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September 27, 2006

457.赤と黒の芸術・楽茶碗

Raku1Raku2 左が「赤楽茶碗 銘鶴」、楽家三代の道入の作品。右が重要文化財「黒楽茶碗 銘俊寛」、楽家初代長次郎の作品である。

 三井記念美術館が開館1周年を記念して、楽焼をテーマにした特別展を開いている。会場には初代長次郎から十五代吉左衛門までの作品・70点余りの茶碗と、楽家に伝わる古文書他が展示されている。
 楽美術館を始め三井記念美術館所有の茶碗の他に、個人所蔵のものまでこれだけ揃えた展示は初めてだろう。

 「楽焼」は、始め「今焼き茶碗」とも「聚楽焼き茶碗」とも呼ばれた。千利休の創意によって太閤のための茶碗を焼き、秀吉から聚楽の「楽」の印字をもらいそれを「姓」にした。
 可能な限り装飾性を配排し、造形の個性的な表現を抑制した赤と黒のモノトーンの茶碗。それは、利休の「侘茶」の思想を直接的に反映し、禅における「無」にも通ずる美意識が見られる。
 初代から順を追って鑑賞すると、江戸・明治と降るにつれ個性的な陶技も見られる。しかし、轆轤を用いずに箆で姿を削り上げる陶法は一貫しており、赤と黒に表現される「侘茶」の精神は変わっていない。

 10数年前、裏千家の「初釜」に招かれたことがあった。もちろん「楽焼の茶碗」で薄茶をいただいたが、家元からひとつひとつの茶道具の話を聞き、そこに400年来の美意識をみることが出来た。
 「千家十職」といわれる伝統的な職人がいる。千家の茶道具を作る職人が十職に整理され、千家と深く結びついているのだ。
 釜師、塗師、刺物師、金物師、袋師、表具師、一閑張細工師、竹細工・柄杓師、土風炉・焼物師そして最も重要なのが楽家の茶碗師である。
 「十職」の言葉は明治になって生まれたものだが、夫々の技術は家によって代々引き継がれ今日に至っている。それは、千家だけのものではなく日本の伝統技術を背負っているといえよう。

 「楽茶碗」特別展 11月12日まで 三井記念美術館
             入館料一般1000円

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開館一周年記念特別展 赤と黒の芸術 楽茶碗 2006年9月16日から11月12日 三井記念美術館 素晴らしい樂茶碗展です。 長次郎の茶碗が13点のと三代道入(ノンコウ)の茶碗が8点も出展されています。さらに本展では樂家初代長次郎から現代の十五代樂吉左衞門氏までの作品のなかから各代の代表作が一堂に紹介されています。さらに、樂家にかかわる文書類も出展されています。 楽茶碗淡交社このアイテムの詳細を見る 楽茶碗を読んだ上で鑑賞に臨みます。 �... [Read More]

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