969.全国地名保存連盟
全国地名保存連盟の第26回総会が、昨日神田一ツ橋の学士会館で開かれた。
この会は、26年前に東京・旧牛込区や港区狸穴・永坂町で「強制的な町名変更反対」の運動に携わった住民たちが、核となって結成した組織。
初代の会長は狸穴を守った経済評論家の木内信胤さん、二代目が文部省出身の村尾次郎さん、現在は評論家でエッセイストの犬養智子さんが会長として連盟を運営している。
連盟は「地名や町名は、歴史の中から生まれ、歴史を伝える文化。それは他の文化遺産と同じように、一度失われれば二度と再び作り出すことは出来ない」と、これまで息ながく地名保存・復活の運動を続けている。
一昨年までは、「平成の大合併」による「詐称地名」や「悪趣味地名」など歴史や地域文化を無視した「地名改悪」が焦点だったが、一段落した現在は「旧地名復活」の動きが中心となっている。
これは連盟が結成された第一の目的、「住居表示法」の改正運動の成果でもある。
これまでは国の命令によって強制的に変えられていた町名を、「新町名は従来の町名に準拠すること」との条文に変えることで、「旧町名(地名)復活」の道を開いたのだ。
この改正は、連盟の会員でもあった国会議員達による「議員立法」として、1985(昭和60)年に実現した。
「旧町名復活」の先駆的な地域は、金沢市である。既に「主計町(かずえまち)」「下石引町(しもいしびきちょう)」「飛梅町(とびうめちょう)」「木倉町(きぐらまち)」「柿の木畠町(かきのきばたけまち)」「六枚町(ろくまいまち)」「並木町(なみきまち)」「袋町(ふくろまち)」の8ッの旧町名が復活した。そして今年の秋に向けて「南町(みなみちょう)」復活の作業が進んでいる。
この旧町名復活で注目すべきは、「町」を一律の呼び方にせず昔のまま「まち」または「ちょう」としている事だ。行政も市民の声に応えて、柔軟に対応している事が伺える。
金沢市の動きに刺激され、長崎市でも「銀屋町(ぎんやまち)」「東古川町(ひがしふるかわまち)」が復活、長野県上田市、仙台市、東京の複数の区などでは審議会や研究会を設けて、「歴史的地名と住居表示のあり方」を検討している。
「旧町名復活」と一口にいっても、ハードルは高い。町名変更によって、様々な法的記録を変更しなければならなくなる。たとえば住民票から登記簿、街路表示、身近な例でも印刷された封筒から名刺まで作り直すという、膨大なエネルギーと経費がかかるのだ。
それだけに、そこに住む住民の強い賛同や会社事務所などの理解が前提となる。
だからこそ、市町村合併時の「地名決定」は慎重に、かつ住民の理解が必要なのだ。
昨日の総会ではその金沢から、北陸放送出身のメディア・プロデューサー金森千栄子さんを招いて、「町は言葉の海」と題する講演が行われた。
金沢の市民たちが、片意地はらず日常的に地域の文化を守っている姿が具体例で紹介された。
この地の町の風情は、旧町名が示す通りで、あちこちにある路地が「物語りの道」として今も生きているそうだ。
兼六園だけでなく、そんな金沢を見てほしいと金森さんは語る。
詳しい講演内容は、近々発行される「全国地名保存連盟・会報」に掲載。
事務局: 〒162-0062 東京都新宿区市谷加賀町2-5-26
℡03-3260-6501
































































































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