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September 04, 2016

2952.9月のシネマ(1)

234635_640  鶴橋康夫76歳、私と同年齢である。
 大学卒業後読売テレビ(大阪)に入社、東京支社でドラマ・ディレクター、「木曜ゴールデンドラマ」などで社会派ドラマを製作、数多くの賞を受賞した。
 
517txbj2phl_sx327_bo1204203200__640  印象に残る作品に、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞した「五辨の椿」('81)がある。
 野村芳太郎監督で映画化された山本周五郎の時代小説だが、大原麗子を主人公にした鶴橋作品は、情感あふれていた。
 
 その後「仮の宿なるを」('83)で芸術祭優秀賞、「愛の世界」('90)で芸術作品賞ほか、ギャラクシー賞や放送文化基金賞など数多くのテレビ関連賞を受賞し、「芸術祭男」の異名も取る。
 
 読売テレビを定年退職した後は、東北新社に席を置いてドラマ制作を続けている。
 2005年「砦なき者」で芸術選奨文部大臣賞、'07年紫綬褒章、'13年旭日小綬章。
 
Img_0  鶴橋康夫が映画を撮ったのは、2007年の「愛の流刑地」が初めてである。
 渡辺淳一の新聞連載小説を、豊川悦司と寺島しのぶ主演で映画化、愛とエロスの極致を描いて話題となった。
 
 続いて「源氏物語 千年の謎」('11)、そして3本目の作品が今回の「後妻業の女」である。
 
Img513_640 
   「後妻業の女」
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 65歳以上で再婚した人が、2年前7千人を超えた。全体の4%、30年前の5倍になるという。
 それだけに、中高年に的を絞った結婚相談所は大流行り、様々なイベントがメディアで紹介される。
 
209x300_640  ブームの陰には、必ず犯罪の臭いが漂う。
 「色と欲」、高齢者の財産を狙った事件、直木賞作家・黒川博行はそれを題材に、「後妻業」を書いた。
 
 本を出版したのち、ストーリーを地で行くような事件が明るみになった。
 「関西連続不審死事件」、再婚相手6人が不審死して千佐子容疑者は、遺産8億円を手にしていた。
 
355381_009_640  黒川の小説を原作とした映画「後妻業の女」の主人公は、佐代子(大竹しのぶ)。
 結婚相談所長(豊川悦司)と手を組んで、「後妻業」に励む。
 
355381_003_640  彼女は、元害虫駆除会社社長(六平直政)・元不動産会社社長(森本レオ)・元テレビ局役員(伊武雅刀)・元大学教授(津川雅彦)ら9人と再婚を繰り返して、遺産を手に入れた。
 
355381_004_640  そして10人目のターゲットが不動産王(笑福亭鶴瓶)、しかし大学教授の娘(尾野眞千子)が私立探偵(永瀬正敏)に依頼して、「後妻業」の闇を暴き始めた・・・・・。
 
 大竹しのぶが、希代の悪女をチャーミングに演じる。
 鼻歌を歌いながら夫を殺したり事故死を装う日々、遺族に追及されてもどこ吹く風。
 
355381_006_640  しかし、焼肉屋で尾野眞千子と取っ組み合う長回しのバトルシーンに、爆笑しながらも一人で生きる女の悲しみを見る。
 
 出演者は他に、風間俊介(放蕩息子)、余貴美子(後妻業)、泉谷しげる(金庫屋)、柄本明(ヤミ医師)と多士済々。
 
355381_002_640  現在、65歳以上の一人暮らしは600万人、男性は5人に1人、女性は2人に1人が独身。
 長寿化・核家族化・熟年離婚の増加、時代は「後妻業」を生んだ。
 全国に結婚相談所が4.000社、利用者60万人。
 「資産」を持ち「持病」を持つ男性高齢者が、今最もモテる時代となった。.

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