2046.アニマル・キングダム
日本で公開されるオーストラリア映画は少ないが、問題作はよく目にする。
この「アニマル・キングダム」もそのひとつで、2年前のサンダンス映画祭でグランプリを獲った作品。
出演しているオーストラリアの大女優ジャッキー・ウィーヴァーが、昨年のアカデミー賞にノミネイトされたので日本での公開を待っていた。
メルボルンで実際に起こった警察官殺害事件と、その容疑者となった犯罪者ファミリー(アニマル・キングダム)をモデルに、デヴィッド・ミショッドが脚本を書き監督した作品である。
ミショッドは、ナタリー・ポートマンが出演した「メタルヘッド」('10)の脚本家として知られるが、今回初めて長編映画のメガホンを執った。
母親が薬物中毒死したため、祖母のもとに引き取られた高校生が主人公。引き取られた家が、祖母をゴッドマザーとする犯罪者ファミリーだったことから、話は展開する。
「鮮烈なバイオレンスと狂気。異形の家族愛と絆」とうたうが、居場所を捜す青年の成長の物語といったほうが判りやすい。
ハリウッドのギャング映画のような、派手な撃ち合いはないが、ファミリーひとりひとりが抱く破滅への慄きの中で、無表情の青年がやがて自分の意思を主張していく過程が見せ場となる。

主人公を演じるのは新人のジェームズ・フレッシュヴィル。
その彼を、祖母役のジャッキー・ウィーヴァーや部長刑事役のガイ・ピアース(「英国王のスピーチ」'10)など、オーストラリアのベテラン俳優たちが支える。
そう、主人公の伯父で狡猾なギャング役も名優のベン・メルデルソーン(「ノウイング」'09)だった。
2年前のオーストラリア・アカデミー賞(AFI賞)で、作品賞など10部門で受賞。クエンティン・タランティーノが最高傑作というのも、アンチ・ハリウッドから見ると頷ける。


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