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December 31, 2005

225.2005年データ忘備録

 「スイミング」284㎞、「ランニング」143㎞。
 「旅」29日、「映画」119本、「古典芸能」18回、「音楽会」6回。
 「祭り」11日、「魚がし」65日、「黒瀬」82日、「通院」3回。
 「ブログ」225本、「読んだ本」98冊、「書いた原稿」?枚。
 「夜の在宅率」58%、そして「休肝日」は7日、深く反省。

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December 30, 2005

224.焼酎バー「黒瀬」(31)

Imgp1337 今年は「さつまいも伝来300年」。さつまいもと焼酎にまつわる話をたびたび伝えてきたが(10月22日・ブログ224号焼酎バー「黒瀬」他)洩れた話題を三つ紹介して年の瀬を締める。

 「目指せ!焼酎アドバイザー」(南日本新聞ほか)
 鹿児島で初めての焼酎アドバイザー試験が、前田利衛門の地元山川町で開催。県内から参加した50人が、四時間にわたって焼酎の知識と生かし方を問うテストに挑んだ。ワインなど酒類のアドバイザーの認定はティスティングが主だが、今回は焼酎の基本的知識を問う筆記試験の他、新しい時代にむけて焼酎をどう生かしていくか具体的な企画書づくりの問題もあり、受験した飲食店・販売店関係者は真剣な表情で取り組んでいた。(ちなみに、焼酎バー「黒瀬」の店主宿里順也は既に焼酎アドバイザーの資格をもっている。)

 「鹿児島県産 本格焼酎100%の水割り缶」(南日本ほか)
 サントリーは先月から、鹿児島県産の本格焼酎原酒100パーセント使用した水割り缶「本格水割 芋」を全国のコンビニで販売開始した。原酒はもちろん県内の蔵元から仕入れ、山梨県南アルプスの天然水で割った。アルコール度数は8%、250mlの飲みきりサイズで、一缶150円。(「黒瀬」の水割りは12~15パーセント、銘柄を変えながら一晩寝かせてある。)

 「焼酎ボトルに薩摩切子」(日経ほか)
 浜田酒造はこの秋、伝統工芸品・薩摩切子をボトルに採用した芋焼酎「斉彬乃夢」を発売した。420ml入りで、藍と赤の2色、価格はそれぞれ21万円と24万1500円。焼酎は黄麹を使う昔ながらの製法、月産10本が限界だそうだ。(「黒瀬」は中身を楽しんでもらう店なので、この焼酎ボトルは置いてない。)

 焼酎バー「黒瀬」 電話03-5485-1313
 http://keida.cocolog-nifty.com/kurose/ 

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December 29, 2005

223.あらしのよるに

 冬休みにはいり子供たちが楽しめる映画が、いくつか封切されている。この映画もその一つだが、十分大人の鑑賞にも堪える。

 スタジオ・ジブリのアニメーションは、日本が世界に誇れる映像文化だが、セディックインターナショナルと獏エンタプライズが総力を挙げて製作した「あらしのよるに」も、日本アニメの優れた製作能力を見せてくれた。監督・演出脚本を杉井ギサブロー、アニメーション監督を前田庸生、作画監督江口摩吏介、美術監督阿部行夫の面々である。

 お話の原作は、きむらゆういちの絵本シリーズ「あらしのよるに」(講談社)。220万部を突破するベストセラーだそうだ。すでに発刊されている第6部までに最終章を加えて長編アニメにした。「オオカミとヤギがふとしたことで知り合い、ありえない友情をはぐくむ」という単純な構成だが、これにはきむらの現実社会に対する鋭い批評が込められている。
 ある評論家は、ヤギを食い散らすオオカミの集団をアメリカ「帝国主義」になぞらえた。いや、イスラム「過激派」かも知れない。オオカミとヤギの集団はシオニストとパレスチナ難民の関係とも深読みできる。

 声優陣が豪華だ。オオカミに中村獅童、ヤギに成宮寛貴、他に林家正蔵、市原悦子、小林麻耶、早見優、坂東英二など。篠原敬介の音楽もいい。

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December 28, 2005

222.築地市場(8)

Imgp0145Imgp0148 プロの買い出しの時間が終る頃を見計らって、築地に出かけた。朝NHKやTBSも中継していたように、今日から30日までの三日間は最も人出が多くなる。遠来の素人客が増えるので店先が混雑する。だから9時ごろが穴場だ。
 ただ年末になると、ブリやカンパチ、生マグロなど生鮮魚の値が跳ね上がる。大間産のクロマグロなどは、キロ一万円を越えたそうだ。
Imgp0146 場外市場は「おせち」の材料のヤマだ。カマボコなどの扱い量は普段の4~5倍になるという。これだけのものが売りきれるのかと、他人事ながら気になる。
 渋滞の車の間を縫って歩く。7年後は築地の中央卸売り市場も豊洲に移転する予定だ。そうなると渋滞も解消され、人と車は分離されるなど物流ラインは効率化されるという。
 しかし、日本橋から築地に移って70年、この「魚がし」の雰囲気と味は、多分消えてしまうだろう。そういえば、ニューヨークのマンハッタン南部のイーストリバーにあった「魚がし」も郊外に移転、NYッ子を寂しがらせているという。

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December 27, 2005

221.ロード・オヴ・ウオー

 久し振りに強烈なメッセージを放つ映画を観せてもらった。
 「ターミナル」の原案・製作総指揮にあたった作家のアンドリュー・ニコルが、実在の武器商人をモデルに書き、製作・監督に当った映画である。

 トップタイトルバックの映像がうまい。映画の主題を全て語っている。真鍮が切り取られ火薬が自動的に詰め込まれる銃弾製造の流れ作業、カメラは一個の銃弾をアップで捉える。検査され箱に入れられた大量の銃弾はトラックから船へ、陸揚げされたのは、アフリカの紛争地。ひとりの反政府ゲリラの手に渡った銃弾は、AK47カラシニコフに装填される。発射される銃弾、カメラはアップで弾尾を追う。弾は若い難民の脳天を貫く。パンダウンした荒地は薬莢で埋め尽くされ、そのなかから一人の人物が浮かびあがる。武器商人ニコラス・ケイジ(「ナショナル・トレジャー」)である。

 時代は1980年代から2005年、舞台は中東、西アフリカ、アジア、南アメリカ。戦場のビジネスマン・ケイジの顧客は世界の独裁者であり、紛争当事国の政府そして反政府である。「武器売買に政治は無用。敵味方両方に売るのが我々の国際主義」とウクライナからの亡命者でアメリカ国籍の主人公は、彼を追うインターポールの刑事に嘯く。

 ラストもいい。逮捕されたケイジは合衆国政府の圧力で釈放される。何故?合衆国政府こそ世界最大の武器ディーラーなのだ。そして露、仏、英、中と続く。最後のコメント「世界の武器のほとんどが、この五つの国連常任理事国の手によって売られている」。

 こどもや女たちが殺されていく。15歳未満は視聴禁止の映画である。

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December 25, 2005

220.東京タワー(2)

image24 今年は東京タワーが楽しい。リニューアルを終えて様々なイベントを展開している。観客も増えてきたそうだ。

 「ライトダウン伝説」。NHKのテレビでも紹介されたが、「午前0時東京タワーのライトアップが消える瞬間を一緒に見つめたカップルは、永遠の幸せを手にいれる・・・・・」のだそうだ。毎晩0時になると、多くのカップルでタワーの下は賑わっている。
 さらに23日からは、18時、20時、21時30分の3回、ライトダウンのイベントが行われている。遠来の客、子供たち、東京タワーを家の窓から楽しむ人達へのクリスマスプレゼントである。
 
Imgp0126  午後8時、デジタルカメラを構えて3キロちょっと先の東京タワーを狙ったが、ピンボケ。汐留のビルとビルの間に見えるタワーは、真っ暗になる。対照的にレインボウブリッジは、7色に点灯。そのうちタワーの展望台にハートのマークが浮かび上がる。そして下の方から少しずつ光が点り始まる。30分、東京タワーは全体がライトアップされた。

image15  今年一年、東京タワーが主要な素材として描かれた映画が三本上映された。黒木瞳と岡田准一の「東京タワー」、豊川悦司・田口トモロヲ・原田知世の「大停電の夜に」、そして吉岡秀隆・堤真一・小雪の「ALWAYS三丁目の夕日」である。また「亡国のイージス」「ゴジラFINAL WARS」でも東京のシンボルとしてタワーは登場した。

 さて来年、「東京タワー」はどんな存在として人々の心に描かれるだろうか。「ライトダウン」の特別プレゼントは、今夜までである。

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December 23, 2005

219.築地市場(7)

 正月料理に」「シャケ」は欠かせない。若い頃札幌で5年暮して以来、鍋から塩焼き、バタ焼、ルイベと美味しくつきあっている。
Imgp0129Imgp0130 築地市場は何といっても「マグロ」だが、場外は「サケ」を扱う店が最も多い。愛用しているのは「昭和食品」「旭屋水産」「魚がし北田」だが、「つきじ近富」「吉沢商店」「越後商店」なども、それぞれ特徴ある品ぞろいである。

Imgp0133 国内で流通する鮭は、ほとんど「シロザケ」だが生育年代、収穫時期によって値段は様々だ。

 夏北海道沖合いでとれる若い鮭は「時しらず」。秋、河川に上ってくる鮭は北海道で「秋味」、東北では「銀毛」と呼ばれる。産卵直前のものは「ブナ」、直後は「ホッチャレ」、これは美味くない。
 「シロザケ」でも若い未成熟のものが一万尾に1~2本獲れる。全身脂ののった鮭で「鮭児」とよばれる。アムール川系の鮭でカムチャッカ半島を回遊していたものが、時々知床に迷い込む。1尾10万円もするそうだ。
 「目近」も結構な値段がする。こちらは、1000尾に1尾の割。秋味、時しらずと同じ仲間だが、鼻先と目との距離が短い。美味いことは美味いが、秋味との値段の差ほどは、と思う。

 他には、太平洋側のカナダ産の「紅サケ」。これは美味しい。北海道では僅かしか獲れないので、国産は高い。キングサーモン(マスノスケ)は名前のとおり鮭の王様、ステーキにしたら他とは比べ物にならない。こちらも北太平洋沿岸産。
 カラフトマスは初夏、日本海、三陸冲に回遊してくる。サクラマスも同様である。
 スーパーなどで切り身として安く売られているのは、ほとんど「アトランティック・サーモン」。チリやノルウエーの養殖ものである。脂はのっているが、「シャケ」らしくはない、と私は思っている。
 日本で消費される鮭は、国産10万トン、輸入もの10万トンだそうだ。

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December 22, 2005

218.SAYURI

 「シカゴ」でアカデミー作品賞をとったロブ・マーシャル監督でも「ニッポン」を題材にすると、こんなになってしまうのだ。他所の国だし「東洋の神秘」だから、時代考証など省略してファンタジーに描いたのだろう。
 面白いのは、登場人物の着物姿。キリッとしまったそれではなく、中国の京劇風いやドレスを羽織っているようなグズグズである。そして会話は?ソニーの子会社だがコロンビアが作ったハリウッド映画だからもちろん英語。ただ時々出てくる日本語が耳障りだ。

 話は「芸者の一生」。チャン・ツィイー(「HERO」「LOVER」「狸御殿」)の演ずる「さゆり」が、先輩芸者コン・リーや置屋の女将桃井かおりにいじめられながら、恋する男渡辺謙を求めて一歩一歩プロの芸者に成長していく、というもの。他にミシェル・ヨー(「グリーン・ディスティニー」)や役所広司、工藤夕貴がからむ。さゆりの少女時代を演じた大後寿々美(「北の零年」)がかわいい。
 ソニー専属ヨーヨ・マのチェロのチェロ、製作がスティーブン・スピルバーグと話題には、ことかかない。

 女郎と芸者の違い、舞妓・半玉、莫大な金額の水揚げ料、そして床入りと日本美術史を学んだ原作者アーサー・ゴールデンは、アメリカの読者のツボを心得ているし、監督もまたアメリカの観客の「日本観」に見事に応えている。
 
 それにしてもチャン・ツィイーは美しい。彼女の踊る「都をどり」は、「LOVERS」の女刺客の舞を越えたミュージカルだった。
 今日の朝日新聞に落語家の立川志らくが「芸者の悲しみや喜びにどこまで迫られたか」と書いていたが、納得。 

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December 21, 2005

217.焼酎バー「黒瀬」(30)

 焼酎ブームにあやかって、いろいろなメディアでランキングが発表される。
 ネットショップの楽天は、「売れ筋」で週間ランキングを発表しているが、直近のデータを見ると①「百年の孤独」、②「赤兎馬」、③「富之宝山」とある。トップの宮崎産をふくめ「黒瀬」でも飲めるが、「楽天」市場での売値は5000円~8000円。蔵元購入価格の5倍以上もする。異常な高値はブームにとって迷惑となる。
 あるグループが発表した「飲んかた」が選んだベストファイブは、①森伊蔵、②華奴、③伊佐美、④魔王、⑤べいすん。②と⑤以外はポピュラーと言える。

 酒造業界の専門誌記者や蔵元、酒販関係者が選ぶダイヤモンド社の焼酎ランキングは、それなりに権威を持っている。杜氏の実力や品質、香味のバランスや熟成、価格など10項目にわたって採点している。
 今年は第1位に「黒瀬」の隣町川辺町の蔵元、尾込商店の「さつま寿」が選ばれた。当ブログ131号(9月4日)でトップに紹介した銘柄である。「柔らかでふくらみもあり、お湯割りにしても味が変わらない」というのが審査員の評である。ブログでは「芳ばしく柔らかな味。飲み飽きない」と紹介した。
 鹿児島の芋焼酎では3位に霧島・佐藤酒造の「佐藤」、7位に霧島・萬膳酒造の「萬膳」、8位に霧島・国分酒造の「いも麹芋」、10位に日置・西酒造の「富乃宝山」が入った。
 いずれも店に置いてあり評判の焼酎である。黒瀬杜氏が仕込んだ焼酎が、ランキングの大半を占めているのはうれしい。

http://keida.cocolog-nifty.com/kurose/

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December 20, 2005

216.ひとまく会

 歌舞伎座の最後の一幕を、4階の立見席で観る「ひとまく会」。今年最後の演目は「秀山十種の内 松浦の太鼓」、師走にふさわしく「忠臣蔵外伝」の一つを楽しんだ。

 俳諧師宝井其角(弥十郎)と俳句の弟子でもある赤穂義士大高源吾(橋之助)との両国橋での出会い。其角から源吾の句を聞いて「討ち入り」を悟る赤穂贔屓の大名松浦鎭信(勘三郎)、隣の吉良邸から聞こえてくる山鹿流の陣太鼓。二つの名場面は観る人の心をうつ。
 松浦鎭信は伯父の初代中村吉右衛門、父親の十七代中村勘三郎の当り役、今年3月十八代目を襲名した勘三郎が初めて演じた。

 襲名といえば、今京都南座では坂田藤十郎襲名興行。元禄時代に上方歌舞伎を完成した四代目藤十郎の大名跡を、中村鴈治郎が300年ぶりに継いだ。これで歌舞伎「五大襲名」が終るのだそうだ。
 4年前の五代目坂東八十助の十代目坂東三津五郎、翌年の二代目尾上辰之助の四代目尾上松緑、昨年の七代目市川新之助の十一代目市川海老蔵、今年の勘三郎と藤十郎と五つの大名跡が復活した。
 襲名とは「家の芸」に象徴される古典の継承だが、興行の面からは「スター誕生」によるブームの再起である。そしてここ数年の「襲名」は、新しい歌舞伎ファンを生み出したばかりではなく、ひとつの社会現象ともなったのである。

 来春の歌舞伎座正月興行は、藤十郎の襲名披露。「藤十郎の恋」「伽羅先代萩」それに「襲名披露口上」も観たいので、「ひとまく」ではなく夜の部の席をなんとか確保した。上方歌舞伎の伝統を楽しみたい。

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December 19, 2005

215.焼酎バー「黒瀬」(29)

 芋焼酎1000を越える銘柄のうち「黒瀬」で味わえる逸品シリーズ、10回目は市来から。
 この秋隣の串木野市と合併して「いちき串木野市」となったが、市来(町)は「芋焼酎の故郷」と呼ばれている。というのも人口7000人ちょっとの町に、六つの蔵元が林立しているからだ。そして各蔵元は、それぞれ特徴ある焼酎造りをすすめ上手く棲み分けている。

Imgp0010 「七夕」
 「黒瀬」では良く飲まれている田崎酒造の代表銘柄である。繊細な甘味が特徴で女性には特に評判だ。コガネセンガンにシロサツマを加えた原料を白麹で仕込む。もっぱらお湯割りを奨めているが、ロックにするとさらに甘味が強調される。
 銘柄名の「七夕」は、蔵元のある大里に、400年前から続いている「七夕踊り」に由来している。この踊りは、国の重要無形民俗文化財。
 他に原料の芋を焼いて仕込んだ「鬼火」、1000日熟成貯蔵した「千夜の夢」さらには「万夜の夢」などの傑作がある。

 「天狗桜」
 市来の中心、湊町には四つの蔵元があるが、そのひとつ白石酒造の銘柄。小さな焼酎蔵だが創業は明治36年。以来一次、二次とも手作り甕仕込みを踏襲してきた。白麹、味にふくらみがあり芳醇な味わいが特徴、お湯割りも美味しいが、割り水して一晩置き澗するとさらに上品な甘味を味わえる。
 他に三年貯蔵の「紅椿」もある。

 「大和桜」
 同じ湊町にある大和桜酒造は、社名がそのまま銘柄名である。前者と同じくこの焼酎も全て甕壷仕込みである。ラベルには「本手造り甕壷仕込」、さらには「市来焼酎」とうたっている。厳選したコガネセンガンに白麹、長期貯蔵による穏やかな酒。創業当時からの味と造りを守りぬいてきた。

 他の蔵元では若松酒造が「わか松」「吾唯足知」、濱田酒造の焼酎蔵濱田屋伝兵衛「黄麹仕込 伝」、新工場を隣の串木野に移し国際的な展開をはかっている「海童」シリーズ、「隠し蔵」などがあるが、稿を改めたい。

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December 18, 2005

214.焼酎バー「黒瀬」(28)

 忘年会のシーズン、おかげさまで「黒瀬」も賑わっている。そんなこともあって、ゆっくり焼酎の飲み比べも出来ず銘柄の紹介が滞っていた。「黒瀬」で味わえる逸品シリーズ9回目は、一ヶ月ぶりの登場である。

 日吉町は平成の大合併で日置市になったが、ここには「小正醸造」がある。同じ市内の旧吹上の焼酎は既に紹介したが市内北部にあるこの「蔵元」だけは、残しておいた。薩摩酒造と並ぶ鹿児島県のトップメーカーだからである。
 6月6日のブログ61号「焼酎バー・黒瀬(8)」でも一部ふれたが、小正醸造の商品数は44にのぼる。全国向け、県内向け、地域限定などキメの細かいマーケティングが特徴である。「東京駅」という銘柄まであって、東京駅の地下名店街のリカーに置いてある。鹿児島帰省みやげに買った、という笑い話まである。
 銘柄数が多いので「黒瀬」では、代表的な焼酎3種類ほどを扱っているので飲み比べてみてほしい。

Imgp0012  「さつま小鶴」 
 小正醸造が昔から造って来た白麹、コガネセンガンの焼酎である。地元日置の人達は、ほとんどこれで楽しむ。この地に親戚が住んでいるので、度々送ってもらっていた。いもの香りがほどよくスッキリした飲み口が特徴である。最近は「朝掘り仕込み」をラベルでうたい、原料の鮮度をアピールした商品もある。

 「小鶴くろ」
 もちろん黒麹で仕込んだ焼酎で、前者に比べて重厚な飲み口である。蔵元が独自に開発した蒸留器を使い常圧で蒸留している。お湯割りだけでなくロックもお奨め。

 「蔵の師範」
 原料はコガネセンガンだが、隣南さつま金峰の早出米「コシヒカリ」を使って仕込んだ焼酎を、素焼きの甕壷で4年間ほどじっくりと熟成させた。芳醇でまろやか、味わい深い。黒麹。これもまずロックで。

 他に有機いもを使った「天地水楽」、「真酒」「小鶴くろ新焼酎」等々。

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December 16, 2005

213.親切なクムジャさん

kumujya 「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続く「リベンジ・トリロジー」の完結編がこの映画。純愛路線の「四月の雪」「私の中の消しゴム」、民族分離の悲劇から生まれた「JSA」「マイ・ブラザー」、庶民の心を描く「マラソン」「チング」等々韓流映画のもうひとつの路線が、復讐ものなのだ。

 監督はもちろん「オールド・ボーイ」でカンヌ映画祭グランプリをとったパク・チャヌク、こんどは女性を主役に今韓国一の売れっ子イ・ヨンエを持ってきた。
 イ・ヨンエはパク監督が「JSA」で、中立国軍人役として抜擢、その後は「宮廷女官 チャングムの誓い」などテレビ界で大活躍している。そして徹底的に復讐される相手役は「オールド・ボーイ」の主役だったチェ・ミンシクが務める。

 ストーリーはこれから観る人のために省くが、日本版タイトルを「親切なクムジャさん」と付けた配給元の東芝エンタテインメントは上手いというか、面白い。原題を直訳すれば、「女の復讐交響楽」。復讐とは逆の「親切」という言葉を持ってきて裏をかく。なぜ彼女は刑務所のなかで「親切なクムジャさん」と呼ばれたのか、映画の鍵がここにあるからだ。

 「ヨン様」につづいて「韓流最後の大物・ヨン姫」の登場である。

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December 15, 2005

212.灯台守の恋

 クリント・イーストウッドとメリル・ストリープの「マディソン郡の橋」は、四日間のやるせない男と女の不倫の物語で多くの女性の涙を誘った。フランス版のこの映画は、たった一瞬の不倫の物語である。

 マディソンもアメリカの典型的な田舎だったが、この映画の舞台となったブルターニュもフランスでは、最果ての地。大西洋に突き出たこの地方は、ケルト人の子孫が住む地でフランスよりウエールズの文化を継ぐ。そんな土地柄だけに、閉鎖的な気質を残す。
 話は半島の先にある島ウエッサン島の小さな村の灯台守に、アルジェリア戦争の帰還兵がやってくることから始まる。なんの変化もなかった島に異質の存在が紛れ込む、それは女の微妙な心を乱す。

 主役はサンドリーヌ・ボネール、「冬の旅」でセザール賞主演女優賞を獲ったフランスの実力派女優。彼女が、一瞬の恋に燃える灯台守の人妻を演ずる。ほとんどセリフはない。目と仕草だけでやるせない想いをつげる。
 相手は、グレゴリ・デランジェール、セザール賞で新人男優賞を授賞した若手俳優。それに灯台守役、フィリップ・トレトン(「コナン大尉」でセザール主演男優賞)がからむ。

 風と荒波と岩、何にもない寂寞とした地で静かに燃えて散った、はかない人妻の恋の物語である。監督はフイリップ・リレオ(「パリ空港の人々」)、音楽はアカデミー賞作曲賞のニコラ・ピオバーニ、フランスを代表するフイルム・メーカーたちが創った逸品。

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December 14, 2005

211.大停電の夜に

 NYにかわってこちら「東京」のイヴは、光が消えた。そしてここでも「奇蹟」を待つ。
 「NOEL」の5人と違って12人の男女が、真っ暗な東京で本当の愛を見つける。

 かつての恋人を待ちつづける元ベース奏者(豊川悦司)、愛人に別れを告げて妻の元に戻るサラリーマン(田口トモロヲ)、古い恋の傷をかかえる主婦(原田知世)、何かを失ってしまったヤクザ(吉川晃司)、結婚によって心の傷から逃れようとする妊婦(寺島しのぶ)、ゴールのない愛を切ったOL(井川遥)、離れた国の恋人に想いを馳せる中国人ホテルマン(阿部力)、淡い恋に途惑う天体マニアの少年(本郷奏多)、病で生きる希望を失ったモデル(香椎由宇)、老後の安泰を失って途惑う元重役(宇津井健)、秘密を抱える老婦人(淡島千影)、そして彼等の幸せをキャンドルに託す店長(田畑智子)。12人の主役は、暗闇のイブの街角でお互いに交差しながら物語を紡ぐ。

 淡い光と影が織り成す映像が素晴らしい。フランス映画界の最高峰セザール賞で、最優秀撮影賞を受賞した永田鉄男が見事に闇の中の光を捉えた。監督は「東京タワー」の源孝志。ビル・エヴァンスの名曲「マイ・フーリッシュ・ハート」が作品を飾る。

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December 13, 2005

210.NOEL

NOEL  今年一連のアメリカ映画で特に印象に残った女優が一人いる。スーザン・サランドン、「デッドマン・ウオーキング」でアカデミー主演女優賞をとった知性派女優、もうすぐ還暦を迎える。
 「Shall We Dance!」でリチャード・ギアの妻役、「アルフイー」ではジュード・ローにナンパされる中年女、最近観た映画では「エリザベスタウン」の主人公の母親、そして今度は「ノエル」で主役。バツイチ、こどもなし、恋人なし、アルツハイマーの母親の介護にあけくれる寂しい中年女を情感たっぷりに演じている。

 「NOEL」とは、クリスマス・キャロルのなかでの「歓喜の叫び」のこと。そう、この映画はイヴからクリスマスまでの24時間、登場する5人に起こる小さな奇蹟の物語である。

 「NYのクリスマスイヴ、街中はお祭り騒ぎに包まれる。でもその騒ぎの外側にいる人達もたくさんいた。私はそんな人々の物語を書きたかった。」脚本家のデヴィット・ハバートはこう書いて、サランドンの他に結婚をまじかに控えながらも悩む美女(ペネロペ・クルス)、その婚約者の警官(ポール・ウォーカー)、警官をストーカーする老人(アラン・アーキン)、死を目前にした孤独な元神父(ロビン・ウイルアムス)を配する。

 予告編や宣伝では一切伏せていたロビン・ウイルアムス、「グッド・ウイル・ハンティング」でアカデミー助演男優賞をとったあの俳優が、奇蹟をもたらす重要な役で終盤をしめる。
 監督は「アナライズ・ミー」で主演した俳優のチャズ・パルミンテリ、本作が監督デビュー作品である。

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December 12, 2005

209.ALWAYS三丁目の夕日

Imgp1422 「昭和の時代」を描いた今年の代表作は何といってもこの映画だろう。「ビッグコミック」に30年以上も連載している西岸良平の作品を、山崎貴が映画化した。
 舞台は東京タワーを望む昭和33年の下町。VFXでは先駆者といわれる山崎が、綿密な時代考証によってリアルに再現したオープンセットと、VFXの技術によって生み出されたバーチャルな昭和を融合させた。

 話はそんなに複雑ではない。売れない作家(吉岡秀隆)と飲み屋のおかみ(小雪)母親に捨てられた子供(須賀健太)の擬似家族と、気の短い自動車修理屋夫婦(堤真一と薬師丸ひろ子)に息子(小清水一輝)、集団就職で青森からやってきた娘(堀北真希)の二つの家の日常を、連載コミックらしいエピソードで淡々と描く。
 初めて家庭に入ってきたテレビと力道山の空手チョップ、電気冷蔵庫が家庭に入ってがっくりする氷屋、駄菓子屋、タバコ屋、八百屋に飲み屋、そんな下町の春から冬までの一年である。いつも登場する「東京タワー」も次第に高くなっていく。そう、タワーが完成したのは、昭和33年の12月だった。

 この年私は大学に入学した。ミカン箱の机とラジオ、練炭火鉢を抱えて寮にもぐりこんでいた。一日三食70円、トリスバーのハイボール30円、手紙の切手は10円、家庭教師のバイト代月に3000円、楽しく豊かな昭和の時代だった。

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December 11, 2005

208.カーテンコール

 今映画は「昭和の時代」である。それも30年代が舞台になる。私にとっては、高校、大学、かけだしのTVディレクターの時代と重なる。
 「お父さん、あなたの昭和は幸せでしたか?」、20才近く若い監督・佐々部清にこう呼びかけられると映画館に駆け込まざるを得ない。「カーテンコール」、その記憶は本当に泣きたくなるほど楽しかった。

 話の舞台は下関。「半落ち」で日本アカデミー最優秀作品賞をとった佐々部の出身地である。そしてこの作品は、「チルソクの夏」「四日間の奇蹟」に続く下関三部作の完結編でもある。「家族愛」はもちろん、貧困、民族差別、そして「昭和とはいったい何だったのか」、佐々部が描き続けるテーマは一貫している。

 話を繋ぐ主人公に雑誌記者の伊藤歩(「スワロウティル」で新人賞)。追っかける相手が幕間芸人として生きた在日韓国人、吉本新喜劇出身でミュージカルやテレビドラマで大活躍の藤井隆が演ずる。そして平成の今、年老いた芸人役は井上堯之、あの「ザ・スパイダース」でボーカルを担当していた映画音楽作曲家の彼である。
 捨てられた父に頑なにも会おうとしない娘は鶴田真由(「半落ち」「北の零年」)、昭和・平成を眺めつづけた語り部役をベテランの藤村志保が演じて作品を締める。

 佐々部とプロデューサーの臼井正明の二人が作った独立プロ「シネムーブ」の初作品でもあり、角川基金や文化庁の芸術振興助成を受け、日本テレビグループが全面的に支援した。

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December 09, 2005

207.プーシキン美術館展

pushkin 日本人は「印象派」が好きだ。私もその一人だが、フランスの近代絵画を中心に展示している「プーシキン美術館展」は、オープン以来40日間で30万人が入場した。

 開幕当初は混雑するだろうとこれまで待っていたが、残り一週間強となったので上野の東京都美術館に出かけた。少しでもゆっくり観ようと夕方を狙ったが場内は結構満員、やはり印象派は人を呼ぶ。
 展示の目玉は、マティスの傑作「金魚」。なんとなく自分でも画けそうな絵だが、色の鮮やかさと配色は天才マティスならではのものである。

 プーシキン博物館は、もともとモスクワ大学の付属美術館。1937年「ロシア文学の父」といわれたプーシキンの没後100年を記念して名を変えた。
 ここには古代エジプト、メソポタミアから近代美術まで56万点収蔵されている。それも19世紀から20世紀初頭にかけて新興財閥や大商人が収集した作品を、ロシア革命後国有化してここに集めた。
 エルミタージュ美術館は宮廷による収集作品が中心だが、ここは市民の手によって集められた作品という特色を持つ。

 今回はその膨大な収蔵品のなかから、シチューキンとモロゾフのコレクション75点が展示されている。
 シチューキンはモスクワの織物商人で、パリと往復を重ねながらモネやルノワールやなどの印象派の作品を買い集めた。またピカソやルソー、マティスなど当時はまだ無名の画家たちの絵もスポンサーとなって集めている。
 モロゾフもまた新興財閥の出身、ピサロやセザンヌ、ボナールをはじめ、ゴッホの作品にも強い関心を持っている。

 農奴制ロシアが産業革命によって重工業化する過程で生まれた財閥たち、彼等の財力があって始めてこうした作品が収集保存されたといえる。それに比べてわが国では、倉敷美術館などその数は限られている。国力の差というか、芸術文化に対する熱意の差か。

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December 08, 2005

206.インサイド・ディープ・スロート

 1972年のアメリカ、たった6日で撮影された制作費300万円のポルノ映画「ディープ・スロート」は、歴代No1の720億以上を稼いだ大ヒット映画だった。

 これまでタブーとされていた「オーラルセックス」を真正面から描いたこの作品は、ストレートで斬新な性描写によって世界中で物議をかもす。
 当時のニクソン政権をはじめ、保守的な州政府は、上映を禁止して映画館からフイルムを没収した。またFBIは監督や俳優らを告発し裁判に持ちこむという前代未聞の事件となったのである。
 一方こうした弾圧は、ジャクリーヌ・ケネディー、ノーマン・メイラーら多くの知識人、フランシス・F・コッポラ、ジャック・ニコルソン、トルーマン・カポーティーなどのハリウッド関係者、さらにはポルノと縁のなかった主婦層をも動かして映画は大ヒット、わずかな資金を提供したマフィアを大もうけさせたのである。

 それから30数年、「セックスの概念、憲法まで変えてしまった映画、あの衝撃は何だったのか」。「ビューティフル・マインド」「ダ・ヴィンチ・コード」の製作者であるブライアン・グレイザーが追ったドキュメンタりーが、「インサイド・ディープ・スロート」である。
 取材は2年以上もかけて行われ、コッポラ、メイラー、ニコルソン、カポーティー、ウオーレン・ビーティー、ヒュー・ヘフナー等100人以上のインタビュー、当時の貴重な映像により今まで語られなかった衝撃の事実があぶりだされる。

 映画が上映されてからまだ半世紀も経っていないアメリカだが、人々の性意識は大きく変わった。あのホワイトハウスの中でさえもオーラルセックスが行われていたという事実。しかしブッシュと宗教右派は、時計の針を30年前に戻そうと躍起だ。
 奇しくも映画「ディープ・スロート」を弾圧したニクソン大統領は、ウオーターゲート事件でディープ・スロートと呼ばれる謎の情報源によって失脚させられている。

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December 07, 2005

205.Mr.&Mrs.スミス

 セクシーな男(ブラッド・ピット)とセクシーな女(アンジェリーナ・ジョリー)が、仕事先!の南米コロンビア・ボゴタのホテルで出会った。二人は一瞬で恋に落ち、結婚する。建築事務所に勤める彼と法律事務所に勤める彼女は幸せな新婚生活を送って・・・・・いる?

 それから6年後。精神科医のカウンセリングを受ける二人、仕事が忙しくてすれ違い。少々倦怠期なのかベッドでも燃えない。そんなイントロダクションから話は始まる。

 美男美女をプロの殺し屋にして、それも敵対する組織に属させる。こんな設定を考えるところがハリウッド流。夫婦喧嘩どころかマシンやマイトで殺し合う二人、弾がつきたら今度はパンチとケリの肉弾戦。ところが惚れ合った同士、取っ組み合いになるとそれが愛戯になるのは致し方ない。今度は両組織からとことん追われる、という話。
 休む間もないカーチェイスと銃撃戦、何にも考えずにただただ観るには最高の「アクション・エンターテインメント」ただそれだけの映画だが、これはヒットする。
 面白かったのは、いそがしいキャリアウーマン(それも殺しのプロ)でも、結婚したら料理を担当するというアメリカの現実(実際は部下が作っていたまずい夕食というオチ)。我が家では私が担当なのだが。

 ラストは再び精神科医のカウンセリング。「ベットをともにする回数は?」「毎夜!」
 監督は「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマン。
 ブラッドとアンジェリーナは、先月28日に来日。息の合ったところを見せてくれた。

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December 06, 2005

204.秩父の夜祭

Imgp0067chichibu 暗闇の中を「笠鉾」と「屋台」が練り歩く。京都祇園祭、飛騨高山祭とならんで日本三大曳山祭のひとつ「秩父夜祭」、毎年12月3日秩父神社の例大祭の締めとして行われる。
 江戸時代には、ここで「絹の大市」が開かれ、夜祭はその最終を飾る行事として三百数十年続いてきたのである。
 Imgp0103Imgp0106 夜祭の見ものは極彩色の彫刻で飾られた6基の笠鉾と屋台の曳きまわし、秩父神社から御旅所まで街中を勇壮に曳かれていく。
 それぞれの重さは20t近いという。これを100人以上の曳き子が、太鼓と笛による「秩父屋台囃子」のリズムと「ホーリャイ、ホーリャイ」の掛け声に合わせて曳きまわす。辻々での方向転換も見事だ。巨大な梃子を使ってくるりと回す。その度に防寒服に身を纏った観客が、大歓声をあげる。
Imgp0083 昼間は、屋台が張りだし舞台となる国指定重要無形文化財の「屋台芝居(歌舞伎)」や「曳き踊り」が境内で披露され、夜は花火が祭りを飾る。

 今年は大祭の3日が土曜日とあって、ここ10数年では最高の人出。町の人口の10倍を越える31万6千人が秩父盆地を埋め尽し、熱気が冬の夜の寒さを吹き飛ばした。
 祭りが終わったのは夜の11時過ぎ、盆地を抜ける道路は帰途の車で大渋滞し、関越道にたどり着くまで延々3時間の苦行だった。普段なら30分足らずの距離なのだ。

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December 05, 2005

203.日本アカデミー賞(8)

 「日本アカデミー賞」最後は新人賞の選考である。
 新人賞といっても、映画初出演には拘らず初めて主演、助演クラスの大役を演じた俳優から選ばれる。とくに最優秀賞はなく、例年男女三人づつ表彰される。
 
 男優の候補には何といっても、「ALWAYS三丁目の夕日」で小説家を演じた吉岡秀隆を推したい。TV「北の国から」の子役からスタートした俳優だが、くせのある大人の役もこなせる様になった。子役で元気なのは「妖怪大戦争」の神木隆之介、「インストール」でも準主役級だった。「フライ,ダディ,フライ」の岡田准一も活躍した。「東京タワー」では黒木瞳を相手に主役、「ホールドアップダウン」にも助演。歌舞伎会からは、素行の方ではちょっと問題を起した中村七之助が「インストール」「真夜中の弥次さん喜多さん」、中村獅童が「隣人13号」に。「阿修羅城の瞳」「蝉しぐれ」の市川染五郎を新人賞では失礼か。

 女優では「主演女優賞」でも選考の対象にもしてみたが、今年一番活躍した蒼井優は「新人賞」にふさわしい。「ニライカナイからの手紙」で主役を、「亀は意外と速く泳ぐ」「変身」「星になった少年」で準主役級、新鮮な演技を見せてくれた。「NANA」の中島美嘉、宮崎あおいも捨てがたい。「パッチギ!」「忍SHINOBI」の江尻エリカは助演ながらも存在感のある役者ぶりだった。

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December 04, 2005

202.日本アカデミー賞(7)

 日本アカデミー賞のなかで「外国作品賞」の選考が、最も悩ましい。対象本数が日本映画の2倍、上映期間のずれもあって、アメリカでのアカデミー賞受賞作品も対象に入る。アメリカの場合、各国1本だけにしぼって「外国作品賞」を選んでいるが。
 
 アメリカ映画は、巨額な制作費を使ったスケールの大きい作品が多い。興行的にもかなり儲かっているので、逆に作品としての魅力が薄れてしまう。そのあたりを考慮して選ぶと、やはりアカデミー賞で作品賞、ヒラリー・スワンクが主演女優賞、モーガン・フリーマンが男優助演賞を獲った「ミリオンダラー・ベイビー」をトップに挙げざるを得ない。素晴らしい作品だった。
 あと公開順に挙げると、ジェラルド・バトラーが主演した「オペラ座の怪人」、レイ・チャールズの自伝「RAY」、「君に読む物語」、レオナルド・ディカプリオの「アビエイター」など年の前半の作品が印象に残る。
 後半では、鬼才ティム・バートンの「チャーリーとチョコレート工場」、ラッセル・クロウが主演した「シンデレラマン」、そして「エリザベスタウン」か。

 フランス作品では、オドレイ・トトゥ主演の「ロング・エンゲージメント」とフィリップ・リオレ監督の「灯台守の恋」。イギリス、イタリアをとばして韓国の「マイ・ブラザー」と「マラソン」。
 フランス・イギリス・ニュージランドの合作でマイク・リー監督「ヴェラ・ドレイク」、フランス・スイス合作で巨匠ジャン=リュック・ゴダールが出演・監督した「アワーミュージック」、それぞれナチスを扱ったイタリア・ブラジル・ハンガリー共同製作の「マイ・ファーザー」、ドイツ作品オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督の「ヒトラー~最期の12日間」、そしてスペインの「海を飛ぶ夢」を推したい。

 しかし投票権は、3作品。さてどうしようか。

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December 03, 2005

201.日本アカデミー賞(6)

 ハリウッドでは美術監督が、演出(監督)に次ぐ重要な役割となっている。セットという膨大な経費を左右するからだ。日本でも最近はそうした傾向にあるが、もうひとつ女性の進出が目覚しい。
 「北の零年」の部谷京子、「雨よりせつなく」「青空のゆくえ」の富田麻友美、「アニムスアニマ」の島根裕子、「1リットルの涙」の竹内悦子、「ゴーグル」の川口菜生子、「帰郷」の吉田悦子、「リンダ リンダ リンダ」の松尾文子、「ジーナ・K」の愛甲悦子等が活躍している。
 そこで今年の「美術賞」だが、やはり「蝉しぐれ」の櫻木晶を挙げたい。庄内平野に見事なオープンセットを作り上げた。作物まで種から播いて育てたそうだ。続いては「ALWAYS三丁目の夕日」の上條安里。昭和33年の日常は、まだ多くの人達が知っている。東京タワーの見える下町はごまかせない。監督のイメージで勝手に?セットは設計出来るが、それだけにむずかしいのが「オペレッタ狸御殿」。安宅紀史はさすがプロだ。そして最後の「ゴジラ」、特殊美術は三池敏夫である。

 「録音賞」「編集賞」。前者は「レディー・ジョーカー」の宮本久幸、「火火<ひび>」の福田伸、「メゾン・ド・ヒミコ」の志摩順一を推す。後者は「阿修羅城の秘密」「パッチギ!」の富田伸子、「レディー・ジョーカー」のベテラン川島章正。川島は他に「フライ,ダディ,フライ」「深紅」「極道の妻<おんな>たち」も担当している。「亡国のイージス」はハリウッドのウイリアム・アンダーソンを使い、そして「TAKESHIS’」は北野武自ら担当している。
 「編集」は一見地味な仕事だが、作品の良し悪しを最後に決める。テレビ界で多くの名作を創ってきた知人のドキュメンタリーディレクターは、これまで1本も他人に編集を任せていない。

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December 02, 2005

200.日本アカデミー賞(5)

 つぎは「音楽賞」。
 映画音楽のベテランたちが、話題作で活躍している。「オペレッタ狸御殿」の大島ミチルと白井良明、大島は「北の零年」も担当している。「HINOKIO」の千住明は「この胸いっぱいの愛を」も。岩代太郎は「蝉しぐれ」と「忍 SHINOBI」「春の雪」を。
 さらに「パッチギ!」の加藤和彦、「姑獲鳥<うぶめ>の夏」「いつか読書する日」の池辺晋一郎。「メゾン・ド・ヒミコ」の細野晴臣、「星になった少年」の坂本龍一もよかった。

 「撮影賞」と「照明賞」はコンビで選ぶ規定になっている。
 まずは「蝉しぐれ」の釘宮慎治と吉角荘介のコンビだろう。庄内平野の四季を美しく撮った。同じく北海道の原野の四季を撮ったのは、北信康と中村祐樹。「北の零年」も長期ロケの成果である。
 逆に大停電という闇の中の光を上手く生かしたのは「大停電の夜に」の永田鉄男と和田雄二。ローソクの灯りとグラスに映る影が人の心の移ろいを上手く生かした。
 あとは、「オペレッタ狸御殿」の前田米造と矢部一男。御伽噺らしい派手派手しさだった。

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December 01, 2005

199.日本アカデミー賞(4)

 今年の「主演女優賞」の選考は難しい。女性を主人公に描いた作品が少なかったからだ。「北の零年」の吉永小百合と「火火<ひび>」の田中裕子ぐらいか。田中裕子は「いつか読書する日」「埋もれ木」でもベテランらしい味をだした。「北の零年」は行定勲監督が、とことん吉永に拘って作った。
 若手を挙げれば「ALWAYS三丁目の夕日」の小雪がひかる。また「ニライカナイからの手紙」の蒼井優は、「亀は意外と泳ぐ」「変身」「鉄人28号」「星になった少年」でがんばった。

 「助演女優賞」として推すとすると「オペレッタ狸御殿」の薬師丸ひろ子だろう。主役のチャン・ツィイーより存在感があった。「鉄人28号」「レイクサイドマーダーケース」「ALWAYS」と主演・助演で活躍した。ベテランでは「蝉しぐれ」「いらっしゃいませ、患者さま」の渡辺えり子、「大停電の夜に」「東京タワー」の寺島しのぶ、「真夜中の弥次さん喜多さん」「犬猫」の小池栄子。「蝉しぐれ」で主演した木村佳乃も「自由恋愛」「苺の破片」でうまい演技を見せている。

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