1294.それでも恋するバルセロナ
俳優、コメディアン、監督、脚本家、戯曲家、作家、クラリネット奏者・・・ウディ・アレン74歳。まだまだ、少しも枯れてはいない。
生き方違う2人のヤンキー娘とバルセロナのセクシーな男性、そしてエキセントリックな元妻、その四角関係を情熱的かつコミカルに描いたのが、この映画である。
またガウディの建築から路地裏まで、余す所なくバルセロナを見せる「観光映画」でもある。
その4人、人生に迷っているヤンキー娘スカーレット・ヨハンソンは、「マッチ・ポント」「タロット・カード殺人事件」に告ぐ3本目のアレン作品。すっかり彼のミューズになった。
慎ましく現実的なもう一人は、レベッカ・ホール。「フロスト×ニクソン」('09)にも顔を出したが、もともとイギリスの舞台女優である。
スペインのあまりにも情熱的な女は、ペネロペ・クルス。アカデミー賞にもノミネイトされたスペイン映画「ボルベール」('06)を見たアレンが、スカウトした。この作品で今年のアカデミー賞助演女優賞を受賞した。
そしてこの3人にモテモテの色男が、ハビエル・バルディム。彼もまた「ノーカントリー」('07)でアカデミー賞助演男優賞を受賞したスペインの俳優である。あお怖いオカッパ頭の殺人鬼から、色気ムンムンのセクシーな男に変身した。
「愛は満たされるとロマンスを失う」と、ウディ・アレンは皮肉タップリに恋を描く。
「取り憑かれたような熱狂的愛」(レベッカ+ハビエル)、「夢中で芸術的な愛」(ベネロペ+スカーレット+ハビエル)、「無限で不可能な愛」(ベネロペ+ハビエル)の四角関係を、アレンは全て真っ当な「愛」だというのだ。
だから映画の中の全ての恋は、ハッピーエンドにはならない。
四角関係の鍵を握るレベッカの伯母夫婦、パトリシア・クラークソンとケヴィン・ダンもアンハッピーだし、結婚したレベッカとクリス・メッシーナもなんとなくアンハッピーなのだ。
バルセロナ、友人が仕事で滞在中に一度は訪ねようと思っていたが、なぜか実現しなかった。幸いに今回、ウディ・アレンのガイドでちょっぴり楽しめた。


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