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July 13, 2012

2130.世界報道写真展

207_032_640_2  先月から、恵比寿の東京都写真美術館で開催されている「世界報道写真展」、今年で55回目を迎える。
 今回は特に、「去年の春」を追い続けた報道カメラマンの鋭い眼が注目される。

207_026_640  その一つ、ポスター〈右上〉の写真、世界報道写真大賞に選ばれたスペインのサムエル・アランダの作品は、「ニューヨークタイムズ」に掲載されたもの。

 去年の春から中東で広がった「アラブの春」。
 カメラマンは密かにイエメンに入り、サハレ大統領に抗議するデモ隊と政府軍の弾圧の実態を、3ヶ月にわたって取材した。
 そして秋、彼は銃撃から逃れてモスクに入り、混乱の中で負傷した息子を介抱する母親に出会った。
 それは「イエスの亡骸を抱く聖母マリア」だった。

 冷蔵室に横たわるリビアのカダフィ大佐遺体も、写される。その写真を撮ったフランスのレミ・オシュリクは、4ヵ月後次の取材先シリアで政府軍の砲撃に散った。28歳だった。

 もう一つの「春」は、「東日本大震災」である。
 世界報道写真コンテストに入賞した約170点の作品のうち、19点(11パネル)がそれである。
 日本人3人を含め、イタリア・アメリカ・スエーデン・フランスのカメラマンの写真が並ぶ。

207_034_640  左下の写真、震災発生後の13日、名取市の被災地の道路に座り込んでいた女性は涙を流していた。

 「一般ニュースの部」で3位となったこの写真は、朝日新聞の恒成利幸が撮ったもの。
 被災地の悲しみを伝える象徴的な写真として、これまでも紙面や展示会で目にした。

 またAFP通信の千葉康由が東松島市で撮った「がれきの中から娘の卒業写真を見つけた母親」は、「ニュースの中の人々」の部で1位となった。

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 中央の写真は、「スポットニュース」の部1位のロシアのユーリー・コズレイフの写真。
 「リビア海岸部の製油都市ラスラヌフで戦う反政府派」の写真は、「ノール・イメージズ」から「タイム誌」に転載された。

 その右は、スエーデンのニクラス・ハマストレームの撮った「無差別大量殺人の舞台となったノルウエー・ウトヤ島」。遺体の写真も含めた組写真で、「スポットニュース」の部2位。

 あれから1年、数多くの写真が伝える「アラブの春」「東日本大震災」「福島原発事故」は、まだまだ終わってはいない。
 世界中の報道カメラマンたちは、今も体を張って現場を這いずり回っている。

 124の国と地域、5247人の報道カメラマンたちが撮った10万1254点の写真。2011年の歴史を刻んだ。

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 「世界報道写真展」は、来月5日まで恵比寿・東京都写真美術館で。観覧料は一般700円。
 展覧会はこの後、大阪・京都・草津・別府と巡回する。 

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