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January 06, 2016

2790.多摩川七福神めぐり

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 「歳の初めに詣でれば、福を授かる七福神めぐり」
 徳川家康が崇拝した七福神は、文化・文政(1804~30)の頃には江戸庶民の信仰となり、「めぐり」はウオーキングを兼ねた正月行事になった。
 
 「日本橋七福神」('07)に始まって、「深川」「浅草」「谷中」「下谷」「隅田川」、さらに昨年は「山の手七福神」を歩いた。
 
Img203_640  そして今年は「多摩川七福神めぐり」、昨秋に鑑賞した歌舞伎「神霊矢口の渡し」(ブログ2772号)に誘発されてのウオーキングである。
 
 この演目は、南北朝時代の内乱を綴った「太平記」を題材に、平賀源内が書いた浄瑠璃歌舞伎である。
 
 鎌倉幕府を倒した新田義貞の子・義興が、武蔵野国矢口の渡しで、底に穴を空けた船に乗せられて、非業の死を遂げた史実に基づいた物語だった。
 
 「多摩川七福神」はその所縁の地を巡るもので、一昨年から始まった東京では最も新しいコースとなる。
Imgp0003_640Imgp0005_640 スタートはその新田義興を祀る「新田神社」、東急多摩川線「武蔵新田駅」から歩いて3分にある。
 
 神社には義興の祟りを鎮めるために、矢口の村人たちが祀った「新田大明神」が鎮座する。
 
Imgp0061_640  境内にあるご神木の欅は樹齢700年、雷や戦火にあって真っ二つに裂けたが今も葉が生い茂り、南朝の武将に因んだ「強運の神様」として信仰されている。
 
 新田神社の七福神は「恵比寿」、漁業や水難除けの神様である。
 
Imgp0009_640Imgp0010_640 環八通りへ歩いて8分、「頓兵衛地蔵」が次のスポット。

 義興の謀殺に加担した船頭の頓兵衛が、その罪を悔い一体の地蔵を作った。
 しかし義興の恨みで地蔵の顔は溶けてしまい、別名「とろけ地蔵」とも呼ばれる。
 
Imgp0011_640  七福神は「布袋尊」、中国唐の実在した僧で福々しい風貌から「開運」「良縁」「家庭円満」の神として慕われる。
 
Imgp0014_640Imgp0015_640 多摩川線沿いに歩いて5分、武蔵新田駅ホームに沿って鎮座しているのは、「矢口中稲荷神社」。
 
 200年前の大凶作にあった村人が、京都・伏見神社のご神体を遷座した。
 
 七福神は「福禄寿」、道教の神様で「福(幸福)」「禄(高給)」「寿(長命)」を授けてくれる。
 
Imgp0018_640Imgp0017_640 多摩川へ向かって歩いて7分、「氷川神社」は嵐や厄病から守ってくれる素戔鳴尊(すさのうのみこと)がご祭神。
 
 七福神は「大黒天」、「五穀豊穣」「商売繁盛」「出世」をもたらすインドの神として、人気がある。
 
Imgp0021_640Imgp0025_640 さらに南へ6分、「延命寺」は聖徳太子が彫ったと伝わる、「火雷除子安地蔵」で知られる寺。
 
 新田義興の怨霊が雷火となって寺を焼き尽くした時、この地蔵だけが 難を逃れた。
 寺の名の由来でもある。
 
Imgp0023_640 一緒に祀られている七福神は「寿老人」、「健康」「長寿」「子孫繁栄」を司る、中国の神様。
 
Imgp0029_640Imgp0032_640  8分歩いて多摩川の堤に到着。
 ここが「矢口の渡し」である。
 
  品川宿を出発した旅人たちは、東海道を歩いてここから船に乗り、対岸の相模の国へと渡った。
 肉眼では正面に富士山も見えたが、写真では判りつらい。
 
Imgp0038_640Imgp0035_640_2 その渡し口にあるのが「東八幡神社」。
 源氏の氏神、武士の守り神として鎌倉時代に建立された神社で、「湯坂八幡」と呼ばれてきた。
 
Imgp0036_640_2  神社に祀られている七福神は、唯一の女性神「弁財天」。
インドの水神で「美」「芸術」「芸能」の神として信仰されている。
 
Imgp0042_640Imgp0044_640_2  ここからUターンして8分、「多摩川七福神めぐり」の最後は「十寄神社」。
 七福神は「毘沙門天」、「勇気」「知恵」を授ける「武運」の神である。
 
Img204_640  「十寄」の名の通り、1358年に矢口の渡しで謀殺された、新田義興の家臣10人を祀った神社である。
 歌舞伎で中村吉右衛門が演じた「由良兵庫之助」も祭神の一人で、地元では「とよせじんじゃ」と呼んで慕われている。
 
 そのまま歩いて4分、再び「新田神社」へ戻る。
 
Imgp0007_640_2Imgp0006_640_2  平賀源内がここを舞台に狂言浄瑠璃を書いたのは、神社に頼まれた「村起こし」のためだった。
 
 怨霊の雷が鳴るたびにピチピチと割れる不思議な「竹」、源内がその竹で作った邪気退散の「矢守」は、やがて全国の神社で「破魔矢」として広がった。
 
Imgp0050_640 新田義興の仇敵、足利基氏や家臣・畠山の一族末裔が神社を訪ねると、必ず雨が降って狛犬が吠える。
 
Imgp0057_640Imgp0058_640 そして神社には8年前「LOVE神社」のオブジェが奉納され、若い女性やカップルのパワースポットとして人気が高い。
 
 「破魔矢」「狛犬の置物」そして「LOVE神社のお守り」。
 オブジェを制作したアートディレクター・浅葉克己は、現代の平賀源内かもしれない。
 
 「多摩川七福神めぐり」はドアtoドアで3時間、歩数は11.066歩だった。

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