« July 2014 | Main | September 2014 »

August 29, 2014

2519.8月のブックから(2)

 剣豪・影武者・忍者・ご落胤に白浪、謀反・仇討・決闘・合戦にお家騒動、武士道・葉隠・忠義・下剋上、そして舞台は戦国から江戸時代・幕末。
 時代小説が面白いのは、これらがマトリックスとなって描かれるからである。

Th8avrnr38_640  
 酷暑の8月に改めて手に取ったのは「隆慶一郎全集」、5年前に新潮社から「新版」として19巻が出版された。
 先月紹介した佐伯泰英の「吉原裏同心」の、いわば種本がその第1巻にあったからだ。

Thysibz6ej_640 時代小説家・隆慶一郎(1923~1989)、私は映画「陽の当たる坂道」('57)を書いた脚本家・池田一朗として馴染む。

 東大仏文卒、学徒出陣で中国大陸に、復員後大学講師など務めた後に映画・テレビの脚本家として活躍する。
 「にあんちゃん」('59)ではシナリオ作家協会賞、今もテレビで放送される「鬼平犯科帳」('70)など70年代を代表するシナリオ作家だった。

Img679_640 
 その彼が、時代小説作家・隆慶一郎としてデビューしたのが、1984年に「週刊新潮」に連載した「吉原御免状」である。
 それは「暗い情念と鮮烈なエネルギーにみち溢れた伝記ロマン」(長部日出雄)だった。

 直木賞候補にもなったこの作品を皮切りに、隆慶一郎は「影武者徳川家康」「捨て童子・松平忠輝」「一夢庵風流記」(柴田錬三郎賞受賞)など次々と発表、時代小説ブームの一翼を担った。
 しかし5年後、いくつかの未完の小説を残して急逝する。

 これまでに読んだ5巻二つの作品、その「さわり」を紹介する。

      「吉原御免状」

 肥後で宮本武蔵に育てられた捨て子・誠さんが、江戸・吉原で男になる物語である。

 「御免状」とは、幕府が廓・旧吉原を創設するにあたって庄司甚右衛門に与えた許可状。
 ところが家康が直接筆を執った「御免色里設立許可状」、つまり「神君御免状」が存在していた。
 そこに書かれた「秘密」は徳川家を壊滅させる危険な代物、その「秘密」をめぐって老中・酒井忠清の配下・影柳生と吉原勢、やがてその吉原の惣名主になる誠さんとの壮絶な闘いが繰り広げられていく。

Thlf2gglb9 この作品の面白さは、隆慶一郎が吉原を「傀儡子たちの自由と被差別の砦」としたことである。
 これは、歴史学者・網野義彦の「無縁・公界・楽ー日本中世の自由と平和」「日本中世の非農業民と天皇」を基にした発想で、決して奇抜なアイデアではない。

 主人公の誠さんが、実は強硬な反幕府の天皇・後水尾の御落胤だったというフィクションも、歴史書を読み込むことで生まれている。

 作品は、読者を楽しませるための「吉原入門書」でもある。
 太夫を揚げる「初回」「裏」、「馴染」になって「三会目」、係る費用と段取りは丁寧に書かれる。
 誠さんが男になる高尾大夫との「おしげり」は、作家渾身のエロチシズムの筆致で描かれるのだ。

0015308297l_640   「影武者徳川家康」

 全集では2~5巻を占めるこの作品は、隆慶一郎の時代小説のなかでは最長篇だろう。

 関ヶ原の戦いの中で、石田三成の智将・島左近の手の物(武田の忍び)に殺された徳川家康。
 彼の死を隠そうと側近・本多忠勝は、「道々の輩」だった影武者・世良田二郎三郎を替え玉に据える。

Dsc0111711_640 前作「吉原御免状」でもエピソードとして登場するが、関ヶ原の戦いから家康の死(1616年)までの16年間、自立していく影武者と秀忠の暗闘がユーモラスな味わいも見せながら展開していく。

 歴史家は「史料」がないと書けないが、作家は「史料」がないから書ける。
 関ヶ原の戦いの時、家康に影武者がいたという史料はない。またいなかったという証拠史料もない。
 だからもし家康が「影武者」だったとしたらと、作家は夢を大きく膨らませる。

 しかし作品に描かれていく様々な「事件」は、「史料」もとずく事実である。
 「徳川実記」や「藩翰譜」、「駿府政事録」「落穂集」、忠輝公文書「当代記」、柳生兵庫助の「後悔記」など、つぎつぎと「史料」から引用される。
 それらの記述と「影武者」の存在との間に、矛盾を生じさせないのが作者の腕なのだ。

Thnmpkdtgc_640 ここでは前作に続いて、柳生一族が敵役となる。
 なかでも、将軍秀忠の兵法指南役・柳生宗矩の四男、僧侶でもあった烈堂義仙が相当な悪者扱いだ。
 ただ隆慶一郎は、もうひとつの作品「柳生非情剣」で彼らの名誉を回復する。

 「道々の輩=影武者」が、吉原を創設した傀儡子・庄司甚右衛門と「同朋」だったという事が、彼のその後の作品の原点になる。
 海人・山人・鍛冶番匠・楽人・舞人・獅子舞・申楽・遊女・白拍子・巫女・観進聖・・・彼らを「道々の輩」といい、多くが天皇の供御人だったと歴史学者・網野も書く。

Img696_640 この後に登場する作品「捨て童子・松平忠輝」、家康の6男の母親「お茶阿」も「道々の輩」の出である。
 亭主は「鋳物師」、鉱物を求めて全国を旅した漂泊の民、女房に横恋慕した遠州金谷宿の代官に殺される。

 彼女が一人娘を連れて直訴した相手が徳川家康。
 豊満型の美女だった彼女に、好色家の家康の手が付くのは時間はかからなかった。
 そして生まれたのが辰千代(忠輝)、1592(天正元)年のことである。

 「捨て童子・松平忠輝」の物語は、ここから始まる。
 「隆慶一郎全集9・10・11巻」、夏の夜を楽しんだ今月最後の時代小説。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 26, 2014

2518.8月のシネマ(4)

Sankin02_640 シネマ(3)で紹介した「柘榴坂の仇討」の試写会の後、旧知の松竹の役員と話題になったのが「超高速!参勤交代」。
 6月21日に全国公開したが、日を追うにつれ評判が高まり久々のヒット作品になったようだ。

Img673_640 前号で紹介した2本と異なり、こちらは「コメディ時代劇」。奇想天外、痛快な歴史エンタテインメントである。
 脚本を書いた土橋章宏は元大企業のエンジニア、脱サラしてWEB製作会社を経営しているが、今作で若手脚本家育成を目的とした「城戸賞」を受賞した。

 「時間がない!」「カネがない!」「ヒトもいない!」なか、果たして5日以内に参勤交代が成し遂げられるか。
 将軍吉宗に命じられた「無理難題」に、弱小貧乏藩「湯長谷(ゆながや)」の藩主以下が立ち向かったお話。

F9fd29726fc0a2af951d750c963a5f69_64 メガホンを執ったのは、「釣りバカ日誌シリーズ」で知られる本木克英監督。
 彼は、大物スターではなくテレビ・映画の脇役として活躍する実力派の役者を並べた。

 藩主・佐々木蔵之介、家老・西村雅彦、藩士に寺脇康文・上地雄輔・知念侑李・柄本時生・六角精児。
 ヒロインの飯盛り女・深田恭子、抜け忍・伊原剛志、そして松竹らしく吉宗に歌舞伎俳優・市川猿之助を配した。

Sankin00_640 ストーリーはフィクションだが、「湯長谷藩・一万五千石」は幕末まで続いた実在の藩。
 代々名君が出て、百姓一揆が1回も起きていない磐城・平藩の分藩でる。

1055732_640 領地はあの「フラガール」で有名な常磐。
 脚本を書いた土橋章宏は、大震災と原発事故で苦しむ福島の人たちを元気付けようと、幕府に抵抗した「先祖」たち描いたという。

 「超高速!参勤交代」、公開されて2か月近くになるが、今も松竹系劇場で上映されている。

      ・・・・・・・・・・・・・  

Img677_640 「スタジオジブリは、長篇アニメーション映画の製作を休止する」と、プロデューサーの鈴木敏夫がテレビで語ったとのニュース。
 事実は製作体制の再構築のようだが、研修生の募集の中止や、「かぐや姫の物語」の製作費回収問題などあって、波紋をよんでいる。

 現在公開中の「思い出のマーニー」、私にとっては最後のジブリ作品になる?と思い、予定していた映画を変えた。

Th 長篇アニメからの引退を発表した宮崎駿、寡作の高畑勲も高齢、となるとジブリの監督は米林宏昌しかいない。

 デビュー作だった「借りぐらしのアリエッティ」('10)は宮崎の企画・脚本だったが、今回は脚本も手がけ事実上の独り立ち、その成果はこれからの「ジブリ」を左右するから重圧は大変なものだっただろう。

201407170000000view_640 イギリスの児童文学家、ジョージ・G・ロビンソンの同名小説が原作。
 舞台を北海道に置き、心に闇を抱える少女と空想の世界で出会った美少女マーニーとの交友を、ミステリアスなファンタジーで綴った。

P11_640 ジブリらしい丁寧な絵作り、湿地帯のひろがる道東の風景は美しい。
 その風景を描いたのは種田陽平、初めてのアニメーション美術監督だった。

 彼はクエンティン・タランティーの「キル・ビル」('03)や、三谷幸喜の「ステキな金縛り」('10)「清須会議」('10)など、大ヒットした実写映画で美術監督を担当したアーチスト。
 日本アカデミー賞美術賞を度々受賞するほか、3年前には紫綬褒章も受けている。

1_640 とくにこの作品では、二人の少女が出会うきっかけとなった「湿っ地(しめっち)屋敷」が素晴らしい。
 無人の空き家、建物の屋根・壁・石畳、そして屋敷内の小道具・装飾のディティールにも徹底的に拘り、「かわいい女の子」たちの心の動きを静かに伝えてくれる。

Mv_img_left1407 今回は映画の公開とコラボして、江戸東京博物館では体験型展覧会「思い出のマーニー×種田陽平展」を、9月15日まで開催している。

348610_006 8月のシネマ、ディズニーの「アナと雪の女王」は大ヒットしたので敢て紹介しないが、「思い出のマーニー」と比べると、日・米のアニメ製作者たちの演出力・作画力が比べられて面白い。

 同じディズニーの「マレフィセント」もしかり。アンジェリーナとパートナーのピットの子供、ヴィヴィアンは可愛かったが。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 23, 2014

2517.残暑・遊行寺参詣

065_640043_640 初代の遊行上人・一遍(1239~1289)。
 伊予海賊で知られる河野一族に生まれたが、10歳で仏門に入る。善光寺・高野山・熊野などを巡拝して浄土教を学ぶ。

 「南無阿弥陀仏」の念仏札を携えて、死に至るまで奥州から南九州を念仏遊行して250万人と結縁、世に「遊行上人」と讃えられた。

Img683_640 今月の「ひとまくウオーキング」は、暑さを避けて東海道6番目の宿場町・藤沢の遊行寺を参詣。
 おりから宝物館で開催されている、特別展「遊行寺とおぐり」を鑑賞した。

Thk08krorw_2 広重の「東海道五十三次」の記念切手でも紹介されているように、藤沢は遊行寺の門前町。
 描かれている「江の島第一鳥居」が示すように、ここは「江ノ島詣で」や「大山参り」の拠点としても栄えた。

021_640020_640 日本三大広小路と言われる「藤沢広小路」の奥に、「藤沢山無量光院清浄光寺(とうたくさんむりょうこういんしょうじょうこうじ)」はある。

 一遍上人を開祖とする「時宗」の総本山、人々は親しみを込めて「遊行寺」とよんだ。
 一遍の跡を継いだ法主は、「遊行上人」として必ず諸国を行脚して、農民や漁民と念仏を唱えて踊った。

076_640077_640 寺を創建したのは四代目の遊行上人・呑海。
 鎌倉幕府の御家人だった兄の俣野景平の援助で、廃寺の後に「清浄光院」を建てた。

 呑海は、ここを法主引退後の隠居寺としたが、代々の「遊行上人」も引退後はここに住み、寺は「遊行寺」と称されるようになった。

044_640_2022_640_2 惣門をくぐると「いろは坂」がある。
 阿弥陀如来の四十八願に因んだこの坂を、檀徒や「時衆」たちは念仏を唱えて参拝する。
 四十八段の階段を上って行き着く本堂には、「極楽」が待っている。

033_640031_640 「往生を願うものは地獄を恐るべし。地獄を恐る者は極楽を願うべき。極楽を願うものは念仏を唱えるべし・・・・」

 庫裡の入り口にある「中雀門」は、最も古い建築物。十二代遊行上人・尊観が南朝の皇子だった由来である。

052_640051_640 境内にある国指定史跡「怨親平等の碑」。
 1416(応永23)年、上杉氏憲が足利持氏を攻めた「禅秀の乱」で戦没した兵や馬などを、敵味方の区別なく平等に供養した碑である。

 十四代遊行上人は、一山の僧を動員して死者や傷兵を寺に収容した。日本における「博愛思想」の魁と、伝えられている。

Img685_640 歌舞伎愛好家なら誰でも知っている「小栗判官」、説教浄瑠璃を歌舞伎にした、猿之助十八番のひとつである。
 1991(平成3)年には、梅原猛のスーパー歌舞伎「オグリ」としても上演された。

060_640063_640 遊行寺の裏手「長生院」には小栗判官と家臣十一人の墓、小栗が乗りこなした馬「鬼無毛」の墓がある。

 この地の豪族に毒殺されかかった小栗は妓女・照手姫に助けられ、一遍上人の所縁の地・熊野湯の峰温泉で療養した。
 そして藤沢に戻った小栗は・・・・・、というお話である。

Img687_640 宝物殿で開催中の特別展「遊行寺とおぐり」は、小栗判官と照手姫のラブ・ロマンスを伝える初公開史料や、藤沢市所蔵の浮世絵などを展示して、東海道の古刹の歴史やおぐり伝説を紹介している。

 特別展は10月6日まで、入館料は500円。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 20, 2014

2516.8月のシネマ(3)

 幕末を舞台にした「映画」は、数多くある。
 しかし、その幕末の「事件」に関わり、明治維新後も事件の「トラウマ」を抱えた男の生きざまを描いた作品は少ない。
 奇しくも幕末から御一新、「時の流れ」を同じくする2本の作品を見た。

 しかし描き方は対照的である。
 方や「時代劇映画」を乗り超えた「アクション・チャンバラ作品」、もう一本は日本映画の伝統的な「美」と「容」を静謐に描いた「時代劇」である。
 また維新後、剣を捨てようとした侍と剣に拘った武士、主人公も対照的である。

 偶然にも、それぞれの映画の監督はテレビドラマのディレクター。
 また2作品とも「時代考証」は、大河ドラマでお馴染みの大石学(東京学芸大教授)が担当していた。

Img671_640  「るろうに剣心」(ワーナー・ブラザーズ) 

 和月仲宏が、「週刊少年ジャンプ」(集英社)に1994年から5年にわたり連載したコミック「明治剣客浪漫譚」が原作。
 「東京編」「京都編」「人誅編」の3部作、255話の長大作である。

346393_001_2 幕末の京で新撰組など佐幕派を暗殺し、「人斬り抜刀斎」と恐れられた剣心が主人公。
 維新後はその剣を封じ、「るろうに(流浪人)」として市井で静かに暮らそうとする剣心だが、時代は彼を許さない。

 '96年フジテレビでアニメ化され翌年にはアニメ映画となったが、2年前に初めて実写化。佐藤健を主役とした作品は、興収30億円を超える大ヒットを記録した。
 そして世界64ヵ国で上映、各地の国際映画祭でも評判となった。

346393_002_2 今回は、シリーズのなかで最も人気の高い「京都編」を中心に2部作連続公開とした。

346393_003 人斬りを封じた「るろうに剣心」(佐藤健)の前に明治政府転覆を狙うテロ集団が現れ、頭目(藤原竜也)は剣心の「誓」を捨てさせようと挑発する。

 
346393_004 剣心を支える道場主(武井咲)と仲間(青木崇高)に新撰組出身の警官(江口洋介)。
 京を守ろうとする元隠密の頭(田中泯)に剣心を狙う元御庭番頭目(伊勢谷友介)、テロ集団の使い手(神木隆之介)などなど。
 
 明治11年の京都で、殺戮と愛の火花が激しく燃える。

346393_007 前作を超えて、スピードとテクニックが冴えるアクション映画となった。
 NHKで大河ドラマ「竜馬伝」などを演出した大友啓文は、前作と同じくアクション監督に谷垣健治を配し、香港仕込みの技を披露する。
 ここでは、日本伝統の「殺陣」のイメージを一新した。

 藤原竜也の演じる敵役「和製ダークナイト」が面白い。維新政府に裏切られた人切りの後継。
 剣心・佐藤健との闘いはクライマックスに、そして9月公開の後編(「伝説の最後」)が待たれる。

Img660_640  

  「柘榴坂の仇討」(松竹)

 こちらの原作は直木賞作家の浅田次郎、「日輪の遺産]('11)に続く映画化11作目である。
 短編集「五郎治殿御始末」の一編、「柘榴坂の仇討」38ページが2時間の作品になった。

Zakuro_main_s_large 「桜田門外の変」で主君・井伊直弼(中村吉右衛門)を失い、仇を追い続ける元近習(中井貴一)。
 大老を暗殺後は身を隠し、御一新後は車屋として生きる元水戸浪士(阿部寛)。

Zakuro_sub2_large_2 事件から13年、明治政府が「仇討禁止令」を交付したその日、二人は出逢って剣を交える。そこは雪の柘榴坂だった。

 描かれるのは、「武士としての矜持」である。
 明治維新により主家を廃され一庶民となった侍たちは、その「武士道」にどう始末をつけたか、である。
 さらに、その陰で身を始末した女たちの物語が綴られる。

Img661_640 中井・阿部の主役を囲んで、19年ぶりにスクリーンに登場した中村吉右衛門が井伊直弼を、中井の妻役・広末涼子、中井の道場仲間で元旗本の邏卒・高嶋政宏、元幕府役人で司法省警部の藤竜也ほか。

 メガホンを執ったのは、「ホワイトアウト」('00)「沈まぬ太陽」('09)で知られる若松節朗、共同テレビジョンでドラマを演出してきたディレクターである。

 彼は本物の「時代」を描くために、琵琶湖周辺の三井寺や西教寺、京都の西本願寺や聖護院など、仏閣や歴史的建造物を背景にして役者たちを動かす。
 150年前の激動の時代、映像は「時間」を「現代」と共有して描かれていく。

 
 Img672  「柘榴坂の仇討」は、9月20日から全国で公開される。
 今回は若松監督との縁で、公開前に松竹本社の試写室で見た。現役の映画評論家たちと席を同じくしたのは、久しぶりの事だった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 17, 2014

2515.国立寄席

Th_640 毎年、お盆の頃に集まる「ひとまく会・暑気払い」。
 千代田・隼町の国立演芸場で寄席を楽しみ、隣のホテル・ラウンジで暑気払いとなる。

Img680_640_2 寄席の演目、目指す「トリ」は桂歌丸の「怪談噺」。
 昨年までは、三遊亭圓朝作「真景累ヶ淵」(全7幕)を4年間にわたり「夏公演」として語ってきた。
 そして今年は同じ圓朝の代表作「牡丹燈篭」、15日までを「お札はがし」、20日の終演までを「栗橋宿」、それぞれ50分の「噺」である。

220pxyoshitoshi_botan_doro_640 「牡丹燈篭」は、中国・明の時代の小説をに着想を得て、圓朝が創作した「怪談噺」。

 若い女の幽霊が惚れた男と逢瀬を重ねたが、幽霊だったことがバレて「封じ」られる。
 それを恨んだ幽霊が男を殺すが、話は「仇討」「謀殺」「母子再開」など、多くの事件や人物が絡んで展開していく。

 1892(明治25)年には、歌舞伎「怪異説牡丹燈篭」として歌舞伎化され、5代目尾上菊五郎が歌舞伎座で初演している。

Thp51aqcdk_640 圓朝は、お話を22の章立てにした。歌丸は、それを「お露と新三郎」「お札はがし」「栗橋宿」「関口屋のゆすり」の4幕にして語る。
 持病の「肺気腫」など、このところ体調の優れない歌丸だが、50分間を息切れることなく語り、満席の場内は拍手で沸いた。

Th4940zsfu_640 「国立演芸場8月中席」ほかの出し物は、三遊亭遊里の落語「平林」、桂文治「鈴ヶ森」、雷門助六「仕立ておろし」、桂小南治「写真の仇討」。
 色物は、D51のコント、東京ボーイズの「歌謡漫談」、そして「ひざがわり」(トリ直前の色物)は三界節と踊りの桧山うめ吉。

 うめ吉は左の写真のようになかなかの美形、歌丸師匠が海外公演にも同行させる落語芸術協会のホープである。

 9代目雷門助六が、いつもの様に落語のあとに「奴さん」と「あやつり人形」を踊った。8代目には敵わないが、まだまだ元気だった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 14, 2014

2514.日本発掘2014

011_640065_640 日本全国で、毎年発掘された貴重な歴史資料を紹介する「発掘された日本列島展」。
 今年は20周年を迎え、記念の企画展が両国・江戸東京博物館で開催されている。

067_640 会場入り口に展示されていたのは国宝「合掌土偶」、青森県八戸市の「風張Ⅰ遺跡」で出土した土偶で、縄文時代晩期およそ3000年前のものである。

 今回の展示は、20年を振り返る特別企画「日本発掘」。
 国宝や重要文化財、特別史跡の発掘資料、20年の歴史と優品の数々が並んだ。

 多くの展示品の中から、私が興味を持った発掘物を古い時代から並べてみよう。

013_640 史跡「白滝遺跡群」(北海道・遠軽)、旧石器時代後期1万5000年前。
 大雪山連峰の山麓の遺跡からは、石槍・石刃など日本最大の黒曜石の石器13トン600万点が。
 ここ赤石山には、多くの旧石器人が石を求めて集まってきたのだろう。

026_640Th7g2102hs_640 特別史跡「三内丸山遺跡」(青森)、縄文時代5.500年前。
 
 縄文時代のイメージを変えたというこの遺跡は、考古学の聖地。
 板状土偶やミニチュア土器、玦状耳飾りが面白い。

027_640028_640_2 「道訓前遺跡」(群馬・渋川)と「野首遺跡」(新潟・十日町)、縄文時代中期4500年前。
 縄文造形の極致、火焔土器に見る文化の高さ、縄文人の営みに想いを馳せる。

Thx17qbu28_640047_640 特別史跡「吉野ヶ里遺跡」(佐賀・吉野ヶ里)、弥生時代中期2000年前。
 山内と並んで、ここも考古学ブームを起こした地。
 発掘成果は、弥生文化のイメージを変えた。

Th037_640 「応神天皇陵古墳」(大阪・羽曳野)、古墳時代中期1600年前。
 大王の屍の傍らには、あの世に導く水鳥たちが寄り添っていた。
 まだまだ多くの歴史資料が眠る、天皇陵の発掘は?

019_640020_640 史跡「今城塚古墳」(大阪・高槻)、古墳時代後期1500年前。
 大王の権威を示す力士・巫女の埴輪像、ここからはさらに武人・鷹飼人などの人物形、家形埴輪が産出した。

 力士の表情、巫女の得意顔、作った陶人たちが目に浮かぶ。

049_640050_640052_640053_640
 特別史跡「高松塚古墳」「キトラ古墳」(奈良・明日香村)、奈良時代1300年前。
 壁画に浮かぶ飛鳥美人たちが見たものは、今蘇る四神の姿。
 「日本発掘」のハイライトである。

017_640018_640_2 発掘された日本列島展20周年記念「日本発掘2014」は、9月15日まで両国・江戸東京博物館で。入館料は600円。
 展覧会はその後「堺市博物館」(9月~11月)「長野市立博物館」(11月~12月)「九州国立博物館」(1月~3月)を巡回する。
 展示される国宝・重要文化財は、展示替えされる。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 11, 2014

2513.8月のシネマ(2)

018_640 海底より突如現れた巨大生物「ゴジラ」、世界中に恐怖の渦を巻き起こしてから60年、この夏は再び「ゴジラ」ブームである。
 1954年の「第一作」がデジタルリマスター版としてテレビと劇場で公開、先月はシリーズ30作品がCS放送で一挙公開された。
 そしてハリウッド版登場、ゴジラは再び目覚めた。

Img669_640

  「ゴジラ」(東宝・'54)   

012_640 太平洋の海底で静かに暮らしていた巨大怪獣が、度重なる水爆実験で目覚め、船や島を襲いやがて東京に上陸した・・・・・・・。

 本多猪四郎監督による第1作は、ビキニ環礁での第五福竜丸被ばく事件などに着想を得て、反戦反核、平和への願いを込めて製作された作品である。

 出演は、ゴジラを何とか保護しようとする古生物学者(志村喬)とその娘(河内桃子)に恋人(宝田明)、そして自らを犠牲にしてゴジラを海底に沈めた学者の弟子(平田明彦)、クライマックスに登場したのは「酸素破壊装置」だった。
 ゴジラは見る見るうちに、溶けて骨だけが残る。しかし・・・・。

006_640 この作品を初めて見たのは中学生の頃。
私の住む田舎町にも、公開日に渋谷を埋め尽くした観客のニュースがが伝わってきた。

013_640 身の丈50mを超えるゴジラが国会議事堂を破壊し、鉄塔ををねじり倒す。東京はまるで大空襲後の惨状と同じ、その凄まじさに驚き、興奮した日を思い出す。

005_640 60周年を記念して製作された「デジタルリマスター版」は、テレビで見た。
 傷ひとつないモノクロ映像は新鮮、ゴジラの咆哮は迫力があった。

 視聴者や観客は、「色あせないメッセージ」と「時代を超えるストーリー」を目にすることが出来た。

Img670_640  「GODZILLA」(ワーナ-ブラザーズ映画・'14)

 先月末に公開されたハリウッド版は、これが2作目である。
 今回は、製作総指揮に「ゴジラ対ヘドラ」('75)の脚本・監督を担当した坂野義光を迎え、「東宝作品」の精神を継承した。

347810_004_640 「巨大地震」「大津波」「原発事故」「巨大タワー崩壊」などなど、日本ではまだタブー視しがちな社会的事象。
 最新作の「ゴジラ映画」は、3.11も含め我々の記憶に残る悲惨な出来事をストーリーに織り込んだ。

347810_006_640  謎の原発事故で母親(ジュリエット・ビノシュ)を亡くし、その真実を追う父親(ブライアン・クランストン)。
 その父を、放射能を餌とする怪獣「ムートー」に殺された海軍将校(アーロン・テイラー=ジョンソン)とその妻(エリザベス・オルセン)子どもの物語である。
 日本からも、古生物学者として渡辺謙を送り込んだ。

347810_001_640 主人公は、もちろん「ゴジラ」である。ただ映画の前半には、ほとんど登場しない。
 後半、餌の放射能を求めて荒れ狂う夫婦の「ムートー」との戦いで、100mを超える史上最大級の姿を見せるのである。

 そして今回、「ゴジラ」は悪役ではなかった。彼の怪獣は、人類を含めた大自然のバランスを図る「怒れる神」だったのである。

347810_010_640 「ビキニ環礁の水爆実験によって目を覚ましたゴジラ」、東宝版とは異なりハリウッド版は、水爆実験はゴジラを殺すために行われたと解釈する。
 そのゴジラが、最後は人類の味方になるのだ。

347810_003_640 60年の時間は、映画製作技術にも大きな変革をもたらした。
 「ぬいぐるみ」による特撮は、CGによるモーション・キャプチャーで自在に動く。
 倍以上になった身の丈や、89枚の背びれ、167mの尻尾もわけないのだ。

 しかし、あのゴジラの「咆哮」だけは変わらない。
 ゴジラ愛好家のイギリス人、若き監督ギャレス・エドワーズが思いを込めて撮った映画である。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 08, 2014

2512.8月のブックから

004_640 夜の遅い時間帯(23:15~45)に放送されているドラマだが、話題を呼んでいるのが「おわこんTV」(NHK-BSプレミアム毎週火)。
 製作プロダクションの「悲哀」を描く8回シリーズ、フィクションではあるがお話は「事実」というのが、業界では通説となっている。

001_640 「おわこん」とは、「終わったコンテンツ」のこと。
  時代遅れ、ブームやピークが過ぎ去ったコンテンツ(放送番組など)を指すネットスラングで、3年ほど前から流行っている。
 最近では、テレビや新聞などメディアそのものを指す「マスゴミ」と、同義語で使われる。
 あくまでもそれは、「新興ネットメディア」との比較の上での揶揄なのだが。

002_640  しかし事実としては、まだテレビは圧倒的な影響力を持っているし、新聞に対する信頼感はネット情報とは比べ物にもならない。

 ただ「コンテンツ」ではなく、既存メディアのシステムそのものは、新興ネットメディアに浸食されつつある。
 同時に、ネットメディアの持つ「陰の部分」や「混乱」が社会問題化されてきている。

 そんな問題意識をもって、先月来旅の列車の中などで読んだ2冊の本の「さわり」を紹介しておこう。

Img655_640  「メディアの苦悩~28人の証言」
                             (光文社新書)

 執筆・インタビューしたのは、電通で30数年にわたり広告やデジタル・ビジネスを担当してきた長澤秀行。
 現在は、インターネット広告推進協議会事務局長として、インターネットの健全化に力を注いでいる。

 本の構成はそのタイトル通り、新しい「メディア」と「仕組」を作るために「産みの苦しみ」に立ち会っている「既存メディア」と「ネットメディア」の識者たちへのインタビュー、新聞社やテレビ局のトップや、ソーシャルメディアのプラットホーム経営者ら28人が登場する。

 まずは「問題提起」。
 ブログ黎明期よりブロガーとして活躍する徳力基彦と、「ウエブはバカと暇人のもの」と書く中川淳一郎。
 インターネットが、フィルター(チェック機能)不在の自己責任の世界で、マスメディアのパワーも相対的なポジションだ、という。

Thmc1rd2qt 対して「マスゴミ」の立場。
 アメリカの「ワシントンポスト」がネット企業の経営者に買収されるなど、彼の国では多くの新聞社が淘汰されはじめている。
 では日本、どう手をうっているのか。朝日・読売・日経のトップがその戦略を語る。

Thvoncai6m 一方、既存メディアから「コンテンツ」を買って売るネットメディア。
 その先駆者ヤフーニュースの編集者、売る側はフジテレビのトップ。

 LINEやツイッターなど「爆発的に利用が拡大するソーシャルメディアの情報交流の危険性」は、ツイッターとミクシィのトップが。
 しかし「衝突や炎上」を起こしやすい仕組みやサービスは、淘汰されていくという。

 有料メルマガで評判のジャーナリスト・津田大介、フリーランスライターのふるまいよしこと思想家の東浩紀。
 個人がメディアになる時代を語るが、インターネットは現実社会の「写し鏡」と著者は結論づける。

 そして著者は「今後インターネットは、人類に新しい価値をもたらす『孵化器』になる」と考える。
 そのためプラットフォームは社会公共空間としての信頼性を、ユーザーはきっちりネットを活用するメディアテラシーを身につける努力を、そしてその状況をネットに関わるあらゆるプレーヤーが助けること、と主張する。

Img656_640  「ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか」
                     (朝日新書)

 精神科医で評論家の香山リカが、専門医の立場もふくめ「ソーシャルメディアの新たな闇に迫った」のが本書。
 「ツイッター、フェイスブック、LINEがもたらした息苦しいつながり、私生活自慢と軽薄な『いいね!』、ネトウヨのヘイトスピーチ・・・・」と、帯には刺激的な言葉が並ぶ。

 ブログを書き、フェイスブックで日常的な交流を楽しんでいる身にとって、自戒すべきコメントのいくつかを、抜粋しておこう。

Img657_640 「思ったことはすぐツイッターでつぶやく。
 食べた料理やお酒は必ず写真をとり、せっせとフェイスブックにアップする。
 一日中、LINEでつながり続けるー。
 進化を続け、便利になり続けるソーシャルメディア。
 だが、便利さの裏では新たなストレスが進行している。」

027_640 「SNS上で、正義や道徳を振りかざす人たち。
 彼らはそんなに道徳的な人なのか?
 ネットはいつから、
 『傷つきたくない人たちの先制攻撃の場』となったのか?
 いち早くネットを見下し、ネット空間から逃げ出したリベラル派知識人たちの責任を問う。」

026_640 「『感動した』『いいね!』が感染症のように広がる社会。
 文章はどんどん圧縮されて短くなり、
 さらには言葉ではなく、スタンプや画像でやり取りをする。
 果たしてSNSでつながることで、
 コミュニケーションが深まっていると言えるのか?
 それとも私たちは何かをなくしつつあるのか?」

 まったく反論の余地は、ございません。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

August 05, 2014

2511.8月のシネマ(1)

 日比谷にあるTOHOシネマズ・シャンテは、興行成績は別として玄人向けの佳作を並べる。
 作品の上映館が少ないせいか、いつも満員に近い。
 今月は先ず、猛暑を逃れ冷房の効いたシャンテで見た2本の作品から紹介する。

Img664_640 「複製された男」(カナダ・スペイン合作)

 アカデミー賞にノミネイトされた「灼熱の魂」('10)で知られる、カナダ気鋭の監督ドゥニ・ヴィルヌーブ監督が、「プリズナーズ」(ブログ2484号)に続いて撮ったミステリー映画。

180pxjsjosesaramago 右の写真、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴ(1922~2010)の「The Double」をもとに、監督自身が脚本を書き映画化した。

 顔かたちに声、生年月日も体の傷まで瓜二つの人物に出会った男が、恐怖から日常生活に「異常」をきたすようになる。
 その「異常」は、もう一人の男にも影響を与え、彼自身も自己喪失の危機に見舞われていく。
 自分に「出くわした」二人の男の行く末は?難解だがぞくぞくする。

348793_001 主人公の大学講師を、「プリズナー」でもコンビを組んだジェイク・ギレンホールが演じる。もちろん瓜二つで役者稼業の男も。

 そしてそれぞれの相手、大学講師の恋人はフランスの女優・メラニー・ロラン(「イングロリアス・バスターズ」'09)が、俳優の身重の妻はカナダの女優サラ・ガドン(「危険なメソッド」'11)。

348793_005348793_004_2 緻密に計算された映像である。カラーフィルターを使って撮ったカナダ・トロントの高層ビル街やホテルの客室。
 暗示的なセリフにキーアイテムの「蜘蛛」、まさに「めくるめく夢の世界」だ。

348793_003_2 「どちらがオリジナルで、どちらがダブルか」、ヴィルヌーブ監督は衝撃のクライマックスを見せ、その解釈を観客にゆだねた。

 父親が監督のスティーブン・ギレンホール、母親がプロデューサー兼脚本家のモナオミ・フォナー、姉のマギーも女優。
 映画一家に生まれ、少年時代から両親の作品に出演してきたジェイク、深みのある演技で監督の期待に応えている。

Img662
 「ジゴロ・イン・ニューヨーク」(アメリカ映画)

 こちらは俳優のジョン・タトゥーロが、脚本を書いて監督・主演した正統派コメディ・ドラマ。
 脚本賞だけでもアカデミー賞に16回ノミネイト、3回受賞という巨匠ウディ・アレンにお願いして共演してもらった。

349082_001 ウディが他の監督作品に出演するのは14年ぶりだが、タトゥーロが書いた脚本にあれこれ口出ししているうちに、自ら出演する羽目になったようだ。

 相変わらずの「アレン節」が、図々しく大胆なセリフとなって飛び出すが、主役はあくまでも監督兼のタトゥーロなのが面白い。

349082_008 大金持ちの女医(シャロン・ストーン)に3P相手の男を頼まれたポン引きアレン、寡黙だがなぜか女にもてるタトゥーロをジゴロにして送り込む。

349082_004 次の客としてポン引きが狙ったのは、敬虔なユダヤ教ラビの未亡人(ヴァネッサ・パラディ)。
 ところが彼女にジゴロが惚れてしまい、商売どころかユダヤ原理主義者たちに追われる始末となる。

349082_009 「みんなが誰かとつながりたい」と、ニューヨーク・ブルックリンを舞台に大人のラブストーリーが展開していく。

 洒落た映画である。音楽がいい。
 サックスが奏でる「カナディアン・サンセット」にはじまり、ジャズの名曲の数々にタンゴ、歌手でもあるヴァネッサが唄うラブ・ソングと続く。

349082_006_3 
 前作「ラブ・レース」('13)では、敬虔なクリスチャンの母親を演じたシャローン・ストーンが、久々に美脚を晒してタトゥーロを誑し込むなど、R15+に相応しい?作品となっている。

 ジョニー・ディップの元パートナー、フランス人の歌手兼女優ヴァネッサにとっては、初めての英語会話だったそうだ。
 

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 02, 2014

2510.夏・車山高原

091_640056_640057_640

 霧ヶ峰火山の主峰・車山(1925m)、白いドームの気象レーダーが目印の、日本百名山のひとつ。

012_640080_640 眼下にひろがる草原の向こうには、赤岳(2899m)を最高峰とする八ヶ岳連峰を望む。
 右から編笠山・権現岳・阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳・・・・。
 蓼科山(2530m)の麓には、信州を代表するリゾートラインに沿った「白樺湖」も。

139_640141_640 頂上に立つと、八ヶ岳から時計回りに南アルプス(赤石山脈)・中央アルプス(駒ヶ岳)・北アルプス(飛騨山脈)そして白馬岳・浅間連山と、360度の大展望。
 ただこの季節には、南からの上昇気流で霧が発生して、姿をすっきりと捉えるのは難しい。
 「霧ヶ峰」の由来である。

159_640151_640 一息ついた後、「車山肩」へ下る。およそ2キロ、道幅は広いが岩石がゴロゴロして歩きにくい。

 霧ヶ峰は、140万年前に大爆発を起こしたアスピーテ型火山。東西10k南北16kの広がりを持つ緩やかな起伏の草原である。
 「主峰・車山」は、吹き飛ばされた頂上の一部が残ったもの。

176_640064_640181_640 国の天然記念物「八島ヶ原湿原」「踊場湿原」「車山湿原」、高原には三つの湿原がある。

 1年に1㎜、湿原の植物は堆積して泥炭層を築く。およそ1万2000年、こうして高層湿原は形成された。

177_640138_640152_640185_640
 「アマニュウ」「ウスユキソウ」「ヤマホタルブクロ」「アカバナシモツケ」・・・・・・、夏の湿原では400種以上の植物に出会う。

196_640_2171_640 なかでも夏を代表するのが「ニッコウキスゲ」、ひとつの花は1日でしぼむが、1本の花茎に10前後の蕾がつき、順繰りに咲く。

Img668_640 しかし今年は裏年のために、花が少ないという。そのうえ鹿の食害により、お花畑が斑になってしまった。
 環境省では、電気柵で囲ったり新たな苗を移植しているようだ。 

097_640 車山山頂までの「リフト券」の写真は、10年ほど前の「フォトコンテスト」でグランプリを受賞した「ニッコウキスゲと高原の雲」。
 空の雲だけは、今年も変わらなかったが。

 朝9時、「車山展望リフト」に乗って山頂に。
 360度の大展望を楽しんだ後は、ビーナスラインを眼下に見ながら「車山肩」までのトレッキング40分。
 コロポックルヒュッテで休憩した後、「車山湿原」の散策に50分。
 100段を超える最後の登りはきつかったが、風は爽やかだった。
 そして再び山頂に到着したのが、正午過ぎだった。

039_640 
219_640_2067_640 リフトの途中駅にある洒落たレストラン「TOP’S360」でランチ、車山高原近くのホテルに帰り着いたのは午後3時。

 腰に下げた歩数計は、24,304歩を示していた。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

« July 2014 | Main | September 2014 »