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January 07, 2012

2033.サラの鍵

2_008_640  今年最初の映画鑑賞は「サラの鍵」。
 
 「ユダヤ人迫害の動きが過激化する1942年のパリ。幼い弟を納戸に隠したサラは、その鍵を手にしたまま収容所へ送られてしまう・・・・。」
 一昨年の東京国際映画祭で、最優秀監督賞と観客賞をW受賞した作品。昨年末、ようやく公開された。

 ナチス占領下のパリであった「ヴェル・ディブ事件」、フランスの恥部といわれるこの事件は、フランス官憲によるユダヤ人の「LA RAFLE」(一斉検挙)だった。

338147_100x100_008  検挙されたの老若男女1万3000人、彼らはヴェル・ディブ(冬季用の屋根付き競輪場)に隔離された。

 ユダヤ人たちは、この後アウシュヴィッツに送られて虐殺される。辛うじて逃亡した子供たちを描いた映画「黄色い星の子供たち」は、昨年夏公開されたのでこのブログ1965号で紹介した。

338147_100x100_004  「サラの鍵」は、同じ事件を背景にフランスの女流作家タチアナ・ド・ロネが書いた「過去と現代が交差し、歴史が封印していた悲痛な記憶が掘り起こされる感動のベストセラー」の映画化である。

 「過去」のヒロインはサラ。納戸の鍵を手にした彼女は、弟を救い出すため収容所を脱出する。そして・・・・。

 「現代」は、改築中の新居が昔サラの家だったことを知り、その真実を追う40代の女性ジャーナリスト・ジュリアがヒロイン。

338147_100x100_026  「サラは弟を救えたか」「サラのその後の人生は」「ジュリアはサラを見つけることが出来たのか」「サラはジュリアの心の中に何を残したか」
 忌まわしい負の歴史に目を逸らさずに、真正面から向き合うジャーナリストの有り様も問う。

 映画祭で監督賞を受賞したジル・バケ=ブランネルは、「マルセイユ・ヴァイス」('03)で知られるフランスの若手監督。
 収容所で殺されたドイツ系ユダヤ人を祖父に持つ彼は、世界中で300万突破のベストセラーズとなった原作の映画化権を獲得し、綿密なリサーチを行い、ユダヤ人迫害の真実い迫った。

338147_100x100_006_2  「過去」のヒロイン・サラを演じたのは、フランスの子役メリュジーヌ・マヤンス(「リッキー」'09)。弟への想い、両親への愛情、自分の行いに対する苦悩を素直に見せる。

 「現代」のヒロイン・ジュリアは、「イングリッシュ・ペイシェント」('96)でアカデミー賞にもノミネイトされたイギリスの大女優クリスティン・スコット・トーマスが演じた。

 過去の悲しみと痛みが、未来への光に変わっていくラストシーンは、今を生きる人々への監督の暖かいメッセージでもある。

 今年は「ヴェル・ディブ事件」から、ちょうど60年になる。 

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