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September 10, 2016

2953.9月のシネマ(2)

Essential_photo_640  アンジェイ・ワイダ、ロマン・ポランスキ、クシシュトフ・キエシロフスキと並ぶポーランド映画界の巨匠、イエジー・スコリモフスキ78歳。
 
 スターリン批判や「連帯」のメンバーとなって国を追われ、ベルギーやイギリスで監督や脚本家として活躍してきた。
 
Ledepart_640  ワイダ監督の「夜の終わりに」('60)やポランスキ監督の「水の中のナイフ」('62)の脚本家として頭角を現し、1967年の「出発」を監督してベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。
 
Anna_640  「出発」はベルギーで製作したヌーヴェル・ヴァーグ作品だったが、2008年に17年ぶりに祖国で撮った「アンナと過ごした4日間」が、東京国際映画祭審査員特別賞を受賞し、ポーランド映画界に復帰した。
 
Eskithumbnail2_640  さらに2010年、「エッセンシャル・キリング」でヴェネツィア国際映画祭で2回目(「ライトシップ」'85)の審査員特別賞を受賞する。
 そして今年、ヴェネツィア国際映画祭・生涯功労金獅子賞を受賞した。
 
 スコリモフスキは、脚本家・監督のほか俳優としても活躍している。
 最近作では、主演のヴィゴ・モーテンセンがアカデミー賞にノミネイトされた「イースタン・プロミス」('08)でヒロインのナオミ・ワッツの伯父役を、「アベンジャーズ」('12)ではロシア人スパイを演じている。
 
 先月公開された「イレブン・ミニッツ」は、スコリモフスキ監督5年ぶりのポーランド映画である。
 
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  「イレブン・ミニッツ」
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 ある一日の午後5時からから5時11分までの「日常」を描いた、リアルタイム・群像サスペンスである。
 
1470967443_1_640  登場人物は、好色な映画監督と役を狙う女優に嫉妬深い夫、ムショ帰りのホットドック屋やヤク中のバイク便配達屋、ビルメンテナンスのバイトをしている登山家とその仲間の女、画家に犬を連れた女などなど・・・。
 
1470967443_2_640  大都会に暮らす曰くありげな11人と犬一匹の11分が、モザイク状に 絡みながら物語は展開していく。
 そして11分後には彼らのありふれた日常が、突如不条理の世界に巻き込まれてしまうのだ。
 
356042_003_640  監視カメラやスマホのカメラ、WEB映像にCG、現代社会の巷にあふれるメディア技術を巧みに扱いながら、スローモーション、ローアングル、大俯瞰と、多様な質感を駆使して映像化する一方、バイクの疾走音や低空を飛ぶジエット旅客機の爆音、救急車のサイレンなど、都会のノイズをバックに配する。
 
News_xlarge_11minutes_201606_04_640  出演者は、映画監督に扮したアイルランドの俳優リチャード・ドーマ(「ベルファスト71」('14))と、ホットドッグ屋のポーランド人俳優アンジェイ・ヒラ(「カティンの森」'07)以外は、馴染はない。
 
 テロや天災が日常化してしまった現代、「最後は何か恐ろしいことが起こる」と監督の「仕掛」を期待してか、公開初日初回の映画館は満席だった。
 

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