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July 16, 2016

2935.7月のシネマ(2)

 先月のブログ2923号でも紹介したように、ヨーロッパの映画界で注目を集める日本人監督を「4K」と呼んでいる。
 
Yjimageprtbnr2e_640  その一人が黒沢清、神戸出身の60歳。
 立教大学で自主映画サークルで活躍、「ぴあフイルムフェスティバル」に入選したのち助監督を経て、1983年に「神田川淫乱戦争」でデビューした。
 
 5作目のホラー映画「CURE」('97)で国際的な注目を集め、同じホラー映画「回路」('00)でカンヌ国際映画祭・国際批評家連盟賞を受賞した。
 
Yjimage12xsksg8_640  その後、香川照之を主演に撮った「トウキョウソナタ」('08)がカンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞、前田敦子主演の「Seventh Code」('13)がローマ映画祭最優秀監督賞、そして昨年浅野忠信・深津絵里主演「岸辺の旅」でカンヌ国際映画祭「ある視点部門」監督賞を受賞した(ブログ2769号で紹介)。
 
 黒沢は監督・脚本・映画批評を続ける中、東京藝大大学院教授として若い映画人を育てるなど幅広く活躍し、映像文化に貢献したとして今年は川喜多賞を受賞した。
 
Img468_640  その黒沢は、現在日・仏・ベルギー共同製作の作品を撮っている。
 「ダゲレオタイプの女」、黒沢監督以外のスタッフはヨーロッパの映画人、もちろん出演者もフランスの俳優、彼にとって海外初進出作品で、10月公開予定。
 
 そして黒沢清の最近作が、先月から公開されている「クリーピー偽りの隣人」である。
 ヨーロッパ映画ファン好みのタッチ、ベルリン国際映画祭に正式出品され香港映画祭ではクロージング上映された。
 
Img463_640
 
  「クリーピー偽りの隣人」
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 クリーピーとは、「ぞっと身の毛がよだつような、気味が悪い」を意味する。
 日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した、法政大学教授・前川裕の同名小説が原作である。
 
353643_011_640  ある夫婦が「奇妙な隣人」と関係を持つことで、深い闇へと引きずり込まれていく恐怖を描く「サイコ・スリラー」映画。
 近所付き合いが希薄な日常社会、描かれる「恐怖」は誰もが経験するかもしれない。
 
353643_004_640  主人公は刑事出身の犯罪心理学者(西島秀俊)、6年前に発生した未解決の「一家失踪事件」を、後輩刑事(東出昌大)と追う。
 学問的興味からだったが、生き残りの長女(川口春奈)の記憶があいまいで、核心に迫れない。
 
353643_013_640  一方、妻(竹内結子)と引っ越ししてきた新居の隣人(香川照之)と娘(藤野涼子)は、どこか奇妙な家族だった。
 
 「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」
 娘の叫びから、物語は「深い闇」へと突き進んでいく。
 
353643_001_640  黒沢作品4回目の出演となる西島秀俊と香川照之、しかし共演は初めてである。
 
 闇を追う西島と闇に引き込む香川、その香川に心理的に支配されていく竹内、個性派俳優たちの演技が、サスペンス・スリラーの醍醐味を味合わせてくれる。
 

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