1136.K-20
現代版では、怪人二十面相もジエット戦闘機並に「K-20」と呼ばれる。私たちが少年の頃、心躍らせて読んだ「少年探偵団・怪人二十面相」が久し振りに映画化されたのである。
このお話、本人ですら本当の顔が判らなくなってしまった変装の名人・怪人二十面相と、少年探偵団率いる明智小五郎の知恵比べが本筋。
江戸川乱歩が1936(昭11)年に、「少年ルパン」ものを狙って「少年倶楽部」に連載したのが始まりである。
この連載は戦争を挟んで戦後も続き、最終版は1962(昭37)年の「超人ニコラ」だそうだ。
ポプラ社全26巻にまとめられているが、1億人の子供達が読んだ大ベストセラーといえる。
不思議な事に映画化は少ない。1954(昭29)年に上映された3部作のみのようだ。(テレビでは何回か放送されている。)
だから久し振りの作品なのだが、今回は江戸川乱歩ではなく北村聡の「怪人二十面相・伝」が原作となっているのが面白い。
北村は、綾辻行人らと同じく「怪人二十面相"学"」の一方の旗頭。
戦前と戦後の二十面相は別人、明智小五郎も少年探偵団の小林団長が2代目を継いだのだ、という説を唱えてこの本を書いた。
今回の映画は、舞台を1946年の架空都市「帝都」とする。日本は第二次世界大戦を逃れたため、厳しい華族制度や陸軍省・憲兵体制が存続しているという状況。
これは、脚本・監督の佐藤嗣摩子が、自由なイマジネーションで物語を展開できるよう、原作者が了解した設定だそうだ。

という事からかこの作品の主人公は、怪人二十面相や明智小五郎というより、金城武の演ずるサーカス団のエースになる。もちろん仲村トオルの明智も重要な役だし、???が演ずる怪人二十面相も主要な配役である。そして、いつも登場するヒロインは松たか子華族令嬢なのだ。
この3人が、血湧き肉躍るアクションを見せてくれる。
「帝都」を作り出したのは、「ALWAYS~」のVFX白組。山崎貴監督も脚本を含めVFXに協力している。
主題歌が、イギリスのロックバンド「オアシス」。イギリス出身の佐藤監督ならではの組み合わせ。
江戸川乱歩の出身地三重県名張市には、「怪人二十面相」が住民登録されているが、彼の性別、生年月日、住所は不詳のままとなっている。


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