1291.古典芸能三昧
この週末は、古典芸能を楽しんだ。昨日は国立劇場で「歌舞伎鑑賞教室」、今日は渋谷・東急セルリアンタワー能楽堂での「猿楽会 全国大会」である。
歌舞伎鑑賞教室は、国立劇場を運営する日本芸術文化振興会が年数回行うもので、昨日は76回目。
もともと大衆のエンターテインメントして発展してきた歌舞伎が、どうも敷居が高くなってしまったという事で、若い人たちやサラリーマンに歌舞伎の魅力を知ってもらおうというのが、主催者側の狙いである。
毎回、若手役者による歌舞伎の舞台や所作の基本の紹介があった後、ポピュラーな演目が上演される。
我々素人にとっては基本の勉強になるので、毎回「ひとまく」の有志で参加している。
7月はいつも修学旅行の高校生や、若い外国人が鑑賞に来ているが、昨日も会場は満席だった。
演目の方は、歌舞伎十八番のうち「矢の根」。大薩摩の語りと三味線が加わる。
正月恒例の「曽我狂言」のひとつで、1729(享保14)年に江戸・中村座で二代目市川団十郎が初演した。その後団十郎家のお家芸として十八番に加えられたが、いつも大当たり。座元は蔵を建てて矢の根蔵とよんだ。矢じり(根)の小道具が、題名となった。
敵の工藤祐経に兄十郎が捕らえられた夢を見た弟五郎が、裸馬にまたがり大根をムチにして工藤の館に駆け出していく、という単純なお話だが、全体に洒落っ気がありおおらかだ。
大薩摩の語りや台詞も難解だが、ウイットに富んでいる。その上、今回は左右の電光掲示版に語りも映し出されるので解かり易い。
「虎と見て、石に田作り掻膾、矢立の酢牛蒡こごり大根、一寸の鮒に昆布の魂、たとえば祐経せち汁の・・・・」と、正月料理の語呂合わせの台詞。
二本隈に油で固めた「車鬢」と、代表的な荒事のこしらえ出てくる曽我五郎と、歌舞伎ならではの演出に満ちた一幕だった。
出演は、曽我五郎・市川男女蔵、十郎・中村亀鶴ほか。
歌舞伎らしいといえばもう一本も「藤娘」、舞踏劇の代表作である。藤の精が大津絵そのままの姿で登場したあと、萌黄色と朱の片身替り、そして藤色の振袖、赤の振袖と五変化の所作。
女形の魅力が凝縮されたこの舞踊を、今年21歳になる中村梅枝が始めて舞った。
今日は「狂言」。茂山忠三郎の率いる「猿楽会」のメンバーによる競演である。朝11時から夜まで、14の狂言と、三つの小舞、手話による狂言や、外国人のお弟子さんも登場するなど盛りだくさんだった。
ひとまく会員の島田さんが、トップで「末広がり」を演じた。狂言歴30年、サラリーマンを続けながら精進してきた彼、贔屓目でなくプロの域に達していた。
我々応援団13人、精いっぱいの拍手を贈る。


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