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May 30, 2011

1814.わたしを離さないで

001_640  「映画史上かって描かれた事の無い<秘密>。謎めいた寄宿施設で育てられた3人の若者たち。複雑に絡み合う絆で結ばれた彼らがたどる、あらゆる衝撃をも超越した痛切な運命とは?儚くもエモーショナルなラブ・ストーリー。」('10TIFFのパンフより)

337671_100x100_008 昨秋の東京国際映画祭のアジアン・プレミアとしてコンペティションに出品された作品。
 そのおり鑑賞したが改めて劇場に足を運んだ。

 映画化された「日の残り」でイギリスのブッカー賞を受賞('89)した、カズオ・イシグロの同名小説が原作。その衝撃的な世界観と、儚すぎる青春の残酷さと切なさでベストセラーとなった。
 映画化にあたり、彼も製作総指揮を執った。

337671_100x100_007  臓器移植のドナーとなる運命を背負わされた「クローン人間」が主人公。
 在り得ないSFの世界を設定する事で、「限られた生をいかに生きるべきか」「あらゆる人間が死を待つ存在である事」を作品は描く。

 それは単に「臓器売買」を告発する社会派映画でもなく、不条理の世界から脱出を図る娯楽映画でもない。
 まさに人間の尊厳を問う映画である。

337671_100x100_001_2  主人公たちは、今が旬の20代の俳優たち。

 「17歳の肖像」('09)でアカデミー賞にノミネイトされたキャリー・マリガン、「プライドと偏見」('05)で同じくノミネイトされたキーラ・ナイトレイのイギリス女優たち。
 「ソーシャル・ネットワーク」('10)にも出演したアメリカの若手アンドリュー・ガーフィールドの3人。
  彼等を寄宿施設で育てた校長に、シャーロット・ランプリング(「スイミング・プール」'03)も顔をみせる。
 監督は、ミュージック・ビデオクリップのディレクターとして有名なアメリカのマーク・ロマネクが務めた。

337671_100x100_002  切ない運命の世界が描かれるだけに、アダム・キンメルのカメラは詩情豊かだ。イギリスの田園風景や寂しい浜辺の光景が、心を揺さぶる。

 イギリスの作家カズオ・イシグロは、「『わたしを離さない』は、イギリスの俳優たちが演じた『日本映画』だ。」と来日時の記者会見で語った。

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May 29, 2011

1813.台風2号

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 台風2号は、四国沖で温帯低気圧にかわりました。
 今後の風はどうでしょうか。

 今年日除けのために植えた「ゴーヤ」は、順調に成長しています。
 実りの方はどうでしょうか。 

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May 28, 2011

1812.ひとまく映画会

   歌舞伎座で最後の一幕を楽しんできた「ひとまく会」。歌舞伎の方は休会中だが、趣味の集まりはいろいろと催されている。
 先日は、築地で催された「古典映画鑑賞会」。2ヶ月ぶりに顔を出した。

Untitled_640_2  最初に上映されたのは「ワーロック」。「折れた槍」('54)「ケイン号の叛乱」('54)で知られるエドワード・ドミトリクが監督した1959年の作品。

 無法者のカーボーイたちに悩まされている町「ワーロック」に招かれた凄腕の用心棒(ヘンリー・フォンダ)、流れ者の保安官である。
 彼のコンビは賭博師(アンソニー・クイン)。カーボーイから足を洗った保安官補(リチャード・ウイドマーク)と、3人が絡む社会派ウエスタンである。

Imagesca1o6o9i_640  2本目は、ベルリン国際映画祭で観客賞を受賞した「空中ぶらんこ」。「落ちた偶像」('56)「第三の男」('49)のキャロル・リードが監督した1956年の作品。

 パリのサーカス団を舞台に、空中ぶらんこ乗りの3人組の三角関係を描いたラブ・ロマンス。
 怪我で一度引退した芸人(バート・ランカスター)に弟子入りした若手(トニー・カーティス)、二人に愛されるのがアクロバット芸人(ジーナ・ロロブリジータ)。
 下からカメラが撮らえる「空中ぶらんこ」が見ものだった。

 ストーリーは、これまでテレビで何回も放送されているので省くが、それぞれの三大スターが出演した思い出の映画を数点並べてみよう。

Ongoldenpond1_2  亡くなる前年の作品「黄昏」('81)で、アカデミー賞主演男優賞を受賞したヘンリー・フォンダ(1905~1982)はネブラカス出身のイタリア系。
 「十二人の怒れる男」('57)が最も好きな作品。彼を始めて見たのが「怒りの葡萄」('40)、ほかに「荒野の決闘」('47)を思い出す。

Image_2  アメリカ・ミネソタ生まれのリチャード・ウイドマーク(1914~2008)は、初出演の「死の接吻」('47)でいきなりアカデミー賞にノミネイト。
 「折れた槍」('56)「アラモ」('60)「シャイアン」('64)と、彼の登場する西部劇が好きだ。
 長生きしただけに、出演作品も多い。

Image_3  アイルランド出身の父親、メキシコ先住民の母親の間に生まれたアンソニー・クイン(1915~1901)。
 その風貌から独特の役を演じ、「革命児サバタ」('52)「炎の人ゴッホ」('56)で2回オスカーを手にしている。
 最も印象に残っているのは「道」('54)、そのシーンは眼に焼きついている。
 「ナバロンの要塞」('61)は、その後テレビで何回も楽しんだ作品。

P_13750_02_02_03  バート・ランカスター(1913~1994)は、何といっても「地上より永遠に」('53)だろう。デボラ・カーとの情熱的なラブシーンは、忘れられない。
 ニューヨークの貧しい家庭に生まれ、アクロバット芸人などを経て映画界に入った苦労人。
 「エルマー・ガントリー」('60)でオスカー、「終身犯」('62)でヴェネチア国際映画祭男優賞、今日見た「空中ぶらんこ」でベルリン国際映画祭男優賞。
 イタリアを舞台にした「山猫」('63)も、忘れがたい作品。

Imageca5e7oq1_2   トニー・カーティス(1925~2010)、ハンガリー系ユダヤ人。「手錠のままの脱獄」('58)でアカデミー賞にノミネイトされたが、映画賞には縁がない。
 「お熱いのがお好き」('59)「スパルタカス」('60)「隊長ブーリバ」('62)などを思い出すが、ラブコメディからアクションまでその芸域は幅広い。

300pxivo_lollobrigida_sw  わが青春の大スター6人の中で、今回の女優はジーナ・ロロブリジータ(1927~)だけ。そしてまだ健在である。
 イタリア出身の彼女の作品は「花咲ける騎士道」('52)「ノートルダムのせむし男」('56)「波止場」('63)「わらの女」('64)と学生時代に見た映画が、次々に浮ぶ。
 アカデミー賞とは縁がなかったが、ゴールデングローブ賞で「世界で最もすかれた女優」賞を受賞('61)している。
 また外国人の女性としては珍しく、フランスのレジオンドヌール勲章の受章者である。

 「ひとまく映画会」、次回はどんな名優の作品が登場するだろうか、楽しみである。

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May 26, 2011

1811.観世能

Image_12205227148  東大観世会のOBで現在も能楽を演じている友人から、渋谷の観世能楽堂に招かれた。

 鑑賞したのは、能楽のなかでもポピュラーな演目「経正」と「羽衣」。と言っても全編を鑑賞したのは、初めてだった。

 「経正」は、平家物語にも登場する平経正の霊が主人公(シテ)、清盛の甥である。
 舞台は御室御所・仁和寺、ここでは一の谷で討ち死にした琵琶の名手・経正の法要が行われていた。
 仏前には愛用の琵琶「青山(せいざん)」が供えられ、僧(ワキ)が管弦講を催していた。

Knd_tnmsa  そこに現れたのが経正の霊。「風枯木を吹けば晴天の雨。月平沙を照らせば夏の夜の。霜の起居も安らかで・・・・」と白楽天の詩を詠う。
  そして愛用の「青山」。第一の弦は木々を吹き抜ける風、第二の弦は秋の風が松を払い落とし、第三第四は冷ややかにして夜鶴が子を思って鳴く様に奏でられる。
 「諸行無常の響き」が、舞台を流れていく。

 「羽衣」は、日本各地に残る羽衣伝説をもとにした能。
 昔話は、羽衣を盗まれた天女は天に戻れず漁師の妻になるのがほとんどだが、能の場合だけが優しい漁師(ワキ)によって羽衣は返される。
 そのお礼として天女(シテ)が舞い謡うのが、この能の見どころ。

Knd_hgm  羽衣を身につけた天女は、月にあるという美しい宮殿の様子を謡い、自分も宮殿に仕える天女のひとりであると語る。
 そして春霞のたなびき、花が色めく三保の松原の景色を愛でて舞い、数々の宝を降らせ、富士の高嶺を越えて消えていく。

 今回の「羽衣」は、序之舞と破之舞をひとつにした「和合の舞」という演出だそうだ。

 能楽鑑賞の後は近くの居酒屋に席を移し、恒例の「能楽講座」。以下、講師の友人の解説を要約する。

Image  プロの能楽師の世界は、専門職能集団にはっきりと分かれており、互いの交流は無い。

 観世・宝生・金剛などいわゆる能五流は、「シテ方」の流派。いわゆる舞台の主役で、神や鬼、女性、老人、亡霊として能面をつけて夢幻の世界を演ずる。
 また物語を進行させる地謡は、シテ方だけが務める。

 「ワキ方」は高安流など四派があるが、現実の世界の男性の役だけに扮する。「経正」では僧、「羽衣」では漁師だった。

 あと「囃子方」と「狂言方」がある。
 囃子方は大鼓・小鼓・笛・太鼓の演奏、狂言方は能と能の間の時間つなぎの役。

 狂言の方は最近独立して公演する機会も多く後継者や弟子入りが多いが、「囃子方」「ワキ方」は人材不足だそうだ。
 昭和の頃までは、観世や宝生などそれぞれに専属の囃子方がいたが、現在は持ち回り。流派による微妙な音曲の違いを奏しなければならない。

 もっとも人材不足なのは、ワキ方。例えば、シテ方観世は600人に近い能楽師を抱えているが、ワキ方高安は20人弱。
 国立能楽堂が一般から募集して養成しているが、希望者は少ないと言う。最後まで「脇役」だから。

 室町時代、観阿弥・世阿弥に始まった「能楽」。無形世界遺産に指定された現在、大きな曲がり角にあるという。 

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May 24, 2011

1810.アンノウン

Photo 「シンドラーのリスト」('93)でアカデミー賞にノミネイトされたリーアム・ニーソンが主役のサスペンス・アクション映画。
 娘を救うためパリを駆け巡った「96時間」('08)以上に、59歳の肉体を駆使する。

339107_100x100_008  予告編は別の邦題でPRされていたが、大震災の犠牲者に配慮してか原題「アンノウン」に戻った。
 つまり「世に知られない人」である。

 異郷の地ベルリンに到着した直後の交通事故で、4日間昏睡状況に陥ったアメリカの生物学者が主人公。
 目覚めると、妻さえも「自分」を知らないという。妻に寄りそう見知らぬ男は「自分」を名乗る。

198823_160008437388205_159808154074  パスポートもIDカードも空港に置き忘れたカバンの中。私が私である事を証明するには、どうすればよいのか・・・・・。
 これが映画のポイントとなる。

 原作は、フランスの作家ディディエ・ヴァン・コーヴァラール。「自分が何者であるかを決めるのは、誰なのか。あるいは何なのか」とストーリーを展開する。
 この話にのったのが、「マトリックス・シリーズ」のプロデューサージョエル・シルバーで、スペイン出身のジャウマ・コレット=セラ(「エスター」'09)を監督に起用した。

339107_100x100_012339107_100x100_001   共演は事故ったタクシーの女性運転手に、ドイツの女優ダイアン・クルーガー(「イングロリアス・バスターズ」'09)。
 愛妻にジャニュアリー・ジョーンズ(パイレーツ・ロック」'09)。

339107_100x100_010  脇役だがベテラン俳優二人が登場する。
 元東ドイツの諜報員に、「ヒットラー最後の12日間」('04)でヒットラーに扮したドイツの俳優ブルーノ・ガンツ。
 主人公の研究所上司に、「フロスト×ニクソン」('08)のニクソン役フランク・ランジェラ。

 ロケは、極寒のベルリンで全て行われた。
 主要舞台は、ブランデルブルグ門に近い名門の5つ星「ホテル・アドオン」。ほかに新国立博物館やテクノ音楽の発祥地「クラブ・トレゾア」や、東西を隔てた壁が破られた後東地区に出来たソニーのメディアセンターなど、今日のベルリンが次々と登場する。

 派手なカーチェイスや殺し屋との戦いなど、前半のサスペンスから後半はアクションへ。ドンデン返しのラストで、観客を楽しませてくれる。 

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May 22, 2011

1809.被災地支援フェアーin築地

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 日ごろ静かな日曜日の築地場内市場、今日は多くの人で賑わった。

「買って食べて、応援しよう!」の呼び掛けで 、(社)築地市場協会と東京都中央卸売市場が共催で開いた「被災地支援・風評被害撲滅フェアー」 である。

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 荷捌き所では、被災産地や風評被害を受けている漁師や農家の人たちのナマの声を聞こうと、セミナーも開かれている。

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 テレビ局は全チャンエルが取材に来ていたが、都内の議員さんたちも産地の話を熱心に聴いていた。

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 岩手・宮城・福島など被災地から出荷された野菜は、市場青果部が通常の卸売り価格で買取り、そのままの値段で販売する。
 売上げは全て被災地へのチャリティーである。

 ヒラメ・イワシ・シラス干し・干物・カブ・ブロッコリー・キュウリと「風評被害地」の産物を袋いっぱい買い込んだ。
 このフェアー、残念ながら午後1時で終わる。

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May 20, 2011

1808.トゥルー・グリット

App_full_proxy 「トゥルー・グリット」、ひたむきで確固たる真の勇気はアメリカン・スピリットの根幹だという。
Book  ジャーナリストで「ヘラルド・トリビューン」のロンドン支局長だったチャールズ・ボーティスが、1968年に書いた同名小説はそれを3人の登場人物に託した。

 世界中で読まれ、アメリカでは教科書にも度々登場するこの物語は、翌年「勇気ある追跡」のタイトルで映画化された。
 主演で老保安官に扮したジョン・ウエィンは、この作品でようやくオスカー俳優になれたとのエピソードを残す。

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 今回公開された映画は、奇才コーエン兄弟が監督した作品。「前作のリメイク版ではなく、原作を忠実に映画化した」と二人は強調する。
 アカデミー賞受賞作「ノーカントリー」に続く、追跡西部劇である。

 牧場主の父親を殺して逃げた雇い人を、その娘がアル中の老連邦保安官や若いテキサス・レンジャーの助けを借りて追う「仇討ち物語」。
 前作が老保安官を中心に描いたのに対し、今回は娘が主人公である。
 勝気で賢く健気だが幼い一面を持つ少女が、「トゥルー・グリット」に目覚める切ないロードムビーなのだ。

338090_100x100_003_3  その少女役に抜擢されたのが、13歳のヘイリー・スタインフェルド。1万5千人の応募者の中から選ばれた新人女優は、仇討ちに燃える芯の強い少女を演じて、今年のオスカーにノミネイトされるなど脚光を浴びた。

Truegrit_wallpaper5_lg  ジョン・ウエィンの役は「クレージー・ハート」('09)のオスカー俳優ジェフ・ブリッジス。複雑な過去を背負う老保安官を、魅力的に演じている。
 そしてもう1人、テキサス・レンジャーは「インビクタス/負けざる者たち」('09)のマット・デイモン。「グッド・ウイル・ハンティング」('97)でアカデミー賞脚本賞も受賞しているマルチ映画人である。

Truegrit_wallpaper6_lg  敵役にもベテラン俳優を配しているのも、コーエン兄弟らしい。
 ヒロインに殺される雇い人は、「ブッシュ」('08)でブッシュ大統領を演じたジョシュ・ブローリン。お尋ね者のボスがバリー・ペッパー(「父親たちの星条旗」'06)と、コーエン一家が顔を並べる。

338090_100x100_002  コーエン兄弟にとっては珍しい素材だが、その昔インディアンを討ちまくった白人至上主義の西部劇とは一線を隔している。
 見せ所の銃撃戦もあるが、残酷さと皮肉たっぷりのシーンも加えて、ラストは深い余韻を残す。

 3月半ばから公開されていたが、最近近くの映画館で上映が始まりようやく見る事ができた。
 受賞はしなかったが、「作品賞」「監督賞」「撮影賞」など今年のアカデミー賞では10部門にノミネイトされた作品である。 

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May 18, 2011

1807.五月大歌舞伎

Shinbashi201105b  友人から新橋演舞場の招待券を貰ったので、今月も歌舞伎鑑賞の機会を得た。
 「五月大歌舞伎」夜の部は、純歌舞伎・世話物の代表作のひとつ「籠釣瓶花街酔醒」と、舞踊「あやめ浴衣」の2演目。

 「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」は、純歌舞伎といっても明治時代に入ってからの作品。
 河竹黙阿弥の弟子、三世河竹新七が初代市川左團次のために書き下ろし、1888(明治21)年、東京千歳座で初演された(千歳座は現在の明治座)。

 痘痕面の上州の絹商人が、吉原の花魁に惚れぬいて身請けしようとするが、間夫らの策略で花魁から愛想づかしされ、ついに妖刀村正で切り殺してしまうという「縁切り物」。
 原作となったのは講談「吉原百人斬り」、実際にあった事件で「籠釣瓶」とはその妖刀の名である。

 室町時代の刀工・村正が鍛えた刀が、徳川家康の祖父の不慮の死に関わったため、江戸時代は村正の銘はタブー。
 歌舞伎自体もその影響があって、明治にようやく登場した次第という。

 左團次が主役を演じた頃は、全八幕一六場という大作だったが、その後は後半三幕だけの「籠釣瓶」として代々上演されてきた。

 大正から昭和にかけて、この演目で頭角を現したのが六代目中村歌右衛門(1917~2001)。花魁・八ッ橋を演じて不世出の女形と哀惜された。

 田舎の絹商人・佐野次郎左衛門の役は、初代中村吉右衛門やその弟・十七代中村勘三郎が当たり役。
11_2   1979(昭和54)年この役を二代目吉右衛門が、歌右衛門の八ッ橋を相手に初演して評判をとる。
 以後、吉右衛門の持役として現在まで続いている。

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  新橋演舞場での今回の舞台も、もちろん次郎左衛門役は吉右衛門。5年ぶり11回目の出演だそうだ。
 そして相手役の八ッ橋は、若い頃六代目の指導を受けた歌右衛門家の女形・福助が演じた。

 今回の話題は、明治の初演以来上演が途絶えていた前半の舞台を復活させた事である。
 そのため六幕2時間30分という大作となったが、「なぜ次郎左衛門が『痘痕面』になってしまったのか」「商人である彼の手元になぜ『籠釣瓶』があったのか」、親の因果と妖刀村正についての歴史が明らかにされる。
 ただその部分は、説明的でドラマチックではない。だからこれまでカットされてきたのだろう。

 しかし何といっても見どころは、次郎左衛門が八ッ橋に魂を奪われた「仲之町の見染め」の花魁道中と、後半の「愛想づかし」の場面である。

 「花魁、そりゃァちとそでなかろうぜ・・・・。夜毎に変わる枕の数、浮川竹の勤めの身では、きのうにまさるきょうの花。心変わりがしたかは知らねど・・・・・・・身請けの事を取り決め様と・・・・・菊見がてらに廓の露、濡れてみたさに来てみれば、案に相違の愛想づかし・・・・」と吉右衛門のうらめしさ。

11_002  出演は、他に梅玉、魁春、秀太郎、芝雀、東蔵、歌昇、段四郎、錦之助、歌六、高麗蔵、弥十郎、松江など「播磨屋」「成駒屋」「萬屋」「加賀屋」一門が中心。

 舞踊「あやめ浴衣」は、初夏の水郷「潮来」や「堀切」「綾瀬」の様子を、長唄囃子にのって中村芝雀、中村錦之助、中村歌昇が華麗に舞う15分。
 その昔、浴衣のPRのための舞踊だったそうだ。

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May 16, 2011

1806.四月の涙

11_640  ノルウエーやスエーデンなど北欧諸国の中で、フインランドだけはまだ足を踏み入れてはいない。「サンタの国」「ムーミンの国」、携帯電話「ノキア」を売り出した国、その程度の情報しか持っていないしフインランド映画を見るのは初めてである。

 映画の舞台となったのは、20世紀初めの「フィンランド内戦」。
 1917年のロシア革命が周辺諸国にも大きな影響を与えた事は知っていたが、フィンランドで民族同士が互いに血を流し合った悲惨な事実は、この作品で始めて知った。

338862_01_03_03  1918年1月に勃発した右派白衛軍と左派赤衛軍との内戦、4ヶ月たったいま白衛軍の勝利は間近で赤衛軍は敗走し続けていた。
 捕虜となった赤衛軍女性兵士達は、レイプされたうえ虐殺された。
 女性兵のリーダーであるヒロインは辛うじて生き延びるが、白衛軍の准士官に捕まり裁判所へ連行される・・・・・。

 作品は、純真な准士官と凌辱に遭いながらも信念を捨てない女性兵士、冷酷で屈折したインテリ裁判官の、許せざる愛と残酷なまでに哀しい運命が、美しいフィンランドノの自然の中で描かれる。

11_002_211_001_2  作品の原作者レーナ・ランデル、監督のアク・ロウヒミス、それに出演者も初めて知る人々。

 准士官役のサムリ・ヴァウラモは、'09年のベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞受賞。
 ヒロインのピヒラ・ヴィータも、翌年に同じ賞を受賞した若手俳優。
 裁判官のエーロ・アホは、フィンランドを代表する名優。さすがに、三人とも巧い演技を見せてくれる。

 作品は、モロッコのマラケシュ映画祭で主演男優賞、フィンランド・アカデミー賞撮影賞ほかヨーロパの映画祭でいくつかの賞を受賞したとの解説があったが、うなづける。

 映画を見たついでに、フィンランドの近代史を少々齧ってみた。

Lrg_10532141  フィンランド語による正式国名は「スオメン・タサァヴァルダ」、略称スオミ。
 フイン族がラップなど先住民族を北に追いやって作った国だが、12世紀半ばにはスエーデン王国の支配下に入る。
 ナポレオン戦争でスエーデンが敗北した19世紀初頭からは、ロシア帝国に属する大公国。もちろん大公はロシア皇帝。
 1917年のロシア革命の混乱の中で独立、第2次世界大戦では枢機国側について敗戦。戦後はソ連の影響下に置かれるが、微妙な外交で中立を守って現在に至る。

338862_01_02_03  フィンランド内戦は、独立直後権力を握った左翼に対し、ドイツ帝国やスエーデンの支援を受けた地主や資産家主体の白衛軍が、権力を奪い取った戦い。
 小作農や労働者たちの赤衛軍は、ソ連に見放されて敗北する。
 その戦いの中で、すさまじい凌辱・虐殺があり1万人以上の犠牲者を出した。
 この「残酷な史実」は、今もフィンランド国民の心の傷となっている。

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May 14, 2011

1805.生き残るための3つの取引

002_640  「弱肉強食の韓国社会を、これほど赤裸々に描いた映画はかってなかった」
 「母なる証明」のポン・ジュノ監督は、こう評する。
 韓国のタランティーノと呼ばれる奇才リュ・スンワン監督(「シティ・オブ・バイオレンス」'06)の久々の作品。

339231_01_03_03  「息もできない」('08)「黒く濁る家」('10)「悪魔を見た」('10)と、次々に公開されるヒューマン・クライム・サスペンスの傑作である。

 韓国作品には珍しいヨーロッパ映画風のタイトル、実は日本の配給会社のネイミングである。
 原題は「不当取引」、これではパンチが効かないと工夫した。

 「3つの取引」とは、「犯人捏造」「証拠隠滅」「検事買収」。出世を望むノンキャリ刑事と対立するエリート検事、それぞれの弱みを握る二つの闇組織。
 ギラギラした欲望を見せながら、彼等は自らの生き残りを賭けて蠢く。

20110328005fl00005viewrsz150x  対立する刑事と検事は、ファン・ジョミン(「黒い家」'07)とリュ・スンボム(「クライイング・フィスト」'05)。
 スンボムは、監督の実弟でもある。

339231_01_04_03  闇組織のワルにユ・ヘジン(「黒く濁る村」)、刑事の部下にチョン・ホjン(「悪魔を見た」)。
 韓流映画特有のイケメンや美女は出演していない。

 昨年秋韓国で公開された直前、映画そっくりの「検事汚職事件」が摘発され話題となった。建設会社の幹部が、検事200人を接待したという事件である。
 日本でもまた昨年来、「犯人捏造」「証拠隠滅」で検察当局を揺るがしている。

339231_01_02_03_2   しかしスンワン監督は、「社会告発」や「現実批判」という社会的なメッセージよりも、熾烈な社会で生き残るために身悶えする人間の姿を描くことに拘った。
 家族や仲間達のために、闇社会に絡め捕らえ捉えていく一人の刑事の、どうしようもない悲しみが胸を打つ。

 脚本は「悪魔を見た」のパク・フンジョン。
 今年のベルリン国際映画祭に出品された作品である。 

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May 12, 2011

1804.「香り」かぐわしき名宝展

001_640_2   左は速水御舟の日本画「夜梅」(部分)。
 月光の下、木々の間からほのかに漂う花の香りを「暗香疎影」という。その言葉を絵画化した名品である。

015_640  上野の東京藝術大学美術館で開催されている「香り~かぐわしき名宝展」は、予想以上に充実した展覧会だった。

 香木で彫られた仏像から香炉に香の道具・絵巻・屏風・日本画など、展示替えを含めると200点近い名宝の数々が並ぶ。

006_640  展示は「香りの日本文化」「香道と香りの道具」「絵画の香り」と、三つの柱で構成されていた。

 左の写真、重要文化財の「十一面観音立像」(奈良国立博物館蔵)は、香木「白檀」で彫られたもの。

 インドから中国を経て仏教伝来とともに伝えられた「尊い香り」は、仏教文化そのものだった。
 奈良時代から平安時代にかけて、盛んに造像された香木の仏像の幾つかが会場に並ぶ。

014_640 金銅火舎香炉など金属製のほか、蒔絵や陶磁器の香炉も多く展示されている。

 右は徳川美術館蔵の「菊折蒔絵枕香炉」。枕の内部に香炉を置き、髪に香りを焚き染める道具。
 尾張徳川家に興し入れした姫君の婚礼道具のひとつで、江戸時代の作品。

010_640_3  こちらは京焼を代表する野々村仁清の「色絵雌雉香炉」(重要文化財・石川県立美術館蔵)。

 奈良時代から明治~昭和までの日本の香炉や香合、13世紀の中国の青磁香炉など、50点を越える名品は目を楽しませてくれる。

003_640_3002_640  江戸から近世にかけての絵画作品から精選された、「描かれた香り」の名作も見ものである。

 左は宮川長春の「遊女聞香図」(東京国立博物館)。
 足下におかれた香炉から立ち上る煙で着物を薫きしめている遊女、艶麗な日本画である。

 右は、上村松園の大正時代の作品「楚蓮香之図」(京都国立近代美術館)。
 香りに魅せられて蝶が飛び従ったとされる、唐の伝説の美女・楚蓮香を描く。

012_640  興味深かったのは、「香道の道具」。
 香道とは、室町の頃から茶道や華道と並んで独特な発展を遂げた、貴族や武士たちの嗜みである。

_640_2  香木を聞き分けて駒を進める「競馬香」や「名所香」「矢数項」「花笠香」「相撲香」「闘鶏香」など、初めて目にした道具だった。

 旧知の故・江里佐代子さんの六角組飾筥、「六花集香」も展示されていた。「截金」で装飾した1992年の作品。

 「香り~かぐわしき名宝展」は、東京藝術大学美術館で29日(日)まで。
 観覧料は1300円。
 「藝大コレクション展~春の名品選」も、同時開催されている。見応えのある名作が並ぶ。
 こちらもお忘れなく。 

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May 10, 2011

1803.八日目の蝉

001_640  この映画の原作も、直木賞作家の作品。角田光代が手がけた初の長編サスペンスで、中央公論文藝賞を受賞したベストセラーである。

 誘拐犯に育てられたヒロインが生みの母との軋轢の中で、その「トラウマ」の跡を辿るヒューマン・サスペンス。
 NHKでドラマ化された時は、誘拐犯と娘の逃走劇に焦点が当てられていたが、映画では娘の視点から描かれる。
 脚本の奥寺佐渡子の構成が、よく出来ている。

338475_100x100_004_2   ヒロインを演ずる井上真央も熱演しているが、誘拐犯の永作博美の迫真の演技が、作品を重厚なものにする。

338475_100x100_006  愛人の子を堕胎して子供を埋めなくなった彼女が、本妻の子供を誘拐した。
 絶えず追われる不安に耐えながら、子供を慈しむその「母性」を表情と体で表現する。

338475_100x100_005  また幼児時代にヒロインとオカルト集団で育てられた女性・小池栄子、生みの母・森口瑤子も存在感を見せる。 

 この作品は角田・奥寺・井上・永作たち女性で作り上げた、「悪人」「告白」に続く衝撃作となった。

 蝉は土の中から出てきて、七日で死ぬという。1人残って八日生きた蝉は幸せなのか、寂しいのか。タイトルは「八日目の蝉」の道を選んだヒロインに、それを問いかける。

 田中哲司、劇団ひとりなど男性陣は影が薄い。ほか余貴美子、風吹ジュン、市川実和子。監督は成島出。

338475_100x100_008  「全ての女性に贈る映画」と謳ってあるとおり、館内は女性が多い。
 誘拐犯である育ての母、生みの母そしてヒロイン、観客はそれぞれに感情移入して嗚咽する。
 重いテーマ暗い作品だが、小豆島のやさしい風景がそれを癒す。

 二人の母親の「母性愛」の凄さに、観客はたじろぐ。男にとっては「つらい作品」といえよう。

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May 08, 2011

1802.まほろ駅前多田便利軒

_640 都内ではあるが、都会でもなく田舎でもない街「まほろ」。この駅前にある便利屋の多田クン(瑛太)と、転がり込んできた元同級生の行天クン(松田龍平)との、何か可笑しな1年間の物語。

 原作は、直木賞('06)に選ばれた三浦しおんのベストセラー。既に50万部を超え、続編は現在「週刊文春」に連載中である。

338336_100x100_011_3   ホームドラマ+コメディ+ハードボイルド+サスペンス で描かれるこのお話は、人生の「楽しさ」「悲しさ」「喜び」がゆったりとした「空気」の中で綴られる。
 それが監督・脚本の大森立嗣の得意とする作劇。

 大森はこれまで「ゲルマニュウムの夜」('05)「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」('09)を監督してきたが、俳優としても活躍している。
 舞踏家・俳優の麿赤児の長男で俳優・大森南朋の兄。今回の作品にも二人は登場している。

338336_100x100_004  作品は、瑛太と松田龍平という旬の俳優の魅力によって支えられる。
 「アヒルと鴨のコインロッカー」('07)など二人の共演は4作目だが、その静と動がボケとツッコミと息が合う。

 物語が進行するにつれ、二人の過去が少しづつ明らかにされていくのが面白い。
 二人とも不器用なバツイチ、色気に乏しい30代のオジサンなのだが、現在週刊誌に連載中の続編では恋物語も生まれている。
 パート2は、そんな二人のペーソスが描かれるだろう。

 出演は主役の二人と大森一家のほか、片岡礼子、鈴木杏、柄本佑、松尾スズキ、岸部一徳ほか。
 高良健吾が、クスリの売人の元締めでワンシーンだけ登場なのがもったいない。

338336_100x100_010  「まほろ」のモデルは、三浦シオンが住む町田市。小田急町田駅前など、町田市が全面協力して撮影した。
 昨年夏の一ヶ月間で、春・夏・秋・冬を撮ったというから、役者さんたちも大変だっただろう。
 見かけた事のある風景が、随所に出てくる。

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May 06, 2011

1801.初夏・浜離宮

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 初夏の浜離宮は「フジ」が満開。

 毎年、ゴールデンウイークは遠出を避けて近所を歩く。
 今年は外国人観光客が少なく、庭園も静かだった。

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 桜は、「サトザクラ」がまだ見ごろ。
 「御衣黄」「鬱金」「白妙」「関山」など、色とりどりの八重桜が楽しめた。

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 昨日までは、「中央区・花と緑の集い」という事で、浜離宮の入場料は区民に限って無料。
 といっても、高齢者は普段でも150円だから、シーズン毎に散策している。

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 春は「菜の花」のお花畑をブログで紹介したが、初夏は60種・800株の「ボタン」で飾られる。
 そして秋、「キバナコスモス」に変わる。

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May 04, 2011

1800.ダンシング・チャップリン

012_640  フランスの巨匠ローラン・プティが振付けたバレエ「ダンシング・チャップリン」、1991年初演以来世界各国で100回を超える公演が続いている。
 チャップリン映画の代表作が、バレエとして表現された名舞台である。

338606_100x100_007_2   そのバレエで初演以来、主役チャップリンを踊り続けているダンサーが、イタリア出身のルイジ・ボニーノ。
 フランス国立ローラン・プティ・バレエ団のトップ・ダンサーで振付師、プティの片腕でもある。

  そのルイジも既に還暦を越えた。そこで彼の天才的な踊りを、きっちり「映像」として残しておこうとトライしたのが、周防正行監督の映画版「ダンシング・チャップリン」なのだ。

338606_100x100_006  もうひとつ、周防監督の愛妻・草刈民代のラスト・ダンスを記録に留めて置こうという狙いもある。
 彼女はこの作品でのバレエを最後に、バレリーナを引退し女優へ転身した。

338606_100x100_003  本作品の中でも、「街の灯り」の盲目の花売り娘をはじめ、コミカルな役で楽しませる「キッド」など、女優としての才能を発揮して全7役をこなしている。

 映画は2幕構成。

338606_100x100_005  1幕はバレエ「ダンシング・チャップリン」の映画化までを綴ったドキュメンタリー。イタリア・スイスを監督が駆け回り、ローラン・プティとの打ち合わせやチャップリンの息子との交渉、そしてルイジ・ボニーノと草刈民代、他のバレリーナも参加した東京でのリハーサル風景と続く。

 第2幕が本番のバレエ。
 プティの「ダンシング・チャップリン」全20演目を、周防監督は13演目に再構成する。
 それはこの作品が舞台中継ではなく、「映画」そのものだという周防の狙いが込められる。

338606_100x100_002  「黄金狂時代」「三人の警官」「モダン・タイムス」「犬の生活」「外套」「ライムライト」「キッド」「街の灯り」・・・・、懐かしいチャップリン映画の数々が音楽とバレエのなかから甦る。

 芸術家として完成したルイジの踊りと、華麗な草刈民代の踊り。
 そこには周防監督の、二人に対するオマージュとも言える愛のメセージが込められている。 

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May 02, 2011

1799.「女神たちの楽園」展

_640  30年以上にわたって女性と「性」を撮ってきた、フランスの女流カメラマンの写真展が、恵比寿の東京都写真美術館で開催されている。

011_640  ベッティナ・ランス58歳、フランス・アカデミーのモーリス・ランスの娘としてパリで生まれる。
 若い頃はニューヨークでジャーナリストとして働き、帰国後の1978年に大道芸人やストリッパーのヌード写真を、雑誌「エゴイスト」に掲載してデビュー。
 以後、「二重の性」や「転換する性」「男性の妄想」など、混迷する現代の性をモチーフに作品を発表してきた。
 '95年シラク大統領公式カメラマン。'07レジオン・ドヌール勲章受賞。

008_640009_640_2  「セレブたちの美しき幻影と気品」と題した今回の写真展は、モニカ・ベルッチ(左)やナオミ・キャンベル(右)、マドンナ、シャロン・ストーン、シンディ・クロフォードなど、映画や音楽、ファッション界のセレブたちを被写体にした60点が並ぶ。

 いずれの写真も、レンズの前での飾り気の無い心情や濃厚な人間性が曝け出されており、ベッティナを信頼するセレブたちの気持ちが溢れている。
  彼女たちにとって、ベティナは「撮られたい写真家」なのだ。

002_640004_640  ベティナは、現在シャネルのファッション写真も撮るなど広告・雑誌の仕事も続けているが、そのシャシンは「ファション」を超えた「アート」としての高い評価を得ている。

 60点の作品の中で日本人は、トップのポスターになったモデルの道端ジェシカと、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶのポートレイトが展示されている。

001_640   「女神たちの楽園~ベッティナランス展」は、5月15日まで恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館地下1階展示室で。観覧料は900円。

 なお銀座のシャネル・ネクサス・ホールで同時開催されていた「ヒロイン~ベッティナランス展」は、この24日で終了した。 

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