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May 03, 2016

2910.安田靫彦展

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 ポスター右の源頼朝が「待ちかねたぞ」と声をかけ、左の義経が「いざ、竹橋」と応える。
 
 それに応えて先週は竹橋にある「東京国立近代美術館」へ、40年ぶりの「安田靫彦・大回顧展」である。
 
Img391_640   ポスターで一部紹介されている「黄瀬川陣(きせがわのじん)」や、切手にもなった「飛鳥の春の額田王」など、歴史上の人物や場面を描いた名作で知られる日本画家・安田靫彦( 1884~1978)。
 
Yjimage_640  14歳で絵筆をとり、のちに岡倉天心の薫陶を受け日本美術院の中核を担った安田は、生涯をかけて歴史人物への深い関心を日本画へ昇華させた。
 
 展覧会では彼の代表作100点余りを、年代順に4部に構成し、タイトルは画伯のエッセイの一部を引用している。
 
 1章「 歴史画に時代性を与え、さらに近代感覚を盛ることは難事である。
 
1443b_640_2 右の「夢殿」(28歳の作品)をはじめ、15歳から40歳ごろまでの作品が並ぶ。
 最初の師・小堀鞆音の武者絵から脱し、写実によって新しい絵画を生み出そうとした、「挑戦」の時代の作品である。
 
 2章「えらい前人の仕事には、芸術の生命を支配する法則が示されている」
 
Img392_640  左は54歳の時の作品「孫子靭姫兵」、中国の故事から筆を執った。
 この時期、安田の作品はひとつの方向に集約されていく。端正な線の魅力、余白、淡白でさわやかな色彩、古典芸術に通ずる簡潔さと優美を備えた50代半ばまでの作品が並ぶ。
 
 3章「昭和聖代を表象するに足るべき芸術を培う事を忘れてはならない」
 
Img386_640 Img385_640  挙兵した頼朝と義経の最初の出会いを描いた、重要文化財「黄瀬川陣」(56歳)。
 二つの屏風に描かれた作品は、まさに安田の代表作のひとつ。
 
 この時期は彼の画業の高揚期、深い古典研究の上に成り立つ作品は冴え渡る。
 
 4章「品位は芸術の生命である」
 
Img393_640 左から、「王昭君」(63歳)「卑弥呼」(84歳)「飛鳥の春の額田王」(80歳)。
 
 61歳で終戦を迎えた安田は、時勢の重圧から解放されたかのように、様々な歴史上の人物を優美に色彩豊かに描いていく。
 
 この時期の作品の数々が、私たちに日本画家・安田靫彦の存在を知らしめたと言える。
 91歳の遺作「富士朝瞰」まで、精力的に絵筆を執った晩年の作品30点余が並ぶ。
 
 「安田靫彦展」は15日まで、竹橋の東京国立美術館で開催。観覧料は1.400円。

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