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October 10, 2016

2963.大仙厓展

Img09_640  「海賊とよばれた男」出光佐三(1885~1981)、日本の石油王であり有数の美術コレクターだった。
 
Img018_640_2  その彼が、神戸高商の学生時代に出会った禅画が、同郷の先人、禅師・仙厓(1750~1837)の「指月布袋賀賛」である。
 
 作品を手にして以来、出光は仙厓の禅画を買い求め、およそ1.000点の仙厓コレクションをもとに、出光美術館を開館した。
 その美術館で、今「大仙厓展」が開催されている。
 
Img005_640  笑いとユーモアを通じて、禅の心を教えた仙厓(1750~1837)は美濃の百姓の次男。
 
 地元の寺で修業、全国行脚の後に栄西禅師が建立した日本最古の禅寺・聖福寺(博多)の住職として迎えられ、ここで得意の書画を通して禅の教えを広めた。
 
 地位や名誉を求めず、黒衣の僧として一生涯を過ごした彼は、地元の多くの人々に愛され、今も「博多の仙厓さん」と慕われている。
 
Img007_640_3  彼が書いた多くの禅画は、住職を務めた聖福寺以外は、出光美術館と福岡市美術館、九州大学文学部にコレクションとして残されている。
 
 今回の展覧会は、その中から132点を厳選して展示、仙厓の禅の心を伝える。
 
Img015_640  展示は6章で構成される。
 
 第1章は彼の作品でつづる「仙厓略伝」、第2章は道釈人物画で画風の変遷をたどる「仙厓の画賛」。
 
Img010_640  第3章に仙厓の禅画の代表作が並ぶ
 
 仙厓の禅画は、いずれも彼の禅に対すはる考えや思いが表されている。その中で左の「〇△□」は、今もその解釈について議論が尽きない。
 
 この書画を手に入れた出光佐三は、これを「宇宙」と見る。そして鈴木大拙もアメリカでの展覧会で、「Universe」と紹介した。
 
 右の「座禅蛙」のメーセージ、「座禅して人は仏にならなくは」Img008_640
 
Img009_640_2 左は「一円相画賛」、「これを思って茶を飲め」。
 
 仙厓の厳しくも心温まるメッセージが伝わる。
 
Img012_640_2  第4章には、動植物や人々の日常生活を描いた「厓画無法」の世界が並ぶ。
 
Img014_640  犬や猫など身近な動物はもちろん、博多の浜で見た珍しい「トド」の画、河童や天狗。
 さらには中国の説話や伝説に登場する鍾馗さまや神農まで、まさに神羅万象、生きとし生きるもの全てが描かれる。
 
Img017_640  晩年になって友と訪ねた筑前の名所は第5章に、請われるままに描き与えた書画の揮毫は第6章に。
 
P1050082_640 愛しき人々に向けたユーモアたっぷりの禅画は、見る人の目だけでなく心を和ませてくれる。
 
 「大仙厓展」は、11月13日まで丸の内・出光美術館で。入館料は1.000円。
 
 
 

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