« 2972.11月のシネマ(1) | Main | 2974.11月のシネマ(2) »

November 10, 2016

2973.特別展「禅・心をかたちに」

Imgp0004_640_2  鎌倉時代から南北朝にかけて、中国から伝えられた「禅」。
 とくに主要な流派である「臨済宗」は、北条や足利など時の権力と結びついて全国に広がった。
 
Img020_640_3  今年は臨済禅の祖・臨済禅師の1150年、臨済宗中興の祖・白隠禅師250年遠諱、それを記念して東博に禅の名宝が終結した。
 
 「禅・心をかたちに」、国宝22点、重文102点、臨済・黄檗十五派が主催する特別展である。
 
 300点を超える展示物は、5章で構成される。
 
Img023_640_2  第一章「禅宗の成立」は、達磨(だるま)がインドから中国に渡来して、禅宗が誕生する流れを歴代の祖師像でたどる。
 
Img022_640_2  右の雪舟筆の国宝「慧可断臂図」(室町時代)は、座禅する達磨と己の左腕を切り落として弟子入りを願う僧・慧可。
 
 左の一休賛の重文「臨済義玄像」(室町時代)は、棒や喝による峻烈な指導を行った宗祖・臨済の激しい表情が描かれる。
 
Uid000067_201608291424481ef4dcbc_64  第二章「臨済禅の導入と展開」は、臨済・黄檗十五派の開祖の肖像や墨蹟をはじめとする寺宝が並ぶ。
 
 右は、ブログ2953号('16.09.07)でも紹介した鎌倉五山の一位・建長寺の開山、鋭い眼光を放つ「蘭渓道隆座像」(重文・鎌倉時代)である。
 
 第三章「戦国武将と近世の高僧」は、武将の像やブレーンとして活躍した禅僧たちの書・禅画の項。
 
Uid000067_20160829142452688cdb04_64  ポスターとなった「達磨像」(江戸時代)は白隠禅師筆、縦2m近い画面いっぱいに描かれた巨大な顔は、数多くの禅画を残した白隠の晩年の傑作である。
 
 第四章「禅の仏たち」は、禅宗特有の威容や作風を示す仏像や仏画が展示される。
 
Uid000067_20160829142503aacce731_64  「十八羅漢のうち羅怙羅尊者」(江戸時代)は、「仏は皆の心の中に宿る」と胸を開く珍しい像である。
 本像は中国人仏師の作で、黄檗宗を日本に伝えた隠元の寺、京都・満福寺に伝わる。
 
 第五章は「禅文化の広がり」、茶の湯・水墨画・障壁画と禅寺が育んだ美の広がりが紹介される。
 
Img031_640  南禅寺本坊の障壁画「群虎図」(重文・江戸時代)は、幕府御用絵師・狩野探幽の筆。
 「水呑みの虎」として知られる障壁画は、襖八面ひと続きの画面で、前期・後期と展示替えで紹介される。
 
 「建長寺散策」(ブログ2953号)でも紹介したように、禅宗の大きな流派は「臨済宗」と「曹洞宗」。
 曹洞は達磨の教えの通り「只管打坐」、壁面に向かってただひたすら座る。
 
Img021_640  一方臨済は「公案」、いわゆる「禅問答」で「心とは何か」「心はどこにあるか」を問う。
 
 京都・退蔵院にある国宝「瓢鮎図」(室町時代)は、時の将軍・足利義時が「瓢箪で泥中の鮎(なまず)を抑え込むことが出来るか」と問い、三十一人の禅僧が漢詩で答えを書き如拙が絵を描いたもの。
 「心で心はとらえられない」の意である。
 
 特別展「禅・心をかたちに」は、上野・東京国立博物館で今月27日まで。入館料は、1.600円。

|

« 2972.11月のシネマ(1) | Main | 2974.11月のシネマ(2) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 2973.特別展「禅・心をかたちに」:

« 2972.11月のシネマ(1) | Main | 2974.11月のシネマ(2) »