« 2915.逗子・源氏ゆかりの地を歩く | Main | 2917.初夏・上高地 »

May 21, 2016

2916.5月のシネマ(3)

Yjimageb3u1w2bp_640  アメリカの映画監督・写真家・音楽家・作家として活躍しているガス・ヴァン・サント63歳。
 
 1985年にゲイの青年を主人公にした「マラノーチェ」で監督デビュー、その後「ドラッグストア・カウボーイ」('89)「マイ・プライベート・アイダホ」('91)など同性愛やドラッグ、近親相姦などに苦しむ青春像を詩的な映像美で描き、国際的にも注目を浴びてきた。
 
Yjimageykc7xqs0_640  1997年、まだ無名の俳優だったマット・デイモンと組み「グッド・ウイル・ハンティング/旅立ち」を製作して作品賞・監督賞などアカデミー賞7部門にノミネイトされた。
 そしてマット・デイモンが脚本賞、ロビン・ウイリアムスが助演男優賞を受賞している。
 
 さらに「エレファント」('03)では、カンヌ国際映画祭で最高賞の「パルム・ドール」と監督賞を史上初めて同時受賞している。
 
Milk_20080909193915_640  2008年、自らゲイであることを公表した人権活動家ハーヴィー・ミルクの生涯を描いた伝記映画「ミルク」では、アカデミー賞8部門にノミネイトされショーン・ペンが主演男優賞、製作者でもあったダスティン・ランス・ブラックが脚本賞を受賞した。
 
 そのガス・ヴァン・サントの最新作が「追憶の森」、オスカー俳優(「ダラス・バイヤーズクラブ」'13)マシュー・マコノヒーにナオミ・ワッツと渡辺謙、それぞれアカデミー賞にノミネイトされたこともある俳優が主演した作品である
 
Img394_640
 
  「追憶の森」
.
 邦題は結末を暗示しているが、原題は「THE SEA OF TREES」、「樹海」である。
 
355273_001_640  富士山麓「青木ヶ原樹海」に、死場所を求めてやってきたアメリカ人の男(マシュー・マコノヒー)が、樹海の中で彷徨う男(渡辺謙)と出会った。
 彼もまた死場所を求めてやってきたのだが、樹海という魔の空間に迷う中で生への光を見出していた。
 
355273_003_640  必死に出口を探す二人、カットバックしてアメリカでの妻(ナオミ・ワッツ)との愛と確執が語られていく。
 
 いったいこの樹海には、どんな秘密が隠されているのか、二人の男はなぜ出会ったのか、そしてたどり着く先は。
 
355273_002_640  セリフの中に隠されたキーワード、そして渡辺が唄う歌、そして蘭の花。
 人生の終着点に向かう旅が、やがて希望の旅となるミステリー作品である。
 
 映画は「Googleの検索」から始まった。
 「リミット」('10)の脚本家クリス・スパーリングが、偶然にインターネットで「青木ヶ原樹海」をクリックした。
 
 そこはスピリッツの世界、自殺をする人がたったひとつの目的で旅する場所、その距離と時間、その驚くべき意思の固さ・・・・・。
 スパーリングは物語を紡ぎはじめ、ガス・ヴァン・サントは本に出合う。
 
355273_004_640  ロケはもちろん青木ヶ原でも行われたが、ほとんどはカナダの森で撮影されたようだ。
 独立プロダクションとして製作費を抑えるための手法だが、違和感はない。
 
 私も青木ヶ原樹海を旅した経験があるが、苔むした岩や倒木、磁石が狂い携帯電話も通じない「樹海」が、生と死の境界を映像で見せた。

|

« 2915.逗子・源氏ゆかりの地を歩く | Main | 2917.初夏・上高地 »

Comments

(◎´∀`)ノ
新しい映画をほとんど観られないのは残念です。
若いうちは外出をしたのですが、最近は家出テレビかネット映画を楽しむばかりになりました。

時代が過ぎれば次々テレビやネットに出てきますので、数年たってから観ることになります。

Posted by: 根保孝栄・石塚邦男 | May 30, 2016 at 10:41 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/93334/63578163

Listed below are links to weblogs that reference 2916.5月のシネマ(3):

« 2915.逗子・源氏ゆかりの地を歩く | Main | 2917.初夏・上高地 »