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August 31, 2005

128,萬世陸軍飛行場(2)

 「僕たちは戦争を経験していない。それでも戦争についてのテレビ番組を作る」と、ホリプロの若いスタッフ達がドキュメンタリー「終戦60年企画 幻の特攻基地」を制作した。舞台となった「幻の特攻基地」とは、ふるさとにあった「萬世陸軍飛行場」のことである。(詳しくは 8.15 ブログ114号)
 放送は今朝未明(2:28~3:23)のフジテレビ。なかなかの力作だった。

 番組は、特攻志願がかなわず生き残った苗村七郎陸軍少尉(当時)の戦後を軸に、遺族と隊員たちと関わった人々の証言で綴られた。
 苗村さんは今年84歳、大阪船場の出身。関西大学卒業後陸軍飛行学校に入り、萬世で終戦を迎えた。昭和20年3月26日、太刀洗北飛行場から単機萬世に飛んでから復員までの145日間、彼は多くの戦友を特攻攻撃で失った。
 特に学生時代からの親友で仙台、フィリッピン、銚子、萬世と行動を共にした今田義基少尉(広島出身)の散華が、彼の戦後の生き様を決めた。今田少尉は3月28日徳之島に転進後、翌朝敵艦に突っ込んだのである。

 「特攻隊員には遺骨は無い。彼等にとっては、爆弾を抱えて飛び立った”幻の基地萬世”が、本当の戦死場所でもある。そしてここは、ご遺族が泣いていただける場所でもある」
 戦後苗村さんは、時間を見つけては戦友達の遺族をたずね遺品を預かった。そして昭和47年、飛行場跡に私財を投げ売って慰霊碑を建立、また平成5年遺品を展示保存する「平和祈念館」を完成させたのである。

 十数年前大阪に勤務していた私は、苗村さんにお会して色々とお話を伺ったことがある。その頃に比べ、画面に登場された彼は、病後のこともあって少々お疲れだった。しかしこの夏には、広島に戦友今田中尉の墓を訪ね、世飛行場跡の慰霊碑にも参拝した。 彼にとって「戦後」は永久に消えることがないのだ。

 先輩にあたる知人・友人、板垣さん夫妻、野崎さんも番組で語っており、ふるさとに想いをはせた1時間の放送だった。

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August 30, 2005

127.八月のシネマ

 八月は「祭り」と「花火」で忙しく、映画鑑賞は10本と少ない。これまでまだ報告していない3本を。

 「ふたりの5つの分かれ路」
 原題は「5X2」、邦題はちょっと凝り過ぎか。一組のカップルの「離婚」から始まって、逆に「倦怠」「出産」「結婚」「出会い」と遡り、五つのシーンで愛する事の幸せと不幸を描く。「8人の女たち」のフランソワ・オゾン監督がミステリー風に愛のドラマを綴った。主演のヴァレリア・ブルーニ・テデスキが時間を遡る度に、若返り美しく変身していく様が見事。彼女はトリノ出身で現在41歳、最後は20代の初々しい女性を演じて幕。

 「アルフィー」
 昨年の「地球上で最もセクシーな男」(米ピープル誌)に選ばれたジュード・ローが演ずるのがアルフィー。ロンドンからやってきた天性のプレイボーイが、ニューヨークで5人の女と恋いのゲームを楽しむが、結局全てを失ってしまう話、つまり男性版「セックス・アンド・ザ・シティー」。アカデミー賞女優スーザン・サランドン、マリサ・メイト等女性陣も豪華。最後に恋いした相手がシエナ・ミラー。実生活でも映画がきっかけで恋人に。

 「アイランド」
 「パール・ハーバー」で過去を、「アルマゲドン」で現在を描いたマイケル・ベン監督が、近未来に的を絞ったのがこの映画なのだそうだ。「臓器売買」のために生産された、「クローン人間」のカップルが主人公。人間として「生きたい」と願う二人が、「愛」を知ることで人間になるパラドックスがテーマ。「スター・ウオーズ2」のユアン・マクレガーと「真珠の耳飾りの女」のスカーレット・ヨハンソンがその二人を演ずる。

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August 29, 2005

126.妖怪大戦争

 「河童の川太郎」「川姫」「ろくろ首」「油すまし」「ナマハゲ」「三つ目小僧」「ぬらりひょうたん」「ぶるぶる」「雪女」「猩猩」「カラ傘」「大天狗」「化け猫」「姑獲鳥」・・・・・まだまだある。日本中の妖怪が大集合した痛快無比、冒険ファンタジー映画である。
 「妖怪」とは、お化けでもなく、幽霊でも怪物でもない、それぞれに異形な外見と特異なキャラクターを持ち、怖いようで愉快な「変な生き物」。と定義したのは、妖怪学者・水木しげる、作家の荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきのプロデュースチーム「怪」の面々である。
 「悪霊」と戦う主人公に扮するのは天才子役といわれている神木隆之介、妖怪たちに近藤正臣、阿部サダオ、忌野清志郎、竹中直人、それに水木しげる等先生方という豪華キャスト、菅原文太、宮迫博之等も脇を固める。
 なぜか、この映画でただひとりの悪役、「悪霊軍団」の魔人(豊川悦司)だけが「加藤保憲」という私の周囲にもいる平凡な名の男。誰かの小説の登場人物か?そして監督が「着信アリ」の三池崇史ときた。

 残念なのは、「子供向け」に徹すれば面白かったのに、「大人の鑑賞」にたえられるようにと理屈っぽくなった部分が目につき、ちょっと興ざめであった。角川グループ60周年記念映画。

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August 27, 2005

125.浅草サンバカーニバル

 炎天下の馬道通り~雷門通りを数十万の観客が埋め尽くし、サンバのリズムに酔った。25回目を迎えた「浅草サンバカーニバル」である。

 地方の伝統的なお祭を、大都会に持ちこむイベントが増えている。「高円寺阿波踊り」をはじめ「原宿よさこい」「渋谷おはら」等々毎年新しい祭りが生まれている。その「国際版」といえる代表的な祭りが、浅草のカーニバルである。
 「四半世紀のアニバーサリー!」が今年のうたい文句だが、当初は「なんで江戸下町情緒の浅草が」と思った。ところが浅草ッ子は古くから「新しもの好き」なのだそうだ。確かに、日本最初の映画館、水族館、それに日本初のエレベーター付きビルなど明治の初めから新しい文化や芸能を取り入れてきた。音曲の世界でもそうだ。「大正オペラ」に「安来節」が同居した。
 「新しい祭りを浅草に」とブラジルのサンバを提案したのは、浅草の舞台で活躍した喜劇俳優の故伴淳三郎と当時の台東区長。「寄席」や「軽演劇」「ストリップ」などの興行に陰りが見えてきた浅草に、カツを入れようとしたのだそうだ。

 今年のカーニバルのテーマは「コーヒー」、パレードには4500人、24のサンバチームが参加した。昨年優勝した地元の「仲見世バルバロス」をはじめ、「ウニアンドス・アマドーリス」「エスコーラ・サンバ・サウージ」「アレグリア」など都内はもちろん、全国各地から参加している。

 ブラジルのリオデジャネイロやサルバドールなど本場のカーニバルもそうだが、この祭りはコンテストでもある。浅草の場合、2クラスで腕を競う。審査員は「テーマの表現力」「演奏」「チーム全体の調和」「躍動感」「衣裳」「ダンス」で採点する。また「携帯電話」で誰でも審査に参加出きるのが売りである。
 13時にスタートしたパレードが終わったのは18時、今年もまたS1では「G・R・ES仲見世バルバドス」が、S2では「インペリオ・ド・サンバ」が優勝した。
 

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August 26, 2005

124.焼酎バー「黒瀬」(18)

 わが宿里店主テレビ初出演の「ザシロウト」(日本テレビ系列)、台風襲来でやきもきしていたが10分遅れで無事スタート。ちょうど東京湾を台風が通過していた頃である。因みにこの番組は7月に録画ずみだったのだが。

 今日のテーマは「ご当地料理屋さん」、三宅祐司の司会で東野幸治、吉岡美穂、中島知子、松島尚美のめんめんが宿里店主を囲んで質問攻め、という仕掛け。わが店主、多勢のなかにあってもひとつも慌てず、飄々と応えていたのは身贔屓ながら流石。

 三宅「サラリーマン辞めるって奥さん大変だろう」
 宿里「そりゃーびっくりした。信用しなかった。明後日辞めるよ!と。前もって話しても100%反対するのは判っているから、見切り発車。作戦だね」(会場の奥さん「日にちない。エッ!と思うしか」)
 とこんな調子である。
 宿里「コンセプトは、田舎で美味しく飲んでいる安い焼酎を飲んでもらおうと」
 (店内の映像、客「マスターが男前?じゃなかった男気にね。焼酎も揃っているし、料理もうまい。でも奥さん大変だな」女性客「いも焼酎にはまりそう」)

 「本場の焼酎と美味しい料理に出演者一同大興奮」
 「ご主人の奔放なキャラクターに東野大激怒!?」と話は進んでいったのである。
 詳しくは、来店の上、宿里店主から直接に。

      「黒瀬」 ℡5485-1313 渋谷区渋谷2-14-4

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August 25, 2005

123,ヒトラー~最後の12日間~

 ヒトラーに関する著作は多い。また映画やテレビ・ドキュメンタリーも数多く見た。しかし、なぜかその本質を理解するまでには至っていない。そうしたもやもやした気持ちが、この映画を観て吹っ切れた。
 映画は、ヒトラー夫妻が自殺するまでの2年間、彼の個人秘書を勤めたトラウドゥル・ユンゲの告白を丹念に追って描く。三年前、「ベルリン映画祭」で彼女の手記がドキュメンタリー映画として上映された。寄しくも彼女は、その翌日劇的は生涯を閉じたが、60年たった今彼女の「その12日間」がスクリーンに蘇った。
 彼女の目に写ったのは、ゲシュタポ長官として数々の虐殺を指揮しながら、最後は弱々しい逃亡者となったヒムラー、権力の亡者でしかなかったゲーリング、ヒトラーが最も信頼した建築家で軍需相だった紳士シュペーア、6人の子を毒殺して妻と共にヒトラー夫妻の後を追ったゲッペルス、そして慈悲深い父親のごときヒトラーの最後である。
 なぜ今、この映画が作られたのだろうか。謎につつまれたヒトラーの最後を、ドイツ人自らが描くことで「ネオナチ」の風潮に対する映画人からの警告である。そして、アジアでの反日にいらだつ「偏狭ナショナリスト」たちに対する警告と受けとめよう。
 監督は「es」のオリヴァー・ヒルシュピーゲル、ヒトラー役にブルーノ・ガンツ(「ベルリン・天使の詩」)、ユンゲにアレクサンドラ・マリア・ララ(「トンネル」)。ドイツ連邦共和国大使館が後援している。

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August 24, 2005

122.焼酎バー「黒瀬」(17)

 最近の新聞から「焼酎」の話題を要約で。

 「利右衛門」音楽劇でPR
 利右衛門がカライモを琉球から薩摩に持ち返って今年で300年。この節目の年に彼の出身地、鹿児島県山川町の住民が利右衛門の偉業を全国に発信しようと、創作ミュージカルに取り組んでいる。
 タイトルは「RIEMON-遥かな海からの贈りもの」。歌と踊りに加え、笑いあり、涙ありの1時間余の舞台。総勢70人を超えるキャストやスタッフは、山川町や隣接する指宿市などから自主的に応募してきた人たち。この2月から本格的な練習を始めた。
 芋焼酎ブームや健康志向でサツマ芋への関心が高まるなか、これらのイベントによって山川町がサツマ芋の伝来・発祥の地であることをアッピールするのが狙い。
 ミュージカルは、8月下旬に鹿児島市で公演、そして「さつまいも伝来300年祭」の開かれる11月5,6両日に地元山川町で本公演を催す。(日経)

 450年前の「落書き」公開
 焼酎に関する450年前の「落書き」木片の一般公開が、大口市の歴史民俗鉄道記念資料館で行われている。
 木片は、国指定重要文化財「郡山八幡神社」本殿軒下から1954(昭和29)年の改築時に見つかった。その後、元の場所に戻されていたため、実物が人目に触れるのは初めて。
 縦27㌢、横10㌢の木片には、室町時代の永禄二歳(1559年)八月十一日という年月日と「住職はまことにけちんぼう。大工に一度も焼酎を飲ませてくれなかった。何とも迷惑なことだ」という意味の愚痴が墨書きされている。(南日本)

 焼酎文化発信へ連携を~製造元・酒販店・飲食店
 芋焼酎や黒糖焼酎の文化を全国に発信する「焼酎文化・いもづるの会」は、関東地区で焼酎を取り扱う酒販店や飲食店を対象にした研修会を都内のホテルで開いた。
 焼酎ブ-ムが収まりつつある今、全国の消費者に焼酎文化を正しく伝えていくため製造元と酒販店、飲食店間の顔の見える信頼関係をあらためて確認するのが狙い。
 意見交換会で酒販店からは「焼酎の後に来る新商材への業界内の関心が高まっている。顧客のニーズが多様化する中、焼酎業界の対応力が問われてくる」と問題提起、飲食店、量販店からは「焼酎の銘柄で客が集まる時代は終わった。料理に合う焼酎をアドバイスすることが求められてきている」との意見が出された。(南日本)

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August 23, 2005

121.八月納涼歌舞伎

 相変わらずの勘三郎人気である。歌舞伎座に何回電話しても、切符は無理だった。高価な一等席はOKなのだが。ひょんなことからある宝飾店の招待に応募したら、「第2部」が当ったのでいそいそと出かけた。

 「伊勢音頭恋寝刃」(いせおんどこいのねたば)。寛永八(1796)年伊勢の古市で起こった実際の殺人事件を劇化したもので、お家騒動に絡む元侍の意地を舞台で描いた。
 殺しに狂う主人公を三津五郎が、その恋人花魁を福助が、そして殺戮事件のきっかけを作った憎まれ役仲居万野を勘三郎が演ずる。
 「理不尽な結末となる大殺戮を、このテロの時代に上演するとは」と一等席で鑑賞した友人が嘆いていたが、「殺しに殺して、お家騒動も一件落着、めでたしめでたし」では、確かに腑に落ちぬ。小泉さんの刺客騒動を先取りしたわけではないだろうが。
 「けいせい倭荘子~蝶の道行」、その昔武智鉄二が構成・演出した舞踊劇。武智歌舞伎と一世を風靡した片鱗を原色の舞台背景に見る。振りつけも武智夫人の川口秀子。小槇の孝太郎はうまいが、助国役の染五郎の舞いはもうひとつ。
 「銘作左小刀~京人形」、左甚五郎役の橋之助は飄々としておもしろい。扇雀が人形のぎこちない動きを、また楽しく演じていた。

 終演で歌舞伎座を出ると、第三部串田和美演出・美術、勘三郎主演の「法界坊」の客が入り口を埋め尽くしていた。


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August 22, 2005

120.焼酎バー「黒瀬」(16)

 芋焼酎1000を越える銘柄のうち「黒瀬」で味わえる逸品シリーズ、4回目は枕崎から。
 「さつま白波」
 南九州の地酒でしかなかった芋焼酎を、全国区にした功労者は何といっても「さつま白波」である。南薩地方原産の芋と自家製の麹(白)を使って、古くからの製法そのもので造ってきた。
 終戦後、枕崎で「白波」を造っていた合同酒精を加世田の豪商本坊家が買収、薩摩酒造と名を改めた。昭和51年東京駅前の八重洲に進出、徹底的なマーケッティングと宣伝で「いも」のマイナスイメージを変えた。「焼酎ブーム」を生む基が、この頃に創られたのだ。
 全国区になるに従い「いも臭さ」が薄れたのは残念だが、仕方あるまい。「お湯割り」を広めたのもこの焼酎である。「さつま白波黒麹仕込み」「さつま白波かめ壷仕込み」「花白波」の姉妹品もある。
 「我は海の子」
 われは海の子、白波の・・・と童謡から銘をとったこの焼酎は、まさに海の子である。海草が生い茂る豊かな海中に微量に存在する「海洋酵母」を海水から分離、海洋深層水で仕込んだ。もちろん原料は、洋上に突き出た開聞岳の麓で獲れた「コガネセンガン」。やわらかな香りとさわやかな甘さが特徴である。
 「明治の正中」
 本格焼酎の原点である製法、米麹と同時に仕込む「どんぶり仕込み」を再現。明治の中頃まで、農家は自家製用にこうして造ってきた。琉球から「黒麹」がもたらされる前だから、日本酒と同じ「黄麹」である。いもらしいドンとした味が楽しめる。
 「手造り明治蔵」
 平成4年にオープンした花渡川蒸留所に併設された「焼酎文化資料館・明治蔵」で、焼酎普及のため黒瀬杜氏宿里道夫さんが昔ながらの道具を使って造る。いもの原料も「コガネセンガン」「ムラサキイモ」「ベニハヤト」と変え、飲み比べが出きる。
 他に「杜氏の里」「酒の手帳」もある。

 また地元限定版として造っている「坊津」「黒瀬」は、焼酎バー「黒瀬」でも味わえるので、ぜひ注文して欲しい。

   「黒瀬」 03-5485-1313

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August 20, 2005

119.東京JAZZ2005

 今年で4回目になる「東京JAZZ」、強烈な暑さのなかビッグサイトに出かけた。
 2002年に始まった国際的ジャズフェステバル。ジャズピアニストとしてはもちろん音楽プロデューサーとしても大活躍の、ハービー・ハンコックが総監督している「真夏の祭典」である。
 今年も世界各国から数々のミュージシャンがやってきたが、地元日本勢も新進・ベテランと多彩な顔ぶれである。

 まず三味線の上妻宏光32歳、6歳の時から津軽三味線を始め1995、96年と全国大会で優勝、プロの道に進んだ。純邦楽の世界でも高い評価を受けながらも三味線の新しい可能性を追求、国内外で他のジャンルとのセッションをおこなっている。今回は笹路正徳を中心とした、東京ジャズスペシャルユニットとのセッション他、ブラジル最高峰のアーティストといわれるキーボードのイヴァン・リンス、トランペットのニルス・ペッター・モルヴェルとスーパー・ユニットを組んだ。
 女性は山中千尋、米国バークリー音楽院在学中から数多くの賞を受け、ニューヨークを拠点に国際的なライブ活動を続けている若手ジャズピアニストである。
 期間限定でユニットを組んだのは、「TKY」。TOKU、日野賢二、小沼ようすけ、和田慎治、大槻カルタ英宣がビジュアルもプレイもかっこよく演ずる。
 来日組の目玉は何といっても「Herbie Hancock’s Headhunters’05」、ハンコック(p)のほかマーカス・ミラー(b/vo)、リオーネル・ルエケ、テリ・リン・キャリトン、マニャンゴ・ジャクソンが参加する。
 他5つのグラミー賞を受賞した世界的ヴィブラホン奏者のゲイリー・バートンもバークリー音楽院の若い教え子をを連れてやってくる。
 
  放送はNHKハイビジョン 9月13日~14日 後20:00~23:25

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August 19, 2005

118.焼酎バー「黒瀬」(15)

 酷暑にも負けず「黒瀬」店主、宿里順也は張り切っている。8月25日(木)ついに「日本テレビ」に出演するからだ。放送時間は深夜2時53分から30分間(つまり日付は26日になっている)。タイトルは「ドシロウト」、あの三宅祐司の番組である。
 あなたの隣にいそうな「フツーの人」と、超豪華!タレントが繰り広げる爆笑トークが売り物のこの番組に、焼酎バー店主としては「ドシロウト」のわが宿里順也が呼ばれたのだ。
 超豪華タレントとは、東野幸治、オセロ、吉岡美穂それに三宅の面々である。

 スタジオに持ち込んだいも焼酎は、「一どん」「薩摩すんくじら」「前田利右衛門」「不二歳」「かせだ」「さつま大海」の6銘柄、料理は「つけあげ」「きびなご」「ラッキョウ」「とんこつ」4品。
 トークは、タレントそれぞれが「ロック」や「お湯割り」片手に料理をつまみながら始まった。そして鹿児島の「蔵元」を訪ねる宿里のビデオ映像を交えながら話は進む。さて4対1のこのトーク、どう展開したのか。そこはぜひテレビで。
 「いも焼酎に関して」だけは、黒瀬杜氏一門の宿里は「ドシロウト」ではなく、「プロ」なのだから。

 放送時間が深夜だし、しばしば変更するので当日の夕刊を見て予約録画を。
 また日本テレビ系列各局での放送日時がバラバラなので要注意。ちなみに「鹿児島読売テレビ」は28日(日)午前10時55分からの30分間。

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August 18, 2005

117.皇帝ペンギン

 舞台は3億5000万年前の氷で覆われた南極大陸、登場するのは皇帝ペンギンだけ。この設定だけでで86分の感動大作を作り上げたリュック・ジャケ監督の演出力には脱帽。
 大自然の世界で、動物たちの営みを追うドキュメンタリーの制作を経験したことがあるが、これだけの作品を仕上げるには、途方も無い時間と根気とお金がかかるのだ。
 5年の歳月、回したフイルムは8880時間に上るという。それを成し遂げた仏極地研究所と動物行動学者でもあるジャケ、ローラン・シャレーとジェローム・メゾンの二人のカメラマン、そしてスタッフたちには改めて敬意を贈りたい。
 それにしても、皇帝ペンギンの生態は不思議がいっぱいだ。海岸から100㌔、コロニーへ向けての20日にわたる大行進、零下40°時速250㌔のブリザードという極限の地で子供を生み育てるペンギン、神から与えられたとしか思えないその知恵と野生の生命力が、観た人に癒しと感動を与えてくれるのだろう。
 子供達にぜひ見てもらいたい「ドキュメンタリー映画」である。
 

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August 17, 2005

116.亡国のイージス

 今売れてる作家のひとり、福井晴敏のベストセラーが原作。彼のアイデアや原作による映画は、今年になってこれで三作目。前の「戦国自衛隊」は陸上自衛隊が協力したが、今度は海上自衛隊、航空自衛隊それに防衛庁長官官房まで全面協力した。
 本物のイージス艦の洋上・船上・船内ロケ、それに潜水艦、護衛艦、三沢基地からはF2と、防衛庁が総力あげて参加しているのだからリアリティは充分ある。
 憂国過激派自衛官等と北とおぼしきテロリストが共謀してイージス艦を乗っ取り、「進むべき道を見失った国家(亡国)」の政府を強迫する。「東京首都圏を壊滅させる」と。
 彼等に抵抗して船と「日本の未来」を守ろうとするのが、ノンキャリアのごく普通の自衛官である先任伍長。彼が、理念先行型の防大卒エリート自衛官と戦うというあらすじが、防衛庁の協力を得る決め手だったのだろう。
 出演は真田広之、寺尾総、佐藤浩市、中井貴一、監督は阪本順治。音楽、編集、音響にハリウッドからスタッフが参加するなどスケールは大きい。

 「イージス」とはギリシャ神話に出てくる「無敵の盾」。専守防衛の象徴ともいえる海上自衛隊の主力護衛艦「イージス艦」は、最新鋭防空システムを搭載して一隻で日本のほぼ三分の一を護る。対艦、対潜、対空ミサイルによる守備範囲は、普通の護衛艦の5隻分に相当するのである。

 私事になるが、石川島播磨重工のドックマスターの職にあった亡兄の最後の仕事が、この「イージス艦」の建造だった。「一隻の建造費に、1500億かかる」とイージスキャップ(識別帽)を被った兄が誇らし気に語っていたことを、今思い出している。 

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August 16, 2005

115.MY FATHER

 「父よ、あなたは本当に罪人(つみびと)だったのか・・・。」 
ナチス政権のもと「死の天使」として恐れられた医師ヨゼフ・メレンゲ。アウシュビッツ収容所で数々の人体実験を行い、戦後は南米を中心に各地を転々して逃亡生活を送った。
 その彼を父に持った息子の苦悩と葛藤を、本人の証言に基づいて描いたイタリア、ブラジル、ハンガリー共同制作の映画である。
 主人公である息子ヘルマンを演ずるのはドイツの若手俳優トーマス・クレッチマン(「戦場のピアニスト」「ヒトラー~最後12日間」)。メンゲレと彼の死を疑う弁護士役に、二人のアカデミー俳優のチャールトン・ヘストン(「ベン・ハー」)とF.マーレイ・エイブラハム(「アマデウス」)が競演している。
 ゲルマンの血の優位を主張し、ユダヤ人虐殺の罪を決して認めない父、「幾千もの命を奪った罪は、君等一族が背負う運命だ」と突き付けられた息子。
 戦後60年、その問いかけは今、我々にも向けられている。

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August 15, 2005

114.萬世陸軍飛行場

 太平洋戦争末期、昭和20年3月から6月にかけ特攻と呼ばれた戦闘機が沖縄戦に向けて飛び立った。その数陸海合わせて1894機、戦死者は2818名に上っている。
 特攻基地といえば鹿児島県の「知覧」が有名である。数々の小説やドキュメント、「ホタル」など映画でもその悲劇が描かれている。しかし特攻基地は知覧だけではない。南九州を中心に十ヶ所近くあったという。
 知覧から西へ20㌔、ふるさと「萬世」にも陸軍の特攻基地があった。昭和18年秘密裏に建設されたが、終戦直後にほとんどの関係書類が焼却されたため、歴史の中に埋もれた。「幻の特攻基地」と呼ばれる所以である。
 飛行場は、吹上浜の砂丘地帯に作られた。機械不足のため人海戦術で砂丘の起伏を埋めた。地域の住民、中学生も勤労奉仕隊として動員された。しかし主体は朝鮮人労働者や中国人捕虜だったという。
 滑走路は19年末に完成したが、すでにセメント等はなく山から運んだ粘土質の土を敷いて固めるという簡易なものとなった。
 飛行場に配備されたのは、本土決戦に備えた襲撃機中心の飛行第66戦隊と護衛主体の飛行55戦隊、そして250㌔爆弾を搭載した第○○振武隊と名付けられた特攻隊だった。
 昭和20年4月6日、萬世飛行場から始めての特攻機が南の海に向けて飛び立った。沖縄戦の上空までおよそ2時間30分、爆弾を抱えた特攻機は敵艦めがけて突っ込んだ。
 同年6月まで続いた特攻攻撃、戦死者の数は特攻隊員120名、護衛機隊員78名、基地内で被弾した人を加えると300人近い若者たちが命を失った。
 生き残った元隊員の手で、ここに慰霊碑が建立されたのは、昭和47年のことである。その後平和祈念館も建てられ、隊員たちの遺品が展示されている。

 なをこの「萬世陸軍飛行場」をテーマにした番組が、今月末下記により放送される。
     フジテレビ 30日深夜 2時28分~3時23分
     NONFIX「終戦60年企画 幻の特攻基地」~歴史に埋もれた秘密基地を公開

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August 14, 2005

113.深川のまつり

 凄い。さすが江戸で一番の「深川八幡のお祭り」である。神田明神の「神田祭」、日枝神社の「山王祭」と並んで江戸三大祭り、「神輿」では天下一品と謳われ「水掛祭り」として知られている。
 昨日から始まった三年に一度の「本祭り」は、炎天下50万の見物客が永代橋通り一帯をを埋め尽くした。今日は「神輿の連合渡御」。深川を中心に江東区のおよそ半分、中央区新川、箱崎をふくむ地域の氏子組織から54基の大神輿が繰り出した。
 朝7時30分、富岡八幡前を木遣りの声に送られて出立した神輿は、永代通りから大門通りへ、木場を上って清洲通りを左折、清洲橋を渡って箱崎・新川へ。ここからは、木遣りと辰巳芸者の手古舞いを先頭に、永代橋を渡って神社に戻る。その距離およそ8㌔、8時間の壮大な渡御だった。
 渡御の名物は、観客もふくめ頭から水をぶっ掛けられる「水掛」ほか、それぞれの神輿が演ずるパーフォーマンスである。掛け声とともに神輿頭上高く上げる「差し上げ」、右左と蛇行しながら上がる「舞い上げ」、大漁旗をたなびかせながら駆込む神輿、木材集積と漁業、それに様々な庶民の暮らしがあった下町の伝統を今に伝えている。
 富岡八幡宮は、1627年寛永4年、永代島と周辺の砂州を埋め立てて建立された。徳川源氏の氏神「八幡大神」を祭った神社だけに、幕府の手厚い保護を受けてきた。
 またここは、江戸勧進相撲の発祥地でもある。1684年以来、春秋二つの本場所がここで開かれた。およそ100年、本所回向院に移るまで多くのフアンを呼び寄せた。
 紀伊国屋文左衛門が寄進した三つの巨大な「宮神輿」はもう無い。関東大地震で焼失したのである。12年前その「宮神輿」のひとつが新たに造られ寄進された。高さ4.4m、重さ4.5t、そのあまりもの巨大さに、担がれて街を練り歩くことは無い。

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August 13, 2005

112.東京湾大華火祭

 激しいスコールが、打ち上げ時間直前ピタリと止んだ。それから1時間20分、隅田川河口レインボーブリッジ前の東京湾の上空に1万2000発の花火が上がった。
 まずは5色の花火が30ヶ所から、そして次ぎは子供達への玉手箱。キャラクターの顔が夜空に。青いカーテンでブリッジが照らされ、尺5寸が400mの大輪の花を。
 様々な音と1500発の連打、菊や牡丹、朝顔が江戸の情緒を。そして最後に5色の火柱が噴き上がり「空中ナイアガラ」が夜空を染めた。
 それからいっとき、全てを洗い流すように再びシャワーが夏の夜空の余韻を消した。
 いつの頃から人々は夏の夜を花火で楽しむようになったのだろうか。1543年種子島に鉄砲が伝来した時、火薬もやってきた。
 江戸時代、人を殺傷するための火薬が、様々な工夫をこらして人々が楽しむ道具に変わった。そうした技術を生み出したのは、もっぱら北陸の人達だったという。
 そうした伝統を受け継ぎ、今でも長岡や小千谷、大曲の花火は世界一の規模を競う。

 1733年徳川吉宗の時代、疫病で亡くなった人々を慰霊するため「両国の川開き」が始まった。戦後一時中断されたこともあったが、隅田川の花火は延々と続いてきた。18年前には「東京湾大華火祭」も始まり、夏の夜空を彩る。
 今夜の見物客68万人、我が家の周囲は遅くまで喧騒が絶えなかった。

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August 12, 2005

111.姑獲鳥(うぶめ)の夏

 「うぶめ」とは孕女または産女と書くが、今昔物語に「この姑獲鳥(うぶめ)というは・・女の子産むとて死にたがるが霊になりたるといふ人もあり」と記され、出産のため亡くなった女がなるとい想像上の鳥である。その声は、子供の泣き声に似て、夜中に飛んできて子供を害する。この説話をヒントに、直木賞作家・京極夏彦が書いた「京極堂シリーズ」の第一作が、この映画の原作である。
 久々に実相寺昭雄の登場である。元TBSのドキュメンタリストは我々の尊敬する先輩だが、TBS紛争のころフリーとなり映画監督へと転進した。その実相寺が、テレビ的なフラッシュバック手法やおどろおどろした映像で昭和20年代の東京を舞台にした、怪奇ミステリー映画を作った。
 謎解き映画だから、ストーリーは省くが出演者は豪華である。堤真一、永瀬正敏、阿部寛、宮迫博之、原田知世、田中麗奈、清水美砂、篠原涼子、すまけい、いしだあゆみ等、個性的な役者をそろえた。このなかで、原田といしだがトリックのキーウーマンとなるのだが、ちょっとご都合主義なところもある。
 最近の日本ホラー映画ほど怖くはないが、夏の夜の一興に。

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August 11, 2005

110.星になった少年

 清清しい映画である。母親が息子の生と死を綴った実話だからだろう。「ちび象ランディと星になった少年」(文藝春秋刊)が原作。作者の坂本小百合さんは、元ファッションモデルから映画やテレビ用の動物プロダクションをつくった人、現在「市原ぞうの国」という私設動物園を経営している。

 話は、日本初のゾウ使いの少年・哲夢と子ゾウ・ランディ、そして家族の日々である。主人公の哲夢は、「誰も知らない」で日本初のカンヌ主演男優賞受賞の柳葉優弥、受賞後初主演である。母親役は常盤貴子、継父に高橋克実、淡い恋心を抱く年上の少女に蒼井優、そして祖母役が倍賞美津子と実力俳優が揃った。監督はフジテレビで話題作のドラマを演出しているゼネラルディレクターの河毛俊作、そして音楽がアカデミー作曲賞の坂本龍一と並々ならぬスタッフである。

 タイでのゾウ訓練センターでのロケがいい。およそ800人の現地キャストと2ヶ月のロケ、チェンマイ北部の自然とゾウの大群、ゾウ使いとしてたくましくなっていく哲夢・・・。スケールの大きな映画ができた。

 「ちび象ランディー基金」、映画を観た観客ひとりあたり20円がスマトラ沖地震の被災地に寄付される。

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August 10, 2005

109.ダンシング・ハバナ

 上映時間86分その始まりから終わりまで、強烈なキューバ音楽「サルサ」のビートが流れる。18年前、世界的に大ヒットした「ダーティー・ダンシング」のリメイク版である。
 製作は「キル・ビル」のローレンス・ベンダー、振付に「Shall we Dance?」のジョアン・ジャンセンを起用して新しい「ダンス映画」の傑作をつくりあげた。
 アメリカから革命前夜のキューバにやってきた、高校生のヒロインはロモーラ・ガライ。ヒロインが恋したキューバの若者に、「ターミナル」でハリウッド進出をはたした新生ラテンの星ディエゴ・ルナ。主演の二人が躍る息の合ったサルサのリズムが、観る人を高揚させる。
 世界三大ギタリストといわれるカルロス・サンタナの音楽は流石だ。

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August 09, 2005

108.モディリアーニ・真実の愛

 パリ・モンパルナスのカフェ「ラ・ロンド」に集まる絵描き、詩人、小説家そして女たち。そのなかの一人、デカダンスの人生をおくる画家アメデオ・モディリアーニと、その妻ジャンヌとの悲劇的な愛の物語である。
 主人公モディアリアーニを演ずるのは演技派アンディ・ガルシア(「ゴッドファーザー3」)、彼を追って死の翌日、身重のまま投身自殺した妻ジャンヌは、フランスの実力派女優のエルザ・ジルベルスタイン(「薔薇酒色の人生」)が扮する。
 あまり宣伝もしなかったが、評判の映画で封切直後は長い行列だった。そこで少し日をおいて出かけたが、ウイークデーの初回でも7割の入りだった。
 富と女を求め、時代に迎合した生きかたを見せるピカソ、麻薬におぼれ破滅的な人生をおくるユトリロ、スーチン、リベラ、キスリングと後にエコール・ド・パリと称される天才画家たち。絵と生き方のライバルでもあるピカソに打ち勝った時、彼には死が訪れた。
 映画がクライマックスにさしかかった時、後ろの若い女性観客が号泣した。こんな経験は始めてである。そのためか少々興ざめて館を出た。
 仏・英・伊合作だが、セリフは英語。これではせっかくのパリの舞台やピアフのシャンソンが生きない。 

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August 08, 2005

107.佃のまつり(3)

 朝9時、神様がご帰還。御旅所を出立した「八角宮神輿」は、町内各睦会に引きつがれながら帰途につく。それぞれ氏子の住む町内を巡行するので、1時間30分が割り当てられる。
 月島一之部は、午後4時無事ニ之部より神輿を預かった。神主のお払いを受け、長老たちが神輿を担ぐ。途中元気な「青睦」と「祭睦」が引き継いだ。「エイヤ」「ソイヤ」と、頭から為水を浴びびっしょり濡れて町内を練り歩く。興奮とともに爽快な時。
 午後5時30分、無事「新佃」に宮神輿を渡した。7時30分、神様は住吉神社に到着、御霊は本宮に安座した。
 三日間の「佃のまつり」、四万人の町衆が熱気に燃えた。月島地区だけでも、十二の大小神輿と八つの山車が朝10時から夜6時まで、街を練り歩いた。マンションのテラスから見ると、南北700m東西500mに囲まれた月島は為水でびしょぬれ。その街路の彼方此方で、神輿が躍っていた。
 このエネルギーは何処から出てくるのだろうか。町会毎に寄付を集め、スポンサーに頼ることなく自らの「祭り」を創り、誰に頼ることもなくそこに住む人々だけで神輿を担ぐ。三日間も。

 いま、多くの「祭」が観光イベントとして人々を集める。かかる経費もスポンサーが出す。年々地元の手を離れ、祭はイベントプロが仕切る。祭りが伝える日本の伝統と文化、庶民の信仰とくらしは消えていく。しかし、「佃のまつり」はそうした風潮を、頑なに拒んでいる。それが楽しい。

 月島の夏は終わった。来週は「深川のまつり」である。

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August 07, 2005

106.佃のまつり(2)

 住吉神社例大祭のハイライトは、二日目の「宮神輿」の船渡御と御旅所渡御。神様が三年に一度、一泊旅行をするのである。
 朝6時30分、神様は社を出立する。そして旅支度を整え隅田川テラスに横付けされた船に乗る。その時間8時20分、地元佃の大勢の氏子たちと、広重の「名所江戸百景」にも描かれた大幟に見送られ東京湾にむかう。

 神様の一泊旅行の風習は、全国いくつかの神社でも見られる。川や海上の渡御も、大阪の「天神まつり」などで行われる。ただ、東京ではここ佃でしか見ることは出来ない。住吉は航海安全と大漁祈願の神社だからだ。

 午後、「宮神輿」は神様を乗せて、陸路御旅所に向かう。往路の西仲通り(もんじゃ通り)は、それぞれの町衆が羽織袴や揃いの法被で迎える。神輿も、いつもの「エイヤ!」「ソイヤ!」の掛け声ではなく、「木遣り」とお囃子で静々と進む。もちろん、為水も今日はかけない。およそ1時間20分、2キロ足らずの旅は終わる。御旅所には、地元の晴海、勝どき、豊海の大神輿が神様のご一行を待ちうけていた。

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August 06, 2005

105.佃のまつり

 下町が燃えている。三年に一度の佃の「住吉神社例大祭」である。

 午前10時、月島一之部の法被を被り清澄通りに出る。大小十数基の神輿が通りを埋め尽す。「晴海」「勝鬨」「月島一之部」「月島ニ之部」「月島三之部」「月島四之部」「新佃」、こんなに多くの人々が町内に住んでいたとは、驚きである。

 神輿は、為水を浴びながら威勢良く広い道に繰り出し、住吉神社に向かう。今日だけは、神様と人間だけの道である。車は遠慮して脇道にそれていく。
 本殿では宮出しした雄と雌の獅子頭が、威勢良く御霊に向かって「刺す」。時には咆哮し、時には頬をすりよせる。若頭たちが操る獅子たちの乱舞が、観衆のどよめき呼ぶ。

 大阪佃の漁師たちと一緒に、住吉大社のご神体がこの地に鎮座して今年は360年になるという。徳川家康が戦いに敗れて本拠の駿河に撤退するとき、船を出して彼等を助けたのが縁だった。江戸幕府が成立してから、漁師たちの一部が江戸沖の砂州を拝領して移り住んだ。
 佃の漁師たちは、江戸前の漁獲物を江戸城に献納すると同時に、甘辛く煮て江戸市中で売り捌いた。「佃煮」である。今日の祭の日、三軒だけ残っている佃煮屋で、祭見物に来た友人がそれを求めた。

 本家大阪の住吉大社の祭りも凄い。しかし、江戸佃の祭は、粋である。

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August 05, 2005

104.平成の大合併

 4年ぶりに、ムラの集まりに出席した。会長からふるさとの「合併問題」について話してほしい、というので「合併の経緯と諸問題」について報告した。前夜遅くムラの友人に電話して、「ナマ臭い話」も仕入れたが。
 ムラの名前「萬世」が消えて50年になる。昭和の大合併で隣町と一緒になり加世田市となったからだ。そして「萬世」は母校と焼酎の銘柄だけに残り、地名としては跡形もない。
 平成の大合併では、その加世田市と笠沙町、大浦町、坊津町、金峰町がひとつになり、今年の秋には「南さつま市」が誕生する。地名の歴史から言えば、古事記や日本書記に登場する「笠狭」(笠沙、加世田はその転)がふさわしいと思うのだが、現自治体の名前は住民の感情的対立を招くということで避けられた。
 もちろん「薩摩」も7世紀頃からの伝統的な地名であり、この地方は通称「南薩」とよばれているから可笑しくはない。ただ、「ひら仮名」にしたことには、異論を抱く人も多い。その上、今回の大合併で県内には類似した市や町名が生まれた。来年春誕生の「さつま町」と昨年秋誕生した「薩摩川内市」である。地域の住民感情を考えれば「さつま」が無難だからだろう。
 
 平成の大合併により、4年前全国で3,232あった市町村が今年度末には1,822に激減する。この3月に失効した「合併特例法」による財政的優遇処置という「アメとムチ」のためである。何がアメで何がムチかは少々専門的になるので、ここではふれないが、ともかく3月末まで県に申請し年度内に合併しようと全国的な駆込みが起こったのである。
 駆込みは悲喜劇を生んだ。千葉県の「太平洋市」は全国的なブーイングで新市名変更、愛知県の「南セントレア市」や長野県の「中央アルプス市」、青森県の「あっぷる市」など珍妙な名は、住民投票で合併そのものがご破産となった。佐賀県の「湯陶里市」など語呂合わせそのものの地名も、常識ある市民の反対で消えた。
 しかし多くの歴史ある伝統的な「地名」が地図の中から消えていったのも事実である。

     全国地名保存連盟 http://www.geocities.jp/chimeihz/ 

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August 04, 2005

103.バットマン ビギンズ

 アメリカコミック界を代表するヒーロー、バットマン。青年大富豪として、社交界で女性たちの熱い眼差しを浴びる彼は仮の姿、実は闇の世界から戻ってきた正義の騎士。そしてこの作品が第5作目となる。
 コミックを原作とするが、今回の映画は理屈っぽい。タイトルにビギンズと謳われている通り「一人の青年が、なぜ、どのようにして闇夜の騎士になったのか」そして「絶対的な正義とは」と。また「バットマンが空を飛び、不死身なのはなぜか」についても、決して奇想天外ではなく科学的な根拠を見せる。ということで、ただ楽しく笑いながら観ることが出来なくなってしまった。
 監督は英国の鬼才クリストファー・ノーラン(「メメント」)、リアルな語り口で深みのあるドラマを得意とする。主演は若手のクリスチャン・ベール(「マシニスト」)、ベテランのモーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、リアーム・ニーソン等が脇を固める。「超正義」の陰の軍団を率いる悪役に渡辺謙が出演、それなりの存在感を見せる。

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August 03, 2005

102,STAR WARS エピソード3

ジョージ・ルーカスが、四半世紀にわたって描いてきた壮大な叙事詩「スター・ウオーズ」の最終作品が、「シスの復讐」である。物語の流れから言えば、6部作の第3回目。1980年代に上映された4~6のエピソードの謎が、この映画を観てはじめて解ける、という仕掛けである。
 息の長い話だが、映画技術、とくにSFXの技術が容易に活かされる「時」をルーカスは、辛抱強く待ったという。4~6にくらべ「エピソード3」におけるスペース・バトルは、それだけに迫真に迫る。そして様々なキャラクターが、その数42種類というが、スクリーンで躍る。
 映画の主人公も、前3作品がアナキン・スカイウオーカーだとすれば後の3作品は、その子ルークの物語。封切前、「4・新たなる希望」「5・帝国の逆襲」「6・ジェダイの帰還」とテレビで放送されたが、ダース・ペイダーとルークの関係がもうひとつしっくりしなかった。が、この映画を観てなんとか落ち着いた。ルーカスの術中にきっちりと嵌ったのだ。
 90年代に上映された「エピソード1・ファントム・メナス」「2・クローンの攻撃」に登場した「C-3po」も「R2-D2」も健在だったし、「エピソード6」で全てを納めた「ヨーダ」もしっかりと活躍していた。

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August 02, 2005

101.みちのくの旅(5)

 八月に入ると、「みちのく」は祭一色になる。収穫の秋を前に農民たちは、労働の妨げになる「眠気の虫」を封ずるため「合歓(ねむ)の枝」を神輿に組む。
 青森では「ねぶた」、弘前では「ねぷた」、BuとPuは、北津軽弁と南津軽弁の微妙な違いである。そして五所川原は「立佞武多(たちねぷた)」という、高さ22m17トンもある巨大佞武多が街を練り歩く。中に仕込まれた電球の数が800なのだそうだ。市では、電線等を地中に埋設して巨大ねぷたの通行を可能にした。
 7月末宿泊した南津軽の温泉では、笛と太鼓の音に囃されて「ねぷた」のヒキとハネトの舞いを、体験させてくれたし、五所川原では過去に運行したいくつかの「たちねぷた」を見せてもらえた。
 八戸は「三社大祭」、秋田は「竿燈まつり」、山形「花笠まつり」、仙台「七夕まつり」と続く。

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August 01, 2005

100.みちのくの旅(4)

 濃い霧のなかから、突然巨大な風車が現れる。一基、二基いや十基以上の風力発電タワー群である。ここは、六ヶ所村、三沢の北、太平洋に面し湿地帯の原野がほとんどを占める。少し進むと、これもまた巨大な石油タンクの群、国家石油備蓄基地である。
 六ヶ所村はまた「核」の村である。「むつ小川原総合開発」の名のもと、全ての自治体が避けてきた「核関連施設」が乱立している。
 平成4年に創業開始した「ウラン濃縮工場」。天然ウランを濃縮して原子力発電の燃料となるウラン235の密度を高める。同じ年から埋設が始まった「低レベル放射性廃棄物埋設センター」。原子力発電所から出た放射性廃棄物を、ドラム缶に詰めて埋める。最終的には、200㍑ドラム缶300万本がここに埋められる。
 平成7年には、「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」も操業を開始した。使用済み燃料の再処理で発生した廃液をガラスで固め、キャニスターに密封する。それを冷却・貯蔵管理する施設である。
 「再処理工場」は、現在工事中である。4年後完成すれば、ウラン燃料が燃えたあと出来るプルトニュウムを化学的に処理、再び原料として使えるようになる。「MOX燃料工場」が10年後に完成すれば、軽水炉の燃料として利用する「プルサーマル」が始まる。
 その結果、ウラン燃料を繰り返し利用し準国産エネルギーとする「原子燃料サイクル」が完成する。放射能漏れもなく、全てが安全に進んだと仮定すれば、である。
そしてもうひとつ重要なことは、核燃料サイクルにともなう技術は、いつでも軍事転用が可能だ、ということである。北朝鮮の核問題をめぐる「6ヶ国協議」は、その点をめぐっての攻めぎ合いなのである。
 ウラン濃縮とプルトニュウム抽出施設を保有している国は、米、ロ、英、仏、中、印、パ、北朝鮮と日本の9ヶ国。その中で、平和利用に限定しIAEAの査察を受け入れている国は、被爆國日本だけである。
 その平和利用のため、六ヶ所村原子力関連施設に投じられた経費は、2兆8000億にのぼる、という。

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