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September 16, 2010

1645.セラフィーヌの庭

010_640 フランスのアカデミー賞といわれるセザール賞で、作品賞・主演女優賞など主要7部門を受賞した作品。
 フランスだけでなくアメリカやエジプトの映画祭などでも、主演女優賞を受賞している。

 20世紀初頭、フランスでも知られるようになった実在の女性画家セラフィーヌ・ルイの貧しくともピュアな人生。
 第1次世界大戦・世界大恐慌という激動の時代を背景にして、壮大に描いた伝記映画である。

 貧しい家政婦生活の中で、守護天使の啓示を受けて絵を描き始めた41歳のセラフィーヌ。
012  森の草木や花々に語りかけ、自ら工夫して作った絵の具を使って黙々と絵筆を執る。

011_640 そのヒロインを演じているのが、ヨランド・モロー。 監督・脚本家としても知られ、「アメリ」('01)「パリ、ジュテーム」('06)などに出演したフランスきっての実力派女優である。

 アンリ・ルソーやルイ・ヴィヴァンなど「素朴派」の画家たちを発掘し、ピカソを世に広めたドイツ人画商ウーデは、「善き人のためのソナタ」('06)「アイガー北壁」('10)のウルリッヒ・トゥクール。
 セラフィーヌが家政婦をしている館で彼女の非才の腕を知り、パトロンとなった画商の役である。

 監督のマルタン・プロヴォストが、「彼女はセラフィーヌの化身となった」と評するように、モローの演技は素晴らしい。
 パリ郊外のサンリス、その美しい自然と田舎の生活。底辺に生きながらも、おおらかで天衣無縫のヒロイン像を、見事に演じきる。

013 素朴派とは、20世紀初頭にかけて硬直したアカデミックな絵画への反発から評価された絵画。
 プロの画家と言うよりアマチュア、とくに美術教育を受けずに描いた絵画の一群をさす。
 その素朴さと力強さが特徴で、日本では山下清の絵がそう呼ばれている。

 セラフィーヌは、世界大恐慌後の不景気で絵が売れなくなったショックもあって、精神に異常をきたし療養病院で亡くなる。
 絵を描き始めてから37年、78歳という年齢だった。

 彼女の作品は、日本でも「アンリ・ルソーと素朴派の画家達展」などでたびたび紹介されている。

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