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January 24, 2012

2042.マイウェイ

2_008_640  アメリカ国立公文書館で見つかった一枚の写真。ノルマンディー上陸作戦での捕虜尋問の記録、その連合軍係官の前に立つドイツ兵は東洋人だった。

2_009_640 捕虜が語り始めたのは、満州からソ連、ノルマンディーまでを三つの国の軍服を着て生き延びたという、信じられない話だった。

 「シュリ」('79)「ブラザーフッド」('04)など、朝鮮動乱を舞台にした映画で知られるカン・ジュギ監督は、このエピソードを大きく膨らませて「三つの戦争」に翻弄された二人のマラソンランナーを描いた。

Img_p1_1Img_p5  最初の戦争は、「ノモンハン事変」。
 圧倒的なソ連軍戦車に向って狂気な戦いを挑む日本軍指揮官(オダギリジョー)と強制的に兵士にさせられた朝鮮人(キム・ジュンシク)。

 憎しみ合う二人は、かってオリンピックを目指したマラソンランナーのライバルだった。

Img_p1_2_4  第二の戦争は独・ソ戦「ジュコーフスキーの攻防」。
 ソ連軍の捕虜となり酷寒のベルミ収容所で強制労働を強いられた二人は、独・ソ開戦にによってソ連兵として動員される。

Img_p2   最後の戦いが連合軍の「フランス・ノルマンディー上陸作戦」。
 ロシアでドイツ軍の捕虜となった彼らは、今度はドイツ軍兵士となって要塞で再会する。

 憎しみ合い殺し合い寸前まで行った二人は、極限のなかでマラソンランナーとしての友情に目覚める。

 副題にもあるように、京城(現ソウル)からノルマンディーまで二人の足跡は「12,000キロの真実」。
 日本・ソ連・ドイツと三つの軍服を着ることとなった数奇な運命が、綴られていく。

340496_100x100_007_2340496_100x100_005  韓国映画史上最高の25億円の巨費を投じた作品。
 ロケはアジアからヨーロッパまで240日間、のべ7000人のエキストラが動員されて行われた。
 見せ場となった激戦シーンは、ノルマンディー上陸作戦を圧倒的な映像で描いた「プライベートライアン」('98)のスタッフも参加して撮られた。

 日本からは、主人公のオダギリジョーのほか、夏八木勲、鶴見辰吾、佐野史郎、山本太郎 が参加。
 さらに中国の女優ファン・ビンビンなど、国際的に活躍する多くの国の俳優が参加してスケールの大きな「戦争映画」となった。

20110810007fl00007viewrsz150x_2 「昭和の戦争」を描く韓国映画だけに、韓流映画を批判する「ネット右翼」たちが反日映画として嫌悪感を示している。
 しかしここは、ナチの残酷さを絶えず描かれるドイツ人の「大人の態度」を見習うべきであろう。

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