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December 07, 2016

2980.12月のシネマ(1)

201610241502008b9s_640  この秋話題を呼んだ「将棋竜王戦」、渡辺明竜王に対して「七番勝負」を挑むはずだった三浦弘行九段が、「将棋ソフト」疑惑で出場停止となった。
 その結果、挑戦者は渡辺に負けた丸山忠久九段に替り、先週函館で第5局が行われた。
 
Ph_ryuou2904_end_640  19年前の竜王戦、1回戦を戦ったのが羽生善治と村山聖(さとし)、この時は村山が勝って両者の通算対戦成績は6勝6敗とタイとなった。
 
Z322031788_640_2  「怪童丸」との異名を持つ村山は1969(昭和44)年、広島で生まれる。
 幼少の時「ネフローゼ症候群」に罹り、療養所の院内学級で過ごす。
 
 入院中に父親から教わったのが「将棋」、市内の将棋道場で腕を磨き「中国こども名人戦」で4大会連続優勝、中学11年の時に大阪の森信雄(後に7段)の門下生となった。
 
 そして4年後に17歳でプロデビュー、奨励会入会から2年11か月でのプ入りは谷川浩司や羽生善治を超える異例のスピードとして注目された。
 
E0076231_20413650_640  同世代の羽生をライバルとし関東へ移籍した村山は、26歳でA級八段までまで登りつめ、目標だった「名人位」を目の前にしたが、羽生との竜王戦の直後に膀胱癌が見つかり摘出手術を受ける。
 
Mig_640  病苦に耐えながらも勝負を続けた村山だったが、癌が転移し1998年29歳で死去した。
 日本将棋連盟は、逝去の翌日付で「無冠の棋士」村山の功績を讃えて、九段位を追贈した。
 
 村山の死後2年、彼の東京での身元引受人だった「将棋世界」の編集長・大崎善生が書いたノンフィクションが「聖の青春」。
 
 先月公開された同名映画はフィクションと断ってはいるものの、主人公の村山聖を始め羽生善治など多くの人物が実名で登場している。
 
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  「聖の青春」
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 公開された作品で話題を呼んでいるのは、宿命のライバルを演じている二人の俳優である。
 
News_header_satoshinoseishun_201602  映画化の企画は8年前から動き始めていたが、そのころから原作に惚れていたのが松山ケンイチだった。
 監督の森義隆はこれを知ってオファー、松山はネフローゼで太っていた村山の体型に合わせて20キロも増量、生き急ぐ切迫感を三白眼の鋭い目の動きで演じる。
 
227538_640  一方の羽生善治は、現在も「王位」「王座」「棋聖」の三タイトルを持つ日本トップの棋士。
 配役は難航したが「将棋が好きだから出たい」と、羽生ファンでもある東出昌大が手を挙げた。
 
355764_004_640  エキセントリックな村山とクールな羽生。
 クライマックスは、最後の対局となった1998年のNHK杯戦決勝のシーンである。
 
 森監督は、松山と東出にその闘いの棋譜を暗記させて、駒を並べるところから決着がつくまでの全ての差し手を2時間半の長回しで撮った
 
Satoshinoseishun_sub6760x507_640  駒が打たれる音だけで展開するこのシーンは、二人の表情と指先だけで描かれる。
 「静」の世界が、これほどまでダイナミックに映し出されるのは、二人の演技の賜物といえる。
 
355764_003_640  出演は他に、師匠の森をリリー・フランキーが、聖の母親を竹下景子、弟弟子を染谷将太、仲間の棋士たちを安田顕と柄本時生、原作者のモデルとなった編集長を筒井道隆が演じる。
 
 今年の東京国際映画祭で公式クロージング作品として上映された。

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