2053.麒麟の翼
東京・日本橋の橋桁中央にあるブロンズ彫刻「翼をもった麒麟」は、建築家妻木頼黄のデザイン。ここから世界へと羽ばたいていけ、との願いが込められている。
麒麟といっても、アフリカに生息する首の長いキリンとは違う。中国に伝わる伝説上のいきもの、あの鳳凰と並ぶ聖獣である。
その麒麟の前で、ひとりのサラリーマン(中井貴一)が息絶えた。
江戸橋で腹をナイフで刺され、ここまで必死になって辿りついたのだ。
映画はここから始まる。
同じ時刻、日本橋から歩いて10分ほど離れた浜町緑道で、不審な若い男(三浦貴大)が警官に追われる。彼は車道に飛び出して車に撥ねられ、意識不明となった。
殺人犯と疑われた男を、恋人(新垣結衣)は庇う。
日本橋警察署刑事・加賀恭一郎(阿部寛)が、ここに登場する。
ミステリー作家・東野圭吾が、デビュー当時から書き続けている「加賀恭一郎シリーズ」の9冊目が原作。
一昨年秋TBSで放送されたヒットした、TV連続ドラマ「新参者」の続編である。
「泣けるミステリー」といわれるこのシリーズは、事件の謎が解き明かされるだけでなく、事件によって傷つけられた人々の「心」を名刑事・加賀が救う。
東野フアンは、そこに涙する。
「麒麟の翼」も、「瀕死の中井がなぜここまできて息絶えたのか」というブロンズ像に隠された「真実」を、若い本庁刑事(溝端淳平)とコンビを組んで解き明かしていく。
その「真実」の中から見えるのは、親と子・家族・恋人など愛する者同士の強い「繋がり」なのだ。
監督は、TBSドラマのヒットメーカー・土井裕康(「ハナミズキ」'10)。
共演に松坂桃季(「アントキノイノチ」'11)、山崎努、劇団ひとり、田中麗奈、黒木メイサほか。

映画の主要舞台となったのは日本橋のほかに、水天宮や甘酒横丁など、見慣れた場所である。
ブログでも度々紹介した様に、昨年は「日本橋川沿い」「人形町」、一昨年は「日本橋七福神」を散策した。
この同じ場所を、中井貴一が歩く。
これが事件の謎を解く、キーポイントである。
先週も、映画のシーンを思い浮かべながら、日本橋界隈を歩いた。


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