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December 31, 2006

533.2006年データ忘備録

「スイミング」291km(+7k)
「旅」11日(うち4日は葬儀のため。昨年に比べ18日減、老々介護のためなるべく在京。)
「映画」149本(その分映画は良く観た。昨年比+30本)
「観劇」18回(ほとんど歌舞伎。音楽会は少なかった。ー6回)
「祭り」4ヶ所(昨年は本祭りの年。-7ヶ所)
「魚がし」58日(-7日)
「黒瀬」71日(-11日)
「ブログ」308本(+83本、週6本を目標に書いた。)
「読んだ本」82冊(-16冊)
「夜の在宅率」69%(+10%、加齢と共に当然高くなる。)
「休肝日」不明(昨年に引き続き、深く反省。)

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December 30, 2006

532.築地市場

061230_015061230_005061230_001 今年最後の築地市場。普段の日より一時間以上も早く出かけたが、場内も場外も一般のお客さんで大混雑していた。
 いつも訪ねる玉子焼きの「大定」などは、200mを超える行列。仕方がないので、プロ用の場内店まで出かけて買うことにした。

061230_006_1061230_008_1061230_011_1 最も客が群がっていたのは、当然ながら鮮魚店。安いマグロが食べられるのは今年までと、競って求めていた。
 安いといっても、マグロの価格は昨年より20%は高くなっている。ミナミマグロの冷凍ものでも、キロ5000円から6000円。今朝の最高値は、7600円を超えたそうだ。
 これが小売に並ぶと、中トロで100g1500円から850円になるのだから、手は出しにくい。安いメバチで我慢する他無い。そのメバチの中トロが350円~450円。正月用に300gほどの冷凍物を買って帰った。

 マグロの値上がりの背景は、消費量の急激な増加である。この数年で30%以上も増え、年間210万tを超えた。その四分の一が日本で消費されているが、昨今の健康志向で世界各地で魚の消費、とりわけマグロを食べる人が増えた。
 当然「乱獲」となる。そして「資源枯渇」の懸念が高まる。

 マグロ資源は、四つの海域の国際委員会とミナミマグロに関する国際委員会の5機関が管理している。今年の会議では、ミナミマグロは来年から、クロマグロは2010年までに20%漁獲量を削減することを決めた。また年明け早々五つの委員会が東京で合同会議を開き、今後の漁獲量管理などについて方針を打ち出すようだ。

 そんな事を考えながら、今年の最後の築地通いを終えた。

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December 29, 2006

531.プラダを着た悪魔

Wallpaper_01_800 プラダをはじめ、シャネル、エルメス、ヴァレンティノ、ドルチェ&ガッパーナ、ガリアーノ・・・・・の帽子にコートにドレス、靴、バッグ、そしてランジェりーと、ブランドに目のない女性にとっては、ため息の出る映画である。
 そしてまた、キャリアを目指す女性にとっても「元気の出る映画」だ。
 お話は、ファッション・ビジネスの最先端を舞台に、ファッション誌のカリスマ編集長ミランダに徹底的にしごかれる「冴えない」女性が、ひとかどのジャーナリストとして自立していく、というもの。

 そのカリスマ編集長が、アメリカ女優群のカリスマ・メリル・ストリープである。これまでアカデミー賞に13回もノミネートされ、「ソフィの選択」で主演女優賞を、「クレイマー・クレイマー」で助演女優賞をとったあの女優である。デビューから30年、「デア・ハンター」や「マディソン郡の橋」で名演技を見せたエール大学出身の才媛が、見事な「悪魔」ぶりを見せた。普段は、ジーンズとセーター暮らしでブランドには関心が無いと話すストリープが、ファッショナブルに変身する。

 しごかれる新人秘書アンディは、アン・ハサウエイ。「プリティ・プリンセス」でデビューしたキュートな女性だが、最近は「ブロークバック・マウンテン」など演技派としても伸びてきた。この彼女が、冴えない田舎娘からファッショナブルなキャリア・ウーマンに変身していくのだが、もともと美人のハサウエイだから、それほど無理は無い。

 20代の新人女性作家ローレン・ワイズバーガーの、実体験が原作。アメリカでは「自分の上司の悪魔ぶり」を競う「ミランダ遊び」まで流行しているそうだ。

Img03 映画は「下半身」から流すローアングルを多用する。細く引き締まった足に、タイトなスカートと靴。ニューヨークの石畳を蹴るようにして歩く姿が、最先端の舞台を目指すキャリアの意気込みを象徴する。
 映画館でもらったポスターもまた下半身だが、これは日本オリジナルのポスター。CanCan専属モデル押切もえちゃんの見事な足だった。

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December 28, 2006

530.南州墓地

061227_032061227_009_1 親代わりだった義兄が亡くなり、急ぎ帰省した。寂寞の情を鎮めるため、葬儀場に隣接する南州墓地を訪ねる。
 桜島を望む丘陵にあるこの墓地には、130年前の西南戦争で戦死した薩軍兵士2023名が眠っている。

061227_011061227_012061227_013 墓は、総大将だった西郷隆盛を中心に、左右が幹部の桐野利秋と篠原国幹、いずれも陸軍少将の官を辞して西郷とともに野に下った薩州人である。とくに桐野は、維新前夜「人切半次郎」とよばれ新選組も一目置いた剣の使い手だった。

061227_014061227_016061227_017 村田新八は元宮内大丞、薩軍の№4。別府晋介は、西郷の自刃を介錯した元陸軍少佐。そして桂久武は、西南戦争に加わったただ一人の薩摩藩の元家老。島津家出身で、2年後放送される大河ドラマ「篤姫」でも重要な役で登場する。
 彼等全員が明治10年9月24日、城山を枕に自刃または戦死した薩軍中枢である。

061227_015061227_018 辺見十郎太は、映画や小説にしばしば登場する剣の達人。小倉壮九郎は、日露戦争で連合艦隊を率いた東郷平八郎の実兄である。

061227_021061227_031 南州墓地には鹿児島出身者以外に、西郷を慕って参戦した他県人の墓もある。
 とくに山形の庄内からは、十数名の若者たちが西郷の作った「私学校」に留学しており薩軍に加わっている。戊辰戦争で敗れた庄内藩は、当時官軍総大将だった西郷の処遇に感動して薩摩に好意を寄せていた。
 これは人吉で戦死した、庄内出身の榊原政利17歳の墓である。

061227_023061227_025061227_026_1 西南戦争で戦死した兵士には、若者が多い。長男は家督を守るため家に残し、次男・三男が薩軍・官軍に分かれて戦ったケースがいくつもある。

 明治10年2月15日、「政府への尋問の筋これあり」と事実上「宣戦布告」して始まった西南戦争。私学校生を中心とした総兵力3万人の薩軍、迎え撃つ官軍は海軍を含めて6万1千、その指揮をとったのはこれもまた薩摩出身の軍人たちだった。そして戦死者は、両軍ともにおよそ7000人。 
 この戦いによって国家は、有能な若い人材を失ってしまった。最長老、南州翁と敬愛された西郷ですら49歳なのだ。

 それに比べれば、義兄もまた私も、彼等よりはるかに人生の時を刻んだのである。

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December 25, 2006

529.日本アカデミー賞(8)

 先週、日本アカデミー賞の優秀賞が発表されたが、メディアがあまり取り上げないので主な賞だけを、ブログに書く。(順不同)

 「作品賞」
 「明日の記憶」、「男たちの大和 YAMATO」、「THE有頂天ホテル」、「武士の一分」、「フラガール」
 ほぼ想像していた作品が選ばれたが、「かもめ食堂」はどんな評価だったか。

 「アニメーション作品賞」
 「あらしのよるに」、「ゲド戦記」、「時をかける少女」、「ブレイブストーリー」、「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」
 「コナン」だけは観ていなかったので、評価できなかった。

 「監督賞」
 佐藤純弥・「男たちの大和 YAMATO」、中島哲也・「嫌われ松子の一生」、三谷幸喜・「THE有頂天ホテル」、山田洋次・「武士の一分」、李相日・「フラガール」
 投票と一致した結果が出た。

 「主演男優賞」
 オダギリ・ジョー・「ゆれる」、妻夫木聡・「涙そうそう」、寺尾聡・「博士の愛した数式」、役所広司・「THE有頂天ホテル」、渡辺謙・「明日も記憶」
 妻夫木も良かったが、私は大沢たかお、藤原竜也を推す。

 「主演女優賞」
 檀れい・「武士の一分」、長澤まさみ・「涙そうそう」、中谷美紀・「嫌われ松子の一生」、樋口可南子・「明日の記憶」、松雪泰子「フラガール」
 檀と長澤は意外、シニアの私としては冨司純子だた。

 「助演男優賞」
 大沢たかお・「地下鉄に乗って」、香川照之・「ゆれる」、笹野高史・「武士の一分」、佐藤浩一・「THE有頂天ホテル」、松山ケンイチ・「デスノート(前編)」
 笹野高史は満場一致だろう。佐藤は「雪に願うこと」の方が良かったが。

 「助演女優賞」
 蒼井優・「男たちの大和 YAMATO」、蒼井優・「フラガール」、冨司純子・「フラガール」、もたいまさこ・「かもめ食堂」、桃井かおり・「武士の一分」
 蒼井の今年の活躍は、衆目一致しているところ。他のコンクールでも必ずノミネートされるだろう。

 「外国作品賞」
 「クラッシュ」、「ダ・ヴィンチ・コード」、「父親たちの星条旗」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「ホテル・ルワンダ」
 「ダ・ヴィンチ」以外は納得。「ある子供」も入ってほしかった。

 「新人賞」
 須賀健太、塚地武雄、速水もこみち、松山ケンイチ、蒼井優、檀れい、山崎静代、YUI
 「間宮兄弟」の塚地武雄は、もう少し活躍してからとも思ったが。

 新人賞を除いて、優秀賞の中から会員の投票により、最優秀賞が決定する。
 発表は、来年の2月16日、日本アカデミー賞受賞式の席上で。

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December 23, 2006

(番外)師走・火の用心

061223_030061223_031061223_032 昨夜9時過ぎ、ご近所で火災が発生した。地元臨港消防署をはじめ、京橋・日本橋消防署から10台を超える消防車が駆けつけ消化にあたった。
061223_033061223_034 火元が無人の印刷工場だったせいか、印刷用インクが燃え、あたりは真っ黒な煙に覆われた。
 週末の夜、もんじゃ街の一角での火災だけに野次馬も殺到、あたりは騒然としていた。およそ3時間後鎮火したが、いつまでも煙はくすぶっていた。被災したのは、居酒屋など3軒、建物が密集している下町だけに、火の用心、火の用心。

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December 22, 2006

528.ヴケリッチの妻・淑子

 知人の片島紀男君から本が送られてきた。「ゾルゲ事件、ヴケリッチの妻・淑子~愛は国境を越えて」、ゾルゲ機関の一員として1941年逮捕され、網走刑務所で獄死したヴケリッチと妻淑子のドキュメンタリーである。
 寒い一日、部屋に篭って一気に読んだ。片島君の得意とする、歴史とその中に巻き込まれた人物の評伝である。そして多分、始めての女性評伝。彼の暖かい目、優しさが随所に見られた。
 これから読む人のために内容は省くが、淑子がまだ健在だった1998年に、彼はTVドキュメンタリー「私のゾルゲ事件~愛は国境を越えて ブランコ・ヴケリッチ婦人・山崎淑子」を制作した。そして今年90歳で彼女が亡くなった事を受けて本に纏めた。特にテレビでは描ききれなかった、幾つかの「真実」も書き込まれておりテレビの続編といえる作品である。

 片島君は、「異色のこだわり派ディレクター」と呼ばれるように、アジアの現代史にとことん拘っている。九州の職場で始めて会った44年前から、それは一貫している。九州という地域性もあってか、中国・朝鮮・炭鉱・強制労働・・・とアジアの現代史を避けることは出来ない。さらにそのことが、日本の戦後史の再検討・再確認に繋がったのだろう。

 私の観た彼の作品を幾つか並べると、その事がよく見える。
「二つの祖国~中国残留日本人孤児」(1986)、「遺された声~アジアのリーダーと太平洋戦争」(1989)、「マッカーサーの約束~フイリッピン・抗日人民軍の挫折」(1991)、「1949年の夏~三鷹事件・新証拠が語る50年目の真実」(1999)、「占領期の謎~帝銀事件・死後再審11年目の報告」(2000)、「徳田球一とその時代~大衆運動・その高揚と挫折」(2000)、「ニラカナイを夢見て~ゾルゲ事件に消えた画家宮城与徳」(2001)・・・・・。他に「命もえつきる時~作家檀一雄の最後」「悲しい火だるま~三好十郎伝」など故郷の人物を描いた評伝もある。

 なお、これ等の作品は川口市にあるNHK番組ライブラリーで観る事が出来る。また表題の著書は、同時代社刊・2000円(税別)。

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December 21, 2006

527.人生は、奇跡の詩

Ph_tiger 久し振りに「イタリア映画」の傑作を観た。それも「ライフ・イズ・ビューティフル」でアカデミー賞を獲ったロベルト・ベニーニ監督の10年ぶりの作品である。

 舞台はローマと戦時下のイラク・バクダッド。ここで「真実はもっともらしい嘘と共に語らなくては」と「真っ白な雪のように清らかで、虎のように激しいただひとつの愛」を描く。
 和名タイトルは情緒的だが、原題は「LA TIGRE E LA NEVE」、ストレートである。

 製作が始まったのは2年前、当時のバクダッドの混乱が可笑しくてそして悲しく描かれる。もちろんロケは騒乱のイラクではなくチェニスなどで行われたが、ニュース映像で見る「バクダッド」そのものなのが可笑しい。

 バクダッドで戦禍に巻き込まれ、瀕死の重傷を負った愛する女性のため、「虎」となった詩人が主人公。その役はもちろんロベルト・ベニーニが演ずる。
 ひとすじに愛される女性は、「ライフ・イズ・ビュティフル」のニコレッタ・ブラスキ。彼女自身ベニーニの個人的なパートナーでもありプロデューサーなのだから、「虎のように激しい愛」は「嘘ではなく真実」なのだろう。

 イタリア人らしい愛の表現である。言葉の弾丸のように、口からほとばしる「詩」がまた美しい。主人公の友人でイラク人の詩人をジャン・レノが演ずる。イラクのインテリゲンチャの苦悩と、今日を生きる空しさを重い存在感で見せる。

 この映画は、今愛に飢えている人、また空しさを感じている大人へのプレゼントである。

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December 20, 2006

526.武士の一分

Photo_1 「武士の一分」の宣伝用ポスターを4種類見たが、この「つがいの文鳥」が一番好きだ。この絵に、山田洋次監督の優しさを見る。

 夏に「松竹110周年・監督45周年記念・山田洋次の原風景展」を見た。展示の解説で、知ったのは彼の作品に流れる一貫したテーマである。
 それは「時代を反映した家族の問題」「人と人とのつながり」「未来への希望」そして「日本の原風景」だった。 そう言えば「男はつらいよ」シリーズも「釣りバカ日記」シリーズにも、この四つがキチンと描かれている。
 「家族」(70)、「幸福の黄色いハンカチ」(77)、「遥かなる山の呼び声」(80)、「キネマの天地」(86)、「息子」(91)、「学校」(93)とこれまで見た数々の名作は、誰が見てもこの四つのテーマを思い起こすだろう。

 藤沢周平三部作は、それを静謐に描いた作品群でもある。「たそがれ清兵衛」しかり「隠し剣・鬼の剣」しかり、そして「武士の一分」も。下級武士の家族にみる夫婦愛、親子の愛、上司と仲間、生きることの素晴らしさ、庄内に残る日本の原風景・・・・・。

 山田監督は、役者の素質を見出すのがうまい。渥美清、高倉健も彼の映画に出演すると、本物になる。「たそがれ」の真田広之、「隠し剣」の永瀬正敏も生きた。そして今回は木村拓哉である。イケメンのタレントぐらいに思っていた木村が、素晴らしい役者に変身していた。そのうえ木村は、一見華奢な体つきと思っていたが、実は胸板の厚いサムライだった。剣の裁き、腰の入れ方も。
 山田監督はテレビインタビューで、「木村は少年時代から剣道を学び、それもかなりの腕前だった」と語っていたが、なるほどとうなづける。

 山田洋次75歳、「武士の一分」が79作品目だそうだ。市川昆監督も90歳で映画を撮った。ということは、まだまだ彼の名作を楽しめる。

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December 19, 2006

525.硫黄島からの手紙

001 「硫黄島からの手紙」については、多くのメディアで多くの方々が語っているので、躊躇していたが、ブログを読んでくれる友人から「データを残すためにも、コメントがほしい」とのメール。
 14日ウイークデーの朝一番に有楽町に出かけたので、一言書く。

 久し振りにマリオンは、切符を求める人の行列が外まで溢れていた。ほとんどが私と同年輩、こちらは前日に指定席券を確保していたのですぐ場内に入れたが、窓口は大混雑である。

 映画の方は、前評判どうり素晴らしい。深い感動を覚えた作品だった。
 クリント・イースト監督が作ったアメリカ映画だが、全編セリフは日本語。もちろん出演も、渡辺謙を始めとする日本人俳優。時に登場するアメリカ兵は、脇役にすぎない。だからこの作品は「日本映画」と言ってもいい。
 しかしイーストウッドである。描き方はドライである。殺すか殺されるか、戦争そのもが醒めた目で凝視される。「出口のない海」や「男たちの大和」など、戦争を扱った日本映画のような感傷による涙はない。だから、主人公と息子の手紙による会話、死に追いやられる普通の兵士の妻との回顧も、ごく当たり前に描かれる。しかしその中から、フツフツと湧き出るのは、この不条理に対する怒りであった。

 アメリカでも評判はいい。既に、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞と監督賞にノミネートされている。ロサンゼルス映画批評家協会賞では、最優秀作品賞を得た。またアカデミー賞の前哨戦といわれるアメリカ映画協会賞でも、トップ10に選ばれている。

 しかし、イーストウッドはたいした男である。今年76歳、年輪を重ねる毎にますます魅力が増す。先日発売された中高年向けの雑誌「いきいき」では、その魅力を特集しているが、その円熟の境地はさすがである。
 42年前に観た「荒野の用心棒」、翌年の「夕日のガンマン」そして「続・夕日のガンマン」。この頃は、ジョン・ウエンやディーン・マーチン等を追っかけていて、マカロニウエスタンは序でだった。しかし、「ダーティハリー」シリーズの頃からイーストウッドを注目するようになり、「許されざる者」で決定的になった。
 以後、彼の作品は欠かさず観ている。

 さて彼は次に、アメリカという国をどう描くだろうか。 

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December 18, 2006

524.007・カジノ・ロワイヤル

Bond 6代目のジェームズ・ポンドは、ダニエル・クレイグ。土曜日の朝日新聞に、この映画のプロデューサー・バーバラ・ブロッコリさんが登場していた。
 「男性的でセクシー、すばらしい俳優だけに日本の女性も、彼を気に入ってくれるはず」「私たちは同じことを繰り返さない。シリーズを長く続けるには、常に新鮮な風が必要」と。

 さて映画をご覧になった日本の女性の皆さん、始めての「青い眼のブロンド」はいかがでしたか。我々シニアは、やはり初代のショーン・コネリーの方が・・・となるのだが。
 タフで強いところは、歴代のポンドと同じだが、クレイグはどうも「悩めるポンド」のようだ。恋だって本気になってしまう。なかなか煮えきれない。だからポンドガールも、これまでの様な「肉体派」ではなく、美貌に知性を加えた。その役は「キングダム・オブ・ヘブン」のエヴァ・グリーンが引き受けた。
 MI6の上司"M”は、このシリーズの途中から登場したジュディ・イン。イギリスを代表するオスカー女優だが、凄腕の彼女も、今回は母性愛もあり、夜はご主人と一緒にダブルベッドで、スヤスヤと休む庶民派。 
 このように、作品自体が、これまでの「007」と違って人間臭い様相を見せている。それも、脚本がポール・ハギスと聞けばうなずける。好みは別として、アカデミー作品賞をとった「クラッシュ」の監督・脚本の彼である。

 映画の「007」シリーズは、これで21作目。しかしこの「カジノ・ロワイヤル」は、原作者のイアン・フレミングが、始めてポンドを登場させた最初の作品である。だから誰も知らないポンドが、007になるのである。
 40年ほど前、別の会社がパロディー映画として「カジノ・ロワイヤル」を製作した。それは、シリーズを手がけてきた「イオンプロダクション」が、まだ権利を持っていなかったからだ。
 つまりシリーズ第1作から半世紀へて、「007」は原点にたどり着いたのだ。そして「敵役」も「冷戦の相手」ではなく、「アルカイダ」を動かす黒幕となる。

 さてポンドの足元で、ロシアの「007」が暗殺された。今、MI6の"M”は、どんな手を打っているのだろうか。 

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December 17, 2006

523.焼酎バー「黒瀬」(66)

 焼酎についての最近の話題を、HPや新聞から要約で。

「黒糖焼酎、相次ぎ増産」
_001 「黒糖焼酎」は、サトウキビの絞り汁を煮詰めて出来た黒砂糖を主原料に、常圧蒸留や減圧蒸留で造った本格焼酎。といっても、芋や麦などと違って「糖化」の工程が必要なく、むしろ「ラム酒」に近い。
 しかし、「ラム酒」の仲間に入れられると税率が高い。そこで、鹿児島県の奄美諸島が日本に復帰した後、この地で製造される焼酎に限って、酒税法上本格焼酎に分類され「黒糖焼酎」と呼んでいる。

 「黒糖焼酎」は、キャラメルやバニラのような甘い香りが特徴。といっても甘ったるくはなく、むしろスッキリした飲み心地が、多くの女性フアンを掴んでいる。そのため売れ行きはよく、ここ5年で3倍にものびている。

 例えば、「里の曙」で知られる町田酒造では貯蔵タンクを二倍に増やし、「浜千鳥乃詩」の奄美大島酒造も生産能力を三倍に引き上げた。 
 とくに奄美大島酒造は、龍郷町に2600㎡の製造工場を10億円かけて建設、麹の培養から仕込み・蒸留・貯蔵・瓶詰めまで一貫して行っている。この結果、製造能力は630klから2000klと一挙に伸びた。
 また「れんと」で知られる奄美大島海運酒造も、1500klから2300klと出荷量を増やしている。(日経ほか)

 「肌の焼酎『薩摩の雫』全国で一斉発売」
 飲む焼酎ではなく、肌につける美容液の焼酎が、鹿児島大学と㈱ワタナベの共同開発によって誕生、近く製品が全国で一斉に発売される。
 焼酎は健康に良いといわれ、伝承的にも美容効果があるとされてきた。そこで、鹿児島大学大学院・医歯学総合研究科では、黒麹とサツマイモを荒削りしてエッセンス化を試み、ポリフェノールやアントシアニンを抽出することに成功した。
 美容液は、このもろみエッセンスにシソエキスやローズマリーエキスを加えたもので、「薩摩の雫・焼酎からのおくりもの」と名づけて、今週末からスーパーや薬局で売り出す。
 価格は、50ml入り税込みで1350円。問い合わせは03-3844-9281㈱ワタナベ

 「黒瀬」(渋谷2-14-4) ℡03-5485-1313

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December 15, 2006

522.日本アカデミー賞(7)

 最後は「主演・助演女優賞」と「新人賞」。

 今年活躍が目立ったのは、「嫌われ松子の一生」で新しい魅力を出した中谷美紀。「7月24日通りのクリスマス」でも地味な女からの変身を見せた。「LOFTロフト」でも主役だった。
 同じように「フラガール」の松雪泰子も活躍した。「子ぎつねヘレン」にも出演したが、こちらは助演賞の対象か。
 ベテランでは、「待合室」の冨司純子・寺島しのぶ親子。冨司は「フラガール」では助演賞候補にも、寺島は「やわらかい生活」でも名演技を見せた。また常連だが、「明日の記憶」の樋口可南子。
 そして地味だが、「かもめ食堂」の小林聡美も挙げておきたい。演技というより日常そのものだった。

 助演女優賞候補は、冨司・松雪のほかに「かもめ食堂」の片桐はいりともたいまさこ。もともと舞台役者だが、映画界にとっても貴重な女優。
 沢尻エリカも大活躍した。「シュガー&スパイス」など主役作品もいくつかあるが、「手紙」と「間宮兄弟」の演技は助演賞に値する。

 新人俳優賞は、映画初出演ではなくとも、主演・助演クラスの大役を演じたのが初めて、というのが選考基準。とくに「最優秀賞」はない。
 そんな規定を考えながら見ていくと、「夜のピクニック」の多部未華子、「地下鉄に乗って」の岡本綾、「武士の一分」の檀れい、「TANNKA」の黒谷友香、「博士の愛した数式」の深津絵里、「フラガール」の蒼井優と山崎静代を推薦したい。

 なお優秀賞・新人賞の選考結果は、来週火曜日に発表される。

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December 14, 2006

521.日本アカデミー賞(6)

 次は話題の「主演・助演男優賞」の候補に移る。

 午前中に、クリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」を観た。その影響からではないが、主演男優賞候補には、まず渡辺謙を挙げる。「硫黄島」はアメリカの作品で、公開も先週末からなので選考の対象にはならない。しかし、彼自らプロデュースし主演した「明日の記憶」がある。若年性のアルツハイマーに侵されていく難しい役をうまく演じた。ガンとの闘病歴を持つ渡辺らしい演技だった。
 多くの映画に出演した大沢たかおも候補の一人だ。「子ぎつねヘレン」の獣医役もあったが、「陽気なギャングが地球を回す」の方を買う。「7月24日通りのクリスマス」の演技を推薦する人もいると思うが。また「地下鉄に乗って」で助演男優賞の候補に推してもよい。昨今の離婚騒動は関係ない。
 「武士の一分」の木村拓哉は、山田監督がよくも主役に抜擢したものだ。決してマイナスの意味ではない。木村が、役者としての新しい顔を見せてくれた。若い頃剣道を学んだ彼らしく、殺陣のキレは冴えていた。
 あと「花よりもなほ」の岡田准一、「地下鉄に乗って」の堤真一、「THE有頂天ホテル」の役所広司、そして「デスノート」の藤原竜也を挙げておく。

 助演男優賞は、先述の大沢たかおに「武士の一分」の笹野高史をまず挙げる。笹野はほんとに味のある役者だ。「釣りバカ」シリーズで、社長の運転手役を演じている頃から面白い役者だと注目していた。「寝ずの番」でもすっ呆けた役を演じていたが。そうした意味では「フラガール」の岸部一徳、「寝ずの番」でもそうだが、ミュージシャン出身とは思えない地味でおかしな役者である。「デスノート」で藤原の敵役を演じた松山ケンイチも、ここではノミネイトしておこう。

 なお男優の新人賞候補は、「花田少年史」の須賀健太、「出口のない海」で映画初出演の市川海老蔵、「海猿」の伊藤英明、「嫌われ松子の一生」の瑛太、「アキハバラ」の成宮寛貴、「間宮兄弟」の佐々木蔵之助、「手紙」の玉山鉄二を推薦した。

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December 13, 2006

520.日本アカデミー賞(5)

 続いて「スタッフの優秀賞の選考」を考えてみよう。
 まず監督賞。ほぼ「作品賞」とリンクするのだが、ベテラン・女性・中堅・新進と整理しながら選んでみた。これもそれぞれ会員の好みが出るので、場合によっては少数派ということもある。

 ベテランとしては、これまで何回も受賞しているが「武士の一分」の山田洋次は挙げざるを得ない。静謐な絵づくり、泣かせどころはキチンと抑えている。「男たちの大和」の佐藤純弥、亡くなられた「紙屋悦子の青春」の黒木和雄も敬意をこめて挙げる。
 もうベテランに入るのが「明日の記憶」の堤幸彦。今年は大いに活躍した。「サイレン」「TRICK」も彼の作品。三谷幸喜も「THE有頂天ホテル」を一本。金子修介は「デスノート」の前後編。あとは「雪に願うこと」の根岸吉太郎と「間宮兄弟」の森田芳光。
 女性では「かもめ食堂」の荻上直子。彼女は脚本も書いた。「チェケラッチョ!!」の宮本理恵子もいるが、「TANKA短歌」の阿木耀子をどう評価しようか。
 中堅と新人では、「寝ずの番」のマキノ雅彦、「博士の愛した数式」の小泉堯文、そして「フラガール」の李相日。
 今年はテレビディレクター出身も活躍した。「子ぎつねヘレン」「椿山課長の7日間」の河野圭太や「県庁の星」の西谷弘、「UDON」の本広克行はフジテレビグループ。そして「花よりもなほ」の是枝祐和は、テレビマンユニオン。

 撮影は、山本英夫が大活躍である。「フラガール」「THE有頂天ホテル」で腕の冴えを見せた他、「陽気なギャングが地球を回す」「県庁の星」と私が観た映画だけでも4本あった。同じく「ゆれる」の高瀬比呂志も多作だった。「デスノート」の2作に「間宮兄弟」、「7月24日通りのクリスマス」と続く。
 「武士の一分」の長沼六男は山田コンビ、他に「不撓不屈」。

 音楽は、好みで並べる。「花田少年史」の岩代太郎、「地下鉄に乗って」の小林武史、「武士の一分」の冨田勲、「ゲド戦記」の寺島民哉、「涙そうそう」の千住明、「明日の記憶」の大島ミチル、「ゲルマニュムの夜」の千野秀一、「博士の愛した数式」の加古隆、「待合室」の荻野清子を挙げる。

 美術・照明・録音・編集を省略して、次号はキャストに移る。

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December 12, 2006

519.日本アカデミー賞(4)

 昨日に続いて、「外国作品賞」の候補を上げてみよう。

 3月に観た「MANDERLAY」、ラース・フォン・トリアー監督のアメリカ3部作、デンマーク映画である。「Vフォー・ヴェンデッタ」は過激なアメリカ映画。
 「プロヂューサーズ」はミュージカルの世界。同じく「RENT」モブロードウエイ・ミュージカルの映画化。
 ジョニー・ディップの「リバティーン」はイギリス映画の傑作。そして「ぼくを葬る」はフランス映画。久々にジャンヌ・モローが名演技を見せた。ベテランといえば「アンジェラ」もリュック・ベンソンが久々にメガホンを執った作品、話題を呼んだ。

 5月、6月は前述のアカデミー受賞作品が並んだ。それ以外で光ったのか「ココシリ」、中国映画である。見損なったがアフリカ映画の「母たちの村」も評価が高い。さらに中国映画では「胡同のひまわり」が上映された。
 7月に入ると、女優のフェリシティー・ハフマンが女装した男を演じた「トランスアメリカ」が話題作。そして8月はアレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」が大ヒット。ヒロヒトが主人公だけに、映画館は高齢者の行列、公開期限が何回も延期された。
 同じ頃封切られた「狩人と犬、最後の旅」は、ドキュメンタリー映画に近い作品。「ハードキャンディー」は、怖いイギリス映画。ホーラではない。

 秋9月、「グエムル」は奇才ポン・ジュノが監督した韓国映画。カンヌで評判を呼んだ。そして「トリノ、24時からの恋人達」は数少ないイタリア作品。「キンキーブーツ」はイギリスのコメディー傑作。場内は笑いの渦に包まれた。
 10月「カポーティ」が話題作だが、他に「記憶の棘」「レディー・イン・ザ・ウオーター」「サンキュー・スモーキング」などの佳作が並ぶ。ブライアン・デ・パルマ監督の「ブラック・ダリア」は評価が分かれるだろう。
 クリント・イーストウッド監督の「父親たちの星条旗」は、10月下旬に封切られまだ上映中。既にアメリカのアカデミー作品賞の本命といわれている。
 最後の11月、秀作が並んでいる。韓国作品の「ユア・マイ・サンシャイン」は泣かせた。もうひとつ「トンマッコルへようこそ」もパク・クアンヒョン監督が泣かせる。
 今年のカンヌで、最高賞のパルムドールを受賞した「麦の穂をゆらす風」はまだ上映中。香港映画の「ウインターソング」、「キング罪の王」、そして「プラダを着た悪魔」、メリル・ストリープのいじめを楽しもう。

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December 11, 2006

518.日本アカデミー賞(3)

 外国映画は、299本が対象。6135本がアメリカと、圧倒的に多い。フランス19本、イギリス8本、イタリア4本は例年並だが、韓国作品は30本を超えた。この傾向は来年も続くだろう。配給会社の東芝エンタテインメントなどが、積極的に買っているから。

 外国映画の選考は、なかなか難しい。本家のアメリカ・アカデミー賞で作品賞等が決まった後、輸入される映画が多いからだ。
 また、カンヌ、ベネチア、ベルリンなどの国際映画祭でグランプリを獲った作品などは、どうしても先入観を持って観てしまう。確かに優れた作品なのだが。

 それを含めて、印象に残った作品を上げてみよう。
 アカデミー賞関連では「ブロークバック・マウンテン」「カポーティー」「クラッシュ」「グッドナイト&グッドラック」「ミュンヘン」、いずれも面白かった。ホアキン・フェニックスが名演技を見せた「ウオーク・ザ・ライン」、キーラ・ナイトレイの「プライドと偏見」、シャーリーズ・セロンの「スタンドアップ」、フェリシティ・ハフマンの「トランスアメリカ」、ドイツ映画の「白バラの祈り」、イギリス映画ではレイチェル・ワイズの「ナイロビの蜂」をノミネートする。

 あと鑑賞順にタイトルを並べると、ニコラス・ケイジの「ロード・オブ・ウオー」、子役の演技が光ったモンゴル映画(分類としてはドイツ映画)の「天空の草原のナンサ」、カンヌで評判のアルメニア出身監督エゴヤンの「秘密のかけら」、中国映画では高倉健の「単騎、千里を走る」、ジェイク・ギレンホールの「ジャーヘッド」「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」も印象に残った。
 一昨年のカンヌで「パルムドール大賞」を獲ったベルギー映画の「ある子供」も凄い映画だった。巨匠ヴィム・ヴェンダーズの「アメリカ、家族のいる風景」、そしてジョージ・クルーニーの「シリアナ」は、ほんとに面白かった。
 感動したのはメキシコ映画の「イノセント・ヴォイス~12歳の戦場」、さらに「ホテル・ルワンダ」。この作品は、アフリカを支援するNPOや映画フアンの署名運動で輸入された映画である。

 ここまで並べてもまだ3月。後は明日の号にしよう。
 それでも、こうして一年を振り返り、もう一度映画のシーンを思い浮かべるのも楽しい。(続) 

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December 09, 2006

517.日本アカデミー賞(2)

 続いて「東映」に移ろう。「男たちの大和」は、佐藤純弥監督の久々の大作。「明日の記憶」は、主演の渡辺謙がエグゼクティブプロデューサーも兼ねた。重いテーマの作品である。「バルトの楽園」は、東映がかなり力を入れた作品だが、思ったほどヒットしなかった。「TANK短歌」「ありがとう」と、今上映されているがまだ観てはいない。

 大手の製作・配給会社となった「角川ヘラルド映画」は、まず「ベロニカは死ぬことにした」をあげよう。アンドレア・モリコーネの音楽がよかった。「寝ずの番」は傑作。マキノ雅彦の第一作、津川雅彦らし作品。「不撓不屈」は地味だが、実話の強さがある。「アジアンタムブルー」は佳作。「時をかける少女」はアニメーションで、評判はいい。

 その他の中堅プロダクション、様々な「製作委員会方式」の作品に秀作が多い。いわゆる「単館」による上映のため、観るのに不便だが、話題をよぶと大きなスクリーンでも上映された。
 「ゲルマニウムの夜」は、荒戸源次郎が製作総指揮。「るにん」は奥田瑛二の作品。次作「長い散歩」は、モントリオールの世界映画祭でグランプリなど三冠を獲得した。今年の選考には間に合わなかったが、来週土曜日に封切られる。AZOTHの「あおげば尊し」も地味な作品だが、テリー伊藤が光った。「博士の愛した数式」、ベストセラーの映画化。小泉・寺尾コンビである。
 特筆すべきは「かもめ食堂」、時代の雰囲気をつかんだ作品として大ヒット。主役の小林聡美は三谷幸喜夫人。今年は夫婦で大活躍。「恋するトマト」、大地康雄の執念の作品。彼の心意気を買いたい。「雪に願うこと」、昨年の東京国際映画祭のグランプリ。その挽馬競争も北海道から消えそうだ。「アダン」は、ちょっと関係したので上げておく。
 「佐賀のがばいばあちゃん」も、マイナーからメジャー化した作品。これも島田洋七の執念か。「ゆれる」「紙屋悦子の青春」と、プロの評判の高い映画が続くが、今年後半の話題は何といっても「フラガール」だろう。実話の強さ、泣かせどころの旨さ。テレビで取材したこともあるので、懐かしかった。
 「手紙」「待合室」と、泣かせる映画が上映中だが、話題作は「デスノート」の二作品。評価は分かれるようだが、映画フアンの支持は大きい。
 アニメーションでは「ブレイブストーリー」と「パブリカ」。

 次号は外国映画を紹介する。

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December 08, 2006

516.日本アカデミー賞

 12月に入ると様々な分野で「回顧」が始まる。映画の世界でも、新聞社や専門誌によるベスト10が発表される。
 とくに今年は、邦画に勢いがあり話題作が多い。年末まで待たないと判らないが、邦画の興行収入が始めて外国映画を抜くかも知れない。
 「海猿」や「ゲド戦記」「THE有頂天ホテル」など、興行収入が50億円を上回る作品が5本もある。現在上映中の「デスノート」や「武士の一分」も評判が良い。
 一方外国映画の方は、ヒット作品もあったが、全体的には低調。「ダ・ヴィンチ・コード」も、思ったほどには売れなかった。

 さて、「日本アカデミー賞」の第一次選考も始まった。これは評論家など、特定の選考会員が選ぶのではなく、映画業界の関係者が中心の、会員全員の投票によって決まる。
 この一年(正確には昨年12月3日から今年の12月1日まで)有料で初公開された邦画は、全部で180本ある。この中から17部門3作品(3人)をまず選ぶ。その結果が優秀賞5作品(人)として、19日に発表される。
 そして最優秀賞の決定投票は、来年早々行われて、2月16日の授賞式席上で発表される。

 選考のため、この一年の「ブログ」を読み返した。掲載しなかった作品は、手帳のメモに残してある。
 映画会社、上映順に印象に残った作品を揚げてみよう。

 まず松竹。「子ぎつねヘレン」、共同テレビの河野圭太の初監督作品。「陽気なギャングが地球を回す」、大沢たかおのずっこけぶりが面白かった。「花よりもなほ」、テレビマンユニオン出身の是枝祐和の初時代劇。「花田少年史」、子役の須賀健太がうまかった。「出口のない海」は、海老蔵が映画初出演。「地下鉄(メトロ)に乗って」は浅田ワールド。そして「武士の一分」は松竹の本命、山田洋次の藤沢周平三部作。今朝のNHKテレビでも、ご本人がPRしていた。

 今年一番稼いだ東宝。「あらしのよるに」、大人の鑑賞にも堪えるアニメーション。今年からは「アニメ作品賞」も新設されたので、その有力候補。「THE有頂天ホテル」、三谷幸喜は映画に舞台そして歌舞伎と今年は大活躍。「県庁の星」も、フジテレビ「湾岸シリーズ」の延長線にある佳作。「LIMIT OF LOVE 海猿」、これもフジテレビ。大当たりである。「嫌われ松子の一生」も、中谷美紀の熱演が印象に残る。「ゲド戦記」、評価は分かれるが巨匠宮崎監督の息子吾朗の初監督作品。75億円を稼いだそうだ。「UDON」もまたフジテレビ。「涙そうそう」は、唄に引かれて観た。そして今上映中の「7月24日通りのクリスマス」、大沢たかおと中谷美紀、今年もっとも輝いた二人である。
 (続く)

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December 07, 2006

515.焼酎バー「黒瀬」(65)

 焼酎についての最近の話題を、新聞やHP他から要約で。

 「第2回焼酎学シンポ、この10日に」
 鹿児島大学に焼酎学講座が設けられたのを記念して、この6月「焼酎学講座シンポジウム」が開催されたが、第2回目が今月10日(日)開かれる。
 今回のテーマは「焼酎の時代」。鹿児島大学客員教授の小泉武夫さんの基調講演の後、「"さつま焼酎”の未来戦略」について総合討論が行われる。
 コーディネーターは、前薩摩酒造常務・現在鹿大農学部教授の鮫島吉廣さん、パネリストに小正醸造社長の小正芳史、天川酒造社長乾眞一郎、熊本国税局の三宅優、醸造産業新聞の岩田年弘のみなさん。
 会場は鹿児島市内のジェイドガーデンパレスとなっている。入場は無料。

 「フランスで本格芋焼酎を販売」
 鹿児島県頴娃町の蔵元佐多宗二商店では、昨年現地の流通会社と合弁会社をパリに設立、5つ星ホテルのバーや3つ星レストランなど高級店に食後酒として焼酎を売り込んでいる。
 販売するのは芋焼酎「刀」。海外市場を念頭に、アルコール度数44の焼酎を作りこれまでパリ市内で試飲会を開いてきた。
 販売価格は40~50ユーロ(6000~7500円)、当面月200~300本の納入を見込んでおり、1年後は1000本を目指す。(日経ほか)

 「"小百合焼酎”第2弾販売中」
 女優・吉永小百合がプロデュースした芋焼酎「さゆりの微笑み(ほほえみ)」が、映画の日12月1日に全国のデパートで一斉に販売された。
 今年3月に販売した「さゆりの泪(なみだ)」は、限定2万本が2週間で完売。その「泪」も復刻して、あらたに「微笑み」を加えてお歳暮向けに、販売を始めた。
 お歳暮用は、限定3000セットで水を加えて4200円(税込み)。単品は、映画の入場料に合わせて1800円(税込み1890円)となってい。(デイリースポーツほか)


 「黒瀬」(渋谷2-14-4) ℡5485-1313
 ホームページ http://keida.cocolog-nifty.com/kurose/

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December 05, 2006

ココログ休刊

 5日~7日、ココログバージョンアップのためのメンテナンスが行われてます。
 ブログの閲覧は可能ですが、新しい記事の掲載が出来ません。
 そのため、次号は7日夕方以降の予定です。

 もうひとつ、ココログを主宰しているニフティ㈱が、7日株式を上場する。私も少量だが株主になって事業展開を見守ることにした。

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514.松鳴館

061203_052061203_054061203_053 墓参を兼ねてふるさとへと足を延ばす。このブログでも度々紹介した焼酎の蔵元「薩摩萬世松鳴館」を訪ねた。
 この蔵元は、吹上砂丘の松林の中に昨年末完成した。そして始めて仕込んだ本格焼酎が、この秋の全国酒類コンクールでグランプリを獲得したのである。
 
061203_045061203_046 もともとこの地方には、良質の水が多い。沖ではミネラル分を多く含む「こしき海洋深層水」が獲れる。「コガネセンガン」や「ベニサツマ」の産地でもある。そして近所に黒瀬杜氏の里がある。焼酎造りの原点が揃っているのである。

061203_035061203_031061203_033 「松鳴館」では、昔ながらの甕仕込み木樽蒸留を行っている。ステンレス製と違って、樽から蒸発するアルコールが多い。「蔵の神様の取り分が多いのです」と杜氏は笑っていたが、蔵は何ともいえない甘すっぱい香りが漂っていた。
 芋焼酎の仕込みはこれが最後、来年初夏までは麦焼酎に変わる。

061203_043061203_044061203_037 見学コースの一部に、筋ジストロフィーという難病と闘いながら毎日絵を描き続けている、在千葉の画家野崎耕二さんのギャラリーがある。
 野崎さんは、万世出身の親しい先輩。旧醸造所の三軒隣に住んでいた。ここには、彼の描いた少年時代の「ふるさとの生活」の原画が並べられている。私も、どこかに登場している筈だ。

061203_028061203_029 二階にあるサロンの壁面には、地元出身の二科会の画家、西健吉君の作品が飾られている。彼については、ブログ446号(06.9.14)で詳しく紹介したので省くが、大作から小品まで一堂に鑑賞できるのは、ここだけだ。
 
 久し振りのふるさとで焼酎を嗜み、懐かしい友人たちの絵を楽しむ、至福の旅だった。

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December 04, 2006

513.桜島

061203_002061203_012 45年前から5年間、職場を共にした仲間が集まるというので、久し振りに旅に出る。
 鹿児島からフェリーに乗って20分、桜島に到着。夜は昔話に花が咲いた。

 061203_017061203_018061203_020 翌朝、ホテルの近くを散歩する。12月に入ったがさすが南国、軽装でも寒くはない。
 この一帯は、大正時代の噴火で溶岩が錦江湾に流れ込んで出来たところ。100年以上の歳月がたった今、溶岩の間からは、松ノ木や蘇鉄、ツツジなどの花木が自然と生え、大きく育っている。植物の成長力の逞しさか。


061203_014061203_013 途中に、戦後文学の旗手といわれる梅崎春生の「文学碑」があった。
 「赤と黒との濃淡に染められた山肌は天上の美しさであった。」
 文学碑には、小説「桜島」の最後の一節が刻まれている。

 梅崎は海軍の通信兵として、終戦の前の年に召集された。29歳の時である。そして指宿海軍航空隊、転じて第32突撃隊の二等兵曹として桜島の溶岩洞窟に篭った。錦江湾に攻め込むであろう米海軍を、迎え撃つためだった。
 そして終戦。かろうじて命拾いをした梅崎は、その年に小説「桜島」を発表した。
 戦争という極限の中で、荒廃していく人間の心情を桜島の美しい風景の中で描いたこの作品は、「戦争文学」としての高い評価を得た。

 梅崎は1954年に、「ボロ家の春秋」で直木賞を、また「狂い凧」で文部大臣芸術選奨を受賞しているが、50歳で亡くなる直前に発表した「幻化」は、「桜島」と並ぶ彼の代表作である。
 この作品は戦時中、指宿から桜島に移動する途中立ち寄った坊津を舞台にした作品である。
 彼は晩年夫妻で坊津を再訪、私の祖母の実家に逗留したが、その変わらぬ自然の美しさの中に、自分自身の再生を見て筆を執った。
 
 昨年が彼の没後40年ということで、鹿児島では「桜島」「幻化」を中心に企画展が開かれ、文学碑も今年完成した。なお、「幻化」の文学碑は、坊津に建てられている。

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