« 2911.5月のシネマ(1) | Main | 2913.5月のシネマ(2) »

May 09, 2016

2912.「幻の万世飛行場」展

Img398_640
 新宿・住友ビル48階にある平和祈念展示資料館で、陸軍最後の特攻基地「幻の万世飛行場展」が催されている。
 
Imgp0007_640  この展示は、当館と南さつま市が主催する「平和祈念交流」の企画展で、鹿児島・南さつま市にある「万世特攻平和祈念館」に展示されている、特攻隊員の遺品や遺書、関連資料など20数点がパネルとして並ぶ。
 
 九州各地にあった特攻基地、海軍の「鹿屋」や陸軍の「知覧」は、映画や小説、ルポルタージュなどで紹介され多くの人の記憶に残っているが、私の故郷でもある「万世」については地元の関係者以外ほとんど知られていない。
 特攻隊員の遺族も、最後に飛び立った地は「知覧」と信じていた。
 
Img400_640 46年前「元特攻隊員がひょっこり地元の市役所を訪れ『多くの戦友が南の空に飛び立った旧万世飛行場跡に、特攻隊の碑を建立して戦友の霊を弔いたい』と建設資金の一部として30万円を市に寄付した。」(当時の地元紙)
Img402_640
生き残った隊員は大阪在住の苗村七郎さん、そして2年後地元や遺族たちの協力を得て、「万世特攻慰霊碑『よろずよに』」を建立。
 1993(平成5)年には、戦死した隊員たちの遺品や遺書、写真資料を展示する「万世特攻平和祈念館」がオープンした。
 
Img414_640 幻の特攻基地は、九州の西南端にある日本三大砂丘のひとつ「吹上浜」にあった。
 
 ここが「幻」といわれるのは、太平洋戦争の戦局が急を告げた1943(昭和18)年から翌年末にかけ陸軍が建設した「秘匿飛行場」だったからである。
 
Img407_640  建設は、地元住民も勤労奉仕するなど短期間で行われ、1945年㋂末には最初の特攻機が出撃した。
 それから4か月、万世飛行場を出撃した特攻隊員198名が還らぬ人となった。
 
Img401  終戦後も、戦隊長の自決や軍命令による関係書類焼却、飛行機や諸設備も破壊され、残されているのは営門のコンクリート柱だけとなった。
Img418_640_2  同郷の先輩で、当時国民学校3年生だった画家の野崎耕二さんは画文集「からいも育ち」(筑摩書房)で、飛行場の建設やグラマンの襲撃、「特攻隊員との別れ」などをスケッチしているが、「幻の万世飛行場」を知る人は少なくなった。
 
Img410_640 展覧会が開催されている「平和祈念展示資料館」は、総務省所管の施設で、さきの大戦における兵士や強制抑留者および引揚者の労苦について、次の世代に引き継ぐために設立された。
 
Img413_640  会場には、関係者の労苦を物語る様々な実物資料、グラフィック、映像、ジオラマなどが展示されている。
 
Img411_640  今回の交流展でも、「万世特攻平和祈念館」の紹介映像が毎日上映されるほか、「語らずに死ねるか!無名元兵士たちの声」などドキュメンタリーや映画の上映が行われている。
 
 陸軍最後の特攻基地「幻の万世飛行場」展は、6月26日まで新宿・住友ビル48階「平和祈念展示資料館」で。入場無料。

|

« 2911.5月のシネマ(1) | Main | 2913.5月のシネマ(2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/93334/63588483

Listed below are links to weblogs that reference 2912.「幻の万世飛行場」展:

« 2911.5月のシネマ(1) | Main | 2913.5月のシネマ(2) »