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July 28, 2016

2939.7月のシネマ(4)

136702772093213206283_640  ドイツを代表する女性監督マルガレーテ・フォン・トロッタ、私より2歳若いが誕生日が同じ日である。
 そんな親しみもあって、日本で公開された彼女の作品はほぼ見ている。
 
 ベルリン生まれの彼女は、若いころにはパリでフランス映画の女優として活躍、帰国後フォルカー・シュレンドルフと結婚して、「カタリーナ・ブルームの失われた名誉」('75)を共同監督した。
 
Buriki_640  夫のシュレンドルフ監督は「ニュー・ジャーマン・シネマ」の旗手、1979年に製作した「ブリキの太鼓」はカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞し、アカデミー賞外国語映画賞も受賞している。
 
 彼女の長編映画単独監督デビューは「第二の目覚め」('78)、そして三作目の「鉛の時代」('81)はヴェネチュア国際映画祭で金獅子賞を受賞して、名実ともにニュー・ジャーマン・シネマの監督と評価された。
 
51f7gwjhbll__sl500__640  彼女の作品が日本で話題となったのは、ドイツ系ユダヤ人の哲学者ハンナ・アーレントの伝記映画「ハンナ・アーレント」('12)。
 東京国際映画祭のコンペテイション部門で上映された後、岩波ホールで公開され連日満席が続いた。
 
Hannaharendt_640  この作品でアーレントを演じたのが、ドイツを代表する女優といわれるバルバラ・スコヴァ。
 
 トロッタ監督の「鉛の時代」でヴェネチア国際映画祭最優秀主演女優賞を受賞、続く同監督の作品「ローザ・ルクセンブルク」('85)ではカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を受賞している。
 
 今回紹介する「生きうつしのプリマ」は、二人の4回目のコンビによる作品となる。
 
Img483_640   
    「生うつしのプリマ」
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 一人暮らしの父(マティアス・ハービッヒ)がネットで見つけた一枚の画像。
 それは、ニューヨークのメトロポリタン・オペラで歌う有名なプリマドンナ(バルバラ・スコヴァ)の写真だった。
 
400x267_640  父に呼び出された売れないジャズ歌手の娘(カッチャ・リーマン)があ然としたのは、それが一年前に亡くなった最愛の母(バルバラ・スコヴィアの二役)と生き写しだったからだ。
 
356876_002_640  父に強く押されニューヨクに渡った娘、気まぐれでミステリアスなプリマドンナに振り回されながら、彼女と母の関係を探っていく・・・・・・・。
 
Ikiutushinoprima_sub1760x507_640  作品は、二つの音楽で彩られる。
 スコヴィアの歌うオペラとリーマンの唄うジャズ、スコヴィアは本物のオペラ歌手でもあり、リーマンはジャズ・バンドを率いてシンガーソングライターとして活躍している女優である。
 
 作品はまた、トロッタ監督自身の半自伝的なもので、40年近く前にアルツハイマーを患って亡くなった母へのオマージュとなっている。

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Comments

マルガレータ・トロッタの作品観たいです。( ̄▽ ̄)

Posted by: 根保孝栄・石塚邦男 | August 01, 2016 at 09:57 PM

マルガレータ・トロッタ監督の映画、まだ観たことが無いんですよ。
観てみたいなぁ・・。これ読んでなお感じました。wobbly

Posted by: 根保孝栄・石塚邦男 | July 29, 2016 at 11:45 AM

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