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September 01, 2010

1632.瞳の奥の秘密

014_640 今年のアカデミー賞で、最優秀外国語映画賞を受賞した作品。前評判も高かったのだが、都内では1館だけでしか上映されていない。
 8月半ばに公開され、一度足を運んだのだが大行列で諦めた映画だった。

337041_100x100_005337041_100x100_010   日本では上映される機会の少ないアルゼンチン映画。
 アルゼンチン・アカデミー賞でも主演男優・女優賞を受賞した二人の主役、リカルド・ダリンとソレダ・ビジャミルも初めて見る俳優なのだ。

337041_100x100_004  25年前の未解決事件を題材に、小説を書き始めた元刑事裁判所書記官(リカルド・ダリン)。
 政治的な背景によって葬られた事件を改めて調べていくうちに、封印してきた上司の検事補(ソレダ・ビジャミル)への愛が甦る。

 過去と現代を巧みに交差させながら、サスペンスとロマンスを描いたのは、アルゼンチンを代表する監督ファン・J・カンパネラ。
 原作者エドゥアルド・サチェルと、共同で脚本も書いた。

 作品を理解するためには、舞台となった1970年代アルゼンチンの政治状況を知る事が必要となる。
 70年代はじめペロン大統領が急逝、権力を引き継いだのが夫人のイサベルだったが、指導力の弱さが仇となって数年後には軍事クーデターで職を追われる。
 その後の軍事政権はペロン派の労働者や若者を弾圧、3万人が殺されたという。

337041_100x100_006  ハビエル・ゴディーノ(スペインの俳優「彼が2度愛したS」'08)が扮する容疑者が、軍事政権側のテロリストだったという経緯。
 彼に若妻を暴行されて殺された夫(パブロ・ラゴ)が、警察を頼らず自ら事件を裁こうとする背景が、そうした政治状況だった。

 「瞳の奥の秘密」は、上手いタイトルである。
 書記官たちが犯人を割り出したのは「写真に写っていた瞳」だったし、白状させたのも「異常な瞳」だった。
 愛した女性の「瞳の奥」を、なぜ理解出来なかったのか。犯人を追い続ける夫の「瞳の奥」に見えた秘密は何だったのか。
 映画は、衝撃的なラストを迎える。

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