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August 06, 2016

2942.8月のシネマ(1)

354289_002_640  今年のアカデミー賞主演男優賞は、「レヴェナント:蘇えりし者」に主演したレオナルド・ディカプリオが受賞した(ブログ2913号5.12で紹介)。
 
188036_640  ノミネイトされたほかの俳優は、「オデッセイ」のマット・デイモン(ブログ2884号2.16)、「スティーブ・ジョブズ」のマイケル・ファスベンダー(ブログ2897号3.26)、「リリーのすべて」のエディ・レッドメン(ブログ2903号4.13)と、このブログで紹介してきた。
 
 そして最後の一人がブライアン・クランストン、出演した映画「トランボ」がようやく先月末から公開された。
 
Main_640  もともと舞台・TVで活躍してきた俳優で、4度のエミー賞主演男優賞そしてトニー賞を受賞している。
 映画では、「アルゴ」('12)「トータル・リコール」('12)「ゴジラ」('14)で脇役として出演している。
 
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   「トランボ」
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 冷戦時代のアメリカ、「赤狩り(マッカーシズム)」の最初の標的にされ投獄された売れっ子脚本家、ダルトン・トランボ(ブライアン・クラントン)の半生を描いた伝記映画。
 
355329_002_640_2  「潜水艦SOS」('37)で脚本家としてデビュー、「恋愛手帳」('40)でアカデミー賞脚色賞にノミネイトされた彼は、戦前からのコミュニストでハリウッドの労働運動を指導するなどして当局から睨まれていた。
 
355329_004_640  下院非米活動委員会の聴聞会に呼び出されたが、証言を拒み議会侮辱罪で実刑判決を受ける。
 さらに出獄後もブラックリストにのせられハリウッドから追放、メキシコで家族5人の貧困生活を強いられる。
 
 その彼が友人の名を借りて書いた「ローマの休日」('53)が、アカデミー賞原案賞を受賞。さらに偽名で書いた「黒い牡牛」('56)も原案賞を受賞するが、彼の名は公表されなかった。
 
355329_007_640  議会で証言を拒否した仲間たち「ハリウッド・テン」の生活を守るために、C級映画に手を入れB級映画に仕上げるなどして稼ぎ、家族と共に苦難の日々を過ごしてきたトランボ。
 
 ハリウッドのリベラル派俳優カーク・ダグラス(ティーン・オゴーマン)と、異色のユダヤ系監督オーットー・プレミンジャーの協力によって、「スパルタカス」('60)「栄光への脱出」('60)を本名で書いて、ハリウッドに復活するまでが描かれる。
 
355329_001_640  なお「黒い牡牛」のオスカー像は1975年に改めてトランボに贈られ、「ローマの休日」のオスカー像は彼の未亡人クレオ(ダイアン・レイン)の手に渡された。
 受賞後40年後の事である。
 
355329_013_640  「赤狩り」を支援する右派系俳優のジョン・ウエイン(ジェームズ・エリオット)やレーガン、トランボと敵対した右翼コラムニストのヘッダ・ホッパー(ヘレン・ミレン)らが実名で登場し、激動期のハリウッドの内幕がリアルに描かれる。
 
 固い信念を貫いたトランボの、型破りでユーモアに満ちた人生と家族愛に、心を揺さぶられる。
 

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Comments

トランボの破天荒な人生・・・味があります。(・∀・)イイ!

Posted by: 根保孝栄・石塚邦男 | August 09, 2016 at 10:25 PM

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