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November 17, 2013

2384.恋するリベラーチェ

Img290_640_2 ヴワツィーヴ・ヴァレンティノ・リベラーチェ(1919~1987)、アメリカで一世を風靡してエイズで他界した天才ピアニスト。
 「世界が恋したピアニスト」と呼ばれた彼は、プレスリーが憧れエルトン・ジョンやマドンナたちに大きな影響を与えたミスター・エンターテイナーでもあった。

Th 4歳からピアノを学び、20歳でシカゴ交響楽団のソリストとしてデビューする。
 ジャズからクラシックまで華麗にこなす彼は、その後ラスベガスを拠点に世界中の高級クラブでショーを催し、「世界で最もギャラの高い音楽家」としてギネスブクに記録された。

 彼を有名にしたのは、ピアノの腕はもとより豪華絢爛たる舞台衣装とパーフォーマンスだった。
 黒ダイヤモンドのついた75万ドルのミンクのケープ、純金や宝石をちりばめたため90キロにもなった衣装、派手なロールスロイスでの舞台登場、そしてグランドピアノの上には、トレードマークとなった派手な燭台が置かれた。

346664_100x100_001_2 そのミスター・エンターティナー・リベラーチェの晩年の恋を描いたのが、この作品である。

 原作は彼の恋人だったスコット・ソーソンの回想記。

346664_100x100_004 17歳の「少年」スコットが、57歳のリベラーチェと出会い、誘惑されて囲われる。
 性関係はもちろん、整形でリベラーチェの若き頃の顔に変えさせられる。そして同性愛を隠すための「養子縁組」、やがてヤクに溺れたスコットの狂乱で破局をむかえる・・・・。

346664_100x100_009_2 監督は、もう映画は撮らないと宣言したスティーヴン・ソダーバーグ。

 詳しくは、ブログ2360号「サイドエフェクト」で紹介したので省くが、そのアカデミー賞受賞監督が選んだ主役が、マイケル・ダグラスとマット・ディモンのオスカー俳優二人というのがすごい。

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 69歳のマイケルが57歳のリベラーチェを怪演し、43歳のマットが17歳のスコットになって彼との恋模様をこなす。
 この二人の全裸も辞さない体当たり演技は、まさに感動的ともいえる。
 この時マイケルは喉頭がんに罹っており、抗がん剤や放射線による苦しい治療の中で撮影は行われたという。

346664_100x100_008_3 さらに81歳のデビー・レイノルズ(「雨に唄えば」'52)が、マイケルの母親役。
 ロブ・ロウ(「サンキュー・スモーキング」'06)が整形医として脇を固めた。

346664_100x100_007_2 実はこの映画、カンヌ国際映画祭のコンペに特別招待されたが、アメリカでは「テレビ映画」の位置づけで、劇場では上映されていない。
 同性愛に強く反対しているキリスト教保守派の声が強くなっている昨今の情勢から、配給会社が二の足を踏んでいるのだ。
 ソダーバーグ監督が、劇場用映画は当分撮らないと宣言した背景もここにあるのかもしれない。

 しかしテレビ番組を対象ににしたエミー賞では、15部門にノミネイトされ作品賞・主演男優賞など14部門で受賞している。

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