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May 31, 2008

944.たつのおとしご

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 平均年齢70歳、わが国では最高齢の演劇集団「たつのおとしご会」。日本橋劇場での第19回公演を見た。

 この演劇集団は、19年前作家の故吉村昭さんが立ち上げたもので、現在は私の現役時代の先輩が主宰し、台本・演出を担当している。
 学習院の演劇部OBたちが中心だが、発足時定年60歳を迎えたの人たちが主要メンバーだったので、いまや79歳の4人が大活躍する。

 毎年一回の公演は、アガサ・クリスティーやモリエールの作品が並ぶ。今年はそのモリエールの代表作「守銭奴」、かって文学座が芥川比呂志、三津田健を主役にして評判となった古典的戯曲である。

 お話は17世紀のパリを舞台に、欲張りでケチな商人とその息子・娘に恋人達、厩番や下男たちが繰り広げる笑劇だが、主人公である守銭奴の強烈な性格描写が中心となる。

 その守銭奴を演じたのが、元出版社社員だった79歳。これが上手い。5幕ほとんど出ずっぱりでセリフも多い。それを見事にこなしている。毎回彼は主要な役を演じているが、下肢に障害を持ちながらもそれを逆に生かしている。
 世話好きのおばさん役だけは、元浪漫劇場出身というプロ。三島由紀夫追悼公演でサロメを演じただけに、流石である。

 主婦、元テレビ局政治記者、元鉄鋼会社社員、元輸入商社役員、元出版社編集者、元テレビ局プロデューサー、元電力会社広報マン、笙演奏家、そしてペンクラブ会員に大学名誉教授の面々が、学生時代に戻ったように、嬉々としてそれぞれの役を演じていた。
 セリフを度忘れしたテレビマンや、名誉教授の場面もあったが、もともとが「喜劇」。それがまた会場を笑いの渦に巻き込んだ。 

 芸術文化振興基金の助成も受けているシニア劇団の本格的な公演は、今日の午後が5回目の最終。
 来年は6月11日(木)~13日(土)、日本橋劇場でアガサ・クリスティーの「ゼロ時間の殺意」。第20回記念公演である。 

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May 29, 2008

943.隠し砦の三悪人

Kakusi01005 左は1959(昭34)年の正月映画、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」。右が樋口真嗣監督が撮った現在上映中の作品のポスター。「The Last PrincesS」の副題が新たに加わった。

 「奇妙な縁で結びついた三人の男が、黄金200貫と 姫を守って、敵中突破するという大冒険活劇」という基本設定だけは同じだが、半世紀たった今ストーリーとキャラクターは大胆に一心された。

 オリジナルは、当代名うての脚本家菊島隆三と小国英雄、橋本忍、黒澤明の4人がリレー方式で書いたという。危機を脱出した三人が、次の「絶体絶命」に遭遇したところで「ハイ、バトンタッチ」だったらしい。当然キャラクターも少しずつ変化していく。
 かの有名なジョージ・ルーカスが、「スターウオーズ」のモデルに三悪人のうちの2人をパクッたというエピソードもある。

 新作のほうは、「最高に面白い映画をみんなにみせてやろう!」を合言葉に樋口監督が、「劇団☆新感線」の座付き作家・中島かずきを招いた。そしてこちらは、まさに「青春群像」劇となった。

 黒澤版三悪人は、姫を守る忠義の侍に三船敏郎、行動を共にする羽目になった百姓に千秋実と藤原釜足とお馴染みの黒澤組。新作の方は阿部寛に、松本潤(嵐のメンバー)宮川大輔(コメディアン)の若手2人。
 姫の方は上原美佐に対して新作は長澤まさみとなる。
 役柄は少し変わっているが、敵方のサムライ大将も藤田進:椎名桔平。50年前の藤田は、この頃すでに海軍司令官などの役をやっていたから、椎名よりは年配だった筈だ。

Kakusitoride_2  50年前はCGなんて無かったから、全て実写だったのは当然。今回は結構VFXを使ってスケール感を見せてはいるが、ロケにも拘っている。
 茨城、栃木、長野、熊本など十ヶ所近くで撮影したそうだが、ハイライトの「火祭りのシーン」は、11月末の御殿場に500人のエキストラを動員して、夜を徹して3日間にわたり撮影した。

 「日本沈没」「ローレライ」の樋口監督以下、スタッフも今最も輝いている「職人」たちなので紹介しておく。
 撮影・江原祥二(「男たちの大和/YAMATO」)、照明・吉角荘介(「蝉しぐれ」)、美術・清水剛(「ローレライ」)、録音・中村淳(「日本沈没」)、殺陣・久世浩(「たそがれ清兵衛」)、音楽・佐藤直紀、そしてエンディング・テーマをスペシャルユニット「TheTHREE」(布袋寅泰、KREVA、亀田誠治)が歌っている。

 50年前、男に変装した姫・上原美佐の太ももが眩しかったが、今回の長澤には色気は無い。

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May 28, 2008

942.明石町界隈(2)

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080518_026_640080518_029_640080518_027_640  明石町界隈は、「日本近代文化事始の地」とも言われる。

 聖ルカ通りのこの辺りには、江戸時代豊前国中津藩(現大分県中津市)奥平家の中屋敷があった。
 中津藩の医師・前野良沢は、1771(明和8)年杉田玄白等と共に千住小塚原で、処刑された罪人の腑分けを見た。その際参考にしたオランダの解剖書「タヘール・アナトミア」の正確さを知り、この中屋敷で翻訳作業に入った。
 3年後翻訳は完成、「解体新書」と名づけられた。
 まさにここは、「蘭学」の発祥の地なのだ。

 それから84年の歳月を経て、大坂の緒方洪庵の適塾塾長だった福沢諭吉が、ここに「蘭学の家塾」を開いた。彼もまた中津藩士だったのである。
 この塾はやがて「慶応義塾」と名を改め、1868(慶応4)年芝新銭座に移る。

080518_011_640080518_012_640080518_048_640  明治維新後ここが外国人居留地になると、ミッション・スクールや教会 が立てられた。
 池袋にある立教大学も、白金の明治学院大学も発祥の地は、明石町である。

 もともとプロテスタントの3派がここに東京一致神学校を作り、のちヘボンの英語塾と合併して明治学院となった。
 今その跡地には、マンションや邸宅が並んでいる。

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May 26, 2008

941.明石町界隈(1)

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 連れ合いが骨折・手術・入院したので、佃大橋を渡って対岸の聖路加国際病院に毎日通っている。
 遠出も出来ず、映画鑑賞の回数も減ったので、ブログの「ネタ」に困っている。そこで病院のご近所、明石町界隈を散策してみた。

080518_007_640_2080518_005_640_2080518_017_640_2 聖路加ガーデンと聖路加看護大学の構内に残されている5個の石標。
 1875(明治8)年、アメリカ公使館がここに移設された事を記すモニュメントである。

 明治維新後、明石町一帯は「築地外国人居留地」に指定され、欧米からの外交官や宣教師、お雇い外国人たちの邸宅が構えられた。
 そこで江戸末期より港区元麻布の善福寺に仮住まいしていた、ハリス等アメリカの外交官達がこの地に公使館を新築、はじめて形容を整えた。
 そして1890(明23)年、赤坂の現在地に移転するまで、アメリカ政府の対日拠点としての役割を果たした。

080518_018_640080518_019_640080518_020_640  石標には、アメリカの国鳥である「白頭鷲」「星」「星条旗」の3種類が彫られており、星条旗の上部にはアメリカ建国を担った13州をあらわす星が刻まれている。
 もともと石標は8個あったようで、うち3個は現在のアメリカ大使館の前庭に安置されているという。

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 アメリカ公使館跡地、現在の聖路加看護大学へは、地下鉄有楽町線新富町駅、または日比谷線築地駅下車5分。   

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May 24, 2008

940.相棒ー劇場版ー

004 久々に東映作品がヒットした。平日の1回目だったが、ほぼ満員。終了後のロビーは、次回の観客でごった返していた。

 テレビの力は大きい。テレビ朝日で最高視聴率を獲っているドラマの「劇場版」なのだ。そして「テレビ朝日開局50周年記念」をうたう。

 頭脳明晰な「窓際」刑事と熱血漢の「相棒」、この2人が抜群のコンビネーションで難事件の真相を解明していく。
 この人気刑事ドラマがテレビに登場したのは6年前。「土曜ワイド劇場」で20%近い視聴率をあげ、レギュラー番組に格上げされた。以来今年の3月で6シリーズとなった。

Wpa800600 レギュラーキャストが固定しているのがいい。
 窓際「警部」は水谷豊、相棒の巡査部長に寺脇康文。水谷の妻から仲のいい小料理屋のおかみになったのが、高樹沙耶。寺脇の恋人から女房になった元社会部記者が、鈴木砂羽。それに警察庁官房長の岸部一徳。この5人は、テレビ・映画に出ずっぱりだ。

 準レギュラー組も揃っている。
 木村佳乃、西村雅彦、原田龍二、松下由樹、津川雅彦と同じ役を続けている。

 今回の劇場版スペシャルゲストは、木仮屋ユイカ、柏原崇、平幹二郎そして西田敏行。
 それぞれの役を紹介すると、ネタバレになる恐れがあるので控えておくが、なかなかの豪華版である。

 監督もテレビ版と同じ和泉聖治、映画出身の大ベテランである。それだけに、作品に筋が通っている。
 今回は、紛争の地で反政府ゲリラの人質となったボランティアの若者、その若者を見殺しにした日本の政治家と官僚、自己責任論で若者やその家族をパッシングしたマスコミと世論という名の大衆、5年前にイラクであったあの事件を、キチンと見据えている。

 劇場版だけに、仕掛けは大掛かりである。「東京シティマラソン」を再現して、42.195kmの恐怖を見せる。

 「相棒」をテレビで見ている人たちは、登場人物の相関関係、6年の時間や背景はとっくにご存知なのだろう。「映画」で初対面の観客に、そのあたりをどう理解させるか、一工夫必要だった。

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May 23, 2008

939.ハンティング・パーティ

329786view006 「“あり得ない”と思う部分こそが、この映画の“真実”である。」映画の冒頭、監督からのメッセージである。

 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争終結後、あるジャーナリストたちが今も逃走中の戦争犯罪人カラジッチを追跡した「ひと夏の体験」が、アメリカの「Esquire」誌に掲載された。
 映画は、この実話を基に作られた。

329786view004  ボスニア・ヘルツェゴビナは、旧ユーゴ連邦構成する一国。セルビア人・クロアチア人・ムスリム人が住んでいるが、1992年の独立後、多数派のムスリム人の支配をきらって紛争が発生、終結するまでの3年半にわたり死者20万、避難民200万が生じた。
 冬季オリンピックの開催地として有名な首都サラエボも、廃墟となった。

 カラジッチは、精神科医で詩人というボスニアの文化人。その彼が紛争によって色分けされたセルビア人支配地域の大統領になるとムスリム人の民族浄化を指示、男と子供は虐殺、女は性的暴行を受け10数万人が犠牲となった。
 1995年カラジッチは、「旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷」で戦争犯罪人として起訴されたが、現在も逃亡中である。

 アメリカ政府が500万ドルもの懸賞広告を出し、CIAやNATO、国連が追跡しているカラジッチがなぜ逮捕されないのか。この疑問に映画は答える。

329786view001 主役はリチャード・ギアが演ずる落ちぶれた戦場ジャーナリストと、その相棒のカメラマン・テレンス・ハワード。それに乗っかった若いプロデューサーのジェシー・アイゼンバーグの3人。
 命知らずなジャーナリストたちのロマンと友情が描かれていくが、それによって国際政治の裏面がスリルとユーモアで暴かれていく。

 映画の最後に、「この部分はフィクション」「こちらはノン・フィクション」とユーモアたっぷりに紹介されるが、これまで「サラエボ」を舞台にした幾つかの作品にも劣らない出来である。
 監督は、テレビ映画界で活躍しているリチャード・シェパード40歳。脚本も彼だ。

 人権保護活動家としてチベット問題にも取り組んでいるリチャード・ギアが、これまでの「恋愛映画」では見せなかった「男の複雑な内面」を見事に演じている。

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May 22, 2008

938.今、蘇るローマ開催・日本美術展

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 横山大観筆「夜桜」 紙本着色 屏風(6曲1双のうち左隻)。大観が団長として訪伊したイタリア政府主催「日本美術展」のために、力を込めて描いた作品である。
 東洋のニッポンを象徴する桜を、題材に選んだ。

041044  この展覧会は、1930(昭5)年ローマ市の中心にある美術館パラッツオ・デルラ・エスポジツィオーネで開催されたもので、日本からは橋本関雪の「猿猴図」(左の写真)や前田青邨の「洞窟の頼朝」(右の写真)等、日本画壇を代表する画家80人が制作した日本画168点が出品された。
 
 この展覧会の日本側のスポンサーは、大倉財閥の2代目・大倉喜七郎。作品の画料をはじめとすう膨大な経費の全てを負担した。
 そのためローマ展に出品された主要作品の多くが現在の大倉集古館に所蔵されている。

 今回の展覧会は、168点の作品のなかから大倉集古館所蔵を中心に44点が展示されている。下村観山「不動尊」、川合玉堂「秋山縣瀑」、鏑木清方「七夕」、小林古径「木兎図」、速水御舟「鯉魚」、伊藤深水「小雨」など、美術誌や教科書で見た懐かしい作品の「本物」を一同に見る事が出来る。

 とくに横山大観の作品は、「潚湘八景」シリーズや「山四趣」など10点以上もあり、ローマ展を通して、世界に日本の美術を知らしめんとする大観の意気込みを知る。

 この展覧会は、日本橋三越で25日(日)まで。
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May 21, 2008

937.風と雲と冨士と

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080520_001  今朝の朝日新聞都心版に、「風と雲と冨士と」の見出しで読者の写真が掲載されている。
 「発達した低気圧の影響で強風と大雨で大荒れの天候になった20日午前、黒い雨雲の切れ間から、富士山が顔をのぞかせた。」とのコメント。
 丁度同じ頃、私が携帯で撮った「雲と冨士」が上の写真。朝日の読者の方は20年冨士を撮り続けているそうだ。こちらは、月島に引っ越してきて5年。朝・夕冨士が顔をだしたら、記録する事にしている。
 確かにこの季節、富士山が見えるのは珍しい。

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May 20, 2008

936.最高の人生の見つけ方

329594view004 末期がんで余命6ヵ月、死を意識した「前期高齢者」2人の幸せな希望に満ちた余生を、さわやかなユーモアと感動のストーリーで描いた作品。「後期高齢者」はもちろん「団塊の世代」にも是非見てもらいたい映画である。

 その2人とは、左がモーガン・フリーマン、右がジャック・ニコルソンのオスカー俳優たち。
 フリーマンは「ミリオンダラーベイビー」、ニコルソンは「カッコーの巣の上で」('75)「愛と追憶の日々」('83)「恋愛小説家」('91)でアカデミー賞を受賞した。
 この2人が、いぶし銀のような演技を見せるのが話題となった。

329594view001  2人の境遇と性格を正反対にしたのが面白い。ニコルソンは大金持ちで、カネ稼ぎと女しか興味のない男。フリーマンは、46年間自動車整備工として働き、家族を養ってきた真面目一筋の男。
 まさに「地」をいく役割だが、たったひとつの共通点「ガンで余命6ヵ月」というのがミソ。

329594view003 2人は病院で「棺桶リスト」(THE BUCKET LIST」、つまり死ぬ前までにやっておきたい事のリストを作る。
 モーガンのリストは、「荘厳な景色を見る」「赤の他人に親切にする」「涙が出るほど笑う」と、かなり精神的な希望。
 一方のニコルソンは、「スカイダイビングをする」「ライオン狩りにいく」「世界一の美女にキスする」と具体的なアクションを並べる。
 そして大富豪の金を使っての、二人の旅が始まるのだ。さてその旅の結末は。

 監督のロブ・ライナーは、もともとテレビの演出家だったが、「スタンド・バイ・ミー」('86)の大ヒットで一躍有名になった人。その後サスペンスや政治ドラマも手掛けるなど、ハリウッドでは巨匠の一人に数えられている。
 彼は作品の狙いを、こう語る。
 「ふたりの男に世界中を旅させて、心の中に燃え続けていたものを見つけ出す冒険談。そこに何か大切なものがあるのだ。これは、友情と愛、そして人生で本当に大切なものを発見する物語なのだ。」

 さて人生のラストシーン、きっと参考になるはずだ。

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May 18, 2008

935.渋谷・鹿児島おはら祭

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 土曜日の朝、NHKの「おはよう日本」でも中継されたが、恒例の「渋谷鹿児島おはら祭」が開催された。今年で11回目を迎える。
 10数年前、このイベントを企画した時は、ここまで続くとは想像しなかった。いろいろな問題を解決しながら、定着した「祭り」となった。
 3~4年前までは、大会実行委員会の当事者として参画していたが、若いボランティアも増えてきたので、今はアドバイザー役や故郷から上京してくる「踊り連」のサポーターとして関わっている。

080518_059_640080518_063_640080518_065_640    祭りは大きく分けて2本立て。昨日の「プレおはら」「前夜祭」と本日の「おはら本まつり・踊りパレード」。
 特に今回はNHK大河ドラマ「篤姫」にちなむ「平成の篤姫コンテスト」が目玉。
 
 昨日は明治神宮と渋谷C.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)を会場に、テレビでも紹介された鹿児島神宮の「鈴掛け馬踊り」と大隈地方の「弥五郎どん奉納」、「若者の踊りイベント」「橋幸夫オンステージ」と盛りだくさん、多くの観客を集めた。

080518_067_640080518_074_640080518_080_640    本日の「本まつり」は、道玄坂・文化村通りを会場に2000人の踊りが繰り広げられた。
 鹿児島からも13連350人が上京、地元渋谷の踊り連と在京の同窓会・同郷の会の踊り連と一緒にパレードした。

080518_091_640080518_089_640 なぜ渋谷で鹿児島のお祭りが?
 この疑問には、毎回このブログでも説明してきたが、再掲しておこう。
 「中世の頃、渋谷を治めていた豪族・渋谷氏が、源平合戦の功で薩摩に所領を得た。現在の薩摩川内市一帯の地だが、渋谷氏は一族郎党を引き連れて薩摩に移住したという史実。
 その渋谷氏の末裔である東郷平八郎が、渋谷に居をもうけ、死後東郷神社が建立されたという事実。
 渋谷駅前にある「忠犬ハチ公」の像の制作者が、初代・二代とも鹿児島出身の彫刻家安藤輝・武士の親子だったという縁。
 鹿児島にとっての渋谷はそんな街なのである。」

080518_085_640080518_100_640   先週末、浅草では「三社祭り」。こちらは古くからの伝統的な祭り。一方の「渋谷おはら祭り」は新参者かも知れないが、東京と地方の情報交流は大事だ。このブログもそれを目指している。

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May 17, 2008

934.ミスト

1600_1200_a 作家のスティーヴン・キングとフランク・ダラボン監督が組んだ映画「ショーシャンクの空に」に「グリーンマイル」。この「ミスト」はそれに続く3作目である。

 人間の本質を抉り出すミステリアスな人間ドラマだが、あと味が悪い。先週テレビで再放された「グリーンマイル」に比べ、救いがない。
 アメリカでは、原作にはない映画オリジナルの衝撃的なエンディングを巡り、大論争が勃発したという。
 内容に触れると、ネタバレになってしまうのでここまでとするが、映画ファンの感想を聞かせてもらいたいものだ。

329978view007329978view005 アメリカ・メイン州西部の全域が、未曾有の激しい雷雨に見舞われる。そしてその後に襲ってきた正体不明の「霧(ミスト)」が、人々を恐怖に陥れる。
 その中で、閉じ込められた人々は「人間の理性」とは何かを迫られる。
 人間を異常な状況下に置いて、その薄っぺらな文明社会の仮面を次々とはぎとり、真の恐怖に迫るのがスティーヴン・キングの作風なのだ。

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 主人公のイラストライター役には、「パニッシャー」「ドリームキャッチャー」のトーマス・ジェーン。その息子が「バベル」でプラット・ピットの息子役を熱演したネイサン・ギャンブル。
 ほか「サイレントヒル」のローリー・ホールデン(写真右)、「ボセイドン」のアンドレ・ブラウワーとベテランが脇を固める。
 とくにキリスト教原理主義者、人々を狂気に駆り立てる女をマーシャ・ゲイ・ハーデンが演ずるがこれが上手い。「ミスティック・リバー」でアカデミー賞にもノミネイトされた女優である。

 2時間を越える作品だが、最後まで引っ張り、誰もラストを想像できない衝撃のミステリーである。

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May 16, 2008

933.消えた年金記録(最終回)

038  「ねんきん特別便」が届いた。封筒の表に「あなた様の年金加入記録をお届けします。『もれ』や『間違い』があるかも知れません。十分お確かめいただいた上で、必ず、ご回答をお願いいたします。」と書かれている。
 これまで2回、「消えた年金記録」についてこのブログに書いてきたので、今回これを最終報告とする。

 封筒の中には、「Ⅰ.年金記録のお知らせ」「Ⅱ.年金加入記録回答書」それに説明書の3枚と返送用の封書が入っていた。

 まず説明書のトップには、厚生労働大臣舛添要一の詫び状が書かれている。
 「この度の年金記録をめぐる問題について、心よりお詫び申し上げます。一刻も早く皆様の年金記録を正しいものにするよう、最善を尽くして参ります。
 社会保険庁でわかっているあなたの年金記録をお知らせします。」

 そして「年金記録のお知らせ」。
 国民年金、厚生年金保険、船員保険の「加入制度」欄があって「お勤め先の名称または共済組合」の項、「資格を取得した年月日」、「資格を失った年月日」、「加入月数」と並ぶ。
 今回は判り易い。こちらはこの43年の間に8回職場を変えているが、無職だった事はない。だから「資格を失った年月日」と「資格を取得した年月日」が連続しているかどうかを確認すればよい。そしてリタイアした年月から、初めて就職した年月を引くと、年金加入期間が出る。これも記録と一致した。
 今年の3月に変更された、「裁定通知書」通りの「年金記録」となっていた。

 さっそく「年金加入記録回答票」に記入する。「年金記録の内容に、『もれ』や『間違い』がない」欄に〇を記入、返信用封筒に入れてポストに投函。
 これで昨年秋から始まった「私の年金騒動」は一件落着した。
 もし「もれ」や「間違い」があったら、もう一度年金保険事務所まで足を運ばなければならなかったのだ。

 「ねんきん特別便」については、新聞やテレビがたびたび内容の不備を指摘してきた。そのため同人物に再送するなど、手間やカネがかかっている。
 今回改めて「内容」をチェックしたが、判り易くかつ丁寧な説明、回答となっている。まさに、やれば出来るのだ!という見本である。

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May 15, 2008

932.ゼア・ウイル・ビー・ブラッド

003  主演のダニエル・デイ=ルイスが、今年のアカデミー賞をはじめ、ゴールデングローブ賞、全米各地の映画批評家協会、イギリス・アカデミー賞など主演男優賞を総なめした作品。

 構想の原点は、アブトン・シンクレアが20世紀初期の石油王、エドワード・ドヒニーをモデルにして書いた「石油」。石油産業の腐敗と搾取、アメリカン・ドリームの闇を暴いた、大叙事詩である。
 監督・脚本のポール・トーマス・アンダーソンは、山師である血も涙も無い強欲な主人公と、その分身ともいえる偽善・まやかしの福音伝道師対比させる事で、人間の本質に迫った。
 「神」に対する距離が、アメリカ人と異なる日本人にとっては難解な部分もあるが、人間の欲望を冷徹までに赤裸々に描いたこの作品には、戦慄を覚える。

 アンダーソン監督は、まだ38歳と若い。「マグノリア]('99)でベルリン国際映画祭金熊賞、「パンチドランク・ラブ]('02)ではカンヌ国際映画祭監督賞を獲った天才である。その彼が、5年ぶりに撮った作品なのだ。

 オープニング、テキサスの荒涼とした風景とバックに流れる音楽にまずしびれる。革新的な音楽グループ、レディオヘッドのギタリストであるジョニー・グリーンウッドが音楽を手がけた。
 イギリスBBCの専属作曲家でもある彼は、「不気味で不協和な音の世界」で監督の期待に応えた。その音作りは、ベルリンで芸術貢献銀熊賞として評価される。

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 作品を重厚なものにしたのは、やはりダニエル・デイ=ルイスの演技だろう。
 イギリス出身の彼は、「マイ・レフト・フット]('89)でアカデミー主演男優賞を受賞、その後も「父の祈り」('93)「ギャング・オブ・ニューヨーク]('01)でノミネイト、そして今回2度目の受賞となった。

 スチール写真の後ろの子役は、主人公が育てる孤児の役ディロン・フレイシャー。ロケの行われた南テキサスの地元で選ばれた子供、もちろん映画初出演だがこれが上手い。子供ながらロデオの名手だそうだが、強欲な主人公の「ウラの鏡」として重要な役だ。
 もう一人、主人公の分身とも言える牧師はポール・ダノ。「キング/王の罪」「リトル・ミス・サンシャイン」にも出演していた。

 ストーリーとは別に、石油掘削や暴噴、油井の火事のシーンは懐かしかった。30年前「石油」のドキュメンタリー番組制作で、テキサスやアラスカ、北海、湾岸諸国を歩いた頃を思い出した。
 作品の時代と取材時の石油開発技術の基本は同じだ。油井の掘削方式だけは、回転するビットに変わったが。
 油井火災を、ダイナマイト爆発による酸素吸収で消す方法は、1900年初期と変わらない。そして石油メジャーと独立系の相克も。

 この映画は、同じ「石油」がテーマだった「ジャイアンツ」、さらに「市民ケーン」と並ぶ「古典的名作」となった。

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May 14, 2008

931.NHKと共に70年

037  放送プロデューサーの大先達、長澤さんが書かれた「回想記」の出版記念会に出席した。

 長澤泰治92歳、1936(昭11)年日本放送協会に入社、翌年兵役に就きノモンハン事件に遭遇、3年後除隊となり放送協会復職。戦後は、実況課長として「街頭録音」「尋ね人」を生み出し、その後社会部長として「時の動き」「国会中継」「放送討論会を手がける。
 芸能局長時代は、「紅白歌合戦」を育て「大河ドラマ」を創設する。まさに放送プロデューサーとして、報道番組から芸能番組まで手がけ、数多くのプロデューサーやディレクターを育てた。
 最後はNHK専務理事として、経営に携わり公共放送を守り抜く。

 出版記念会は、都内のホテルで多くの放送関係者が出席して行われた。
 最初の挨拶は、長澤さんの秘蔵ッ子だった元NHK会長の川口幹夫さん。続いて長澤さんが生みの親となった、大河ドラマ「花の生涯」に出演した淡島千景さん。ドキュメンタリーのディレクターから、突然ドラマ演出を命じられた吉田直哉さんと続く。
 乾杯は、地元荻窪で一緒に文化活動を続けている近衛通隆さん。父親の故文麿公は、日本放送協会の2代目の総裁でもあった。

 過去に大病を患った事もあった長澤さんだが、92歳の今なかなかお元気である。また、記憶力もしっかりしている。「回想記」に書かれている放送界の秘話の数々は、まさにテレビドキュメンタリーを思い浮かべるリアリティーがある。
 そして長澤さんが最も語りたかったのが「終章 NHKに期待するもの」ではなかっただろうか。
 なかでも「NHK会長に求めるもの」の項の筆は鋭い。一部引用したい。

 「NHK会長に求められるものはジャーナリズムの先頭に立つリーダーとしての見識であり、放送文化に対する深い理解と洞察力である。加えて企業人としての経営手腕である。
 放送の実務について経験があれば申し分ないが、まったく縁のない人でも、今まで放送界が築いてきた80年にわたる無形の財産、蓄積のエッセンスを吸収しうる資質と努力があれば、かなりの部分をカバーできるのではないか。」

 初代会長以来、歴代の会長を見てきて、公共放送のリーダーであることの難しさ、厳しさを痛いほど感じてきた長澤さんだけに、この一節は重い。

 長澤泰治著「NHKと共に70年~わが回想の90年」
     藤原書店刊 2000円+税

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May 13, 2008

930.ファクトリー・ガール

1024_768_b タイトルを直訳すれば女子工場労働者。しかしこの映画は、「ファクトリー」に君臨したミューズの物語りである。

 「ファクトリー」とは、ポップ・アートの旗手として知られるアンディー・ウォーホルがニューヨークに持っていたスタジオの名前。このスタジオから「80枚の2ドル札」や「200個のキャンベル・スープ缶」、「210本のコカ・コーラの便」、「マリリン・モンロー」などの作品が生まれた。

1024_768_d  '60年代のファクトリーはまた、芸術家、俳優、詩人、歌手など社会からドロップアウトした若者達が集まるアナーキーな文化サロンでもあった。
 そしてここには、トルーマン・カポーティー、ミック・ジャガー、ジョン・レノン、サルバドール・ダリ、アレン・ギンスバークなどポップ・カルチャーの著名人たちも訪れた。

1024_768_c_2  映画の主人公は元祖セレブリティ、イーディー・セジウイック、実在の人物である。
 大富豪セジウイック家の美貌の令嬢の彼女に、移民で炭鉱夫の息子ウォーホルが一目惚れした。ゲイだったウォーホルだから恋人としてではなくミューズとして崇められたのだ。
 彼女は「ユース・クエイカー」(ヴォーグ誌)と呼ばれ、60年代を代表するスーパー・スター(“IT GIRL”)となる。

01  ここにもう一人時代の寵児が現れる。昨日のブログ「アイム・ノット・ゼア」で紹介したボブ・ディランである。
 彼女はディランに惚れ、男女の関係になる。
 しかし、ウォーホルとディランという二人の天才に愛されながらも、彼女は孤独の世界から抜け出す事は出来なかった。それは、幼少の頃の家族関係から生じたトラウマだった。
 そして1971年、ディランに教え込まれたという「ヤク」の過剰摂取によって、28年の生涯を閉じる。

Ph04 イーディーを演じたのはシェナ・ミラー(「アルフィー」)、もう一人の主人公ウォーホルはオーストラリアの俳優ガイ・ピアーズ(「メメント」)、ボブ・ディランはヘデン・クリステンセン(「ジャンパー」)。
 なかでもピアーズのウォーホルは、本人そのものだった。
 監督は、ドキュメンタリー出身のジョージ・ヒッケンルーパー。

 10年ほど昔、ピッツバークにある「アンディ・ウォーホル博物館」を見学した。ポップ・カルチャーのミューズ、イーディー・セジウィックに関するものとしては、彼女を撮った数本の映画があったが、当時はそれほど関心を持たなかった。ほぼ同じ年代に生まれた彼女だったのに。

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May 12, 2008

929.アイム・ノット・ゼア

Wallpaper01_1024 インディペンデント映画界を代表する監督、トッド・ヘインズ。「エデンより東」で知られる鬼才である。
 そのヘインズが、これまでにない全く新しいスタイルの音楽映画を製作した。ボブ・ディランが初めて公認した「ディラン映画」である。
 といっても、ディランの伝記映画ではない。ディランの人生を「再構築」して、「ディランは何者か?」に迫った。

Wallpaper03_1024

 6人の豪華キャストが、ひとりの男の6つのステージを演じ分ける。

 「自らの音楽のルーツを探るデビュー前の放浪者」を、黒人子役のマーカス・カール・フランクリン。
 「アルチュール・ランボーに傾倒してノーベル賞候補にも挙がっている詩人」を、ベン・ウイショー(「パヒュームある人殺しの物語」)。
 「彼の作品を生み出した妻、その彼女と偽りの結婚生活を送る映画スター」をヒース・レジャー(「ブローク・バック・マウンテン」)。
 「60年代プロテスト・フォークを歌い、革命家と囃したてられた歌手。70年代終りには、再生派キリスト教に傾倒した布教師」をクリスチャン・ベイル(「バットマンビギンズ」)。
 「フォークと決別した反逆のロックスター」を、ケイト・ブランシェット(「エリザベス」)。
 「古き良きアメリカを象徴するアウトロー」を、リチャード・ギア(「シャル・ウィ・ダンス?」)。
 こう並べたら、ストーリーの紹介は不要だろう。

Wallpaper02_1024 6人のなかでもケイト・ブランシェットが光る。「女優がディランを演じる」というチャレンジを見事に成功させた。ディランの中にあった「両性具有」の魅力は、ブランシェットだから見せる事が出来た。
 この演技で彼女は、昨年のヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞、ゴールデン・グローブ賞他では助演女優賞を受賞している。またアカデミー賞にノミネイトされたのも助演女優賞、そこがなぜだかわからない。

 2時間16分の作品の中で、36曲のディランの楽曲が流れる。タイトルとなった「アイム・ノット・ゼア」は、40年前のセッションでレコーディングされたが、未発表の作品である。
 トッド・ヘインズ監督はこの曲を聴いて、「破壊」と「再生」を繰り返すディランに魅せられたそうだ。

 ディラン66歳。デビュー45周年を迎えた今も、年間100回以上の「ネバー・エンディング・ツアー」を続けている。
 彼を演じたヒース・レジャーの方が、先に逝ってしまったが。

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May 10, 2008

928.焼酎バー「黒瀬」(93)

Photo 最近の焼酎にまつわる話題を、新聞やHPから要約で。

 モンドセレクションと焼酎

 ベルギーで毎年開催される「モンドセレクション」。世界的な食品・飲料コンクールである。
 ここ数年、日本から出品された焼酎が入賞しているが、今年はついに「最高金賞」が出た。
 受賞したのは「さつま無双」(鹿児島市)の本格焼酎「せぴあ」。芋焼酎とホワイトオークの樽に長期間寝かせた麦焼酎をブレンドした。鮮やかな琥珀色と、滑らかな味が特徴という。
 同社からは、本格焼酎「薩摩七十七万石」も出品されたが、こちらも銀賞を受賞した。

 一方、奄美大島酒造(奄美市)からは黒糖焼酎「浜千鳥乃詩 原酒」「高倉」「じょうご」が出品され、「浜千鳥」と「高倉」が金賞、「じょうご」が銀賞を獲得した。
 黒糖焼酎が、モンドセレクションで入賞したのは、今回が始めてである。
 三つの銘柄とも奄美大島産のサトウキビを原料としているが、「浜千鳥」はアルコール度38%で7年以上熟成させ黒糖の旨味を凝縮させた。「高倉」は、3年以上熟成させたあと樫樽で琥珀職に仕上げた。「じょうご」は、柔らかい口当たりと、さわやかな飲み口が人気。

 「天翔宙」販売開始

 大河ドラマで評判の天璋院篤姫が、幼少時代を過ごした今和泉島津家別邸。その跡地から採取して分離した、ゆかりの酵母を使って仕込んだ焼酎が「天翔宙」。南さつまのコガネセンガンを使い、柔らかな風味と甘みが特徴という。地元、大山甚七商店(指宿市)が、今月から販売している。
 720ml1480円、1800ml2500円。

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May 09, 2008

927.東京道産酒の会(194)

 月に1回北海道を慈しむ仲間が集まり、地元の酒と料理と会話を楽しむ「東京道産酒の会」。かっての北海道勤務時代を想い出す人、北海道で青春を送った人、北海道にエールを送る人たちの集まりである。194回の昨夜も、ジャズのナマ演奏を聴きながら、楽しい時間を過ごした。

013_2012 今月のゲストスピーカーは、先月末にリニューアルオープン した「北海道どさんこプラザ」の店長・青木義雄さん。
 青木さんは北見出身、北大を卒業後㈱丸井今井に入社、今回初めて北海道を離れ東京に勤める。

 「北海道どさんこプラザ」は、これまで北電系の会社が運営してきたが、リニューアルを機に老舗デパートの丸井今井が引き受けることになった。

 丸井今井は、1871(明治4)年新潟出身の今井藤七が、現在の札幌大通りで小間物屋を開いた事に始まる。
 初代は開業にあったて、社訓として次のように述べている。
 「商業は正業。自らの利益を計るのみの商(あきない)は真の商いではない。・・・・・ことに北海道のように開拓途上では、少しでも多くの物資を入れ、利を薄くしてでも移住民の生活安定に尽くす事が、北海道で商売をするものの義務だ。」
 以来136年、デパートは札幌から旭川、室蘭、函館と広がり道民に「マルイ」さんとして親しまれている。

 リニューアルのキーワードは「ホッとするおいしさ、北海道からお届けします。」
 道内各産地自慢のこだわり、農産物・海産物は行者にんにくに姫竹の子、わらび、ふき、ほうれん草。赤カレイの一夜干し(枝幸町)、生炊きしらす佃煮(寿都町)、たちかま(利尻町)ほか。
 種類も豊富な牛乳・チーズは、カマンベールチーズ(黒松内町)、カチョカヴァロ・クリームチーズ(伊達市)、ストリングチーズ(ニセコ町)、ふらのワインチーズ(富良野市)ほか。
 人気の北海道スウィーツは、リコッタチーズケーキ(帯広市)、チーズスプレ(函館市)、白いプリン(浜中町)、たまごチョコロール(静内町)、生キャラメル(興部町)ほか。
 評判のこだわりパンは、お米のパン(美唄市)、金時豆パン(広尾町)、知床パン(中標津町)等々が並ぶ。

 道産酒の会、主な献立は新玉葱とトマトのサラダ、アスパラサーモン巻き、合鴨くんせい、烏賊里芋旨煮、揚げ茄子煮卸し、海老穴子、アサリ御飯に馬鈴薯若布の止椀。酒は「うしお」「国士無双」「北の美人」「北の誉」。

 音楽は、「ブルーレディーニに赤井バラ」「モリタート」「ホワット・ワンダフル・ワールド」。演奏は中山育美のピアノ、チューバ加藤人、トランペット下間哲の皆さん。

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May 08, 2008

926.ラフマニノフ~ある愛の調べ

001  ウイークデー10時の回、25分前に銀座テアトルに出かけたら一番前の席しか空いてない。諦めて翌日朝一番の指定席券を買って、この日は別の映画を観た。
 翌日も満席だった。諦めて帰る人も多い。ロシア映画にしては評判がよい。
 どうも多くの人たちは、予告編に誘われて見に来たようだ。あの名曲、「バガニーニの主題による狂詩曲」が全編に流れる予告編は、確かに興をさかす。

 しかし結果は、大味な作品だった。
 「天才ピアニストにして天才作曲家セルゲイ・ラフマニノフの“あの名曲”は、こうして生まれた・・・・」と予告編は謳うが、祖国を追われアメリカに亡命、商業主義に翻弄されて才能を蝕まれていく天才の苦悩は、見るものに伝わらなかった。
 エンディングで「この映画は史実と異なる部分もあり、あくまでもフィクション」と断っていたが、それならば天才の苦悩と、それを支える愛はもっとドラマチックに描く事が出来た筈だ。

20080222001fl00001viewrsz150x ラフマニノフを演ずるのは、ロシアの演技派俳優エフゲニー・ツイガノフ。
 彼を最後まで支えた幼馴染でもある妻、ヴィクトリア・トルストガノヴァ。
 年上の初恋の人、ヴィクトリア・イサコヴァ。
 一夜を共にしたコミュニストの女子学生、ミリアム・セホン。
 それぞれロシアを代表するスターだそうだが、トルストガノヴァ(「レッド・ガントレット」)以外は、初めて見る俳優だった。
 また監督は、「タクシー・ブルース]('90)でカンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞したパーヴェル・ルンギンだが、馴染みは無い。

002  昔、ラフマニノフ作曲集のCDを買った事を思い出した。ピアノをルービンシュタインが弾く。
 「ピアノ協奏曲第2番」、往年の名作イギリス映画「逢びき」の主題歌として使われた名曲である。

 映画でも冒頭、ラフマニノフがカーネギー・ホールで弾く。この曲を、彼の14歳後輩のルービンシュタインが、フィラデルフィア管弦楽団をバックに演奏する。
 ラフマニノフはロシアから、ルービンシュタインはポーランドから、それぞれアメリカで花を咲かせた音楽家だった。

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May 07, 2008

925.大いなる陰謀

Photo ハリウッドの大スター、ロバート・レッドフォードが7年ぶりにメガホンを執った作品。
 映画俳優としての実力はもちろん、第1回監督作品「普通の人々」('80)では、いきなりアカデミー作品賞と監督賞を獲るなど製作・監督としての評価も高い。
 現在は、サンダンス・インスティートを主宰して若い映画人も育てている。NHKと組んでサンダンス映画賞を設けるなど、インディペンデントにとっては、心強い先輩なのだ。

 日本と違ってハリウッドの映画人は、自らの政治的な立場をはっきりさせる人が多い。元大統領のレーガンや現カルフォルニア知事のシュワルツネッガーは共和党。そしてレッドフォードは民主党だ。
 この作品は、ストレートにブッシュの中東政策を批判している。「自由と正義の大儀に騙されるな。イラクやアフガンで犬死するな」と、対テロ戦争の「大義」に疑問を投げかけたのだ。

 邦題がよくない。「大いなる陰謀」では、オドロオドロしい謀略映画と誤解される。映画の中でもレッドフォードが学生に語っているが、原題の「LIONS for LAMBS」には深い意味があるのだ。
 第一次大戦の時、多くの兵士を無駄死にさせたイギリス軍の司令官を嘲笑した詩が、原典。
 「このような(愚鈍)なLAMBSに率いられた(勇敢な)LIONSを、私は他に見たことが無い」
 LAMBはラム、つまり子羊。他に無邪気な人、騙されやすい人、そして偽善者と訳せる。その通り、現在のアメリカのトップたちの事だ。
 そしてLIONSは若者達、具体的にはアフガンやイラクに送り込まれた海兵隊員たちを指していると解釈できる。

329022view005_2329022view002  作品は四つのテーマで語られる。
 「政治家の野望」と「ジャーナリストの正義」、「知識人の信念」と「若者たちの理想と絶望」。

 その政治家の役がトム・クルーズであり、ジャーナリストはメリル・ストリープ。ふたりの駆け引きは見事だ。

329022view007329022view003  知識人(大学教授)はロバート・レッドフォード、若者たちがマイケル・ベーニア(「クラッシュ」)とデレク・ルーク(「輝く夜明けに向かって」)の二人。
 教授が引き止めるのを断って、海兵隊に志願した若者は、政治家の無謀な作戦で「犬死」する。
 静かだが、強烈なメッセージである。

 「何のために立ち上がり、何のために戦い、何のために生き、何のために死ぬのか」
 現代アメリカ、いや世界中が抱えている疑問といえよう。

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May 06, 2008

924.五月大歌舞伎

Shinbashi200805b_handbill

 知人から新橋演舞場の招待券をいただいた。今月の演目のメインは「一本刀土俵入り(いっぽんがたなどひょういり)」、長谷川伸が書いた「新歌舞伎」である。

 「落ちぶれた相撲取り・駒形茂兵衛が、江戸に向かう途中の取手宿でヤクザに絡まれるが、それを茶屋の酌婦お蔦に救われる。さらに路銀まで施され 利根の渡しが越えられた。
 それから10年、志は違ったがいっぱしの渡世人となった茂兵衛が、お蔦を訪ねてやってくる。
 そのお蔦、亭主がいかさまバクチで地回りに追われるところ。茂兵衛は一人で地回りを叩きのめし、お蔦夫婦を逃す。
 横綱にはなれなかったが、それは一本刀の土俵入りだった。」

 1931(昭6)年初演のこの作品を、中村吉右衛門が演舞場では初芝居。お蔦から受けた恩を胸に現れる茂兵衛の姿と、哀愁感漂う幕切れに涙す。
 お蔦は、中村芝雀の初役。他に地回り役が歌六、歌昇。その子分に染五郎。

 これに先立ち、演舞場昼の部最初の幕は「彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)・毛谷村(けやむら)」。江戸時代の後半講談として書かれたものだが、1790(寛政2)年に大坂中の芝居で歌舞伎として初演された義太夫狂言の名作。
 宮本武蔵がモデルといわれる、敵討ち物語。純朴で武勇に優れた主人公の六助を、市川染五郎。男虚無僧に化けた許婚お園を市川亀冶郎、二人の敵が中村錦之助という組み合わせ。
 「女武道」と女らしさを仕分ける亀治郎が見せ所。

 二幕目は舞踏劇、それも三本並ぶという豪華なものだった。最初は中村福助が藤の精となって美しく舞う「藤娘」。五変化所作事の一曲だけに、福助の衣裳変わりが楽しい。
 続いて染五郎と亀治郎が、コミカルでアクロバットな踊りを見せる「三社祭」。浅草寺の縁起を綴る清元舞踊の代表的な作品。大河ドラマ「風林火山」で武田信玄を演じた亀治郎、踊りの方も若手の名手とあってなかなか味がある。
 最後が歌昇、錦之助ほか大勢で「勢獅子」。山王祭で賑わう江戸町内のお神酒所が舞台。常磐津にのって、ふたりがいなせな踊りを見せる。

 4時間たっぷりの芝居を楽しんで新橋演舞場を出ると、外は賑やかな神輿が通る。昨日は、中央区・鉄砲州稲荷神社の三年に一度の例大祭。江戸時代から、海の交通安全をいのる神社として知られている。

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May 05, 2008

923.紀元前1万年

Wallpaper2_800x600Wallpaper11_800x600  ドイツ出身で1992年からハリウッドで活躍している、ローランド・エメリッヒ監督の作品。
 「インディペンデンス・デイ」では、未来の地球を舞台に異邦人との壮大な戦いを描き、アカデミー賞では視覚効果賞を受賞した。
 続いての作品「デイ・アフター・ツモロー」では、環境破壊の行き着く先を描いてちょっぴり「社会派」ぶりを見せた。
 もともと娯楽超大作のSFを得意としている監督だけに、今回は理屈抜きの大アドヴェンチャー作品を作った。

 これまでの2作品は、「未来」が舞台だった。しかし今回は、タイトルが示す通り「過去」が舞台である。それも超先史時代のBC1万年。
 過去を舞台にすると時代考証が必要となる。荒唐無稽では観客があきれる。BC4000年頃の青銅器時代になると、考古学の研究が進みいろいろな事実が明らかになっている。つまり「歴史」の時代だ。
 そこでエメリッヒ監督は考えたようだ。もっと時代を遡らせようと。つまり後氷河期、中石器時代のBC10000年を舞台にすることで、自由な発想でストーリーが組み立てられる。

 作品にも描かれているが、この時代は人類が「狩猟・採集」の生活から「農耕・牧畜」の生産経済に入った時代だ。石器・土器・織物・レンガを作り種族ごとの集落が誕生している。その種族社会の交流や戦いも、この作品のモチーフになる。

 ただ頂けないのは、BC3000年頃のエジプトにおける神聖政治を、物語の重要な舞台にした事だ。ファラオが統治し、奴隷がピラミッドを造る。司祭ー戦士ー人民ー奴隷の階級社会を、人民達が打ち破って奴隷を解放する。メデタシ、メデタシで映画が終わってしまう。
 監督にしてみれば、そんな事はどうでもよかったのかも知れない。誰も見たことの無い世界を楽しむアドベンチャー映画と割り切ってしまえば。

329342view005329342view003  「紀元前1万年」には、いわゆる大スターは登場しない。 若い狩人にスティーブン・ストレイト(「スカイ・ハイ」)、その恋人で敵にさらわれ奴隷にされた娘がカミーラ・ベル(「リトル・プリンセス」)、狩人の長がクリフ・カーティス(「ダイハード4.0」)。先史時代だから、汚れた衣を見に付け槍や石斧で戦う。
 カミーラは、ブラジル人の母を持つ女優でその荒削りな美しさだけが光る。

 CGを使ったマンモス像の大群や、ピラミッド建設現場のVFXなどは、ハリウッドお得意の映像。
 冬のニュージランドの山岳地帯、蒸し暑い南アフリカのジャングルと草原、ナミビアの砂漠と三ヶ所でロケしたそうだが、この自然の風景画とVFXがよくマッチしている。
 ニュージランドの山岳地帯は「指輪物語」など、これまでもたびたび映画のロケ地になった場所。もうすっかり見慣れた風景になってしまった。

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May 03, 2008

922.さよなら。いつかわかること

037 「愛する人を失った絶望の中から、生きる希望を見出していく家族を、包み込むような優しい眼差しで描いた映画」
 昨年のサンダンス映画祭で上映され、観客賞と脚本賞を受賞した。

 「イラクから突然届いた母の戦死」から物語は始まる。昨年末で4000人近い戦死者を出しているアメリカ、うち女性でも100人に達する。母親の戦死は決して架空の物語りでは無いのだ。
 戦場での死者の数が統計数値と化し、人々が無感覚になっていく現実に対し、監督は「母親の戦死」という事実を突きつける事で、その事実の裏にある愛や喪失感、痛み、勇気、成長を描いたのだ。

 監督ジェームズ・C・ストラウス、作家・漫画家として知られる人だが、初めて映画を撮った。もちろん脚本も書く。
 主役でプロデューサーも兼ねたジョン・キューザックをイメージして書いたという。

20080218010fl00010viewrsz150x  キューザックは、「ハイ・フィデリティ」などで実力派俳優として評価が高い。今回も妻を失い、突然父子家庭になってしまったぎこちない父親を演ずる。
 母親を失った娘の役は、12歳の長女をシェラン・オキーフ、8歳の次女をグレイシー・ベドルナック。二人とも映画初出演だが、演技は素直だ。
 この三人がシカゴからフロリダの遊園地へ向けて旅する。ただそれだけなのに、静かな感動を呼び起こす。

 話題は、音楽を担当し楽曲を提供したクリント・イーストウッドである。キューザックからの依頼を受け、ストーリーに感動した彼が引き受けた。
 「ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」、「父親たちの星条旗」など、自ら監督した作品の音楽を担当したことはあるが、他人の作品では初めてである。
 「千の風にのって」は死者からのメッセージだが、彼の主題歌は残された物からの死者へのメッセージとなっている。
 この音楽が、今年のゴールデン・グローブ賞・音楽賞・楽曲賞にノミネイトされている。

 「反戦映画」を作ったのではないと、ストラウス監督は強調する。しかし「母親の戦死と残された家族」という事実を淡々と描くだけで、強い「非戦」のメッセージが伝わる。

 原題は「Grace is Gone」、グレイスは母親の名。邦題にはもうひとつ工夫が欲しかった。 

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May 02, 2008

921.譜めくりの女

032 ヴィオラ奏者として知られるドゥニ・デルクール監督が、自ら脚本も書いて撮った作品。
 パリ政治学院出身ながら、カーネギーホールなど世界一流の舞台でソロ演奏をデルクールは、現在国立音楽院の教授を務めながら映画監督という二束のわらじを履いている。
 「譜めくりの女」は彼の長編5作目だが、演奏家としてのキャリアと映画製作のプロとが見事に融合した作品となった。

 「譜めくり」とは、演奏会でピアニストの横に座って、音楽の進行に従って譜面をめくる役を言う。演奏会では全く影の存在だが、その役割は演奏全体に大きな影響を及ぼすという重要な仕事だそうだ。

 その譜めくりを担う若い女と、大ピアニストである女とのスリリングでミステリアックな関係が、クラッシック音楽の演奏の中で描かれる。

20080222002fl00002viewrsz150x

 謎めいた譜めくりの女の役は、カンヌ・パルムドール賞に輝いた「ある子供]('05)でデビュー、その年セザール賞で最優秀新人女優賞をとったデボラ・フランソワ。これが2作目である。
 一方の女流ピアニストは、カトリーヌ・フロ。セザール賞ではたびたび最優秀女優賞を獲っている、フランスを代表する実力派女優だ。

 作品は、フランス映画らしい精緻な作りとなっている。セリフは少ないが、その表情だけで女の愛と憎しみを表現するデボラ・フランソワ。末恐ろしい女優である。

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May 01, 2008

920.王妃の紋章

Ouhi_wp04_a 50億円と、中国映画史上最高の製作費を投じた作品。「HERO」「LOVERS」と娯楽超大作を作ってきた、チャン・イーモウ監督の最新作である。
 唐代末期の王家を舞台に、夫婦、親子、兄弟が憎しみ、愛し、殺しあう姿を大スペクタルに描いた。

 原案は中国著名劇作家・曹禺(ツァオユイ)の「雷雨」。革命前の資本家一家の崩壊を描いた戯曲で、演劇を志す人なら必ず演じたという有名な作品だそうだ。
 ストーリーから言えば、日本の「華麗なる一族」の中国版と言ってもいいだろう。

  スケールの大きな作品だけに、出演者もアジアのトップスターを揃える。

Ouhi_wp06_a_2  メインとなる王妃役は、チャン監督の公私にわたるパートナーでもあるコン・リー。監督の作品「秋菊物語]('92)では、ヴェネチア国際映画祭で主演女優賞に輝いた。
 「さらば、わが愛/覇王別姫」で始めて見たが、「SAYURI」での日本人芸者役も忘れられない。
 王妃の気高さ、悲哀、憎悪、執念にいたる全てを、迫真の演技で見せた。

Ouhi_wp03_a_3 冷徹な王の役は、アジア映画の帝王と呼ばれる香港出身のベテラン、チョウ・ユンファ。「男たちの挽歌」「過ぎゆく時の中で」でスターに、「アンナと王様」ではジョディ・フォスターと共演して、国際俳優となった。
 最近では「グリーン・ディスティニー」「パイレーツ・オブ・カビリアン」に顔を見せている。

Ouhi_wp02_a_3  チャン監督がこの作品の目玉として配役に加えたのが、アジア音楽界のNo1といわれるジェイ・チョウ。第2皇子として生母である王妃のため、父親に謀反を起す。
 彼の阿修羅のごとき戦いぶりが、映画のハイライトとなる。

Ouhi_wp05_a Ouhi_wp01_a それにしても、お金を懸けたものだ。金の円柱600本、のべ1㌔のシルク絨毯、豪華な衣裳は3000着、宮廷の庭を埋め尽くした300万の菊の花、数百人の宮廷の美女たち、数千人の兵士たち・・・・・・・。白髪三千丈の国だけに、凄まじい。

 ただチャン・イーモー(張芸謀)監督のこれまでの作品、好みから言えばもっと地味な「初恋のきた道」や「菊豆」を押す。
 彼が監督デビューした作品、ベルリン国際映画祭でグランプリに輝いた「紅いコーリャン」やヴェネチアのグランプリ「秋菊物語」、カンヌ特別グランプリ「活きる」の方が好きだ。
 最近作では、高倉健を招いて製作した「単騎、千里を走る」を挙げたい。

 今年の夏の北京オリンピック。開・閉会式の総合演出はチャン監督に決まっている。どんな味の舞台を見せてくれるだろうか。
 「王妃の紋章」のようなスケールだけではなく、「初恋・・・」のような心にしみる演出を期待したい。

 「王妃の紋章」、原題は「CURSE OF THE GOLDEN FLOWER」。この方が内容にふさわしい。 

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