1233.スラムドッグ$ミリオネア
アカデミー賞8部門(作品賞、監督賞、脚色賞など)受賞、ゴールデン・グローブ賞4部門(作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞)受賞ほか、世界中の映画祭や批評家協会賞を総ナメした映画。
「世界が選んだ、今年“最高”の1本!!」に、間違いはなかった。
イスラム過激派の同時多発テロで、今年注目を集めたインド・ムンバイ。クレイジーともいえる生命力や活気に溢れながらも、深刻な貧困と犯罪、宗教問題を抱えた都市である。
そのムンバイを舞台に「起こりうる"極端"に過酷な経験と、"極端"にロマンチックな愛の物語」を、イギリス屈指の監督ダニー・ボイル(「トレインスポッティング」'96)が撮った作品である。
原作・脚本がいい。インドの現役外交官でもあるヴィカス・スワラップが書いた「ぼくと1ルピーの神様」を、「フルモンティ」のサイモン・ボーフォイがシナリオにした。
それを読んだボイル監督は、未知の街ムンバイに飛び込んだのだ。
かってボンベイとよばれたムンバイはまた、世界一の映画製作の街でもある。あの奇妙で唐突な歌と踊り、荒唐無稽なラブストーリー、乱作につぐ乱作で「ボリウッド映画」(ボンベイ+ハリウッド)は、世界の娯楽映画の雄となった。
そのボリウッドの持つ作品としてのエネルギーが、緻密な構成の中に生かされているのだ。
ストーリーは、既に新聞や雑誌で広く紹介されているので省略するが、スラムドッグ(負け犬・野良犬)と蔑まれる孤児時代を演ずる子役がいい。ほとんど素人だったらしいが、力強くピュア、時にはユーモアたっぷり、笑いを誘う。
青年となった主人公は、ロンドン生まれのテレビ俳優ディーヴ・バテル。その恋人をムンバイ生まれのモデル、テレビキャスターとしても活躍するフリーダ・ビートが演ずる。
二人とも映画初出演らしいが、彼等を起用したボイル監督の狙いは当たった。
そしてボリウッド映画のベテラン俳優、アニル・カブール(テレビ司会者役)やイルファン・カーン(警部役)たちで脇を固めた。
また主人公の兄役として、インドのトップダンサー、マドウル・ミッタルも出演している。
映画はラストまで席を立たない事だ。最後の最後のエンドロールに、ボリウッドの歌と踊りが、登場する。
ここで観客は、もう一度感動して映画館を去ることが出来る。
先日の新聞記事。映画の中で恋人の幼年期を演じた少女が、人身売買されたという話。アカデミー賞受賞によって値が張ったという。
この映画は、決して"極端"ではなく現実を映し出しているのだ。



































































































































































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