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January 31, 2010

1469.最上川・冬の旅

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 冬の山形路、今年は雪は少ない。地元出身の友人のガイドで、雪見酒の旅と洒落込んだ。昨年夏の「さくらんぼ狩り」以来である。

100128_012_640_2100128_013_640100128_112_640_2   「奥の細道」松尾芭蕉所縁の地、戸沢の番所から最上川船下りを楽しんだ。

 冬場だけは、「こたつバージョンのプレミア船」が出る。
 山形名物「いも煮」と「玉こんにゃく」を肴に、雪見酒というわけだ。

100128_027_640_2100128_018_640_4100128_032_640   幸か不幸かこの日は晴天。雪のちらつく中を筏に乗って、酒田に奉公に出かける「おしん」のイメージはなかった。

 「ヨーイサノマカショ エーンヤコラマーカセー」 船頭の唄う「最上川舟唄」を聴きながら、燗酒はすすむ。

100128_030_640100128_043_640100128_040_640  右岸は平泉に落延びる義経一行が辿った道。
 大滝や仙人堂、白糸の滝など義経や弁慶の伝説が残る。

 「エーエンヤエーエンヤーエーエ エーエンヤエート」
 「ヨーイサノマカショ エーンヤコラマカセー」
 「酒田さ行ぐさげ 達者でろチャ ヨイトコラサノエー」
 「流行風邪など引がねよに」(掛け声繰り返す)
 「股ん大根の塩汁煮 塩がしょっぱくて くらわんねぇチャ」
    
 平安の頃から、何百隻もの川舟が往来していた最上川。流域で獲れた米や紅花は、下って酒田の港へ。そこから京・大坂へと運ばれた。
 帰り荷は紅花で染め上げた西陣や友禅、そして京雛が子供達への土産だった。

 この日は、古口から草薙までの1時間の船旅。行き交う船は一隻も出会わなかった。

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January 30, 2010

1468.サヨナライツカ

Wallpaperb_1024x768 バンコクを舞台に、日本の役者を使って、イ・ジェハン監督が撮った「韓流映画」。
 原作は韓国でもベストセラーとなった「アンニョン、オンジェンガ」(「さよなら、いつか」)。ミュージシャンで芥川賞作家の辻仁成が書いた。

Wallpapere_1024x768  バンコクニに赴任した「好青年」と、恋に落ちた奔放な女性との25年にわたる愛の物語。「愛すること」と「愛されること」の違いを切なく描いていく。

Wallpaperd_1024x768_2 主演は、原作者・辻仁成夫人でもある中山美穂。日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した「東京日和」('10)以来、12年ぶりの映画主演。清純派歌手でもあった中山が官能的な熟女ぶりを見せる。

 対する「好青年」のエリートサラリーマンは、西島秀俊。その許婚が石田ゆり子。上司に加藤雅也(「未来予想図」'07)、同僚にお笑いのマギー(「クライマーズ・ハイ」'07)が出演している。

 ロケはほとんどバンコク。それも「オリエンタルホテル」が、恋の舞台となる。名門「マンダリン・オリンタルホテル」が、その130年の歴史の中で始めて内部の撮影を許した。
 2人が結ばれる「サマーセット・モーム・スイート」を初めロビーや庭園を、韓国のスタッフはホテル・ドレスコードに従い正装して撮ったという。

Wallpaperc_1024x768 監督のイ・ジェハンは、「私の中の消しゴム」('04)で大ヒットを飛ばした韓国映画界でのラブストーリーの旗手。
 日本映画とはひとつ違う大人の恋を、じっくりと描く。

 バンコクの空港ロビーシーン。ニューヨークに旅発つ中山を送る西島と、入れ替わりに成田から到着した石田を迎える西島を、ワンカットで撮ってしまうイ・ジェハンの腕の冴えは見ものだが、全体的にはちょっとかったるい。それも「韓流」ゆえか。
 中島美嘉が主題歌「ALWAYS」を、歌い上げる。

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January 29, 2010

1467.器量と人望

090_640 久し振りに「鹿児島の夕べ」で、同業の先輩・立元幸冶さんと懇談した。彼は元NHKディレクター、退職後大学で教壇に立ち、現在は講演・執筆活動を続けている。

 彼から29日に新書を出版すると聞き、さっそく手に取った。
 PHP新書「器量と人望・西郷隆盛という磁力」、政権交代を果たした原動力を探ると、帯にはある。

 「幕末維新の立役者と讃えられ、多くの信望を集める西郷隆盛。しかしその実像には、無謬の英傑あるいは完璧な人格者とは言い難い一面もある。
 『無心と野心』『勁さと弱さ』『度量と狭量』など、一見矛盾とも思われるその内面や行動の二元性、相対性に着目。平板な英雄像を超えた人間西郷をあぶり出す。・・・・・・・西郷が残した二百首に及ぶ詩をてがかりに、これまで語られることのなかった素顔に迫る。
 新たな西郷像を提示した渾身作!」(カバー裏の紹介から)

091_640_2  この50年だけでも、西郷隆盛については多くの著名人が論じてきた。海音寺潮五郎「史伝 西郷隆盛」(1989年)、井上靖「西郷隆盛」(1970年)、江藤淳「南州残影」(1998年)、田中惣五郎「西郷隆盛」(1958年)、橋川文三「西郷隆盛紀行」(1981年)・・・・・等々。
 そして「飛ぶが如く」を書いた司馬遼太郎は、「会って見なければ、彼については語れない」という。

 その困難な「西郷論」に、あえて挑戦した先輩には拍手を贈る。
 特に薩摩を故郷とする人にとっては、西郷を客観視する事は難しい。西郷の曾孫と高校時代に机を共にした私など、身内以上の親しみを持ってしまう。

093_640  その昔ローカルTV「さつま今昔」で、「西郷と大久保」と題する「比較英雄論」にトライしてみたが、結局西郷崇拝者から強い批判を浴び、しょげ返った事を思い出す。

 大河テレビで「篤姫」が放送され、今年は「龍馬」である。
 それぞれに脇役として登場する西郷隆盛だが、本書にも書かれている様に、その生き様は「政権交代」を実現した今の、政治家と官僚の「器量と人望」を考えさせる。

 (PHP新書647)
 立元幸冶著「器量と人望・西郷隆盛という磁力」(税別740円)

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January 25, 2010

1463.今度は愛妻家

009_640 2002年に初演され、大ヒットした舞台劇の映画化。舞台脚本家中谷まゆみのオリジナルである。
 だらしない夫とやさしい世話女房とのラブファンタジーを、豊川悦司と薬師丸ひろ子が演ずる。

200x133 結婚10年、売れっ子だったカメラマンの夫は、仕事に飽きたのかぐうたらな毎日。せいぜい若い子との浮気ぐらいしか、考える事は無い。
 邪険にされても、夫の健康を気遣いあれこれ面倒を見る妻は、何とか子供を作りたい。
 沖縄へと子作り旅行にも出かけたが、その気の無い夫に妻は離婚を決意、家を出て行った・・・・・・。

335282_100x100_006  監督は、「GO」('01)「世界の中心で、愛をさけぶ」('04)のヒットメーカー行定勲。青春群像劇を得意としてきた彼が、中年男のモラトリアムを描くのも、自分自身が40代を迎えたからだろう。

 中年夫婦をとりまく、人物の配置が面白い。
 夫のカメラマン助手が濱田浩(「鴨川ホルモー」'09)。ひょんな事で、夫の浮気相手でなく若い彼に魅かれたグラビア女性は、水川あさみ(「カメレオン」'08)。
 何かと豊川の世話を焼く、オカマバーのマダム石橋蓮司が強烈な存在感をみせる。
 そして夫々が、物語の伏線となって感動のラストへと導く。

335282_100x100_005_2  「男の身勝手さが身にしみた作品です」と夫が。「倦怠期のダンナと観たのですが、気のせいかちょっと優しくなりました」と妻の観客がつぶやく。

 「久し振りの大人の恋物語」「中年夫婦必見の作品」「倦怠期にある夫婦のための映画」である。

 井上陽水がこの作品の為に作った主題歌、「赤い目のクラウン」が感動のラストシーンに流れる。    

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January 23, 2010

1462.ミレニアム

008_640 スエーデンのジャーナリスト、スティーグ・ラーソンが始めて書いた推理小説が原作。当初は5部作を予定していたが、3部まで書いて出版しようとしていた矢先、心筋梗塞で急逝した。享年50歳。

 原作の題名はかなり長くネタバレの可能性もあるので、日本では「ミレニアム1~ドラゴン・タトゥーの女」として出版され、映画の邦題もこうなった。
 ミレニアム、1000年とか至福千年紀を意味するが、実は主人公の主宰する雑誌社の名前である。

335133_100x100_007_3  本は全世界40ヵ国で翻訳され、「ダ・ヴィンチコード」を超える今世紀最大のミステリーと絶賛され、これまで1500万部以上のミリオンセーラーとなっている。

 第1部の「ドラゴン・タトゥーの女」は、ミレニアム社の編集長である主人公と、鼻ピアス全身タトゥーの天才ハッカーのヒロインが組んで、40年前の富豪一族の少女失踪事件の謎を追うというストーリー。

335133_100x100_002  「ダ・ヴィンチコード」は、ローマ・カソリックと秘密結社が背景となって展開したが、こちらはナチズムである。さらに近親相姦、性的暴力、サディズム、猟奇犯罪、倒錯などがミステリーの中に描かれていく。
 今世紀スエーデン社会で問題化している、女性に対する性的暴力という背景が、映画の中にも色濃く反映されている。

 主人公の中年ジャーナリスト役は、「喜びを歌にのせて」('04)で見たこともあるミカエル・ニクヴィスト。
 ドラゴン・タトゥーの少女は新人ノオミ・ラバス。身長150㎝、少年のような体つきの女優で決して美人ではないが、フランス映画の「ニキータ」を彷彿させる。ヤマハのバイクで、犯人の運転するトヨタを追っかける。
 他、スエーデン映画は日本でも上映の機会が少ないので、名前を思い出す役者はいない。

 モノトーンの北欧の風景、ラストには原色のオーストラリアとスペインの風景が、対称的に現れる。 

51hhp6gdjil__sl500_ss100__251ralwd2d5l__sl500_ss100__4  そしてラストタイトルの後に、次回作「火と戯れる女」の予告編が上映された。
 その2部はもちろん3部の「眠れる女と狂卓の騎士」も、スエーデンでは既に上映されているという。
 天才ハッカー・タトゥーの少女と主人公が、ハラハラ・ドキドキさせながら謎に迫っていくパターンは、変わらない様だ。

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January 22, 2010

1461.鹿児島の夕べ

100121_023_640  昨夜、東京プリンスホテルで開催された「鹿児島の夕べ」、今年のテーマは「本物。鹿児島県」である。

100121_012_640100121_015_640  「本物の持つ力は、人を元気にします。
 例えば、自然の雄大さに息をのむこと、伝統文化の美しさにひたること、食や温泉の豊かさにつつまれること。
 多彩な魅力を持つ鹿児島県には、ここにしかない本物があふれています。
 さ、あなたを元気にする鹿児島県で、心に力を満たしてください。」
 知事をはじめ主催者たちが、こう呼びかける。

100121_009_640_2 出席したのは在京出身者や流通・観光業界から800人、地方自治体が主催する東京でのパーティーには珍しく、会費制である。
 3年前、「県民の税金で、ご馳走をいただく訳には行かない」と、在京県人側から提案された。

100121_014_640_2100121_003_640   会場には、国指定の伝統工芸品である「薩摩焼」や「本場大島紬」「川辺仏壇」を初め、国際ブランドとなった「薩摩焼酎」の代表銘柄104本、さらには「かごしま旬のさかな」「かごしま森の恵み」「かごしまブランド」などの農産物が並べられた。

100121_004_640100121_019_640   今年の話題の一つは、秋に全国で公開される映画「半次郎」。
 ブログ1450号でも紹介したが、維新で活躍した桐野利秋の生涯を描いたもので、会場では製作・主演の榎木孝明さんがPRに努めていた。
 

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 右のパンフレットは会場で貰った「日本一の農畜産物」の数々。
 肉用牛816億円、鶏肉・卵723億円、豚723億円、さつまいも400t、お茶1,930万㎏、そらまめ5,590t、球根3,770万球・・・・。
 水産物では、ぶり58,600t、カンパチ30,984t、うなぎ7.444t・・・・。
 もちろん本格焼酎は、208.514klと日本一である。

 そこでこうした農畜産物を、「本物」として世界へアッピールしようというのが、「鹿児島の夕べ」の目的でもある。
 帰り際お土産として、昨年の「新特産品コンクール」で入賞した「らっきょう入り黒豚カレー」や「甘露いも」「芋かりんとう」「花きびなご」など、「本物」6品をいただいた。

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January 21, 2010

1460.新春!じゃんけん大会

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 今年は歳の初めから幸先が良い。
 サッポロビールから、「麦とホップ」1ダースが届いたのだ。第1回新春!国民的じゃんけん大会で、相手となった実行委員会委員長の田村正和さんに勝った賞品である。

004_640006_640008_640   元日インターネットに、サッポロビールからメール・マガジンが届いた。
 じゃんけん大会の案内、田村さんとの勝負である。
 こちらは「グー」を出して返送、そして勝利。抽選で10万人に上記の賞品というわけ。

 先週、国税庁が発表した’09年のデータによると、ビール系市場の出荷量は年々下がり、この10年では最も低い4億7250万ケースだった。前年比2.1%減、10年間では16%減っている。

 とくに一時期ビールに代わる安い発泡酒が人気を集めたが、6年前の増税で減り始め、さらに「第3のビール」へと移っているそうだ。
 そのため「第3」に強いキリンビールが、9年振りにアサヒビールを抜いて、首位に立った。

 サントリーに追われる第3位のサッポロビールが、新年早々のキャンペイーンを打ったという訳。

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January 20, 2010

1459.ずっとあなたを愛している

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 15年の刑期を終えて出所したヒロイン、美しく聡明な彼女が過去に犯した罪とは?
 物語が進むにつれ、少しずつ事実が明らかにされていく。

335117_100x100_005  釈放された姉を引き取った大学教授の妹、編集者の夫や無邪気な姪たち(ベトナム人の養女)。
 ヒロインの良き理解者となる、妹夫妻の友人達。
 人間の深淵に迫る、愛と再生の物語である。

335117_100x100_006  監督は、フランスの大学で文化人類学を教える一方、小説家としても有名なフイリップ・クローデル。デビュー作品である。

 本作はまた、彼のオリジナル脚本でもある。刑務所での教官として受刑者と関わってきた事もあるクローデルだけに、作品は彼の実体験や実生活が色濃く反映している。
 彼女を理解し、静かに寄りそう妹の同僚は彼自身がモデルでもある。

200x133335117_01_03_03_2  ヒロインを演じるのは、「イングリッシュ・ペイシエント」('96)でアカデミー賞にもノミネイトされたイギリス出身の女優クリスティン・スコット・トマス。
 パリで演劇を学んだだけに、イギリス訛りのフランス語は上手い。

 妹役は、パリ生まれのエルザ・ジルベルスタイン(「モディリアーニ真実の恋」'04)。この作品で、フランスのアカデミー賞といわれるセザール賞の最優秀助演女優賞を受賞している。
 また妹の養女役は、監督自身のベトナム出身の養女。明るく素直に演技している。

 原題は「ILYA LONGTEMPS QUE JE T´AIME」。邦題もそのまま直訳して判り易い。
 ヒロインのラストのセリフ、「私はここにいる」が映画の全てを語る。  

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January 19, 2010

1458.THIS IS IT

Mj_thisisit_wp_800 「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」、昨年10月末から15日間の期間限定で、世界同時公開された音楽ドキュメンタリー映画である。
 ところが今もなお、全国各地の映画館で上映されている。

 幻となったロンドン02アリーナでの「THIS IS IT」公演、そのリハーサルを2ヶ月間に渉って記録したこの作品は、もともとマイケルのプライベートな記録だった。
 ところがコンサートのリハーサルが終った数日後の6月25日、マイケルは急逝した。麻酔剤プロフォールと催眠鎮静剤の服用が、原因だったという。

200x133  マイケルの死が、この「感動ドキュメンタリー」を生んだ。
  コンサートの演出担当、クリエイティブ・パートナーだったケニー・オルテガが、監督として100時間を超えるプライベート記録を再構成したのだ。 
 彼は「ハイスクール・ミュージカル/ムービー」('08)など、音楽ドキュメンタリーを得意とする演出家でもある。

 作品には、ロンドン公演で披露されるはずだった多数の楽曲と、圧倒的なダンスやパーフォーマンス、そしてマイケルの舞台裏での素顔が描かれている。
 シンガー、パーフォーマー、コンポーサー、ダンサー、音楽プロデューサー、映像プロデューサーだったマイケル・ジャクソンの全てが描かれる。

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 プレスリー世代の私は、マイケルが脚光を浴びた頃は中年のおじさん。1億4000枚のレコードを売上げ、グラミー賞8部門を受賞した「スリラー」ぐらいしか知らない。
 むしろ職業柄、彼のスキャンダルの数々の方に関心があった。

 マイケルの急逝で、メディアは多くの情報を流した。この作品もその一つと思って、ゆっくりDVDでも借りて見ようと思っていた。
 ところが音楽プロデューサーの友人から「昨年最も感動した映画は『THIS IS IT』!」との賀状、大手音楽プロダクションの社長からも「彼の存在によって、この仕事に誇りがもてた」との挨拶をいただいた。
 という事で、まだ満員に近い劇場に出かけたのだ。

Uicf1122  アーチストとしてのマイケルの驚くべき才能については、敢えてふれない。ただコンサートで彼と共演する筈だった女性ギタリスト、オリアンティだけを紹介しておこう。

 オーストラリア出身、子供の頃からギターになじみ、伝説のギタリスト・カルロス・サンタナとソロの掛け合いをするなど、若手ギタリストとして才能は高く評価されてきた。
 マイケルのオファーで渡米、彼の最後のリード・ギタリストとなった。作品に登場する、彼女の演奏シ-ンの迫力はたまらない。

 「THIS IS IT」のDVD(2980円)は、今月末に発売される。ただ「メモリアルDVD・BOX」(9975円)は、1万セットが完売。再販の予定はない。

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January 18, 2010

1457.カールじいさんの空飛ぶ家

003_640 昨年秋、東京国際映画祭に特別招待され、クロージングに上映された作品。
 「妻を失いひとりで暮らすカールじいさんは、すべてを失いそうになった時、家に無数の風船をつけ人生最初で最後の旅に出た」と紹介される。

 映画祭でも3Dで上映されたが、今回も300円プラスして「ディズニーデジタル3D」で見た。
 ピクサーが製作した長編アニメーション10作品で、初めての3Dである。

333261_100x100_003  前半の10分。
 「冒険好きの少年とお転婆娘が出会いやがて結婚、冒険を夢見ながらも質素に仲睦まじく暮らす。年をとって妻に先立たれ、2人で描いた夢に・・・」
 と、セリフもなく音楽と映像のモンタージュだけで見せたシーンが感動的である。
 しかしここまでが「大人の映画」、風船で飛び立った後は「こども達の映画」になってしまった。

333261_100x100_006333261_100x100_002  監督・脚本を共同で担当したのは、ピート・ドクター(「モンスターズ・インク」)とボブ・ピーターソン(「ファイティング・ニモ」)。
 ロボットや自動車、ネズミなどが主役だったこれまでの作品と違って、主役は78歳のおじいちゃん。それに東洋系の子供がからむ。

 昨年の12月公開以来、2ヶ月近い上映だが興行成績も良い。ただ、「アバター」を3Dで見たせいか、3Dの迫力や驚きは感じない。普通の2Dで、こども達への冬休みのプレゼント。そんなレベルだった。

 原題は「アップ」、邦題は子供向けに「カールじいさんの空飛ぶ夢」とストレート。

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January 17, 2010

号外・都心朝火事

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062_640  日曜日の朝6時30分、ふと外を見ると銀座方向に真っ黒な煙。
 その後のニュースで、西新橋一丁目飲食店10棟が焼けたとの事。

 15年前のこの時間、阪神・淡路大震災の一報を知った。前年まで関西に勤務していたので、知人達の安否を気遣った。

 東京は乾燥した日々が続いている。火の用心。

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January 16, 2010

1456.釣りバカ日誌・ファイナル

Wallpaper_10_07_640  前号の「社長シリーズ」は33回続いた東宝作品だが、こちらは22回続いた松竹作品のファイナル。

 東宝は他に「駅前シリーズ」('58~'69年、24回)、「若大将シリーズ」('61~'71年、17回)があるが、松竹は何と言っても「男がつらいよ」('69~'95年、48回)だ。これは「同一俳優が演じた最長の映画シリーズ」と、ギネスブックにも認定された。

005_640 もともと「釣りバカ 日誌」は、「男はつらいよ」の付録?つまり2本立て上映用として、山田洋次監督が脚本を書き山田組の助監督出身者が撮った作品だった。
 そして、強力作「男はつらいよ」と同時上映された事からフアンが増え、'95年の寅さん終了後は、人気シリーズとして一人立ちした。

334370view004  ゼネコンのトップ「スーさん」(三国連太郎)と万年ヒラ社員の「ハマちゃん」(西田敏行)。2人を繋ぐ「釣りバカ」に、皆が共感し生きる希望を見出した。
 「男はつらいよ」が昭和を代表するシリーズとすれば、「釣りバカ」は平成と共に生まれ時代を表現してきた。

334370_100x100_002 とくにこのシリーズは、社会派山田洋次が脚本を手がけただけに、「バブル景気」「ゼネコン疑惑」「リゾート開発」「地球環境」「米軍基地」「再雇用」「リストラ」「経済不況」と、その時々の政治・経済問題をユーモアに塗して描いてきた。
 多くの観客の支持を集めたのも、そうした製作意図だったからだろう。

334370_100x100_005  これで国民的映画と言われる「シリーズ映画」は、消えてしまった。
 その背景には大手映画会社が、社員である監督やスタッフを使って製作する体制が、少なくなった事もある。
 今や多くの日本映画が、テレビ局や出版社など異業種から資金を集める「製作委員会」方式になってきた。
 テレビや新聞によるPRなど、いわゆるメディア・ミックスで観客を動員しようというのである。

 「釣りバカ日誌・ファイナル」ラストは、スーさんが全社員に別れを述べるシーンである。
 現場出身の数少ない役員でもある山田監督が、松竹の社員にメーッセージを送っているようにも思えた。
 そしてフィナーレは、カーテンコールである。
 スーさんの奥さん(奈良岡朋子)、ハマちゃんの愛妻(浅田美代子)、釣り船屋(中本賢)、社長(鶴田忍)、専務(加藤武)、取締役(小野武彦)、秘書役(中村梅雀)、次長(谷啓)、課長(益岡徹)ほかの皆さん、長い間ご苦労様でした。

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January 15, 2010

1455.ひとまく映画会

 歌舞伎好きの仲間で、歌舞伎座の最後の一幕を楽しんできた「ひとまく会」。200回を区切りに集団での観覧は終えたが、趣味を同じくする「課外活動」は続く。
 映画鑑賞グループは先日、「森繁久弥追悼・特別映画鑑賞会」を開いた。

037_640  上映作品は「社長道中記」と「夫婦善哉」。DVDによる再生だが、大きなスクリーンで見られるのでミニ・シアター並の迫力はある。
 すぐ近くの銀座シネパトスの名画劇場でも、先月半ばから「喜劇みんなで笑い始め!」と題した森繁久弥シリーズが2本立てで上映されているが、私達は仲間だけの「解説あり」「懇親会あり」だ。

4_31309_3 「社長道中記」(1961年作品)
         
 1956年から1970年まで続いた東宝の「喜劇映画シリーズ」。主演の森繁久弥は、同じく東宝の喜劇映画「駅前シリーズ」にも出演して興行を支えた。

 「へそくり社長」から始まったシリーズは、「社長三代記」「社長太平記」「サラリーマン忠臣蔵」と続き、この作品で10本目となる。

 初めて見たのは学生時代、サラリーマンになってオールナイト5本立てでも見たので今回は3回目か?
 テレビでも見たかも知れないが、出演者がほとんど同じだったのでシリーズ33本のイメージがゴッチャになってしまっている。

 もともとは源氏鶏太原作の「三等重役」('52)が原型。この時人事課長役だった森繁が、社長に出世!してシリーズが始まった。

 高度成長期の企業が舞台。女好きの森繁社長に謹厳実直の小林秘書、地味な加東大介総務部長に「パーッといきましょう!」の三木のり平営業部長(今回は大阪支社長)、という組み合わせ。

 頭の上がらぬ久慈あさみ社長夫人に隠れて、森繁がちょっかいを出すバーのマダムは淡路惠子と芸者の新珠三千代。「社長道中記」以降も、草笛光子や池内淳子が芸者やマダムで色気を振りまいていたのを思い出す。

 この作品で森繁の娘役として、浜美枝が登場している。同じマンションに事務所があって、時々エレベーターで一緒になるが、今も変わらず可愛い。

200pxmeoto_zenzai_poster   「夫婦善哉」(1955年作品)

 昭和初期の大阪を舞台に、船場大店のドラ息子としっかり者の芸者夫婦を描いた、織田作之助の小説が原作。森繁の代表作のひとつと言われる
 監督は豊田四郎、妻の芸者が淡島千景。

Photo03Photo01_2   「夫婦善哉」は、大阪の法善寺横丁にある店名。大阪時代にこの近くに住んでいたので、自由軒ともども覗いたことがある。

 「ぜんざい」一人前を、二つの椀で出す事からこの名がついた。映画ではラストシ-ンにこの店が出てくる。

 作品が公開された頃は高校生。映画館で見た覚えが無い。ひょっとして、今回初めてかも知れない。8年後、同じ監督、森繁・淡島のコンビで製作された「新・夫婦善哉」は、しっかりと覚えている。司葉子、浪花千栄子も出ていた。

036_640035_640034_640 昨年夏、久し振りに道頓堀から法善寺横丁を訪ねた。

 数年前に火災で焼けたが、再建されて昔の賑わいをみせていた。
 「夫婦善哉」も、「法善寺MEOUTOビル」の中で健在だった。   

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January 14, 2010

1454.「生命の軌跡」展

019_640020_640016_640  上野公園の隣にある東京芸術大学美術館。
 旧知の画家・絹谷幸二さんから展覧会の案内をいただいたので、出かけた。
 「生命の軌跡」と題した退任記念展である。

 絹谷さんの絵画については、これまでもこのブログで度々紹介してきたが(1028号・08.09.06、1052号・08.10.04、1153号・09.01.30)、1968年に東京芸大大学院を修了後イタリアに留学、ヴェネチアでルネサンス時代のフレスコ壁画を学んだ。
 以来原色調の鮮やか色彩と奔放自在な表現で、エネルギッシュに画を描き続けてきた。

 '74年には安井賞、'87年日本芸術大賞、'89年毎日芸術賞、'01年には日本芸術院賞を受賞し、日本芸術院会員に任命されている。
 また'93年には東京芸大美術学部の教授になり、後進の指導を担ってきた。そして今春退官する。

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 会場には、卒業制作である自画像(写真上2番目)や大学院時代の「諧音の跡」(写真右下)など初期の油彩から、イタリア時代のフレスコ習作、そして「富嶽龍神飛翔」(下4番目)「江戸の賑わい・三社祭」など50点が並べられている。
 とくに留学を経て、独自のスライルを激変させた青春時代の作品は、初めて目にするだけに感動する。

022_640  ブログ1028号で紹介した、長野冬季オリンピック公式ポスターの原画「銀嶺の女神」にも久し振りに出合った。1997年の作品である。

 今回は7点の立体作品(スティロフォーム)も展示されている他、絹谷さんの絵の弟子である歌舞伎役者・中村吉右衛門さんらの講演や、展示室での記念コンサートなど盛り沢山の催しで、画伯の「生命の軌跡」を辿る。

 展覧会は、来週19日(火)まで。芸大美術館3階展示室で。入場無料。

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January 13, 2010

1453.海角七号

_640  久々の台湾映画である。しかし主題には、「日本人」が深く関わっている。主要な登場人物として、2人が出演している。

 一昨年、台湾で上映されると同時に大ヒットした。台湾映画史上で観客動員数はNo1、まだこの記録は破られていない。
 「ハイジャオ・チーハオ(海角七号)見た?」が流行語となった。

 台湾のアカデミー賞といわれる「金馬奨」で、最優秀映画賞など6部門を受賞、アカデミー賞外国語映画賞の台湾代表ともなる。
 昨年の東京国際映画祭の招待作品にもなって、日本でも上映が待ち焦がれていた作品だった。

1600x1200_03_640  見る人を、切ないノスタルジーに包み込むラブストーリーである。

 台湾最南端の町、恒春を舞台に消えてしまった住所「海角七号」がタイトルとなった。そして副題の「君想う、国境の南」は、60年前に日本人教師が教え子に送ったラブレターそのものなのだ。
 住所が消えて届かなかったラブレターが、現代の台湾の若者と日本人女性の孤独を癒す。

1600x1200_04_640 映画での会話は、台湾語と北京語と日本語。この使い分けが、台湾近代史を語り複雑な対日感情を表す。
 台湾先住民との関係、地方都市の過疎化、世代間の隔絶など今台湾が抱える問題が、ユーモアの中から炙り出される。

335011_01_02_03  主役は台湾のポップス界のトップスター、フアン・イー・チエン。失意のうちに故郷に舞い戻った、シンガソング・ライターの役。
 彼の歌う「君想う、国境の南」は、金馬奨最優秀歌曲賞を受賞した。

 ヒロインは、その彼に振り回されながらも魅かれる日本人女性、田中千絵(「春の雪」'06)。今や台湾ではトップスター、アジア各国で活躍する女優である。

335011_01_04_03_2  もう一人、60年前の教師役と本人自らを演ずるのが、奄美・島歌出身の中孝介。ラストシーンで、チェンと歌うシューベルトの「野ばら」に、観客は涙する。

 監督は、ウエイ・ダーション。今は亡き台湾の名匠エドワード・ヤン(「ヤンヤン夏の想いで」)のもとで、助監督を務めてきた彼の長編デビューである。

 音楽がテーマを支える。人間国宝・北管の名手リン・ゾエンほか、台湾で活躍するミュージシャンたちが、軽妙な演技で笑いを誘う。

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January 12, 2010

1452.アバター

001_640_2  057_220_149f_3左のポスターの左の人物は、元海兵隊の傷病兵士の主人公(サム・ワーシントン)。右はその分身(アバター)で、異星「パンドラ」の先住民ナヴィと彼のDNAを結合して創造した。

 その彼がスパイとして送り込まれた原生林の村に住む、ナヴィの族長の王女に惚れた。右の写真の彼女(ゾーイ・サルダナ)である。
 そして彼はパンドラの資源強奪を目論む人間側でなく、ナヴィとその自然を守る戦いに身を投じていく。

054_020_1f_3  戦いはミサイルなどの重兵器と弓矢の対決だが、構図はネイティブ・アメリカンと騎兵隊を思い出させる。「ダンス・ウイズ・ウルブス」('90)や「ラスト・サムライ」('03)と同じ発想である。

 またコッポラの「地獄の黙示録」('01)など、ベトナム戦争を扱った映画のシーンも思いおこさせる。
 善=先住民、悪=侵略者(人類)と単純で判りやすいストーリーなのだ。

 監督・脚本・製作はジェームス・キャメロン。カナダ出身で海洋生物学や物理学を学んだ彼は、美術や特撮のスタッフを経て「ターミネーター」で認められ、「エイリアン2」の監督に大抜擢。
 そして「タイタニック」('97)。全世界歴代興業収入No1、アカデミー賞史上最多11部門受賞してハリウッドの巨匠となった。

Wallpaper_06_800x600  その彼が「タイタニック」製作以前から構想を温め、30億円の製作費と4年の年月をかけて完成させたのが、この「アバター」だった。それも第3世代の3D作品として世に発表したのである。

 昨年は「3D元年」と云われ、10本近い3D作品が公開された。
 '50年代、'80年代にも、あの眼鏡を掛けて見る「立体映画」は試みられている。しかし技術的に未熟で映画としての完成度は低く、せいぜいテーマ・パークの短編映像にしか生かされていなかった。
 しかしホーム・シアターやDVDの普及で、観客の劇場離れに危機感をいだいたキャメロンや、ルーカス、ゼメギス監督等は、ここ4~5年の間「新たなる映像表現の開発」にトライしてきた。
 その成果の一つが、「アバター」なのである。

104_020_x19f_5ca16fa1f337a264621b8a 映画は、VFX技術と3Dが組み合わされることで、さらにリアリティを得る事を実証した。
 例えばパンドラの先住民とアバター、一見特殊メイクの俳優と勘違いしそうだが、これはCGキャラクターである。
 皮膚の質感、表情とくに眼の動きは自然そのもの。「フィージョン・カメラ・システム」と「パーフォーマンス・キャプチャー」技術の成果である。

Wallpaper_04_800x600 上映時間2時間42分、眼鏡を掛けての鑑賞はまだ慣れないので少々疲れたが、作品そのものは圧倒的なスケールと息つくひまもない展開で楽しませてくれた。

 神秘の星「パンドラ」、その幻想的な美しさが眼に焼きついている。
 2Dでも上映されているが、3Dは入場料プラス300円となる。

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January 11, 2010

1451.てやん亭・爆笑寄席

030_2027_640_2  「てやん亭・ 爆笑寄席」の「四代目江戸家猫八襲名披露記念公演」。
 高校の後輩である林家彦いち師匠も出演するので、同窓の仲間たちと応援方々出かけた。

 会場は三軒茶屋の世田谷パブリックシアター。7年前まで
ご近所に住んでいたので、懐かしい場所でもある。

 トップバッターがその彦いち師匠の創作落語「電車」?
 確か10年前のNHK新人演芸コンクールで、大賞を受賞した時のネタ?
 猫八襲名を記念して「物真似」ならぬ、京浜東北線の電車の擬音を。

 続く噺家は柳家花録、古典落語で「かかあ天下」。云わずと知れた五代目柳家小さんの孫。16年前に戦後最年少で真打に昇進した、高座のトップランナーである。

 そして中入り前、特別出演の十代目鈴々舎馬風師匠が登場。お得意の人物声帯模写で「ひばりメロディー」から歌謡ショーを。私と同じ年だが声に艶がある。
 さすが落語協会会長、今回の小猫改め猫八襲名の後見役を担っている。

 昨年の11月以来「江戸家猫八襲名披露興行」が、鈴本演芸場や末広亭で続いてきたが、寄席での「記念口上」は行われなかった。
 そこで今回、「お笑い三人組」で先代の猫八と組んできた三遊亭金馬師匠が親代わりとなって、初の「口上」が行われた。

032_640 緋毛氈の上、金馬師匠と馬風師匠の大きな体に挟まってその名の通り、小猫のように座った猫八。と云っても、もう還暦を迎えた大ベテランである。
 しかし羽織袴の姿が、何となく初々しいのが面白い。

 紙きりの名人、林家正楽が体を左右にふりながら、「羽根つき」「相合傘」を切った後、客席からの注文で「猫八」「松井秀喜」「虎」、最後に子供からの「忍者」の注文に見事応えた。

033_640  最後に猫八の襲名披露公演、いつもの様にスーツに着替えて登場。
 子供の頃覚えた「鶏の鳴き声」からスタート、ユーモアたっぷりの話を交えながら「ものまね」が続く。
 研究熱心な彼、東南アジアの島々で鳥や動物たちをじっくりと観察するなど、鳴きまね探究心は親譲りである。

 祖父の二代目猫八が大変な名人だったそうだが、父親の三代目が家の芸をきっちりと引継ぎ、孫の四代目がそれを披露する。
 「鶯」「蛙」「鈴虫」の鳴きまねが三大芸だそうで、本物の「鶯」より上手いそうだ!
 最後は、鈴虫の鳴き声による「三本締め」を、会場一体となって締めて幕。
 笑いっ放しの150分だった。 

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January 09, 2010

1450.年賀状

 松の内も過ぎたので、年賀状も寒中見舞いに。
 数えてはいないが、今年も500通を超える賀状をいただいた。またメールによる「年賀」も増えてきた。
 賀状は私的な通信だから紹介は控えるが、PRしておきたい数点を例外的に掲載する。

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 同郷の俳優の榎木孝明さんからの賀状。表に「面白い作品になりました」との添え書き。彼が企画し、製作費を集め、主演する映画「半次郎~桐野利秋 風伝~」である。
 監督・五十嵐匠、共演にEXILEのAKIRA、白石美保ほか。音楽はTV「篤姫」を担当した吉俣良、彼もまた鹿児島出身である。
 昨年秋に撮影も終り、現在編集中。9月には公開が予定されている。

 中村半次郎、後の名は桐野利秋。明治維新に力を尽くしたが、下野した西郷に従い陸軍少将の肩書きを捨てた。西南の役にて鹿児島・城山で戦死。
 ブログ1270号('09.04.01)でも紹介したが、情にも厚い薩摩男児だった。

 「貧しさに屈せず、金銭に終着せず、敵・味方の区別なく多くの知己を持ち、若者たちに慕われた剣の達人」を描く・・・・。子供の頃から示現流で鍛えた榎木さんの夢が、ようやく実現した。

 「半次郎」製作委員会では、製作費に当てるための協賛金を募集している。
 詳しくは下記のホームページに。
   http://www.hanjiro-movie.com/

007_640  成城大学名誉教授の上原 和さんからは、昨年暮れに岩波新書から「法隆寺を歩く」を刊行したとの賀状。
 上原さんは東洋美術の碩学、30年ほど前「韓国古代史」のドキュメンタリー取材に同行してもらって以来、交誼が続いている。
 50余年に及ぶ法隆寺研究の集大成とも云うべき案内記、ぜひお薦めしたい。

 出版と云えば、高校時代の友人・藤崎一雄さんも3月に「ビルマの黄昏~私の人生・シャン王妃」(早稲田出版)を刊行するとの賀状。
 元文化放送のプロデューサー、リタイア後はビルマ文化の研究をライフワークにしている。こちらもPRしておく。

 下のスケッチ写真は、東京道産酒の会の仲間・土肥正文さんからの賀状。
 現役のサラリーマンでもある彼が、旅先で描いたスケッチの数々を展示。
 「小さなレストランの小さな展覧会」 今月31日(日)まで。
 会場は神楽坂のレストラン「ピエトロ」(神楽坂6-22)℡3260-2227。
 ランチでもディナーでもとりながら、ご鑑賞を。 

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January 08, 2010

1449.川喜田半泥子展

008_640015_640 「お前百までわしゃいつまでも」
 実業家で陶芸家、書家、俳人、画家でもあった川喜田半泥子、亡くなる2年前の83歳の時の書である。

 禅の教えや茶の湯、古今の文藝にも精通し「昭和の光悦」と呼ばれた川喜田の「すべて展」が、松屋銀座で開催されている。

 伊勢商人の長男として生まれた彼は、銀行頭取などを歴任したあと、自邸に登り窯を築いて作陶に入る。54歳の時である。
 その後、萩焼の三輪休和、志野の荒川豊蔵、備前の金重陶陽、唐津の中里夢庵など一流の陶芸家との交流の中で、実作をもって陶芸界に新風を吹き込んだ。

011_640_3010_640_3013_640_2         
          彼の焼いた茶碗は「破格」と評されている。
 伝統をベースに据えながらも、自由な発想で創意を加え、おおらかで人間味のある作品を数多く生み出した。

009_640_2  また洒脱な書や禅林絵画も多く残している。
 右の書は「波和遊(はわゆう)」。英語の「How are you?」である。ウイットに富んだ解釈に、思わずニヤリとする。

014_640012_640_2  「川喜田半泥子のすべて展」には、茶碗や香合など陶芸を中心に、書画、俳句、若い頃に凝った写真や油絵など、200点が展示されている。

 茶碗、上左から「織部黒・暗香」「すず虫」「高麗手・雅茶子」。下段、赤絵茶碗の「時計草」「花畑」。

 展覧会は、松屋銀座で18日(月)まで。入場料は1000円。   

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January 07, 2010

1448.フォース・カインド

010_640_2 「この映画は、65時間以上に渡る記録映像及び音声の抜粋と、その再現映像とで構成されている。なお、記録映像の一部には、かなり衝撃的な映像が含まれる。」との断りから始まる。

 その記録映像を撮って保管していたアビゲイル・タイラー博士と、ナイジェリア系アメリカ人オラトゥンデ・オスンサンミ監督の出会いが、映画製作のきっかけとなった。

 博士は9年前、アラスカ・ノームに滞在していた心理学者である。
 この町はこれまで多くの住民が行方不明となり、FBIの捜査も度々行われてきた所である。また不眠症の患者が続出して、タイラー博士は催眠療法でその原因を探っていた。
 ところが博士の夫が何者かに殺され、また娘も誘拐される。
 その事も含めた催眠療法の記録が、衝撃的な映像として残っていたという。

334666_100x100_001_2 映画のナビゲーターと、再現映像でのタイラー博士の役をウクライナ出身の女優ミラ・ジョヴォヴィッチが演ずる。
 彼女は、「バイオハザード・シリーズ」のヒロインとして知られるミュージシャンである。

 ただこの映画は「再現ドキュメンタリー」と謳ってはいない。あくまでドキュメンタリー風なエンターティンメント作品なのだが、作品の中に度々登場するタイラー博士の「記録映像を、「事実」と信じるか「やらせ」と疑うかで、映画の評価は違ってくる。

334666_100x100_004_2  作品はホラー映画でもなくSF映画でもない。「超常現象」を追ったものと言えよう。
 人間が体験する現象のうちで、幻覚など心理的説明以外に通常の物理学では説明のつかないような現象を追っているのだ。

 映画を楽しむにはもうひとつ、古代史についての若干の薀蓄が必要だ。それは紀元前3500年ころ中近東に突如現れたシュメール人の事である。
 彼等は、ここに都市王朝を築いた。いわゆるメソポタミア文明である。シュメール語を話し絵文字を書いた。
 しかし前2000年頃、彼等は絵文字のみ残して、言葉とともに消えた。

 そのシュメール語が、博士の記録映像の中に音声として残っていたのだ。それは多分地球外生命体の言葉だったのではと、博士は分析する。
 それを信じるかどうかは、貴方次第と映画は迫る。 

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January 06, 2010

1447.ヴィクトリア朝の栄光

018_640  18年前に東京や京都、福岡・神戸の博物館で、「ヴィクトリア朝の栄光~繁栄の時代の英国の生活文化」と題する展覧会が開催された。

 005_640 これは、ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート美術館(V&Aミュージアム)が所蔵する、絵画や装飾品、陶磁器やガラスなどの工芸品を展示したもので、その後も4回にわたってテーマ毎の展示が全国を巡回した。

 この展覧会には、私も主催者の一人として企画の段階から関わってきたが、映画「ヴィクトリア女王」を観て思い出し、当時の資料を引っ張り出してみた。

006_640  観客の注目を集めた逸品は、「ヴィクトリア・アンド・アルバート王室一等勲章」。
 オニックスに彫られたカメオ肖像で、2人が重なって描かれており、女王が生涯を通して愛し続けた夫君を偲ぶ献げ物だった。

017_640_2   また右の花瓶は、1851年のロンドン大博覧会に出品された陶芸品のひとつで、イギリスの手工業生産者のレベルを象徴している。

019_640 展覧会には、このほか前号で紹介した王室一家の絵画や金属細工品、左の写真のようなテント・ステッチで毛や絹、ガラスのビーズ玉を刺繍した「ベルリン刺繍」など、およそ100点が展示された。

010_640 興味深かったのは、左の吉祥文が染め付けられた磁器の「重箱」。
 この四段重ねの重箱は、14代将軍徳川家茂がヴィクトリア女王に献上した品で、女王はこれを含め21点の陶磁器を、V&A美術館に寄贈している。
 その大部分が、染付けされた日本の磁器だった。

013_640    
 V&A美術館は大英博物館と並ぶ、有名な応用芸術・装飾芸術のミュージアムで150万点以上の収集品が収容されている。

014_640  美術館は、1851年ロンドン・クリスタルパレス(右の絵)で開催された大博覧会の収益で設立されたもので、主催者だったヴィクトリア女王とプロデューサーだった2人の名を冠した。(左の絵は「博覧会開会式」)
 それは、イギリスの手工業生産の標準となるデザインを浸透させる事と、労働者階級にも芸術作品に近づいてもらうためだった。

 そして現在、ここはイギリスの栄光の時代を記憶する場所として、サウス・ケンジントンの佇まいの中にある。

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January 05, 2010

1446.実録・ヴィクトリア女王

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009_640  上の絵は、王室画家ウインター・ハルターが1846年に描いたヴィクトリア女王一家の絵である。
 左はオズボーン・ハウスの「海の家」のテラスで撮ったロイヤル・ファミリーの写真、ヴィクトリア&アルバート美術館蔵。

 肖像画は、左から女児の服を着た次男アルフレッド、長男エドワード、女王、アルバート、侍女アリス、三女ヘレナ、長女ヴィクトリア。

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 1837年6月20日伯父であるウイリアム4世が逝去、ヴィクトリアは王位を継承した。
 映画でも描かれるが、母親のケント公未亡人とその愛人の「摂政制」移行の策謀を拒否、18歳の若さでクイーンとなった。

 恋人で同年の従兄、ザクセン・コバーグ・ザールフェルド公爵の次男アルバートと結婚したのは、2年後の1839年である。

 この時彼女は、日記にこう記した。
 「これほど素晴らしい夫に恵まれ、どう感謝すればいいのだろう。これまでただの一度も耳にした事がなかった優しい呼び名をささやかれて、私は天にも昇るような歓喜にひたりきっている」(石井美樹子著「イギリスの王室」)。

 1856年、アルバート王子が腸チブスで亡くなるまでの17年間に、2人は4男5女をもうけた。
 長女のヴィクトリアは、ドイツ皇帝フリードリッヒ3世の妃に。次女アリスは、ヘッセン大公ルートヴィヒ4世の妃。3女ヘレナは、ホルスタイン公クリスティアンの妃。5女ベアトリスは、バッテベルグ公ハインリヒの妃となり、1944年87歳で亡くなっている。

015_2  写真は長男エドワード7世。1901年、82歳で亡くなった女王の跡を継いだが、在位期間はわずか9年だった。
 酒と女と賭博にうつつをぬかしていた長男に、女王は頭を痛めていた。賢すぎる母親に対する反動だったのだろう。
 彼の愛妾ケッペル夫人の曾孫は、現皇太子の愛人カミラ。チャールズ皇太子は、エドワードの曾孫エリザベス女王の子。因縁である。

 次男エディンバラ公。三男アーサーコノート公。四男レオポルドオールバニ公。
 ヴィクトリアとアルバートの孫は40人、曾孫37人。

 ヨーロッパ各国の王室は、イギリスの財と権力の庇護を求めて、妃や王としての婚姻関係を結んだ。
 ヴィクトリア女王は、まさにヨーロッパ王室のゴッドマザーとなったのだが、彼女の体内に流れていた血友病の遺伝子が、いくつかの王室の後継者を途絶えさせる原因ともなった。

 映画では、夫婦によるイギリスの共同統治、未亡人となった後の女王のについては簡単に字幕で紹介している。
 ただ、アルバート公がプロデュースした世界初の「大博覧会」(1851年)は、産業革命後のイギリスにとって大きな意味を持つ。
 次号は、それに関する薀蓄を述べたい。 

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January 04, 2010

1445.ヴィクトリア女王

011_640 今年最初の映画鑑賞は「ヴィクトリア女王~世紀の愛」。
 イギリス歴代君主のなかでは「64年の君臨」という最長の在位記録を持ち、ヴィクトリア王朝を築いたクイーンである。

 その王朝時代、イギリスは世界の7つの海を支配し、「太陽の沈まぬ国」と呼ばれた。
 スコットランド・ウエールズはもちろん、インド帝国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ジャマイカ・ホンジュラス・トリニダード・ギアナなどの中南米、ガンブア・シェラレオネ・ラゴス・ケープなどのアフリカ、シンガポール・マラッカ・ペナン・香港のアジアと、女王の権威は拡がった。

335087view003  「ヴィクトリア女王~世紀の愛」は、原題「The Young Victoria」が示す通り、イギリスを最強の国家に導いた若き王女と、ザールフェルド公爵次男アルバートとの愛の物語である。

 映画を企画・製作したのは、マーティン・スコッセッシ。古くは「タクシー・ドライバー」('76)でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、最近作「ディパーテッド」('06)ではアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞した巨匠である。
 今回は、カナダ出身の映像作家ジャン=マルク・ヴァレを監督に起用、自らは製作にまわった。

335087_100x100_002335087view004  出演者には、イギリスの若手スターを配した。
 主人公ヴィクトリア女王には、エミリー・ブラント(「プラダを着た悪魔」'06)。今年26歳の彼女は18歳から20代前半の若きクイーンを演じて、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞を受賞している。
 女王の母方の従弟にあたるドイツ貴族アルバートは、ルパート・フレンド(「プライドと偏見」'05)。

 他、先代のウイリアム4世、女王の伯父がジム・ブロードベント(「ハリーポッターと謎のプリンス」'07)。母親のケント公未亡人は、ミランダ・リチャードソン(「オペラ座の怪人」'04)。貴族で政治家、女王の相談相手をポール・ベタニー(「ダ・ヴィンチコード」'07)と、イギリスのベテラン俳優で固めた。

335087view006_3  またアメリカ・イギリスの合作作品だが、撮影はすべてイングランドで行った。プレナム宮殿、ハンプトン・コート宮殿、アランデル城、リンカーン大聖堂、ランカスター・ハウスなど、ヴクトリア王朝時代の建造物が美しい。
335087view005  さらに戴冠式の宝石などはスワロフスキーの貯蔵庫から、衣裳は2度のオスカーに輝いたサンディ・パウエルが時代考証のもと、手がけた。

 スコッセッシは、これまで権力を持つ未亡人クイーンとして映画に描かれてきたヴクトリアではなく、ダンスと音楽と文学を好み、イケメンの王子に一目惚れしたロマンチックな若い女性を観客に見せたかった、という。

 ヴイクトリア女王の日記から。
 「アルバートはとてもハンサムだ。髪の色は私の髪の色と同じく鳶色。眼は青くて大きい。美しい鼻、並びのよい歯、甘い唇をしている。もっとも魅力的なのは顔の表情だ、本当に素敵な表情を見せる」(石井美樹子著「イギリスの王室」)。

 次号は、「実録・ヴイクトリア女王」を綴る。 

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January 02, 2010

1444.初詣

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100101_005_640100101_009_640_2100101_010_640 毎年恒例となった界隈の初詣、朝9時に出発、まずは江戸最大の「深川の八幡さま」
 晴海運河を相生橋で渡って、自転車で10分、江東区に入る。
 寒さが厳しいせいか、参詣者の出足は鈍い。

100101_016_640100101_018_640  隣が「深川のお不動さん」
 成田山新勝寺の別院で、ご本尊はもちろん不動明王で、商売繁盛・交通安全を願う人たちで、結構混雑していた。
 1703(元禄元)年、六代将軍綱吉の母・桂昌院が成田まで出かけるのが億劫になり、寺の方が江戸に「出張所」を設けたのが始まりという。

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100101_027_640100101_024_640100101_026_640   隅田川を永代橋で渡って中央区に戻る。
 まず平岩弓枝の「御宿かわせみ」にも度々登場する「鉄砲洲のお稲荷さん」。
 銀座界隈の人たちも氏子で、歌舞伎座に神輿が渡る。
 神社の奥にある浅間神社は、ミニチュアの富士山の前に鎮座。富士講の皆さんは、ここにお参りして、富士山に登った事にする。

100101_031_640_2100101_034_640_2100101_029_640_2   明石町に入ると「カトリック築地教会」がある。ミサにちょっと参加したが、なかなか荘厳だった。
 東京では最も古い教会で、1874(明治7)年、ここ築地外国人居留地に聖堂が建てられた。

 すぐ近くにあるのは「聖路加病院」。アメリカ聖公会の牧師が開いた病院で、院内に礼拝堂があるが、遠くから黙礼。この地は、播州赤穂の浅野家上屋敷跡。浅野内匠守の切腹後、幕府に没収された。

100101_037_640_4100101_042_640_3  聖路加から2~3分で「築地の本願寺」。菩提寺ではないが、親兄弟の法事はここにお願いしている。
 振袖火事で浅草から移って352年、本堂は古代インド仏教様式の石造り、堂内は桃山様式の木造りである。
 およそ30分読経を聞いて退出した。

100101_044_640100101_045_640 100101_048_640_3  本願寺門跡通りを抜けて「波除稲荷神社」へ。
 魚河岸に通うたびにお参りしている神社である。
 静かな正月、河岸の関係者たちがお祓いを受けていた。

100101_051_640100101_059_640  勝どき橋を渡って月島・佃島に戻る。
 もんじゃ通りのビルの中にある「月島観音」。信州善光寺別院本誓殿で観世音菩薩が本尊、節分会の豆撒きは、西仲通りが子供達の歓声につつまれる。

 ゴールは例年通り、「佃の住吉さん」。7年前から私達も氏子に加わり、昨年は千貫神輿を担いだ。
 八角神輿で有名な宮御輿も、作られて170年も経った。だいぶ痛んできたので新しい神輿を造る事になった。費用は3500万かかるという。一口10万円の寄付で賄うそうだ。
 来年の佃の祭りには、新しい神輿が登場する。

 今年の初詣は、例年より2~3箇所増やして2時間コース。
 文字通りの神仏混合、東洋・西洋融合のひと時だった。

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January 01, 2010

1443.謹賀新年

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 2010年1月1月午前7時。大雪の日本海側の皆さんには申し訳ないが、東京の元日は雲ひとつない冬晴れ。富士山もくっきりと、ビルの間から望める。
 これから初詣。報告は次号で。今年も「かせだピロジェクト」をよろしく。

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