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March 31, 2006

304.力道山

Rikidozann これは正真正銘の「韓国映画」である。キャスト・スタッフのクレジットは、ハングルとローマ字と英語、しかしこの映画は「韓流」ではない。

 描かれているのは我等がヒーロー「力道山」である。木村政彦と組んで、シャープ兄弟を空手チョップで打ちのめしたのは、中学2年の冬だった。田舎町にはまだテレビは無かった。芝居小屋でみた「日本ニュース」に興奮した。
 その夏、遠藤幸吉と組んだタッグマッチはラジオの実況中継で聞いた。そしてプレ・オリンピックの仕事で東京に滞在していた時、力道山が倒れた。赤坂・山王、亡父の従兄弟が院長を勤める病院を尋ねて死を知った。
 あれから43年、再び力道山に出会った。

 力道山になったのは、ソル・ギョング。韓流映画「シルミド」で精悍な反乱兵士を演じたあの役者である。「カメレオン」の異名を持つこの役者は、作品の役柄ごとに体型や容姿を自在に変える。大杉漣に似たあのスリムな体を、5ヶ月で28㌔増やし90㌔の筋肉隆々たるレスラーに変えた。
 そのソルを監督のソン・ヘソンは、「荒らぶる男」としてニッポンの昭和の激動の中に投げ込んだ。そして男を支える古風な日本女性に中谷美紀、後見人に藤竜也、マネージャに萩原聖人を配した。

 多くの現役格闘家も出演している。柔道の木村政彦(映画では井村)に船木誠勝(元キング・オブ・バンクラス)、遠藤幸吉は秋山準(GHCヘビー級王者)、日系プロレスラー・ハロルド坂田は武藤敬司(全日本プロレス社長)、そして横綱東冨士(映画では東浪)を昨年急死した橋本真也(三冠ヘビー級王座)が演じている。

 出演者のほとんどは日本人であるがスタッフは韓国、やはりこの映画は韓国映画である。日本映画でこうは描けない。
 「日本という社会に生きながらも、日本という国家から置き去りにされた人間はどのような夢を抱けばいいのか。
  いつ笑えばいいのか。これは韓国人から眺められた日本論の映画である。」
 映画評論家・四方田犬彦の指摘である。

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303.かもめ食堂

Kamome_2  フインランドを舞台にした不思議な日本映画だった。しかし癒される映画である。作者に企画者、監督も主役たちも女性、そしてプロデューサー、ヘアメイク、スタイリスト、写真、コミニケーションデザインも女性、しかしカメラマン以下技術陣はフィンランドの男性たち、という映画なのだ。

 特にドラマチィックな映画ではないし、ラブストーリーでもない。主人公が不治の病でもないしサスペンスでもない。しかし大評判である。
 封切から2週間、間を置いて出かけたが「シネスイッチ銀座」の2スクリーンともウイークデーの昼間なのに満員。
初日は当館の動員記録を塗り替えたそうだ。

 役者たちがいい。ひとりは小林聡美、今話題の三谷幸喜夫人、舞台・CM・テレビ・映画で活躍しているが決して派手ではない。片桐はいり、劇団出身の個性派女優、独特の顔技でしられている。もたいまさこ、年齢不詳、どこにでもいるおばさんだが存在感がある。この三人にちょっとからむのが、「過去のない男」で国際的に有名になったフインランドの俳優マルック・ベルトラである。俳優というより音楽家・舞台監督・脚本家として著名な人物である。
 映画のために書き下ろした原作は、今女性たちから圧倒的な支持を受ける群ようこの同名作品。そして脚本・監督が「バーバー吉野」で映画デビューした荻上直子である。

 話の流れからは、舞台が日本であっても決して不思議でない。しかしなぜかフインランドが合う。バルト海に面したヘルシンキの港、青い空、かもめと白い客船、あざやかな色をみせる市場の野菜、街のすぐ隣にある森、そんな風景を背景に3人の女性たちの日常が淡々と綴られる。
 エンディング・テーマは井上陽水の「クレイジーラブ」。

 映画を観たあとは、おかかと梅干とシャケの「おにぎり」を。 

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March 30, 2006

302.ヒストリー・オブ・バイオレンス

wpa1024_768 絵の様に美しい牧歌的なアメリカ中西部の田舎町、ごく普通の幸せな家庭に暴力が入りこむ。家族が究極的な状況に追いこまれた時、「愛」はどんな選択を求めるのか。カナダの映画監督ディビッド・クローネンバーグが問いかける。

 佳作である。カンヌ映画祭コンペティション部門をはじめ、様々な映画賞にノミネイトされた映画である。そしてアメリカ映画協会が’05年のベスト10の一本に選んだ。

 「裸のランチ」や「ザ・フライ」などで数々の映画賞に輝いた天才監督クローネンバーグにしては、珍しいジャンルの作品でもある。「暴力は人間の存在にとって不幸であるが、しかし非常に現実的で避け難い部分でもある」と語る。
 トップシーンから「暴力」が登場する。そして「暴力の歴史」を背負った主人公もまた、彼の肉体的本能がそれを避けることが出来ない。心が否定しても体が反応する。はたして妻の愛がそれを乗り越えられるのだろうか。

 主役は詩人・写真家・画家、そして出版社も経営しているヴィゴ・モーテンセン。「ロード・オブ・ザ・リング」でラゴスを演じたあの俳優である。北欧出身らしい眼の色とクールな演技が光る。妻の役は「ER」で小児科医を演じて有名になったマリア・ベロ。マフィアのボス達をエド・ハリス(「白いカラス」)とオスカー俳優のウイリアム・ハート(「ヴィレッジ」)が演ずる。

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March 29, 2006

301.第十四期飛行予備学生

 先月亡くなった叔父の「七七日の法要」に出席した。納骨のあとの「忌明けの宴」で、叔父の戦友たちと席を同じくし色々な話を伺った。「第十四期飛行予備学生」の皆さんである。叔父は、戦後も長く続いているこの戦友会の代表幹事を続けており、葬儀も「海軍旗」と「海軍帽」に見送られた。

 海軍予備学生の制度は、航空戦力の増強のため昭和9年に始まった。そして大学・予科・高専卒の志願者による少尉候補生の集団は、昭和20年3月の16期生まで続いた。
yobi-gakuto01yobi-gakuto03 なかでも「第十四期」は、昭和18年「文系学生の徴兵猶予」が廃止されて「学徒出陣」した学生たちで、10月21日の神宮外苑での「壮行会」は有名である。
 また、翌年から始まった神風特別攻撃隊に参加した隊員も多く、特攻の戦死者の85%が13・14期を中心とする予備学生だったという。

 60数年昔の話を聞いた。すでに80代半ばに達しているが、当時についての記憶はしっかりしている。青春の記憶、それも死と生の極限にあった記憶だからだろう。
 「入隊後訓練を受けた後、飛行・対空(陸戦)や主計と別れるのだが、やはり飛行希望者が多かった。採用面接に『人相鑑定師』がいたのは面白かった。あれで海軍嘱託。精悍な顔つきの男は飛行!だなんて。海軍にしては、非科学的だったな」「皆が思っているほどの悲壮感はなかったよ」と艦上攻撃機の操縦士になったひとりは言う。
 慶応グリークラブ出身、明治マンドリンクラブ出身、早稲田、東大、東京商科と文系学生は娑婆っ気が多く、毎晩酒を飲んでライブを楽しんだそうだ。
 ただ毎日夕方になると、兵舎の黒板に「明朝の南九州基地への転進者」の名前が書き出される。はずれた者は「これで1日が儲けもんだ」と目配せした。
jnrsC235a1 ゼロ式戦闘機に乗ったひとり、「『艦攻』は3人乗りだが、こちらはひとり乗り。グラマンと戦った時は大変だったよ。基地までは勘と度胸で戻ったが。ま、俺たちは消耗品だったといえる。よく生き延びたもんだ」
 「艦攻も大変だよ。魚雷を発射できず基地に戻る時なんて命がけ。腹の下に爆弾かかえているんだから」

 学徒出陣は10万人、うち陸軍8万、海軍2万。「第十四期」は3300有余名、うち戦死した人は400人を越える。俳優の故西村晃、裏千家の千玄室氏らも彼等の「同期の桜」である。

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March 28, 2006

300.THE MYTH/神話

myth_wpaper02 世界のアクション・スター成龍が製作総指揮・アクション監督・主演の超大作である。スティーヴン・スピルバーグの「インディ・ジョーンズ」とチェン・カイコーの「PROMSE」をミックスしたような映画だった。
 といっても決して奇想天外なスーパーアクションではない。司馬遷の「史記」にも書かれた、2200年昔の中国の実在人物・蒙毅将軍に徐福(不老不死伝説)など秦の始皇帝にまつわるもので、神話ではなく既にその存在が確認されている「地下宮殿」をめぐって話は展開する。
 
myth_wpaper01 主役の蒙毅将軍と現代の香港に住む考古学者を成龍が演ずる。そして彼に恋する始皇帝の王妃が韓国の金喜善、日本でも放送されたTVドラマ「悲しき恋歌」の主役・清純派美女の彼女である。
 他に韓国一のアクションスター崔民秀(「ユ・リョン」)、香港のスター梁家輝(「愛人/マノン」)、インドのセクシー女優マリカ・シュラワット、中国の映画監督でもある孫周、単身香港に乗りこんで役をとった葉山豪等国際色豊かな顔ぶれだ。

 ロケ地は西安や万里の長城、インドの古代遺蹟、香港と駆け巡り、戦闘シーンも「PROMSE」に負けない。またワイヤーアクションも「HERO」「LOVERS」に劣らない出来映えである。
 そしてこれらの映画では見られない「成龍のユーモア」が、至るところに現れる。最後のタイトルバックは、勿論あの「NG特集」であるし、ワイヤーアクションの舞台裏もさらけ出してくれる。成龍のサービス精神がうれしい。
 監督は成龍をハリウッドに売り出した盟友の唐季禮(「ポリス・ストーリー」)、原案・脚本・アクション監督も務める。

 香港=中国合作映画なので出演者やスタッフ名が漢字で出る。成龍がジャッキー・チェン(陳)と呼ぶことは知っていたが、梁家輝=レオン・カーフェイ、唐季禮=スタンリー・トンなど、香港や台湾の役者は英語名でないと判らない。因みに韓国勢は金喜善=キム・ヒソン、崔民秀=チェ・ミンスである。

 蛇足だが、西安料理店「刀削麺荘」(有楽町ほか)では、映画の公開を記念して「キム・ヒソンの永遠の美」・アンチエイジング薬膳料理を来月半ばまでメニューに載せている。

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March 27, 2006

299.ひとまく会

 歌舞伎座の最後の一幕を、4階の立見席で観る「ひとまく会」。3月の演目は「水天宮利生深川(すいてんぐうめぐみのふかがわ)~筆屋幸兵衛」、松本幸四郎が初めて幸兵衛を演じた。
 この芝居は、明治初期の風俗を芝居にした「散切物」と呼ばれる歌舞伎のジャンルのひとつで、河竹黙阿弥が書いて明治18年に初演された。

 話は、明治維新で録を離れた(リストラされた)武士(サラリーマン)が妻に先立たれ、乳飲み子と二人の娘を抱え貧苦にあえぐ。金貸し(サラ金)から借りた金は、僅かの間に5倍(法定外利息)となり返済を迫られ心中をはかる、というもの。ついこの前新聞を騒がせた「暴力取り立てと心中事件」そっくりの話である。
 代言人(弁護士)や巡査(警官)、人力車夫(タクシー運転手)といった当時の風俗が盛りこまれているが、これもまた、現代に置き換えても通ずる話。リストラで「中流」から「下流」に落とされた課長クラスのヤモメは、周辺にもけっこう居る。彼等がそれまでのメンツや意地を捨て、新しい人生に向かっていくのか、そんなことを考えさせる。

 芝居は、幸兵衛が心中を決意するところから、追い込まれて発狂するまでが見所で、痩身の幸四郎はなかなか見ごたえがる。
 演目の表示にも「浄瑠璃『風狂川辺の若柳』」とあるように、隣家から聞こえる浄瑠璃という設定の清元が効果的で、現代でいえばさしずめ、IT成金が自宅で開いたパーティーのライブ音楽なのだろう。

 車夫を歌六、代言人・権十郎、金貸し・彦三郎、剣術家の妻・秀太郎。

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March 26, 2006

298.皇居東御苑

 マンションの仲間たちとのウオーキング、今回は「皇居東御苑」往復の12キロ3時間30分を楽しんだ。
 往きは、佃大橋を渡って入船橋で右折、新大橋通りを歩いて八丁堀へ、ここで左折して鍛冶橋を京橋へと向かう。午前9時半、普段ならサラリーマンで賑わう通りも日曜日はひっそり、ビルの谷間を大股で歩く。東京駅のガードをくぐり丸の内、二重橋前を右折して内堀通りを大手門に、そこが「皇居東御苑」の入り口である。
 帰りは、大手門から真っ直ぐ永代通りを下る。大手町のビル街も歩く人は少ない。丸の内オアゾの付近でようやく観光客の集団に会う。ガードをくぐると呉服橋、江戸橋で昭和通りを右へ、宝町で左折して八重洲通りを真っ直ぐ、亀島橋、中央大橋を渡ると大川端リバーシティーに帰着。

Imgp0369Imgp0365 皇居の参観は新年や天皇誕生日の一般参賀の他、事前に手続きをとって宮殿や二重橋を回るコースがある。しかしお奨めは「東御苑」である。ここは手続きや予約は不要で気の向いた時フラリと出かけて良い。もちろん入園料は無料。
 東御苑は、旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を庭園として整備したもので、40年ほどから一般に公開されている。
Imgp0363Imgp0359 振袖火事で全焼した天守閣跡、富士見櫓、梅林坂、汐見坂、忠臣蔵の松の廊下跡、同心番所、百人番所、大番所など江戸の物語を辿れる。
 花木もよく手入れされている。春・夏・秋と必ず満開の花と出会える。平川門近くには「都道府県の木」が植えられている。南から北へ「なるほど合点」と楽しめる。
 入園時間はこの季節9時~16時、月・金が休園日、およそ1時間で一周できる。
 花の咲頃は宮内庁のホームページで。
http://www.kunaicho.go.jp/ 

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March 24, 2006

297.MANDERLAY

mandaerlay 「美しき救世主が現れ、そして自由が消えた」。
 ラース・フォン・トリアー監督の「アメリカ3部作」は、「ドッグヴィル」に続いて「マンダレイ」。「こんな街さえなければ、世界はもう少しましになる」と、ドッグヴィルを発った美しき救世主はアメリカ南部の大農園マンダレイに立寄る。そこには今だなお「奴隷制度」が存在していた。話はここから始まる。

 前作同様、今回もセットは極限なまでにシンプルにし、スタジオの床に書かれた道の名前や土地の名前だけで大農園と村が現れる。村の家々は、屋根も扉もなく大道具と小道具だけが象徴的に置かれているだけである。
 その舞台を手持ちカメラが、役者をなめる。カメラが三脚の上に載って固定した映像を切り取ったのは、主題を強烈に主張した「あるシーン」の時だけである。

 トリアー監督は、デンマーク人。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でカンヌ映画祭パルムドールを獲得した。そして二年前ニコール・キッドマンを主役にして「ドッグヴィル」を撮る。「アメリカには一度も行った事は無い」彼が、アメリカ民主主義の裏に潜む独善と閉鎖性を突いた。
 そして今度は、アメリカが嫌がる最も古典的で最大のテーマといえる人種問題を描く。

 衝撃的なシーンは、アメリカ民主主義を象徴する白い腰と太もも、それにからむ虐げられた側の漆黒の尻と筋肉である。カメラはそれを真後ろから微動だにせず凝視する。「快楽の声」とともにカメラはズームバックする。そして民主主義の偽善を突き刺した「彼自身」が役目を終えて安堵するワンカット。R-18指定も止む得ない。

 「アメリカ民主主義についての寓話的作品」とNYタイムスが評していたが、トリアー監督は主人公とブッシュをはっきりとダブらす。「アメリカの利益を求めているのではない。イラクの人々のため民主主義の理想を実現しようとしているのだ」と、自分の信念を貫き通すために権力を行使するその傲慢さを、「美しき救世主の悲劇」で告発している。

 キッドマンに代わるこの作品の主人公役は、「ヴィレッジ」で映画初出演のプライズ・ダラス・ハワード。オスカー監督ロン・ハワードの長女である。相手の黒人奴隷役がコートジボアール出身のイザーク・ド・バンコレ(「チョコラ」)、他にダニー・グローヴァー(「リーサル・ウエポン」)、ウィレム・デフォー(「アビエイター」)。大女優ローレン・バコールが「ドッグヴィル」に引き続いてマンダレイの農園主で貫禄を見せる。

 3部作、最終回のタイトルは「ワシントン」。主役となる女優はまだ決まっていない。

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March 23, 2006

296.イーオン・フラックス

aeonflux_b_1024 何だか訳のわからない映画だった。ただただシャリーズ・セロンの見事な肉体美と、彼女がスクリーンいっぱいに躍動する「新体操」「鉄棒」「平均台」「吊り輪」に見とれていただけだった。

 原作は韓国出身のピーター・チョンが、15年前からMTVで放送している「短編アニメ」。それを若い女流監督カリン・クサマが映画化した。クサマは、「ガール・フレンド」でサンダンス映画祭監督賞、カンヌで新人作品賞をとった独立系の監督である。
 主演のシャリーズ・セロンは、体重を14キロも増やして演じた「モンスター」で3年前アカデミー賞最優秀主演女優賞をとった役者の鏡のような女優である。今年も「スタンドアップ」で女性炭坑労働者を演じアカデミー賞にノミネートされたが、残念ながら「ウオーク・ザ・ライン」のリーズに持っていかれた。

report_b_15 シャリーズは、先々週この作品の宣伝のために来日したが、今回もアクションはスタント無しで総て自ら演じたと話している。撮影中も含め4ヶ月間、1日5時間「体操・トランポリン・アクロバット・ダンス・空手・柔道」の特訓を受けた、という。
 カリン監督は「筋肉隆々の強さではなく、この上ない肉体的優雅さと強さを備えた人間、それをシャリーズに求めた。彼女によって、生身の女性が演じられるヒロイン像を新たに作り上げることが出来た」と語る。

 2011年遺伝子操作による麦によって人類の99%が死滅し、残った者も不妊となった。クローンで生き延びた人類の2415年、イーオン・フラックスは反政府組織の女性ゲリラとして登場する。
 ストーリーはどうでもよい。シャリーズ・セロンの「全身武器」の優雅な肉体美を楽しもう。

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March 22, 2006

295.ブログのすすめ

 ブログを始めて今日で丸1年たった。若い友人が「ボケ防止のため、手を動かし、頭を使い、足で歩くにはブログがいちばん!」と勧めてくれた。1年間で294号、なんとか準日刊のペースを守った。

 今年の1月からは「アクセス解析」の機能も付いた。どんなテーマ・キーワードにアクセアスが多いか、また時間や曜日毎の件数も分析してくれる。
 そして本日現在(80日間)のアクセス数は延べ10645件、91のトラックバックという結果である。
 1日1万件を超えるかつての「ホリエモン日記」や、今月だけでも既に100万を超えている「きっこのブログ」とは比べ物にはならないが、1万という数は嬉しいだけでなく少々怖い。

 ブログのジャンルは「映画・演劇」「焼酎」「旅」「祭」「集い」。
 「映画」も関係した作品は試写室で観るが、基本は劇場で観たものだけにしている。狭い試写室で関係者だけの上映ではホントの味が判らないからだ。といっても、私のブログは「映画評論」でも「映画紹介」でもない。敢えて言えば年末の「映画賞」選考のための「忘備録」にすぎない。かつて制作に携わったひとりなので、主演級のキャストは勿論だが、スタッフに言及するよう努めている。
 「焼酎」は、仲間とやっている「焼酎バー『黒瀬』のPR」と「ふるさと情報の発信」を兼ねている。昨年末からは「黒瀬」専有のブログもスタートさせた。これは定型的なホームページのスタイルで、初めて「黒瀬」を訪ねる方たちへのガイダンスである。
 「旅」「祭」「集い」がブログらしい「日記」なのかも知れない。自ら歩き、参加し、体験したものにしぼっている。

 わが国のブロガーは500万人を越えたという。
 先日、梅田望夫の「ウェブ進化論」(ちくま新書)を読んだ。その中に「ブログとは『世の中で起きている事象に目をこらし、耳を澄ませ、意味づけて伝える』というジャーナリズムの本質的機能を実現する仕組みが、すべての人々に開放されたもの」とあった。誰もがジャーナリストである時代なのだ。

 今日は「放送記念日」、81年前日本で初めてラジオ放送が始まった日である。
 テレビや新聞・雑誌で「放送とネットの融合」や「既存メディアと新興メディア」「玉石混交の情報の選択」そして「ブログ論」が議論されている。

 ま・・・こちらはボケ防止のためなので、議論はお任せして気楽にブログを書き綴っていくこととしよう。

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March 21, 2006

(番外)桜開花、祝WBC日本優勝!

Imgp0380Imgp0374 佃公園の桜が開花した。昨年より一週間以上も早い。
 そしてたった今、日本がキューバに勝った。ハラハラドキドキの3時間半、最後はカミさんとハイタッチ、WBC世界一である。今夜は、テキーラ?サンライズで乾杯?

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294.アサルト13・要塞警察

assault13web アメリカではこの手の作品を、二流映画というようだがなかなか面白かった。
 「Assault」とは、襲撃。13はデトロイト警察13分署のこと。「要塞警察」は日本で付けた題だが、これでは最初から中身がバレてしまう。

 大晦日から元日という限られた時間と、この日でもって閉鎖される13分署という老朽化した建物、この二つだけに絞って絶体絶命のアクションが展開する。それは観客も舞台に引きずり込んで、共に恐怖を味あわせる仕掛けでもある。

 日本映画では、「新宿鮫」にしろ「湾岸署シリーズ」にしても型破りな警官は登場するが、悪徳警官はいない。それに比べて、アメリカ映画には悪徳警官が登場するものが多い。人命救助や市民の治安維持とまだ「使命感」が残っている日本と、たまたま職業として選んだか仕方なくなったアメリカの警察官事情の違いだろう。
 この映画は、そうした悪徳警官組織と正義派警官とマフィアの連合軍が死闘を尽すストーリーなのである。

 主役はハード・アクション映画「トレーニングデイ」で新境地を開拓したイーサン・ホーク。彼と共に13分署に立てこもる羽目となったマフィアに、「マトリックス」のローレンス・フイッシュバーン、悪徳警官組織のトップをガブリエル・バーンが演ずる。
 監督はフランス出身のジャン=フランソワ・リシュエ。アメリカ映画をはじめて手がける。

  

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March 20, 2006

293,焼酎バー「黒瀬」(37)

 先月もこの欄で紹介したが、鹿児島大学では06年度から「焼酎学講座」をスタートさせることになり、このほど鹿児島県酒造組合連合会と協力協定を結んだ。報道発表資料からその概略を報告する。

 全国初の「焼酎学講座」は、鹿児島の焼酎文化の発展と次代を担う「焼酎の匠」を育成しようと、鹿児島大学農学部生物資源化学科に設ける。具体的には学科に醸造微生物研究室と焼酎製造学研究室を置き、それぞれに教授、助教授、助手計6人を配置する。
 また講座の客員教授として、醗酵学の専門家である東京農業大学の小泉武夫教授を招き、県も研究補佐として技術者を出向させる。他の教官は公募によって確保する予定。
 本格的な講義は、学部生が07年度から大学院生は08年度から始めるが、蔵元の経営者や杜氏を講師に招くほか焼酎製造工場での長期研修も検討されている。

 この講座は文部科学省が推進している「産学官連携寄付講座」のひとつで、この5年間に教官の人件費や研究設備費として5億円を集める。内訳は、県が5000万円、焼酎業界は4億5000万円を負担することになっている

 電通九州が企画し日本政策投資銀行が業界をとりまとめたユニークな講座は、関係者の期待を集めている。

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March 19, 2006

292.焼酎バー「黒瀬」(36)

shiranami この欄を読んだ方々から「焼酎」のラベルについての質問が寄せられた。個々にはメールでお答えしたが、最近は新しい表示も増えてきたので幾つか紹介しよう。

 まず「本格焼酎」の表示である。ひとくちで言えば、単式蒸留機を使った昔ながらの製法でつくられる焼酎のこと。酒税法では「乙類」と呼ばれ、連続式蒸留機でつくられる「甲類」と区別される。
 「甲類」は比較的新しい製造法で、アルコール度数が100%に近い無味無臭なものが出来る。これを36度未満に割り水して販売する。レモンサワーなどカクテルに向いている。
 「乙」だから「甲」より劣っているわけではない。戦後、酒税法が出来た時生産量が少なかったから、そう区別されたにすぎない。これでは、消費者の誤解を生むというので、1971年から「本格焼酎」と表示されるようになった。そして「穀類や芋類を原料や麹に使用し、その他の原料を加える場合も50%以下」等、財務大臣が定める幾つかの条件が必要となった。
 「本格焼酎」は一回しか蒸留しないため、原料の持つ味や香りが残りそれが個性豊かな風味となっている。(詳しくは、「ブログ132~133号・05.8.5」)

 「さつま(薩摩)焼酎」は、球磨焼酎(米)、壱岐焼酎(麦)と並んで「産地指定銘柄」であり、奄美大島を除く鹿児島県内で、県内産の原料をつかって製造した「芋焼酎」だけに附けられる名称である。奄美大島には「黒糖焼酎」、沖縄県は「泡盛」の名称が地域限定として法律で定められている。

 最近見かけるマーク(上のラベル写真左隅)に、鹿児島の地図・桜島・開聞岳を意匠化した「南薩摩・本格いも焼酎」がある。このマークは、鹿児島産さつまいも(コガネセンガンが主流)を100%使用し、南薩摩の蔵元で造られた本格焼酎であることを証する統一マークで、業界団体が自主的に決めた。

 またその隣、「3E」は、①優れた品質(Excellent Quality) ②正確な表示(Exact Expression) ③地域の環境に調和(Harmony with Ecology)の3文字をとったもので、地域の原材料や伝統製法を生かした商品として鹿児島県が認定した「ふるさと認証マーク」である。

 焼酎ブームでアジア各国から、原料や製品の輸入が増えている。また、ビール会社など大手酒造メーカーの焼酎製造参入に対して、地場の小さな蔵元や杜氏たちの「本格焼酎の品質」に対する、こだわりの証でもある。

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March 17, 2006

291.決闘!高田馬場

parucokabuki 着物を尻っ端折りし、たすき掛けした染五郎が回り舞台を韋駄天走り。ご存知「喧嘩安兵衛の高田馬場決闘」は、幕開け冒頭から笑っ放し。そして最後は真っ赤な太陽を背景に見栄を切って感動の幕切れ。

 今最も油の乗った劇作家三谷幸喜と歌舞伎界若手のホープ市川染五郎が構想8年、念願のオリジナル歌舞伎を誕生させた。
 舞台は渋谷のパルコ劇場、場内は若い女性で埋め尽される。その中に歌舞伎座常連の和服姿もチラホラ見える。
 歌舞伎につきものの「掛け声」は聞こえない。その代わり舞台が盛り上がると、鳴り物に乗った手拍子とまるでロックコンサートのノリ。まさに伝統歌舞伎と現代演劇のコラボレーションだった。

 さすが三谷である。「どんたっぽ」のお囃子とツケ音にのった「寄せと返し」の立回り、トンボにタテ、早変わりに大見得と、歌舞伎の技やケレンを総動員して観る者を楽しませてくれる。
 花道は客席通路を生かし、狭い舞台は「回し」で場面の展開を図る。
 およそ2時間10分、幕が下がることのないノンストップ劇は、庶民の娯楽だった「阿国の原点」に想いをはせる。

 染五郎の他は、市川亀次郎、中村勘太郎、市川高麗蔵、沢村宗之助等若手役者が頑張り、市村萬次郎と松本錦吾が脇を固める。なかでも「ばーさん」役の萬次郎が、その存在感を大きく見せていた。我々「橘屋応援団」としては、うれしいかぎりだ。
 そして主役の染五郎はじめ役者から囃子方・黒子までが、自ら芝居を楽しんでいた。

 芝居の最後はおなじみの「定式幕」、そのあと3回のカーテンコール。ようやく「高麗屋」の掛け声がひとつかかって緞帳が下りる。
 全席12000円、昼夜44回の公演の切符は売り切れだそうだ。

 同じ渋谷で「コクーン歌舞伎」も始まった。「東海道四谷怪談」、お岩はもちろん中村勘三郎。12年前、勘九郎時代に演じた芝居をそのまま「南番」、新演出を取り入れた初公演を「北番」と2種類の芝居を交互に見せる。演出の串田和美と勘三郎がまた新しい歌舞伎に挑戦する。串田もまた、三谷と同じ現代演劇の作家である。

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March 16, 2006

290.ナルニア国物語

 日本では、この様な壮大なスケールを持った「ファンタジー映画」が製作されたことは無い。まず、題材となる「物語」を書く作家がいない。莫大な製作資金を出せる映画会社やファンドが無い。そしてこれだけの視覚効果を創れる技術の蓄積が無い。

top_img ディズニー・ピクチャーズが贈る世紀のファンタジー・プロジェクトの第一作は「ライオンと魔女」。原作はイギリスのファンタジー作家C.S.ルイスの「ナルニア国物語」全7作の第1章である。
 
 イギリスはファンタジーの宝庫といわれる。北欧神話とアーサー王物語などの英雄神話で育った国民性をバックボーンに数々の名作がある。「不思議な国のアリス」から「ピーターパン」、映画「ロード・オブ・リング」の原作トールキンの「指輪物語」、J.Kローリングの「ハリー・ポッター」などの大作がある。

 これらの大作とハリウッドの技術が結びついて、ここ4~5年壮大なスケールを持った「ファンタジー映画」がつぎつぎと誕生した。それにはもうひとつ、ニュージーランドの雄大な自然が加わる。そしてここにハリウッドを凌ぐSFX界きってのワークショップ集団が存在する。

 「ナルニア国物語・第一章」の監督は、ニュージランド出身のアンドリュー・アダムソン。「シュレック」でアカデミーアニメーション作品賞をとったハリウッドのアニメ界のトップ。
 視覚効果のスーパーバイザーは、「タイタニック」で同じくアカデミー視覚効果賞をとり、その後「ロード・オブ・ザ・リング」でも数々の賞に輝いたディーン・ライト、特殊メイクをハワード・バーガー(「キルビル」「シンシティ」)が務める。
 そしてこの壮大なファンタジーの世界の映像化を成し遂げたのが、ニュージランドの「WETA」とハリウッドの「ソニー・イメージワークス社」「リズム&ヒューズ社」のSFXトップ三社なのである。

 ダイナミックな映像、美しい自然、圧倒的なスケールと迫力ある戦闘シーンが売り物だが、ドラマ性は薄い。とくに物語りの導入部分が冗長だ。これでは原作のもつ「想像を超えた感動」が生かされない。「ハリーポッター」の最新作には勝つが、「ロード・オブ・リング」のもつドラマチックでワクワクさせる物語性にはかなわない。

 主人公の四人の兄弟姉妹は、イギリス出身の若手俳優と子役が演ずるが、長女以外は実質映画初出演。やはリ「ロード・オブ・リング」の子役に比べると、魅力がもうひとつである。何処にでもいるソバカスだらけのイギリスの子供達なのだろうが、ファンタジー映画にはもっと可愛い「こどもたち」を期待する。

 「第二章」の製作も始まっていることだろう。「第一章」を超える夢を与えて欲しい。

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March 15, 2006

289.ホテル・ルワンダ

awards_img01 この作品もまた「事実が語る凄さ」が感動を呼ぶ。
 100日間で100万人が虐殺された20世紀末のルワンダで、ひとりのホテル・マンの「愛する家族を守りたい」との強い思いが、1200人の命を救ったという真実の物語である。

 アフリカ版「シンドラーのリスト」だと、USAツゥデイが書き、アメリカでも大ヒットした南アフリカ・英・伊製作の映画は、なぜか日本国内ではどの配給会社も手をつけなかった。
 そして昨年6月、「ホテル・ルワンダ日本公開を支援する会」がNPOなどの援助で発足、5000人の署名を集め、今年ようやく封切られた。

 作品は世界各国でも評判は良かった。昨年度のアカデミー賞の主演男優賞・助演女優賞・脚本賞、ゴールデン・グローブ賞の作品賞・主演男優賞・主題歌賞にもノミネートされ、トロント国際映画祭では観客賞をとった。
 フツ族出身のホテル支配人を演じたのは、今年のアカデミー賞作品賞の「クラッシュ」でも主要な役を演じた実力派黒人俳優のドン・チードル、虐殺される側のツチ族出身で主人公の妻の役は、ソフィー・オコネドー(「堕天使のパスポート」)。海外TV局のカメラマン、ツチ族虐殺の映像を世界に流したジャーナリスト役に、ホアキン・フェニックスと演技派を揃えている。フェニックスはご存知の通り「ウオーク・ザ・ライン」でジョニー・キャッシュを演じ、惜しくもアカデミー主演男優賞を逃した若手俳優である。

 監督・脚本・製作に当ったテリー・ジョージは北アイルランド出身、IRAとの関係を疑われ拘束されたこともある気骨の人物である。
 「主人公の人生に起きた出来事や事実を情感的に抽出することにより、観客が当時ホテルで起こった事を当事者の視点で蜜に感じてもらう」と語る。

 映画は、欧米先進国に対する痛烈な批判を、事実でもって示す。第三世界の出来事として彼等は、虐殺の悲劇を黙殺した。
国連ルワンダ支援軍は避難民を素手で守ることが精一杯である。 ニック・ノルティの演ずる指揮官は「自分の両手は、国連を始めとする世界中の無情な官僚の手にしばられている。」と地団太を踏む。

 ルワンダの宗主国ベルギーは、植民地時代の統治の手段として「ツチ」と「フツ」という仮想の敵対民族を作り上げた。そしてルワンダ独立後、支配階級だった「ツチ」を多数派の「フツ」の民兵が皆殺しの手段にでる。この後遺症は、周辺の国を巻き込み今も続いている。
 映画はルワンダ大使館、アムネスティ・日本も後援している。

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March 14, 2006

288,イノセント・ボイス~12歳の戦場~

 最近「事実に基づいた作品」で感動的な映画が多く封切られている。ここ1ヶ月でも「スタンドアップ」「ミュンヘン」「白バラの祈り」「ジャーヘッド」「ウオーク・ザ・ライン」「シリアナ」と上映され、そのいくつかがアカデミー賞も受賞している。
innotcen  「イノセント・ボイス」もそうした映画のひとつで、1980年代内戦下のエルサルバドルで少年時代を過ごした、オスカー・トレスが書いた実話である。

 ハリウッドも偉い。反米・反戦色の濃いこの脚本に目をつけたのは、「キル・ビル」や「パルプ・フィクション」のプロデュサー・ローレンス・ベンダー、そして監督はメキシコ出身のルイス・マンドーキ。しかし映画そのものは、一昨年メキシコ映画として製作された。

 この映画の素晴らしさは、戦争の不条理や神の存在への疑問、そして友達の死の悲しさを、決して声高だかに訴えていないところである。あくまでも12歳の子供の視点、無垢な声(Innocent Voice)で戦争の悲劇を描いている。
 そしてもうひとつこの映画が今上映されている意義は、この事実が決して過去のものではない事だ。今もアフリカ他30以上の紛争地で、およそ30万人のこども達が強制的に徴兵され戦場で戦っている。

 「神様、きこえますか?ぼくは戦かわなければいけないのですか?」
 初恋の少女を銃撃で失い、遊び友達を処刑された無垢な12歳の子供だったオスカー・トレスは、「誰かがこの物語を書かねばならなかった。たまたま私が生き延びたから」と結ぶ。

 主人公チャバを演ずるカルロス・パティジャが可愛い。3000人のメキシコの子供たちの中から選ばれた。
 そしてこの作品は、昨年のベルリン国際映画祭・児童映画部門で最優秀作品賞を受賞した。

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March 13, 2006

287.焼酎バー「黒瀬」(35)

 最近の新聞から「焼酎の話題」を要約で。

 「泡盛出荷量14年ぶり減少」
 沖縄県酒造組合連合会は、2005年の泡盛の出荷量が1991年以来14年ぶりに減少したと発表した。
 同連合会によると、05年の出荷量は全体で前年比約4%減少。県内出荷量はほぼ横ばいだが、県外は約12%減少した。
 原因は焼酎市場へ大手ビール会社が参入し安価な焼酎が出まわっていることや、芋焼酎ブームなどが挙げられる。(南日本)

 「焼酎往来(3)・韓国2強に‘質’で対抗」
 ・・・・・韓国焼酎ブームに対し、国内の本格焼酎の蔵元は、品質や原料のこだわりで差別化を図る。
 ・・・・・Eマークは、地域の原材料を生かす特産品を各都道府県が指定する。鹿児島県は03年に芋焼酎を追加。約110ある県内業者のうち24業者がEマークの認定を受けた。
 日置市の西酒造は、年間5千㌧の原料イモを県南部の契約農家から仕入れる。中国産の売りこみは断わった。「違う品種の混入や腐食、傷、虫食いがあると風味が変わってしまう」。
 ・・・・・国税庁は1月、米、麦、サツマイモ、ソバを主原料とする乙類焼酎の製造免許を、半世紀ぶりに条件付きで解禁した。すでに茨城県の清酒メーカーが名乗りを上げているという。(朝日)

 「焼酎『南酎』が完成」
 種子島の南種子中学校で育てたサツマイモを原料とした焼酎が完成し、先月同校で贈呈式があった。銘柄は校名にちなんで「南酎(なんちゅう)」。生徒達は成人してからの味見を楽しみにしている。
 同校はこれまででんぷん用サツマイモを農業体験学習で栽培しており、今年度は収穫の喜びを形にして残そうと、地元の蔵元に焼酎づくりを依頼した。
 昨年6月植えつけたシロサツマは、11月3700㌔の収穫となった。これを原料とした焼酎は、一升瓶3500本。そのうち555本を「南酎」として子供達の保護者に贈呈した。
 「オリジナル焼酎が出来たのは、多くの人の協力のおかげ。今はお父さんやお母さんに飲んでもらい、大人になったら私達も味わいたい」とのこと。(南日本)

「黒瀬」HP http://keida.cocolog-nifty.com/kurose/

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March 12, 2006

286,シリアナ

poster 四つのストーリーが平行して展開する前半は、複雑で筋を追うので精一杯だった。はじめて見るなら、事前に主な出演者とその役柄を知っていたほうが良い。といってストーリーまで知ってしまうと、後半の面白さを失う。

 この作品で今年のアカデミー助演男優賞をとったジョージ・クルーニーが、CIA工作員としてイランを中心に動く話。「ボーン・スプレマシー」のマット・デイモンが石油アナリストとしてジュネーブ・中東産油国で動く話。「ALIアリ」のジェフリー・ライトが法律事務所の凄腕弁護士としてワシントンで動く話。そして産油国にある天然ガス精製所で働くパキスタン出稼ぎ労働者の話の四つである。
 この複数のストーリーがいつのまにかひとつに繋がっていくところから、映画は俄然面白くなる。
 
 作品のもとになったのは、元CIA工作員ロバート・ベアによる暴露本「CIAは何をしていた?」(新潮文庫)。国際的な石油産業の陰謀と腐敗、世界規模のスキャンダルを抉り出した本である。
 監督・脚本のスティーブン・ギャガン(「トラフィック」でえアカデミー賞)は、ロバート・ベアと共に中東・石油業界・ワシントンを徹底的に取材して脚本を書き上げた。それだけに、この作品はフィクションというよりノンフィクションに近い。
 「複数のストーリーをひとつにつなぎ合わせて、石油産業の内部構造を明かにした。その影響力、権力の行使、労働者からの搾取を通して、この産業を動かす人物たちを浮き彫りにしたつもりだ」と、ギャガンは語る。

 四つの話だから主演俳優を決められない。だからジョージ・クルーニーは、アカデミー助演男優賞なのだ。俳優・プロデューサー・脚本家・監督・制作会社経営とマルチに活躍するクルーニーが、この映画の実質的な製作者でもある。
 彼は、賞は逃したものの今回のアカデミー賞に「グッドナイト&グッドラック」で作品賞・監督賞・脚本賞にノイネートされていた。

 ところで「シリアナ」とは? アメリカのネオコン系シンクタンクで使用されている専門用語で、イラン・イラク・シリアを統合して親米国家をつくる中東再建のコンセプトなのだそうだ。

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March 10, 2006

285.東京道産酒の会(6)

 北海道を慈しむ紳士・淑女たちが月に一回集まる道産酒の会。176回のゲストスピーカーは、札幌東京事務所の金田瑞江さん。金田さんは昨年から支援課長として在京、札幌への企業誘致や首都圏で産物の販路拡大の支援を担当している。昨夜のスピーチは、「モエレ沼」と「ノルディックスキー」のお話。

snow 札幌市東区に昨年7月グランドオープンしたモエレ沼公園では、冬の間も多くの市民や観光客がガラスのピラミッドで歩くスキーや、スノーシューを楽しんでいる。
 ここは以前札幌のゴミ処理場。面積189ha、日比谷公園の12倍の広さがある。
 17年前この地を訪れたアメリカの彫刻家イサム・ノグチが、手付かずの自然が持つ造形にいたく感激、沼とその周辺そのものを彫刻作品とするマスタープランを立案した。
 ノグチは公園の造成前に亡くなったが、計画は引き継がれて17年間の歳月と250億円の工事費によって昨年の夏に完成したもの。

 もうひとつの話題は来年2月22日~3月4日開催される「FISノルディックスキー世界選手権大会」。アジアでは初めてのこの大会は、サッポロドーム、大倉山ジャンプ競技場、白旗山競技場をメインの会場として行われる。そして来週からは同会場で「プレ大会」も始まる。

 「道産酒の会」、道産の食材を使ったレピシは次の通り。
 「芹胡麻和え 蟹親子」「行者ニンニク天麩羅 イクラ玉子焼」「槍烏賊磯辺和え」「サーモンオノオンサラダ」「氷下魚一汐干」「切り昆布入りおにぎり」「帆立汁」、酒は「国稀」・・・・・・・満腹。

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March 09, 2006

284.マリリン・モンロー綺麗のヒミツ

marilyn 日本橋高島屋で生誕80年を記念した、「マリリン・モンロー展」が開かれている。
 展示の中心は映画のなかで実際に着用した衣裳や、愛用ののアクセサリーやバッグなどの遺品。また「マリリン・バイ・ムーンライト」に掲載されたフォトアート作品も同時に展示されている。
 
 マリリンが生まれたのは1926年。映画デビューは21歳の時「嵐の園」という作品だった。そして1962年、36歳で亡くなるまでに30本の映画に出演している。
 そのうち私のメモに残っているのは11本、実際に映画館に足を運んで観た作品である。年代順に並べると「イヴの総て」「ナイアガラ」「紳士は金髪がお好き」「百万長者と結婚する方法」「帰らざる河」「ショウほど素敵な商売はない」「七年目の浮気」「バスストップ」「王子と踊り子」「お熱いのがお好き」「荒馬と女」。

 そのなかで最も印象に残っている作品は「帰らざる河」、社会派監督といわれたオットー・ブレミンジャーの唯一の西部劇である。
 ロッキー山脈の麓、うらぶれた町の酒場でけだるく唄うのがマリリン、そしてムショ帰りのロバート・ミッチャムがからむ。見所は何といってもビクトリア氷河から流れるポー河の筏下り。激流の中ずぶ濡れのモンロー、襲い来るインディアン・・・・・・。
 
 4年前、ロケの現場となったカナディアン・ロッキーの麓バンフを尋ねた。ポー河の激流にむけてカメラが置かれた場所は、立派なシャトウ・ホテルの庭。こんな便利で素晴らしい?ロケ地は他にはないだろう!

 しかし、36歳は惜しい。あのブロンドをもう一度銀幕で観てみたい。

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March 08, 2006

283.県庁の星

 期待してはいなかったが、これは面白かった。そして「業者」時代、「官庁」のエリート官僚に苛められた苦々しい時間を思いだした。

 フジテレビグループの作品で織田祐二主演とくれば、「踊る大捜査線」など「湾岸シリーズ」。「容疑者・・・」「交渉人・・・」の延長線上の作品かと先入観をもって入場したが、これはかなりキツイ問題提起を突き付けてくれた。
 県庁に勤める鼻持ちならぬエリート若手官僚(織田祐二)と、三流スーパーのパートのおねーちゃん(柴咲コウ)がぶつかった。官僚用語とマニュアル書類だけを金科玉条とするエリートは、お客さん第一の現場主義のパートに完全に「改革」される話である。

 原作が面白いのだそうだ。既に25万部のベストセラー、作者は桂望実。朝日新聞の「窓」によると、「組織人としての根性や責任感あふれる新しい女性像」で「男性作家による企業小説ではめったに登場しない存在」なのだそうだ。そしてこれが今年の芥川賞受賞作「冲で待つ」との共通点だという。

 知事や政治家、官僚の描きかたは少々デフォルメ、単純化されてはいる。しかし私の経験からもこうした人物たちがこの世界には結構存在することは確かだ。

 「行政改革は制度や組織を変えることじゃない。そこに生きる人間たちの意識を変えることなんです。」とエリート官僚が「県民の僕としての公務員」に目覚めても、「官僚の世界」はそう簡単には変わらない。
 映画の結論としては寂しいいが、それがまた現実なのである。

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March 07, 2006

282.NY・バーク・コレクション展

a1 今回も最終日の鑑賞である。「日本の美 三千年の輝き ニュヨーク・バーク・コレクション展」を上野の東京都美術館で楽しんだ。
 前回ブログに掲載した東京美術倶楽部の展覧会は、多くの個人蔵の作品を集めて展示したものだが、今回はひとりのコレクターが収集した作品だけを見せてもらった。それもアメリカの女性収集家のものである。

 メアリー・バーク夫人、ニュヨーク在。実家がミネソタ州で鉄道・木材業を営む富豪、そのうえ芸術愛好家の両親の元に育った彼女は、絵画・書・工芸品など「日本の美」に心を奪われる。そして40年にわたり縄文から江戸時代まで1000点に及ぶ「日本の美」を買い集めた。

 「里帰り」である。縄文・弥生時代の土器、平安時代の仏像、「石山切り」と云われる「貫之集」や「伊勢集」、鎌倉時代の快慶の「不動明王坐像」と「絵巻断簡」など、いずれも国内にあれば国宝に指定された逸品である。
 「書」「山水画」もすばらしい。愚庵、周文、雪村が並ぶ。

 また屏風が圧巻である。「平家物語図屏風」「南蛮屏風」「洛中洛外図屏風」「阿国歌舞伎図屏風」等十数点が展示されている。
 英一蝶、歌川広重、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、丸山応挙、池大雅、与謝蕪村・谷文晁等、桃山・江戸時代の著名な文人たちの画帳、図・・・・・・。

 これだけの「日本の至宝」が、アメリカのいち個人の手に集められていたことには、少なからず衝撃である。幸い「日本の美」をこよなく愛する女性の手元に集められたものだから、散逸することはないだろう。
 いずれにしてもかの国の財力と、文化にはそれを惜しみなく投ずる国民性に、ただただ脱帽した展覧会だった。

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March 06, 2006

281.アカデミー賞

crash 第78回アメリカのアカデミー賞が決まった。

 最も注目されていた「作品賞」は、現代アメリカが抱える人種問題を描いた「クラッシュ」が獲得した。また「クラッシュ」の監督で脚本も書いたポール・ハギスが、共同脚本のボビー・モレスコとともに「脚本賞」、ヒューズ・ウインボーンが「編集賞」とこの作品は三つの賞に輝いた。(作品についてはこのブログ271号~2.22~)

 男同士の愛を描いて「作品賞」の最有力候補といわれていた「ブロークバック・マウンテン」は、アン・リー監督が「監督賞」獲得した他、「脚色賞」「作曲賞」とこの作品も三つの賞に輝いた。アン・リーは台湾出身の監督で「グリーンディスティニー」がヒット、その後アメリカで活躍している。
 「ブロークバック・マウンテン」は、アカデミー賞の発表に先立ち、低予算で制作した独立系の映画から選ぶ「インディペンデント・スピリット賞」で作品賞と監督賞を得ている。

 なお主演男優賞は、「カポーティ」のフイリップ・シーモア・ホフマン。主演女優賞は、「ウオーク・ザ・ライン」のリース・ウイザースプーン(279号~3.3~)。助演男優賞・「シリアナ」ジョージ・クルーニー、助演女優賞・「ナイロビの蜂」レイチェル・ワイズ。

 なお日本のアニメ作品「ハウルの動く城」は、今回も残念ながら賞を逸した。

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March 04, 2006

280.日本アカデミー賞

ALWAYS 2006(第29回)日本アカデミー賞最優秀作品賞は「ALWAYS 三丁目の夕日」に与えられた。また各部門の最優秀賞も、主演女優賞をのぞいて全てがこの作品のキャスト・スタッフに与えられるという、アカデミー賞始まって以来のケースとなった。

 イギリスやアメリカのアカデミー賞も同じだが、この賞はアカデミー会員全員が審査員となって、投票によって選ぶ。会員は製作者・監督・俳優やカメラマン・デザイナーなど直接映画制作に関わっている人達がほとんどである。つまり「アカデミー賞」は、映画人たちが「どんな映画を創りたいのか、どんな映画を見たいのか」の結果である。

 これまでもこのブログで書いてきたが、「映画賞」にはもうひとつのパターンがある。映画評論家や映画記者など少数の審査員による選考である。アメリカ各州で行われる「批評家賞」や「ゴールデン・グローブ賞」、日本では「キネ旬賞」や「毎日映画賞」「ブルーリボン賞」が代表的な例である。前者は、映画産業の視点が考慮されるが、後者は映像文化に重きが置かれるといってもいい。
 
 それでも今回の「日本アカデミー賞」では、「キネ旬」等他の選考で第一位を総なめした「パッチギ!」が「夕日」と最後まで「最優秀」を競ったようだ。入賞はしなかったが、「メゾン・ド・ヒミコ」「空中庭園」「いつか読書する日」等、新しい切り口、強い自己主張の作品も注目を集めるようになったことは、映画産業にとってもプラスといえよう。

 ただひとつ「北の零年」で最優秀女優賞をとった、吉永小百合は流石。今回が5回目である。

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March 03, 2006

279.ウォーク・ザ・ライン

800x600_02 久々に感動した作品だった。プレスリー等とロカビリーの黄金時代を築いた伝説のミュージシャン、ジョニー・キャッシュの真実の物語である。
 キャッシュは、三年前71歳でこの世を去ったが、これまでにグラミー賞受賞11回、レコードの売上5000万枚、作曲したカントリー・ロックミュージックは1500曲に上った。「Man in Black」とよばれ、ボブ・ディランやミック・ジャガーの音楽に大きな影響を及ぼした彼は、一人の女性ジューン・カーターへのとどまることのない愛を音楽に昇華させた。

 ジョニー・キャッシュを演じたのはホアキン・フェニックス(「グラディエーター」)、二度目の妻となる運命の女性ジューン・カーターはリーズ・ウィザースプーン(「キューティ・ブロンド」)。この二人の演技と歌唱力がまた素晴らしい。
 「キャッシュの物真似ではなく、心の奥底から歌うように心がけた」とフェニックスは語っているが、プロ顔負けのロックを歌う。そして一方のリーズもラブ・コメの女王から一変して大歌手になる。アメリカの役者のプロ根性を見せ付けられた作品でもある。
 当然ながら二人の評価は高い。今年のゴールデン・グローブ賞でそれぞれ主演男優賞・女優賞をとっているし、アカデミー賞にもノミネートされている。6日の発表が楽しみだ。
 監督は「アイデンティティー」のジェームス・マンゴールド。製作総指揮を二人の息子ジョン・カーターキャッシュが務めている。
 
 さて今夜はこれから、「日本アカデミー賞」の受賞式。最優秀賞に輝く作品、俳優達は誰だろうか。 

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March 02, 2006

278.PROMISE

323224view004 映画館での予告はもちろん、雑誌、新聞、TVでのコマーシャルと大宣伝が続く。「さらば、わが愛/覇王別姫」でパルムドールを獲得したチェン・カイコー監督の最新作である。先日の「ベルリン国際映画祭」でも上映された。
 しかし、期待はずれだった。中国人民軍を大動員した渓谷の戦闘シーン、ワイヤースタントを駆使した主人公たちの華麗な剣さばき、VFXの多用と、ハリウッドを超える並外れたスケールだがドラマ性が弱い。だから、見終わっても感動がない。

 タイトルも不可解である。中国語では「無極」日本では「PROMISE」、それを「運命」と呼ばせる。「無限に広がる宇宙観、天衣無法のイマジネーション」と宣伝文は綴るがチェン・カイコーの狙い、さらには美学がもうひとつ解らない。

 役者とスタッフは、さすがに凄い。全編流暢な中国語で通した大将軍役の真田広之(「ラストサムライ」「たそがれ清兵衛」)、韓国のトップスターで奴隷役のチャン・ドンゴン(「友へチング」「ブラザーフッド」)、公爵役が香港の若手ニコラス・ツエー(「香港国際警察」)、そしてこの三人が愛を競う相手王妃に香港の美姫セシリア・チャンとアジアの今ときめくスターを揃えた。
 スタッフも監督他、「グリーン・デスティニー」でオスカーをとったピーター・パウ(撮影)、ティン・イップ(美術)、アクション振付が「マトリックス」のディオン・ラムという顔ぶれである。

 今やハリウッドは、想像もつかない「特殊視覚効果」(VFX)を駆使してスケールの大きい映画を製作している。この分野でも中国の技術はまだまだ追いつかないようだ。いくつかのシーンで興ざめしたのもその所為かもしれない。

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