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February 19, 2008

863.アメリカン・ギャングスター

329107view003329107view005 「イタリアン・マフィアが100年かかっても出来なかったことを、たったひとりで成し遂げた黒いカリスマ、フランク・ルーカス」
 「NY警察組織が100年がかりで築いた悪しき慣習をぶち壊した異端刑事、リッチー・ロバーツ」
 共に実在した2人の男が、競い戦う「実録クライム・アクション映画」。

 フランクを演ずるのはデンゼル・ワシントン(「トレーニング・デイ」)、リッチーはラッセル・クロウ (「グラディエイター」)、オスカーを手にした名優2人である。
 監督はイギリスBBC出身、ナイトの称号を持つリドリー・スコット。「グラディエーター」でアカデミー賞、「ブラック・ホーク・ダウン」「ハンイバル」などヴィジアル派の巨匠として知られている。
 そして徹底的な取材で、時代を色濃く反映した脚本を描いたのがスティーヴン・ザイリアン。「シンドラーのリスト」でアカデミー脚本賞を受賞し、問題作「オール・ザ・キングスメン」を監督したベテランである。

 舞台は1970年代のニューヨーク。ハーレムのボス、バンピーの跡目を継いだフランクは、ベトナム帰還兵の間に広がる麻薬過のニュースを見て、自らタイ奥地の三角地帯に乗り込む。ここで中国国民党残党の麻薬王に直談判、大量のヘロインを購入、米軍機による密輸のルートを確立した。
 産地直送による「本物のヘロイン」は、中間マージンを省いたフランク一家が直接販売。良質で安価なブランド・ヘロインは市場を独占し、他のマフィアやそれにたかっていた悪徳警官らは大打撃を受けた、という実話である。
 こうしたフランクの手法は、大量の商品を安価で幅広く大衆に販売する、現代の家電量販店のビジネスモデルになった、ともいわれる。

329107view002_2329107view001 ミス・プエルトリコを妻に、莫大な資産を築いたフランクのビジネスは、リッチーが指揮する特別麻薬捜査官に暴かれ一家は壊滅する。
 と同時に、ニューヨーク市警に蔓延っていた腐敗刑事たちの悪事も露見、大量の逮捕者を出した。
 フランクは禁固70年の刑に服するが、この事件をきっかけに刑事を辞めたリッチーがフランクの弁護士となり、彼は15年で仮釈放された。

 映画制作にあたっては現存するフランクが、監修?役になってロケ現場に日参、デンゼル・ワシントンに色々とサジェッションした、というエピソードもある。

 作品の下馬評は高かったが、今年のアカデミー賞には母親役のルビー・ディーが助演女優賞、それにアーサー・マックスの美術賞だけがノミネイトされている。 

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