰り広げた。

 夏になると、杉並で高井戸や高円寺が徳島の「阿波踊り」を、同じ渋谷の原宿では高知の「よさこい祭」が開かれる。地方と東京の交流をめざす、こうしたイベントが年々増えてきている。

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May 21, 2005

46.三社祭

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昨日から始まった浅草神社の例大祭、今日は氏子各町の神輿100基が仲見世から雷門を埋め尽くした。明日はいよいよ祭のハイライト、一之宮から三之宮まで三社の神輿が朝早く神社を出発(宮出し)夕暮れの宮入まで浅草町内を練り歩く。

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浅草神社は、他と違ってご祭神が古き昔の浅草の庶民だというのがおもしろい。漁師の檜前浜成・竹成兄弟が隅田川で拾った「観音菩薩像」を、村の文化人土師真中知の指図で寺を建立して本尊としたことに始まる。これが浅草寺で、初代の住職になったのが土師氏。さらに鎌倉のころ「権現思想」が流布、浅草発展の功労者としてこの三人を「神」に祭り上げ「三社明神」としたのである。
 祭神が漁師だったからか、三社祭は江戸随一の「荒祭」として知られている。神輿は元気な若者に担がれ威勢良く界隈を駆け巡る。最近は女性の担ぎ手や子供神輿も増え荒荒しさは薄れたが、往時は怪我人も絶えなかったという。

 今日の浅草、天候にも恵まれ仲見世から雷門は立錐の余地もない人出。とくに外国人の姿が目立つのも浅草ならでは、の光景だろう。
 インターネットのライブもある。下記をクリックすると良い。
  http://www.ematsuri.ne.jp/sanja/

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May 20, 2005

45.焼酎バー「黒瀬」(6)

 最近会った故郷の友人が嘆いていました。「ダイヤメ(晩酌)のショツ(焼酎)が手に入らん、そいも飲んなれたとが」
 蔵元だけでなく田舎の酒屋まで観光客がやってきて、実は専門ブローカーなのですが、焼酎を買いあさっています。地元で1700円で買った焼酎が5000円に、2500円の稀少銘柄は数万円に化けて東京や大阪で売られています。インターネットのオークションでは信じられない値段がつきます。蔵元も含め古くからの焼酎フアンは、将来を心配しています。

 焼酎ブームは、20年ぐらい前の大分の麦焼酎が火をつけました。あの「いいちこ」や「吉四六」です。その下地は甲類焼酎を使った「チューハイ」や「サワー割り」が女性をふくめ、若い人達に愛飲されていたことです。大分の蔵元では減圧蒸留機を導入し、焼酎独特の臭みである「フーゼル油」を極力除去しました。さらにイオン交換樹脂によって精製し、甲類焼酎に近い「麦焼酎」を市場に出したのです。
 これは当りました。マスメディアへの露出、一村一品運動を展開していた地元自治体とのタイアップ、大都市をターゲットとしたマーッケティング、蔵元と小売店・業務店が一体となって努力した結果でした。

 焼酎は日本酒と異なり、ウイスキーやウオッカなどと同じ蒸留酒です。麦や米、芋やソバなどのでんぷん質をアルコール醗酵させ、出来たもろみを蒸留して造ります。甲類は、この蒸留を連続して行いより純化させます。逆にいえば、臭みと同時に香りや味も失われます。ですから原料も安い輸入糖蜜などを使います。乙類は一回だけの蒸留で原酒を造ります。原料のもつ味と風味だけでなく、臭みも残ります。そこでもろみの入った釜の中の圧力を下げ(減圧)、臭みの原因であるフーゼル油の気化を押さえたのです。その結果、軽くまろやかな飲みやすい焼酎が市場に出ていったのです。

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May 18, 2005

44.野田版・研辰の討たれ

 「勘三郎襲名披露」、歌舞伎座最後の舞台である。この後は京都、名古屋とまわる。切符を手に入れるのに苦労した。三階東袖、花道と舞台は上から良く見えるが右端は切れる。
 しかし、この席も今回は特に面白い。野田秀樹の演出は、回り舞台ひとつで五場を見せる。回る舞台を見下ろすと、野田の狙いがまた新鮮に現れる。
 ストーリーは不条理劇、ちょっとしたヘマから親の敵と狙われ、ひたすら逃げ回る主人公はもちろん研辰・勘三郎。「人間の孤独と絶望、群集心理が巧みに描かれている」と評されているが、なぜかイラクで人質になった若者たちを非難したあのパッシングを思い出させる。 「社会に異議を唱えた者が、かえって社会の古い構造に報復される怖い話」との今日の朝日夕刊評もうなずける。
 歌舞伎ではめったにないカーテンコールもあり、今夜は芝居に堪能した。「義経千本桜」の菊五郎も良かったし、何といっても「鷺娘」の玉三郎、これ以上絵になる人にはもう会えないだろう。

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May 17, 2005

43.交渉人・真下正義

 「踊る大捜査線」シリーズから生まれたレジェンド・ムービーの第一作、とのうたい文句に釣られて映画館に足を運んだが少々期待はづれ。舞台は湾岸署から都心の地下鉄へ、ユースケ・サンタマリアの演ずる警視庁交渉人が偏執狂の爆弾魔の挑戦を受ける、というのがあらすじ。
 全て封鎖されたサブウエイを、無人の最新鋭実験車両が縦横無尽に走る。このロケが東京メトロではなく、札幌や神戸の地下鉄の協力で行われたというのもおもしろい。永田町や葛西の駅がほんものそっくりなのだ。
 クライマックスは、あの「愛と悲しみのボレロ」をもってきた。ボレロのリズムが緊張感を盛り上げていく・・・、どこかで観たような演出も底が割れてしまった。
 そこで次の作品を期待したいのだが、秋に「容疑者・室井慎次」がやってくる。警視庁と警察庁、二つの権力と正義に挟まれた室井管理官(柳葉敏郎)が、七転八倒するのだそうだ。監督は、これまでのシリーズを書いてきた君塚良一。はじめてメガホンをとる。

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May 16, 2005

42.五月のバラの会

 年に一回五月に案内をいただく、元気な女性を中心にした「おしゃべりとランチの会」。主宰は石井好子、水谷八重子、犬養智子、大橋鎭子さん、そして広瀬昭三さん。広瀬さんは、日本バラの会副会長で元リーガロイヤルホテルの社長である。
 きっかけは、都民栄誉賞を受賞した大橋さんを囲むお祝いの会にはじまる。ご存知のように、大橋さんは、故花森安治さんと二人で、ユニークな雑誌「暮しの手帳」をここまで育ててこられた方である。大橋さんの友人や雑誌の執筆者、古くからの愛読者たちがこうして毎年集まる。12回目の今年の出席者はおよそ100名、男性は十数名とこうした会には珍しい華やかさである。
 案内をいただいた最初のころは少々億劫だったが、この頃は楽しみにしている。各界でまだ現役として活躍されている、先輩女性たちのスピーチが面白いからだ。シャンソンの石井さんにしても、新派の水谷さん、脚本家の小山内さんはもちろん、80代の大橋さんもまだ現役なのだ。
 会のもうひとつの楽しみは、フルコースでいただくフランス料理。今年も、リーガロイヤルホテルの元総料理長米津春日さんが、大阪から駆けつけてレシピをつくってくれた。
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ひとつだけ紹介しよう。
 「オードブルいろいろ 水彩画の様に」 
カリフラワーのムースを編目に絞って 鶉の卵の鶴・海老のアスピック・サーモンのロール・鯛のタルタル・貝柱のマリネ・ビーフシチューのテリーヌを盛り 赤・青・黄のソースを飾る
 
 五月のバラは、美しく輝いている。

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May 15, 2005

41.神田祭

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「日本三大祭」のひとつ、神田明神の2年に一回の祭が12日から始まった。17日までの祭のなかで、今日は最大のハイライト「神輿の宮入」、丸の内から日本橋、神田町内108ケ所200基の神輿のうち100基が神田神社まで繰り出し御払いを受けた。Imgp0768

 神田明神は江戸の守護神として家康の頃から幕府の庇護を受け、江戸城内まで祭礼の行列は練りこみ将軍の拝謁を受けた。二年に一度だけ町民が城内に入ることが出来たのである。ご祭神は「だいこく様」「えびす様」そして「平将門」、夫婦和合、縁結び、商売繁盛の神として親しまれている。
 今年の祭のテーマは、「新しい『天下祭』の創造」。巨大なはりぼての曳き物行列で知られている「附け祭」が神幸祭に復活、地震鎮守の「大鯰と要石」も215年ぶりに行列に加わった。また伝統とITの融合をめざし、神輿の宮入りの模様がインターネットによるライヴで、全世界に発信された。さらに関東大震災で失った「将門公」の神輿が、首塚のある三井物産から寄贈され、大手町のサラリーマンたちが80年ぶりに担ぐ。              Imgp0784

 時折スコールのような雨が降る中、神輿の宮入は日が暮れるころまで続く。時たま襲う雷と雹は、久し振りに俗世に登場できた「将門公」の感激のエールなのだろう。

http://kanda-ch.blog.ocn.ne.jp/
 

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May 14, 2005

40.帆船「日本丸」

 今日と明日「第58回東京みなと祭」が、晴海で開らかれている。浚渫船「雲取」や調査船「開洋丸」など、珍しい船が一般公開されているが、何といっても目玉は「日本丸」。昨年は「海洋丸」だったが、その後台風に襲われ富山沖で座礁、現在横須賀で修理中である。
 帆船「日本丸」は2258トン、4本マスト・バーク型、「太平洋の白鳥」と称賛されている世界でも最大級の帆船。航海訓練所に所属し大学や高等商船の学生の海洋実習にあたっている。
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30年前私も「日本丸」に乗船して、ニューヨークまで81日と3時間50分の航海を体験した。東京からおよそ一万浬の旅である。嵐にも遭遇した厳しい船旅だったが、今となると懐かしい思い出である。といっても、船は現在横浜の港みらいに係留されている、先代の日本丸だったが。
 今朝晴海に入港した「日本丸」は、午後から24枚の帆を全て開く「総展帆」を観客の前で披露した。「総員上へ、総帆かけかた用意」「第一解帆、手登り方用意!」「登れ!」士官の号令で実習生たちが、マストに登る。「ワッセ、ワッセ!」の掛け声で甲板に残った実習生たちが、展帆綱を引き帆を開いてゆく。時々黄色い掛け声も響く。私たちの時代と違って、女性の実習生たちも一緒になって帆を張る。およそ2時間の展帆だった。
 明日は一般公開、そして帆船「日本丸」は、東京海洋大学と神戸大学の学生を乗せてサンフランシスコまでの遠洋航海に出ていく。

http://www.kohkun.go.jp

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May 13, 2005

39.焼酎バー「黒瀬」(5)

 「黒瀬」が開店して7ヶ月、店を訪ねる若い女性が増えてきました。彼女たちは決まって「いも焼酎」を注文します。「オン・ザロック」です。もちろん店には、黒糖、麦、米焼酎、泡盛も置いてありますが。
 宝酒造が毎年、「女性の好きな焼酎」を調査しています。それによりますと、今回は「いも・70%」「黒糖・32%」「麦・26%」「泡盛・13%」の順でした。複数回答ですが、やはり「いも」が断トツです。前回に比べ、いもは13%、黒糖16%の増です。東京、大阪、京都を対象とした調査ですからこれが全てとは言えませんが、嗜好の傾向はわかります。「いも」「黒糖」とも黒瀬杜氏が頑張っていますので、うれしい限りです。
 焼酎ブームは、「いも」が牽引力といわれていますが、数字にも表れています。昨年の酒類出荷量では、清酒が6.2%減ったのに対し焼酎は「乙」だけで20%増えました。「乙」を原料別に見ると、「いも」は34%ものびているのです。
 なぜ、こんなに「いも焼酎」が好まれるようになったのか、また次回報告しましょう。

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May 11, 2005

38.こどもが主役

 最近観たこどもが主役の映画二作。

 「ハイドアンドシーク~暗闇のかくれんぼ」
 アメリカには、彼女以外に子役はいないのか。主演のダコタ・ファニング(「マイ・ボディーガード」「アイ・アム・サム」)が、父親役のアカデミー俳優ロバート・デ・ニーロを完全に食ってしまった。
 母を自殺で失い、心理学者の父親とふたりNY郊外の山荘で暮す少女は、空想の友達と「かくれんぼ」をして遊ぶ。その存在しないはずの友達がある一線を越えた時・・・・・。父親ももう止めることは出来ない。
 悲しみ、せつなさ、恐怖、喜びを、顔の表情だけの演技で表現する天才子役ダコタ、近々公開の「宇宙戦争」でまたトム・クルーズを食ってしまうか。

 「世にも不幸せな物語」
 タイトルにも「レモニー・スニケットの・・・」とあるように、アメリカの人気児童文学の映画化。イギリスのJ.K.ローリングの「ハリー・ポッター」のアメリカ版といえば内容は想像できる。
 突然孤児となった姉弟妹の三人が、つぎつぎに降りかかる災難に勇気と知恵で挑む。エミリー・ブラウニング他の子役は初めて観たが、影だけで出演する語りのジュード・ロウ、ちょい役のダスティン・ホフマン、楽しみながら演ずるメルリ・ストリーブなど贅沢な配役。
 孤児に不幸をもたらす役のジム・キャリー(「マスク」「トウルマン・ショー」)の七変化が見もの。今年のアカデミー賞最優秀メイクアップ賞受賞作品。

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May 10, 2005

37.真夜中の弥次さん喜多さん

 日本でもこんなハチャメチャな映画が創られるようになった。巨匠といわれる監督たちが、数年に一本しか制作しないためか、若い監督達が精力的に新作を発表している。ただ200人足らずのハコでの、単館上映なのが残念だが。
 この作品は、天才脚本家として若い人達に絶大な人気のある、宮藤官九郎が始めての監督した映画。手塚治虫文化賞(マンガ優秀賞)を受賞したしりあがり寿の原作を、クドカンがスリリングにエネルギッシュに脚色した。
 主演は、ホモの美男子「弥次さん」をTOKIOの長瀬智也が、ヤク中の「喜多さん」を歌舞伎の中村七之助が演ずる。その後のご乱行を暗示するかのように七之助の演技は真に迫り、ちょい役で出演した勘九郎(現勘三郎)をハラハラさせている。
 助演も多士済済、勘九郎をはじめ小池栄子、研ナオコ、森下愛子、山口智也、松尾スズキ、妻夫木聡、麻生久美子、毒蝮三太夫、生瀬勝久等々もったいない顔ぶれ、これもクドカンの日ごろのお付き合いの賜物なのだろう。
 場内は若い女性でいっぱい、爆笑につぐ爆笑だったが筋書きはあって無きものといってよい。時々「リヤルと幻想」「生と死」なんていう理屈が登場するが、そんな時はなぜか眠くなる。
 時間つぶしには、ちょうど良い。

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May 09, 2005

36.根津のつつじ

 ゴールデンウイークは人出が多いので敬遠し、終わってから出かけたのが失敗だった。根津神社の3000株のつつじは、もう咲き終わっていた。今年は気候の影響で5月上旬が見頃と聞いていたが、結果は4月20日ごろだったそうだ。Imgp0721Imgp0725


 根津神社は古い祠だが、今の権現造りの社殿は五代将軍綱吉の大造営(天下普請)によるもので、唐門と並んで国の重要文化財に指定されている。
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東照宮をおもわせる社殿には、スケッチを楽しむ人影が数名。「文京つつじ祭」も終わった静かな境内も、散策には良い。 次は、にぎやかな秋祭の神輿を楽しもう。

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May 07, 2005

35.築地市場(3)

 土曜日の築地は「特売デー」、場外の店では何か一品特売品を置く。小雨と連休も終わりだが、客は結構多い。
 今日の買い物のひとつはマグロ。といっても場内はキロ単位だから、パーティーなどの時以外は場外市場の馴染みの店をめざす。Imgp0655

 「国虎」。場外8店あるマグロ専門店のほとんどから仕入れてみたが、何故か馴染みはこの店になってしまった。店長山本一也さんの小路に響き渡る「マグロ!マグロ!」声が、気に入ったのだろうか。対面販売の面白さかもしれない。
 店はホンマグロとインドマグロの中トロが中心。「買いやすいよう、少量ずつ良いものを売る」と2~3千円のサクが並ぶ。2坪足らずの小さな店で、売り手は店長と若い衆の二人、奥で長老の親父がサクどりに精出す。
 いつものように「なかおち」500円!。時に1800円のサクを思い切って注文したら、黙って1000円にしてくれた。あまり儲けにならないこんな客でも、対等に扱ってくれるのがうれしい。

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May 05, 2005

34.トリトン・花クルーツアー

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ベイエリアの再開発で、晴海アイランド「トリトンスクエア」が誕生して満4年になる。ここにはオフイスビルとマンションに囲まれた、「花のテラス」と「緑のテラス」がある。イタリアの街をモデルにして創られたトリトンの憩いの場である。
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ここでは毎年春・夏・秋のシーズン毎に、テラスを巡りながら草花を楽しむツアーが開催される。5日、7日、8日の3日間、1日2回10人程に限られるが、庭園管理人の案内で花を楽しむことが出来る。
 二つのテラスには、600種類以上の木と草花が育っている。とくに「花のテラス」は、設計当初から年間を通じて花が絶えないよう工夫され、冬でも耐寒性の花が見られる。
 今年は気候のせいか花付がよく、また5月に種々の花が一斉に咲き乱れたとのこと。蜜を求める蝶や蜂もとびかい、都心とは思えない光景を見せている。テラス入り口の「紅花栃の木」も大木に育ち、鮮やかな紅の花を咲かせていた。Imgp0712

 見頃の花:キングサリ、ヒメウツギ、ポピー、アルメリア、アヤメ、カスミソウ、キンレンカ、シシリンティウム、シャリンバイ、キャットミント、オオデマリ、ルピナス、プルモナリア他
 ツアー以外でも自由に散策できる。
http://www.harumi-triton.co.jp

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May 04, 2005

33.焼酎バー「黒瀬」(4)

 店を訪れる若い女性に、「焼酎通」が増えてきた。もろみ(酒母)造りに欠かせない麹菌の酒類によって、銘柄を選ぶのである。
 もともと焼酎は、明治の中頃までは日本酒と同じ「黄麹菌」を使ってきた。しかしこの菌は温度管理が難しくて、暑くなると雑菌が繁殖する。そこに「黒瀬杜氏」の先達たちが、泡盛に使われている「黒麹菌」を持ちこんだ。黒麹は、醗酵のときクエン酸を多く生み出し雑菌を殺す。大正の終わり頃、その「黒麹菌」が突然変異して「白麹菌」を生んだ。発見者の鹿児島工業試験場河内技師は、この菌を純粋培養し蔵元に届けた。原料の糖化を促進する酵素力が強かったため、「白麹菌」は一気にひろがり焼酎造りの主流となったのである。
 焼酎の風味や味は、様々な要因によって左右されるが、麹の種類も大きな要素である。黒麹で仕込んだものは香ばしくコクがあり、飲み口がシャープ(「八千代伝・黒」「伊佐美」「佐藤・黒」「薩摩すんくじら」「村尾」等)。白麹はまろやかで口当たりが良い(「黒瀬杜氏」「利右衛門」「島美人」「森伊蔵」等)。黄麹はライトで辛口、清酒とおなじフルーティーなものが多い(「富の宝山」「魔王」「萬膳庵」「笠沙恵比寿」等)。そして店の代表銘柄「一どん」は、白と黄を合わせて使い、木樽で蒸留した逸品である。
 ぜひ飲み比べて欲しい。

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May 02, 2005

32.「韓流シネマ」ニ題

 連休の合間を縫って映画を。超大作は満員なので、ちょっとひねった作品を選んでみたが。
 「甘い人生」韓流シネマの一分野、裏世界を題材にした作品。始めて「愛」に目覚めた男がしがらみと掟のなかで破滅していく様を、ソウルの大都会の闇のなかに描く。「JSA」「誰にでも秘密がある」のイ・ビヨンホン主演。キム・ジウン監督。徴兵制で銃の扱いになれた、韓国の役者たちの銃撃戦はリアル。
 「英語完全征服」韓流シネマは何でも売れる、とばかりに持ってきた映画。「僕の彼女を紹介します」「火山高」のチャン・ヒョクとイ・ナヨンの共演。韓国の三人に一人が笑って泣いたというが、こちらは、笑うことも泣くことも無し。これを「韓流」といったら、他の作品が泣く。

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May 01, 2005

31.鉄砲洲祭

 夏!祭りの季節がやってきた。5月の鉄砲洲、6月築地波除、7月佃住吉、8月深川富岡、今年はいずれも三年に一度の例大祭である。
 「神輿深川、山車神田、だだっ広いのが山王さま」と川柳に詠まれた江戸三大祭のうち、神田は江戸城の地主神、山王は将軍家の産土神でいづれも「天下祭」。行列が江戸城内に入ることを許され、将軍や大奥の上覧の栄に浴す「幕府丸抱えの官祭」であった。そのなかで鉄砲洲以下は、町衆が担い手となった江戸下町の祭である。
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「鉄砲洲祭」は湊町、明石町、入船町、新富町、新川町、木挽町(銀座1~8)を氏子とする稲荷神社の例大祭、今日から5日まで鳳輦・大神輿の宮神輿をはじめ、各町内会の神輿12基が渡御する。
 初日の今日は宵宮祭、今年はそれに先立ち宮神輿が特別に神社を出発、木挽町に向かった。「十八代目、中村勘三郎」の襲名を祝うためである。およそ80人の揃いの白半天の若衆に担がれた神輿は、歌舞伎座の前に待つ紋付羽織の勘三郎にお祝を口上、三本締めのあと勘三郎も加わって歌舞伎座前を練り歩いた。
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三日は、神幸祭。朝から夕方まで、大神輿は隅田川河畔から銀座を巡行する。銀座各町内会の五つの神輿が並んで練り歩く連合渡御は、見ものだという。もういちど出掛けよう。

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